竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~  モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア   作:アママサ二次創作

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第9話 USJ襲撃事件・1

「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイトともう一人、計3人で担当することになった。内容は昨日までとは一新。災害水難火災等の状況下における『人命救助訓練』だ」

 

 オールマイトの代わりに教室にやってきた相澤の言葉にクラスがざわめくが、

 

「まだ途中だ」

 

 という言葉に静かになる。

 

「今回はコスチュームの使用は各自の判断に任せる。コスチュームによっては活動が制限されるだろうからな。その辺りを考えるいい機会だ」

 

 コスチュームによっては燃えやすかったり濡れたら機能が失われたりと、ヒーローにも得意な環境不得意な環境は存在する。それを踏まえてのコスチューム使用自由という言葉だ。

 

「移動はバスで行う。少し離れた場所にあるから準備に時間かけすぎるなよ。以上、準備しろ」

 

 説明を終えると、相澤は一人先に外に出る。急ぐもはしゃぐも生徒次第。ただしはしゃぎ過ぎたら容赦しない。

 

 それを悟ったか、会話はあるものの皆素早く準備を終えて集合場所へと急ぐのだった。

 

 

******

 

 

「百竜、今日の放課後なんだが……」

 

 外に出てバスを待つ間本を読んでいた呼人に、障子が話しかけてきた。呼人は基本的に人と仲良くはするが、積極的に話しかけることがあまりないのでこうして話しかけられる機会が多い。

 

「ん、何かあるのか?」

「訓練を手伝ってくれないか? ヒーロー科の学生には、放課後に屋内演習場の使用が許可されているそうだ」

「ああ、それなら俺も使ってるぞ。ほんとは屋外練習場が使いたいんだけどな」

「……すでに使っていたのか」

「まあ、家と違って多少ぶっ壊しても怒られないし、な」

「うちらも誘ってくれれば良かったのに」

 

 そう愚痴るように言うのは耳郎だ。後ろでは葉隠が『おそらく』何回も頷いている。

 

「葉隠は何で手足のコスチュームはステルス素材にしないんだ?」

「あ、違うよ。これは手袋と足以外脱いでるんだよ」

「脱いでる?」

 

 すなわち裸ということ。堂々とそう言った葉隠に、思わず百竜はじっと見つめてしまう。

 

「ちょっと百竜、いつまで見てんの」

「ん、いや、それで人命救助大丈夫かなと思っただけだ。別に裸を見ようとしたわけじゃない」

「大丈夫って、どういうこと?」

「……剥き出しの肌が危ない、ということか? 確かに火事や水難ならば……」

 

 障子が、百竜の言葉の意味を汲み取って代わりに答える。以前の障子なら気づかなかったかも知れないが、入学してからの百竜と一緒にいることの多い障子は、色々なことに対して自分なりに考える癖を身に着け初めていた。

 

「障子の言う通り、人命救助って火事の現場とか水難の現場とかだろ? 裸じゃあ要救助者より先に体力を消耗してしまうし負傷する可能性も高いだろうと思ってな」

「うーん、確かに。でも服着ちゃうと私の個性ほとんど意味ないし、今日はこのまま行ってみるよ」

「確かに火事とか危ないかも。気をつけてよ葉隠。火傷してるかもこっちからはわからないんだから」

「うん! みんなありがとう!」

 

 皆に心配してもらって葉隠は嬉しそうだ。だが、呼人にはまだ心配することがあった。

 

 後から体操服でやってきた緑谷がいい例だが、普通負傷した場合、外からその様子が伺える。常闇のように闇で覆われていたとしても、倒れていれば何か異変が発生しているのだと判断することが出来る。

 

 だが葉隠が負傷、昏倒した時、彼女がグローブと靴しか着用していないとすると、索敵能力の無いヒーローではそもそも気づくことが出来ないし、索敵能力があっても気づくか怪しい。場合によっては、昏倒したまま火災現場に取り残されたり、人のいる前で気づかれぬまま息絶えてしまったりする可能性もある。

 

 少し酷かもしれないがその事を呼人が伝えようとした所で、頻繁に怪我をする男でおなじみ緑谷と麗日という少女が近づいてきた。

 

「あの、百竜君! それと、えっと……」

「障子目蔵だ。よろしく」

「あ、そう言えば緑谷とこうやって話すの初めてなんだ。こっちばっかり知ってるつもりになってた。うちは耳郎響香。よろしく」

「見えないと思うけど私は葉隠透だよ。よろしくね」

「透ちゃん、また脱いでるんだ……」

「うん!」

 

