ニュータイプが行く仮想世界   作:メカ好き

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本日2話目です。どうぞ!


第三回BoB
近況・魔改造銃


 詩乃と出会ってから、つまり俺が第一回BoBで優勝してから3ヶ月が経った。あの日の翌日は彼女の実家への事情説明から本格的な引っ越しなど色々と忙しかった。部屋は俺に弟か妹が生まれた時の為に両親が二部屋ほど開けていたのでそのうち一部屋が詩乃の部屋となった。

 

 それと、詩乃は学校を転校する事になった。あの女共の事もあったがそれ以上に新川某の暴走が懸念された為だ。休み明けからは俺と同じ学校に通っている。

 

 ウチは母が名家の出である他に、父が自分で立ち上げ大成功した大きな会社の社長と言うのもあって、俺もそこそこレベルの高い進学校に通っている。

 

 詩乃はそこで学費の免除を受ける程の優秀な成績を収めた。元々東京に出て来て一人暮らしをしてきただけあって要領がいい。ウチに住みだして、精神的にも体力的にも余裕が出てきたのもあって、前の学校に居た時も学費の免除を貰っていたそうだが、その時よりも成績が良いくらいだ。

 

 寧ろ俺が勉強を教わっているくらいだ。俺の成績も悪くは無いのだが、得意分野と不得意分野で差が激し過ぎる。現国とか古文とか歴史とかどこで使うんだよ要らないだろ。

 

 リアルはこんな感じで順風満帆であったがGGOはそうでも無かった。話は第一回BoB本戦に遡る。俺はあるプレイヤーと本戦最後の戦いを演じた。そのプレイヤーの名は闇風。現在ではランガンの鬼と呼ばれ第二回BoBで戦術眼に長けレア武器を適切に使い分けるゼクシードと、空間把握を十全に使いこなし5キロオーバーの狙撃を成功させるシノンを下して優勝した実力者だ。

 

 当時、予選前までの空間把握の範囲の問題で中距離の武器を持っていなかった。しかしそれが原因で俺は苦境に立たされた。長距離狙撃はサテライトスキャンで大体の位置を把握されていた上、AGI一極のステータスと高いプレイヤースキルで躱されてしまった。

 

 そして、彼我の距離が100mを切った瞬間からが地獄だった。闇風は自分が有利な距離─約90m─を自慢の足とプレイヤースキルで維持しながらメインウェポンであるキャリコM900Aを撃って来たのだ。俺の武器はS&WM500カスタムと光剣アメノムラクモG、そしてSVLK-14Sスムラク。いくら改造してあるとは言え拳銃であるS&WM500カスタムとデカくて取り回しが悪いスムラクは使えない。プラズマグレネードがいくつかあったがあの速さでは当てられない。

 

 場所が砂漠だったのも悪かった。遮蔽物が殆ど無いため撃たれっぱなしなのだ。出来るだけ避け、どうしても当たる弾丸を光剣で弾く位しか出来ない。無理矢理距離を詰めようとすれば逃げながらプラズマグレネードを置いていくのでもう八方塞がりだった。

 

 そんな中、天が、と言うかシステムが俺の味方をした。風向きが変わったのだ、都市廃墟から砂漠に向かう方向に。俺は都市廃墟の方角に向かい走り出した。闇風の追撃を躱しながらバレないようにプラズマグレネードを進行方向に向かって落し、踏んで砂に埋めていく。

 

 数秒後に起きた爆発は闇風を巻き込むことは出来なかったが、大量の砂埃を舞い上げた。その砂埃は風にのって後方の闇風を呑み込む。俺は爆発を確認して直ぐに反転、砂埃に紛れて気配を溶け込ませ空間把握を使い闇風の背後に回り込んだ。そしてそのまま光剣の柄を突き付けスイッチ・オン。いわゆる忍殺で闇風を倒したわけだ。

 

 本当にギリギリの戦いだった。何か1つの要素が抜けていれば俺は勝てなかっただろう。シノンに勝ってくると言っときながら負けて帰るなど出来なかった。

 

 この戦いで、俺は今の自分の弱点を見つけた。自分より速い相手に距離を置かれると何も出来ないと。俺も速い方だがAGI一極のプレイヤーには負ける。故に新しい銃を手に入れる事にした。

 

 俺のプレイスタイルは一撃必殺。力をフルに使って相手の攻撃をくぐり抜け一発で頭を撃ち抜く戦い方をする。というのもフルオートやバーストだとシステムアシストを切れないので命中率がガクリと下がるのだ。

 

