ニュータイプが行く仮想世界   作:メカ好き

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キリコちゃん登場です。ではどうぞ。


コンバートの男の娘・BoBエントリー

 ここ最近噂に聞いていた死銃について進展があった。どうも前回のBoBエントリーでコソコソしていたヤツが死銃である可能性が高まったらしい。ソイツは前回のBoB出場者の住所を知っている可能性が高いらしくGGOプレイヤーのネットワークで注意を呼びかける連絡が行き交っているそうだ。

 

 この件に対して運営会社のザスカーは無言を決め込んでいる。何やってるんだよって話だが、連中の運営を見るに金になればそれでいいって感じがする。GGOはコンテンツとしてはかなりのものだから続いてほしいんだが···

 

 因みに俺は母方の祖父にこの事を相談したところ、調べておいてやると色の良い返事を貰えた。祖父の立場上、新技術であるVR技術の早々の衰退は歓迎できるものでは無い。場合によってはザスカーを買収してでも今回の真相を暴き出す積りらしい。

 

 今分かっている事は、ゼクシードと薄塩たらこがリアルで変死した状態で見つかっている事。腐敗が進んだ影響で詳しい事が分からなかった事に加え、2日間飲まず食わずであった事が分かりそれが死因である心不全に繋がったと警察は見ているようだ。その事から死銃の協力者は高性能の無針注射器で何らかの薬品を被害者に打って殺害した可能性が高い。それなら司法解剖だけでは分からない。もっと高度な検査が必要になってくる。それをする必要のない根拠もあるとなっては検査はされないだろう。よく練られた計画だ。おそらく犯人かその身内に医療従事者がいる可能性が高い。これは事件が解決しても荒れそうだ。

 

 俺とシノンのイン中の安全はバッチリだ。ウチの家は防犯や守りと言う面では物理的にも表や裏的にもかなり硬い。と言うかウチの家族を狙うと犯人が色々とヤバい。正直生きてても死んでても表社会には二度と出て来られないだろう。

 

 閑話休題

 

 今日は第三回BoBの予選。なのに俺はグロッケンの初期リスポーン地点にいる。ここは拠点を持たないプレイヤーがリスポーンする場所であると同時に、初めてプレイするプレイヤーが最初に降り立つ地点でもある。

 

 なぜ俺達がこの場所に居るかというとある人物を待っているからだ。どうやら死銃の一件は総務省の仮想課の目に止まっているらしく、一週間前にそこに所属する菊岡という人間がある人物に接触したらしい。また、彼はある病院の一室の貸出許可を取り付けたようでその日付が今日と明日だった。多分、菊岡なる人物はその協力者に死銃との接触を依頼したんだろう。インする場所が病院だったのはオカルト的な要素を警戒しての事か···。どの道、この一件が殺人事件である可能性は低いと考えている筈だ。

 

 そこで俺が接触し事情を説明して協力を得る事にした。まあ、菊岡が接触した人物がアイツなら大丈夫······だよな? 俺が初めて会った時はコミュ障を患ってたけど、こう言った情報収集を必要とする依頼を持ち込まれるくらいには治っているよな?

 

 そんな事を考えているとエフェクト発生光に気が付き顔を上げた。ちょうどエフェクトが終了するタイミングだったようで光の塊が弾ける。しかし、中から出てきたのは黒の長髪の少女だった。

 

 ···俺の記憶が正しければ男だった筈だが······ネナベだったのか?

 

『な、なんじゃこりゃ~〜〜~~~~!?』

 

 どうも彼女? にとっても想定外の事態だった様だ。そう言えば噂で男の娘仕様のアバターがあるって聞いた事があった。もしかしてそれか? まあ、下らない事を考えてないで早く接触しよう。俺は件の男の娘に近寄った。

 

「おい、ビギナーのお前」

「え、えっとおっ、私ですか?」

「無理に女っぽくしなくても、さっきの奇声からお前が男だって分かってっから」

「そ、そうか? なら良かった」

 

 安堵する男の娘。どうやらコミュ障は完全では無いが治っているようだ。良かった良かった。

 

「俺はマフティー・ナビーユ・エリン。よろしく、キリト」

「ま、マフティー!?っていうか何で俺のキャラネーム」

「俺はアンタの依頼人の上の方の協力者だよ。なんか勝手に動いているから手綱を握っとけって言われてんだ」

「はぁ!?」

 

 俺の虚実を混ぜた説明を聞いて声を荒げるキリト。因みに依頼人である菊岡の上の方って言うのは事実だ。後は嘘だけど。正直キリトにはこの菊岡って奴と縁を切ってほしい。色々と怪しい奴らしいのだ。祖父は財政界では猛威を振るえるが国防関係となると別だ。菊岡の古巣である防衛省ではVR関係の計画が進められており、菊岡はそこから派遣されている事ぐらいしか祖父も分からなかったそうだ。

