と言うわけで投稿します。
第一回BoB・予選
VRMMORPG『ガンゲイル・オンライン』
その最強を決めるイベント『バレット・オブ・バレッツ』
俺はそれにエントリーした。しかし、エントリー締切三十分前になってその事を後悔した。
俺には他人とは違った
幼い頃はそれが異常だと気が付かず、他人から敬遠されて来た。今はこの
閑話休題
今、俺の全身を今まで感じたことの無い悪寒が駆け巡っている。その原因は今、BoBのエントリーを終えていた。短く切りそろえた飾り気のない色素の薄い金髪に碧眼、そしてこれまた飾り気のないロービジで機能性重視な現代風戦闘服に身を包んだプレイヤー。以前、たまたま連行される連続殺人犯を見た事があるが、ソイツが可愛く見えるくらいこの金髪ヤローはヤバい。
エントリーを取り消すか?
一瞬その考えが頭を過ぎったが、首を振って振り払う。
ここで逃げたら
俺は覚悟を決めた。
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予選は難なく勝ち進み今から決勝戦。本戦へはそれぞれの予選リーグの1位と2位が出場出来る為、この決勝は勝たなくてもいい。しかし対戦相手が問題だった。
Mafty Naveyu Erin vs Strizer
「マジで落ちたい」
思わず口から零れてしまった本音。ヤツの予選を見たが、アレは間違いなくプロだ。しかしあのヤバい気配で正規軍人は無いだろう。となるとPMC所属の傭兵とかか?マジで勘弁してほしい。
「まあ、いつか殺り合う訳だし早いか遅いかの違いだけか···」
恐らく弱気な選択をすれば本戦で呑まれる。あの化け物相手に勝ちに行かなければならない。カウントが10を切った所で通常よりもバレルの長い愛用のS&WM500カスタムをいつどの方角にも撃てるように自然体で右手に持つ。
「さあ、行くぞ。なんとでもなるはずだ!」
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フィールドは『今は亡き繁栄の残響』。近未来の滅びた都市のメインストリートを中心としたモール跡地と言う設定のフィールド。メインストリートは出れば運が悪いと蜂の巣確定なので、ここを挟んで撃ち合うのがセオリーだ。
しかし俺、そしてヤツもそんなセオリー通りの戦いなどしない。ヤツは今までの予選を見れば一目瞭然。
俺は力の影響か仮想世界での動きに違和感がない。いや、むしろ仮想世界の方が思い通りに動く。それこそ軽業スキル無しで三次元起動が出来る位だ。それ以外にも俺は自分を中心とした半径約100m内の空間の構造、プレイヤーやmobの位置などを正確に把握できるし、アシスト無しで武器を使いこなす事が出来る。
閑話休題
「まあ、こんな強烈な気配だと距離なんて関係ないな」
フィールドに転送された瞬間から感じるサトライザーの気配。どうやらヤツはメインストリートを挟んで反対側に居る。
それにしても、サトライザーの事を抜きにしても今日の俺は変だ。いつも以上にアバターが馴染むし空間把握の範囲も広がっている。更には銃もいつも以上に容易く扱えている。ヤツとの接触が俺の力に何か影響を及ぼしているのか?
しかし、今考える事では無い。
ヤツのプレッシャーに呑まれたら負けだ。とにかく攻める。いつもやっている事だ。
俺のステータスはSTR−AGI型だ。プレイスタイルは簡単に言えば隠密行動か弾を避けるか光剣で弾きながら接近。S&WM500カスタムで頭を撃ち抜くかそのまま詰めて光剣で滅多切りにするかどちらかだ。
サトライザーはプロだ。故にクロスレンジは無策だと自殺行為。必然的に撃ち合いで殺すかクロスレンジでの対応ができない程のスキを作って斬るかになる。
とりあえずメインストリートを渡り切ること、それが出来なければ始まらない。
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俺はサトライザーから離れた場所を選択し横断した。まあ、500メートル以上離れていたから気付かれてはいない。そのまま
バレットラインの無い弾丸。これで終われば良かったが世の中はそうそう甘くない。事実サトライザーは紙一重で銃弾を避けてみせた。
「
ヤツが何か言っている間に俺は柱や天井を使い三次元機動を行いながらヤツに銃弾をぶち込みまくる。頭、心臓、肝臓、頸動脈などの急所に向けて飛んでゆくがその殆どを避け、避けきれない物はナイフで弾かれた。しかし、その間に俺は一階に着地する事が出来た。行動が制限される空中に留まるのは危険だ。特にヤツ相手だと尚の事。
俺は撃ちきった右手のS&Wを片手だけで素早くリロードしながら左手のS&Wの銃口をサトライザーから離さない。
対峙してみて改めて思い知らされる。凄まじいプレッシャー。正直言って怖い。だがそれ以上に負けたくない。負けられない。こんなヤツに土足でこの世界を踏み荒らされてたまるものか!!
「来い!リアルでの経験と技術の差が仮想空間での戦闘能力の決定的差ではないということを・・・教えてやる!!」
俺はサトライザーに向けて引き金を引いた。
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サトライザーとの会敵からどれ位時間が経っただろう? ヤツとの殺し合いは序盤は俺の圧倒的不利から始まった。当たり前だ。歴戦の傭兵とただのゲーマー。結果は分かりきっている。しかし、今では互角以上に戦えている。それはなぜか?
早い話が俺の
サトライザーもさるもので自分の思考を読まれている事に気が付いたのか、ギリギリまで次の行動の思考が読め無くなった。
ヤツが行っているのは反射と思考の融合とでも言おうか。文字通り反射と思考を同時に行う事で思考を読まれた時のリスクを減らしているのだ。残ったリスクは経験と技量のゴリ押しで解決している。この化け物め。
正直自分のこの状態がいつまで続くのか分からない。早急にケリを付ける必要がある。
俺は後退しながらヤツの銃撃をワザと避け損ねた。サトライザーは一瞬眉を動かしたがそれだけ。冷静に俺に追い縋ってくる。かかった。
カラン
バッ
文字にできない様な爆音と強烈な閃光が俺とサトライザーの丁度中間地点で発生する。俺のスタングレネードだ。
ヤツの銃撃を利用して安全ピンとフックを外したのだ。モール内は薄暗く足元は瓦礫などで見えづらい。更に俺はグレネードの類は装備のロングコートの内側に隠している。サトライザーが反射と思考の融合の状態で動いていたから出来た芸当だ。
俺は閃光の中、
チュイチュイーーーーーーン
バスッ
「ッ!?」
サトライザーが体制を崩した。俺が撃った銃弾が跳弾し、ヤツの右足首に喰らいついたのだ。俺はS&Wの引き金を引いた。両腕でガードされたが500S&Wマグナムの威力は強力だ。一瞬で両腕が使い物にならなくなる。しかしこちらも弾切れ。だが俺はそれを織り込み済みでサトライザーがガードに入った瞬間に間合いを詰めていた。
「ここから···」
右手に握るのは光剣アメノムラクモG。
「ここから出ていけーーーーーーーーー!!」
俺は、その光の刃で視界の塞がったサトライザーの胸を貫いた。
本編に書けなかった解説
ニュータイプ能力を利用したスニーキング
仮想世界における空間把握能力を使い自分のいる空間を詳細に理解しそこに自身を溶け込ませる。仮想世界だから出来た事。