 緑谷が名前がわからずに戸惑っていることに気付いた障子に続いて、耳郎と、そして恐らく気づかれていなかったかも知れない葉隠が自己紹介をする。

 

「あ、ありがとう! よろしく、障子君、耳郎さん、葉隠さん!」

 

 持ち前の挙動不審を発揮する緑谷であるが、すでにこれまでの学校生活でその挙動不審っぷりはクラスのみんなが知るところとなっているため、みな何も言わない。

 

「俺もよろしく、緑谷」

「あ、よろしく!」

 

 他の3人の自己紹介で完全に空気になっていた呼人が自分の方に視線を取り戻すように言う。

 

「それで、あの、百竜君の演習の映像を見せてもらったんだけど……」

「ぜんぜっん、何してるかわからなかった!」

「……だから説明をしてほしい、と?」

 

 呼人の問いかけに、緑谷はコクリと頷く。

 

「でも緑谷と百竜の個性は系統が違うっしょ? 聞いても参考には――」

「なるだろうな。百竜のやり方は、個性関係なく活用できる考え方を持っている」

「うん、私も参考にしようと思って何回か見てるもん! わかんないけど!」

「まあ、そうっちゃそうなんだけどさ」

 

 耳郎としては、別にわざわざ百竜に聞かなくても先生も解説してくれたじゃん、と言いたいところだが、流石に話を遮り続けるのは悪いと口を閉ざす。

 

「僕、みんなと違って全然個性を扱いきれなくて……」

 

 そう言いながら、緑谷は手を開いたり閉じたりする。その様子を見ると、数日前の演習でした怪我は治っているようだ。演習直後の数日は保険医のリカバリーガールの個性でも治しきれなかったのか腕をつったままで、その後数日も添え木は取れたものの腕を気にしていたのを覚えている。

 

「だから、百竜君の戦い方を参考に出来たらと思って。百竜君以外の人の戦い方も参考にしてるんだけど、百竜君はすごく考えてるって、みんなが教えてくれたから」

 

 そう言う緑谷の後ろで、麗日が笑顔で頷いている。彼女はどうやら、緑谷が頑張っているのが嬉しいようだ。

 

 だが、それに対して百竜はあまり良い顔をしない。緑谷のヒーローや個性の分析への熱意を知っているのだが、呼人のそれは戦い方というよりは人間の心理的隙間だったりとか、あるいは戦闘の推移の予想だったりと、まあ一言で説明できるものではない。そして、恐らく緑谷はそれを知りたがるだろう。

 

「わかった。あの戦闘の解説は、時間があるときになるけど、しよう。映像はまだ見れるのか?」

「オールマイトが、事前に言ってくれれば許可は出せるって」

「わかった。けど先に言っておくが、あれはみんなが油断してくれていたから出来た戦い方だ。警戒されていたらああはうまくいかない」

「うん。―――でも、何かの参考にはなると思うから」

 

 緑谷の、その静かな言葉に、皆それぞれ感じるものがあったのかその場が静かになる。個性を扱いきれていないと落ち込む緑谷をどうにか励まそうとは思ったが、彼はそんなものなど必要としないぐらい、自ら前へと進もうとしている。

 

 そこに飯田の声がかかる。

 

「みんな、バスに乗った順に奥から座ってくれ!」

 

 到着したバスの前で、学級委員長らしくまとめようとしているらしい。呼人から借りた本の内容を絶賛実践中だ。

 

 その声に、皆バスに向かって歩き出し、最後に呼人も続こうとする。

 

「百竜」

 

 そんな呼人に、後ろから轟が声をかけてきた。

 

「次は負けねえ」

 

 どうやら、以前の演習で負けたのを今日取り返すと言いたいようだ。

 それに呼人は、淡々と返す。

 

「勝ち負けそのものには興味はない。だが、お前に言っておきたいことはある。戦闘の場で、目の前の敵以外の事を考えるな」

「なんだと……」

「たかがヒーロー科一年のこの場で勝敗を競っても意味はないだろ。だが、もう一度言う。戦闘の場では、絶対に関係の無い事を考えるな。それは仲間だけじゃなくお前を殺すぞ」

「……そうか」

 