 俺はBoBの次の日からプレイヤーが経営するガンショップをハシゴして色々と見て回った。しかし俺はBoB優勝者なのでほとぼりが冷めるまで顔を隠さなければグロッケンを歩き回れない。しかもどのショップにもピンと来るものが無く無駄足に終わった。

 

 プレイヤーが経営する店で売っているのはプレイヤーメイドかドロップ品ばかりで店売りの物は存在しない。と言うわけで、初心に戻り公式のガンショップに行ってみた。そこである銃と出会った。

 

 M1ガーランド。アメリカで開発された半自動小銃だ。このライフル、1936年に正式採用になった第2次世界大戦を象徴する銃で人気がある。この銃の特徴はアンブロック・クリップを採用した装填方法だろう。

 

 クリップとは薬莢の底部にはめ込むことで、5~8発ほどの弾薬を一つに纏める器具の事だ。そしてアンブロック・クリップはクリップごと装填するタイプで、マガジン内の全弾を撃ち切ると、排莢する際に同時に排出される。

 

 このM1ガーランドは上部から薬室にアンブロック・クリップで固定された八発もの弾薬を素早く装填する事ができる。有効射程も500ヤード(457.2m)と申し分ない。しかしパラメータを見るにトッププレイヤーと戦うには心許ない。

 

 ならどうすれば良い? 簡単だ、改造すればいい。今回はレアドロップであったS&WM500の時とは違い店で何丁でも変える代物だ。つまり壊れる事を前提として試行錯誤しながら改造する事が可能なのだ。と言う訳でたちまち20丁購入、その日から試行錯誤の日々が始まった。

 

 最初のうちは一日一丁は銃を壊していた。なんせ今回は隅から隅まで魔改造すると決めていた為、壊れるのを気にせずにチャレンジ精神全開で作業を行っていた。

 

 大分データが出揃いだした頃、今度は必要な素材が足りなくなった。素材は銃制作スキルや改造スキル、弾薬制作スキルを取っていたため大量に溜め込んでいたんだがな···。因みにこれまで壊したM1ガーランドの数はゆうに30丁を超えていた。

 

 素材収集は購入と周回が基本だ。鉱物系はプレイヤーから購入出来るがそれ以外はmobからドロップするしか無い。周回は荷物持ちを雇い行った。襲撃はされる前に俺が2キロ離れた場所から一方的に狙撃するので問題なかった。寧ろ襲撃者からのドロップ品を売り捌いて今までの赤字を取り戻せたのだから彼等には感謝している。

 

 別に銃の魔改造ばかりしていたわけでは無い。シノンに力の使い方とそれを利用した狙撃のレクチャーもしていた。シノンは空間把握が俺以上に上手い。通常時の空間把握の領域は半径1kmの円状だが、俺がサトライザーにやった様に、空間把握の領域を変形させて伸ばしても精度が全く落ちないのだ。しかもその時の最長把握距離が8kmにも及ぶ。これはヘカートⅡ最大射程と言われている7kmを完全にカバーしている事になる。

 

 因みに、なぜ俺がサトライザーにだけ空間把握の領域の変形による狙撃が出来るのかと言うと、空間把握の力だけでなく思考の読んだりプレッシャーや気配を感知する力と組み合わせているからだ。ヤツの気配はいい目印になった為、空間把握を集中させる事が出来たのだ。

 

 閑話休題

 

 そして先日、とうとう新しい相棒が完成した。その名もM1ガーランドフルカスタム。各種部品をレア素材を使った目的に沿った高性能な物に変え、ストックはグリップを除き全て削り、バレルも19インチまで短くした魔改造銃。そのデザインはガンマニア達を発狂させるに十分な程冒涜的な物となっている。有効射程は500m、使用弾薬は薬量を増やした.30-06スプリングフィールド弾で一発当たりの威力はS&WM500カスタムを上回っているという結構イカれた銃となってしまった。しかも全長30インチ(本来のM1ガーランドは約44インチ)と取り回しやすい長さとなっている。

 

 昨日ダンジョンに潜りmob相手に使ってみた所、想定していた以上に俺のスタイルとマッチしており、そのままボスも倒してレアドロップもかなりの量手に入れる事が出来た。

 

 さて、もう直ぐ第三回BoBが始まる。前回はガーランドが出来上がっていなかった事に加え、サトライザーが姿を表さなかった為に見送ったが今回は出場する。闇風やシノンだけで無くゼクシードを始めとしたココ最近トッププレイヤー入りした連中もいるようだし、これでサトライザーが居なければ最初から最後まで楽しい大会に成りそうだ。




フラグが立ちました。

シノン視点の話はいりますか?

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  • どっちでもいい
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