楽しんでいただけたら幸いです。
ではどうぞ!
『止まらない!止まらないマフティー・ナビーユ・エリン!!何という事でしょう!最初に同じリーグ予選突破者であるサトライザー選手を4キロ以上離れた場所からの狙撃で仕留めてから、まるで水を得た魚のように次々とライバルたちを倒していく!既に今大会の最多PKは彼で決まってしまった!』
画面の中で彼、マフティーが走り回る。見たところ、彼は一度も被弾していない。最小限の動きで避け、マグナム弾を相手の頭に撃ち込んで通り過ぎてゆく。
一瞬見えた表情からは、ここを出る時に感じた何かを討ち果たさんとする決意の色は見られない。ただ全力で、このゲームを楽しんでいる。
私はどうだろうか? このゲームを始める切っ掛けは弱いと思っていた幼い自分との決別だった。でも優輝は、マフティーはその弱さもまた強さだと教えてくれた。私が今この世界で求めるものは何なのか···
実はもう分かっている。
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優輝との出会いは唐突だった。私が遠藤さん達からお金の要求を突っぱねて、発作を引き起こされた時、彼は現れた。途中までは意識が少し朦朧としていたから分からなかったけれど、背中を優しく撫でる彼の手の暖かさだけはハッキリと覚えている。
遠藤さん達を追い払う時の優輝はちょっと怖かったけれど、あの事件以来ここまで直接的に助けられた事は無かった私にとっては些細なことだった。発作でモドしていた私を気遣って、ペットボトルの水を買って口を濯ぐよう言ってくれたのも有るけれど。
でも、だからと言って初対面の男の家にホイホイ付いて行ったのは流石にどうなのかと今になって思う。まあ、結果オーライと考えましょう。
閑話休題
優輝の家は、周りを塀に囲われた、所謂高級住宅と言うものだった。最初は尻込みしたけれど、人の良さそうなお手伝いさんのハナさんに出迎えられた事で緊張は取れた。
リビングに案内され、深く腰掛けるのが躊躇われる高そうなソファーに浅く腰掛ける。そして聞かされたのは優輝の持つ力の事、そしてその力で私の過去を見て、心に触れてしまった事。彼は私にその事を謝罪した。
意味が分からなかった。黙っていれば良かったのに、自分の秘密を打ち明けてまで謝ってきて、あまつさえ人殺しの私を良いやつと言う優輝が理解出来なかった。
でも、優輝の心からの言葉で、私の中で溜め込んできた色々なものが決壊した。彼の胸に顔を埋めて泣いた時に感じたのは、彼の暖かい心だった。
その後、結婚記念日のお泊りから帰ってきた彼の両親、と言うか母親の椿さんの提案で昼食を頂く事になった。その最中、椿さんと話に花を咲かせているといつの間にか楠田家に居候させてもらう事になっていた。あの事件の事も話して断ろうとしたけれど逆に慰められてしまった。
それから色々と準備している時に、彼もGGOプレイヤーである事を知った。それも今回のBoB優勝候補の一人であるマフティー・ナビーユ・エリンだったのだから驚きだ。
更に驚いた、と言うより困惑したのは新川君···シュピーゲルの事だった。今日グロッケンであった時に彼から感じた、あの粘着性のある気配。それに怯えてしまって一歩下がった時に見せた狂気を宿した目。
正直、何で今まで気が付かなかったのか不思議で仕方が無い。マフティーは私にも彼の言う
もし、彼と出会って居なかったら、私の未来は明るいものでは無かっただろう。この出会いは、運命ってヤツなのかしら? でも、優輝なら私が勝ち取ったものだって言いそう。
ホント、こんなに濃い一日は生まれて初めて···
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画面の中で暴れ回っているマフティー。最後になって強敵と当たり苦戦しているけど、とっても楽しそう。正直相手のプレイヤーが羨ましい。こんな楽しそうな時間を彼と共有出来ているから···
自分でも少しチョロ過ぎな気がするけど、私は彼に惹かれ始めている。でもちょっと悔しい。彼は私の過去も心も見て感じたと言うのに、私は彼の事をほとんど知らない。彼を知りたい、感じたい、出来れば、ずっと一緒にいたい。でも寄り掛かるのはダメ。
私は強くなる。
『決まったーーーーーーーーーーー!!!!激戦を制し、見事ガンゲイル・オンライン最強の座に君臨したのはーーーーーーーーーーーー···マフティー・ナビーユ・エリンだあぁぁぁああ!!!!』
でも先ずは、最強となった彼を笑顔で迎えよう。今なら、今まで生きてきた中で一番の心からの笑顔を浮かべられそう。そして言うんだ。
私と出会ってくれてありがとうって
書いてみて思ったんですけど、ウチのシノン、ちゃんとシノンしてますかね? 大丈夫ですかね!?
閑話休題
次章は時間が飛んで第二回BoB後となります。お楽しみに!
シノン視点の話はいりますか?
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いる
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いらない
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どっちでもいい