 やはり。轟の目には、百竜の姿は映っていない。まるで、もっと別の何かと戦っているかのように。

 一度ボコボコにすればこちらを見るだろうか。だが、演習での勝敗ならともかく、圧倒的な力を見せつけるなら、クラスのみんなにも見られてしまう。それはまだ避けておきたかった。

 

 話は終わったとばかりに、呼人はバスへと向かっていく。別段腹が立ったわけでもないが、彼が見ているのは目の前の障害物であり、呼人ではない。話しているだけ無駄だ。

 

 バスに乗り込み、耳郎の隣に座る。

 

「何してたの?」

「轟と話してた」

「……轟がああも意地を張るとは思わなかったな」

「そうだな」

 

 彼は、もっとクールなものかと思っていた。例え負けん気はあったとしても、それをはっきりと表に出す人間ではないと。だが、違った。負けず嫌いの、一人の少年だ。

 

 やがて、他の皆も乗り込みバスが出る。

 

 おのおのが自由に会話をする中で、蛙吹の一言が響いた。

 

「緑谷ちゃん」

「えっ!? あ、えと、蛙吹さん?」

「梅雨ちゃんと呼んで。私、思ったことは口に出さずにはいられないの」

「う、うん……」

 

 そう、わざわざ前置きをしてから、彼女は―――

 

「あなたの“個性”、オールマイトみたいね」

「えっ、そ、そんな、いや、そうかな。で、でも別に、普通の―――」

 

 緑谷の挙動不審っぷり、特に女子相手は割といつものことなのだが、それがいつにもまして一段と拍車がかかっていた。だが、本人が意図してか意図せずしてか、それを助けるように切島が話に参加する。

 

「でもよ梅雨ちゃん。オールマイトは自分の個性で怪我なんてしねえぞ。増強型の似た個性ってだけだろ。しかし増強型の個性はシンプルでかっこよくていいよな! 俺の『硬化』は強えっちゃ強えけど対人戦だけなんだよな。しかも地味だし」

「でも、僕は凄いと思うよ。かっこいいし、プロでも通用するし」

「まあなー! けどやっぱヒーローは人気商売ってところあるだろ!? 通用するだけじゃあなあ」

 

 切島の乱入に、緑谷は落ち着いたようで自分の以外の事を話す。

 その、『人気』という言葉に、この中で最も『輝かしい』個性を持つ男が反応する。それはもう、物理的に眩しいという意味でだ。

 

「僕のネビルレーザーは強さも派手さもプロ並みだね」

「お腹壊しちゃうのはだめだよ?」

 

 そして芦戸に撃墜された。

 見るからに顔色が沈んでいる。それでも笑顔を絶やさないのは、輝かしさを意識する彼故か。

 

 そして、話は個性の“派手さ”と“強さ”の両立へと移っていく。

 

「派手さと強さなら、やっぱり爆豪と轟だよな!」

「あんたも電気出せるなら、派手だし強いんじゃないの?」

「俺は電気出せるけど、2人みたいに操作出来ないしキャパシティーも少ないからな。もっと、こう電気を自由に曲げたり出来たらかっこいいんだけどさ」

 

 そんな上鳴の個性の話を聞いて、前回の演習時百竜の事を気にしていた八百万が、そのとき気になった事を思い出す。

 

「そう言えば百竜さん」

「ん? はい、何?」

 

 名前を呼ばれて、話に参加せずに本、というより風景の写真を眺めていた呼人は、本を閉じて顔を上げる。

 

「前回の演習のとき、『電気はあいつの専売特許じゃない』って言っていましたけど、百竜さんも電気を使えるのですか?」

 

 げ、聞いてたの、と思わず呟く百竜に、周りが騒ぎ立てる。実際使わなかったので説明しなくてもいいかななんて思っていたのだ。

 

「まじかよ!? お前電気も使えるのか!?」

「グワッ! 完全に俺の上位互換じゃん」

「……思わせぶりな事ばかり言うからだ」

 

 当の言葉を言った相手である障子にまでそう言われ、百竜はがっくりとする。

 

「じゃあじゃあ、上鳴君の電気が当たってもきいてなかったってこと?」

「百竜君隠してることばっかりでずるいんだ」

 

 芦戸と葉隠の言葉に、皆の視線が呼人へと注目する。

 

「……見てろよ」

 