 

「こっちの方じゃ、色々と進展があったんだ。アンタの装備を揃えながら情報交換と行こう」

「あ、ああ」

 

 そう言ってやって来たのは俺のホーム。また派手に暴れたため在庫が凄い事になっている。

 

「取り敢えずメインウエポンを選ぶか。銃だけじゃ無く剣もあるが」

「剣があるのか!」

 

 そう言って目をキラキラさせるキリトに俺は性能の良い光剣を二本投げ渡す。

 

「光剣って言って分かりやすく言えばス○ー・○ォーズのラ○ト○ーバーだ。重さは残念ながら無いが宇宙船の装甲板以外なら何でも切れる」

「おおー」

()()()()()()()()()S()T()R()-()A()G()I()()()()()()()。なら銃は無理に狙わず弾をばら撒けた方が牽制になる」

 

 そう言って集弾性に特化したカスタマイズをされたUZIと予備の弾倉を渡す。

 

「死銃の件だが、殺人事件である可能性が高まった」

「さ、殺人事件!?」

「ああ、どうもGGOでの銃撃と合わせて殺害しているようでな。住所の特定方法は分かったんだが侵入方法と容疑者のリアルが定かじゃない。消去法で何かしらの薬を高性能な無針注射器で打って殺害している事は分かった。その事から容疑者に医療従事者、またはその関係者がいる可能性が高い。今回はヤツと接触して容疑者の絞り込みに必要な情報を得るのが目的となる」

「···分かった。出来るだけ頑張るよ」

「おいおい、そんな弱気で大丈夫か?」

「あんたらみたいな人外が跋扈する魔境に飛び込むこっちの身にもなれ!」

「それだけ元気なら大丈夫そうだ」

 

 それと、誰が人外だ失礼な。

 

 

 

 ─────────

 ───────

 ─────

 

 

 

 あの後、防具を見繕い俺達は総督府へと急いだ。時間が無かったので俺は自前のロボットホースを、キリトはレンタルのバギーを使い向かった。時間はギリギリだが何とか間に合い、エントリーを済ませシノンの元に向かった。

 

「上手く行った?」

「ああ、取り敢えずこちらと歩調を合わせるくらいはしてくれそうだ」

 

 今回は大捕物だ。死銃と呼ばれるプレイヤーのリアルを捉える為の大捕物。参加者は一般プレイヤーから魔境の住人と呼ばれるトッププレイヤー達、そしてそこにキリトが加わる。

 

「気配からして5人か、予想より多いな」

「やっぱり? 私も最初は自分の目を疑ったわ」

 

 前回のBoBエントリーの騒動から、容疑者がオプチカル・カモの機能を搭載したアイテムを所有している可能性は示唆されていた。だが今回その条件に適する存在が5人に増えている。俺の空間把握と気配感知でもその5人を把握している。しかも···

 

「どうも方向性は違うがサトライザーに迫るやばい奴が一人混じってるな。しかも他の4人も相当殺してるぞ。10人は殺してんじゃないか?」

「···何でそんなヤツらが日本に居るのよ? まさか日本でそれだけの殺人を犯したとでも言うの?」

「海外からログインしている可能性はあるが、それは一番ヤバいヤツだけだろ。他はおそらく日本からログインしている。彼奴等の仮想世界への馴染み具合···多分SAO生還者だ。それも殺しを是とするレッドプレイヤーと呼ばれていた連中だろう」

「ッ!?」

 

 驚愕するシノン。俺は大丈夫だと頭を撫でる。このネット社会で人の口に戸は立てられない。SAO内での出来事の一部は様々な所で暴露されている。特にレッドプレイヤーの情報は恨みのある者達によって積極的に拡散されている。事実、それに関する襲撃事件もあったくらいだ。その被害者が本当にレッドプレイヤーであったかは別にしてだが。

 

「幸いキリトも居る。こりゃあ、早くに片が付きそうだ」

 

 連中に取っての不幸は、GGOトッププレイヤーである俺が祖父の孫であった事だろう。故に早い段階で種も仕掛けもある殺人事件である事実が露呈した訳だ。何にせよ、早く確実に片付けよう。ここは全GGOプレイヤー(俺達)の遊び場だ。それを汚し、剰え死者を出したのだ。ただで済むとは思うなよ。




さて、死銃の手口の一部がバレた影響で原作改変です。どうなる事やら。

シノン視点の話はいりますか?

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