 呼人がそう言って、籠手を外して肘から先を露出させる。するとそこが赤い肉と黒い毛に覆われていく。そして百竜がそこを5秒ほどこすると、パチパチと青白い電気が毛の間を飛び交っているのが見える。

 

「わあ、ほんとに電気だ!」

「……けっ」

「すごい、ですわね」

 

 口々に皆がそう言うので、呼人は少し声をはり上げて説明する。

 

「これは別に電気を操ってるわけじゃないぞ。この毛が電気を溜める役割を持ってて、静電気の発生率が異常に高いってだけだ。上鳴みたいに自分で発電したり放電したりってのは無理だよ。それにあの時は毛を纏ってなかったから、食らってたらバッチリビリビリしてる」

 

 その説明に、電気の扱いを得意とする上鳴が食いつく。

 

「マジ? じゃあちょっと電気流してみても良いか?」

「良いぞ」

 

 じゃあお言葉に甘えまして、と上鳴が百竜の手に触れ、そこに電気を流す。すると、先程を大幅に超える電気が毛の間にたまり、それを受けて眠っていた毛が逆立って白い光を帯び、まるで臨戦態勢のようになる。

 

「おお、すっげ! なあ百竜、この毛って何かに使えねえのか? ほら、コスチュームとか」

「使おうと思えば使えるぞ。俺のコスチュームも似たようなもんだからな」

「マジ? なんかに使えそうだから、毛刈ってくれねえか?」

「ちょっと上鳴」

 

 非常に正直に言う上鳴を耳郎がたしなめ、呼人が苦笑する。ド直球が過ぎるというものだ。だが、呼人にとっては別に不都合な提案じゃない。

 

「飯をおごってくれるなら良いぞ。出したものを戻さないとその分のエネルギーを消費したまんまになるから腹が減るんだ。ただ、ちゃんと考えてからな」

「マジ!? じゃあなんか考えてみる! ありがとな」

 

 そう嬉しそうに言う上鳴に、葉隠と耳郎が羨ましそうな目を向けていた。気付いたものは皆無であったが。

 

「あの、百竜さん、私にも少しいただけませんか? サンプルとして解析することができれば、私も再現できます」

 

 そう言う八百万の個性は、分子構造、原子構造のレベルで知っている物体を、自分の体から作り出すというものだ。作り出すと言っても体をちぎったりするのではなく、体から生えてくるというのが近い。そのため彼女のコスチュームは非常に露出が多いものとなっており、特に使いやすくするためか太ももとか胸とかが際どい。そのせいで主に峰田とか峰田とかが息を荒くしていたこともある。

 

「わかった。確かに八百万なら、わかれば再現できるからな」

 

 彼女の個性は強力であり、その実態はすでにクラスに広まっているので呼人も観察の結果ではなく事実として知っている。彼女の個性であれば、神王寺お墨付きで『原理的にはありえるけどこの世界に存在する物質じゃない』と言われたそれも再現できる可能性が高い。

 

「ありがとうございます!」

「言っとくけど、これは本当に電気をためるだけだからな。これで作った服とか着てたら電気が溜まったもの身につけるのと同じだし、実際俺も変化してないところがバチバチしてるからな。電気を防ぐ性能はないぞ」

「それでも、何かの役にきっと立ちますわ」

 

 ならいい。今度なんか入れ物もってきてくれ。そう呼人が答えようとしたところで、相澤の放送が響いた。

 

「もうすぐつく。はしゃぎすぎるなよ」

 

 そう言う相澤の目は、だが、外から見てはわからないが優しさがこもっていた。




前話の後書きで現在職場体験の序盤まで書いていると言いましたが、最近全面戦争以降(つまり最終盤)のストーリー(完全オリジナル)の妄想がはかどって困っています。そこまで私の文字を書く力は続くのか……!

最近あらためてワールド遊んでますが、オドガロンの足の構造とかなんか面白いですね。鹿とか馬と違う構造してることにようやく気づきました。

後ゲーム上はハンターを俯瞰してる映像だからそんなに感じないけどモンスターがでかいことでかいこと。オドガロンの口とかハンターの上半身ぐらいならぱくっと一口で持っていきそうです。モンハンをVRかせめて一人称で戦わなくても良いからモンスターを観察出来るコンテンツないですかね。wikiのサイズとか最大金冠の情報とか見てるけどやはり想像より実際に見てみたいです。

小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか

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  • あまり興味がない
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