艦娘妄言録:re   作:喬 

1 / 4
「提督」 「どうした、赤城」 ─ 赤城

「私、この鎮守府で……提督と出会えて本当によかったです」

  

「……俺も、お前と出会えてよかったよ」

 

 

 

 

 私の心の奥の奥底まで覗き込むような瞳を向けて、提督は微笑んだ。

 

 私は提督のこの笑顔が大好きだ。

 弓を射る時より、ご飯を食べる時より、なによりこの笑顔を見るのが大好きだ。

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「私のこと、好きですか?」

 

 

「ああ、大好きだ。愛している」

 

「ふふっ。私も愛していますよ」

 

「……そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「提督の手……温かいです」

 

「そうか」

 

「はい」

 

「お前は……いや、お前も温かいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「初めて出会った日のことを、覚えていますか?」

 

「もちろんだ。お前はこの鎮守府で初の正規空母だったからな」

 

「あの時の提督ったら……ふふっ。子供みたいに喜んでくれましたよね」

 

「それはもう忘れてくれ……」

 

「ずっと覚えていますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「私は、提督のお役に立てましたか?」

 

「……愚問だよ。俺はお前がいなきゃ生きていけないんだ。……今までも、これからも」

 

「そうですか……」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「……生きてくださいね」

 

「…………」

 

「どうして答えてくれないのですか?」

 

「ごめん。……ただ少し、ぼぅっとしてただけだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「笑ってください」

 

「……難しいな」

 

 

 そう言いながらも、少し口角を上げ、私の目をしっかりと見据え微笑んでくれる。

 

 ああ、大好きな、私の大好きな笑顔だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督」

 

「どうした、赤城」

 

「ありがとうございます」

 

「…………」

 

「困った人ですね」

 

「俺は──」

 

「私を選んでくれて、ありがとうございます」

 

「……こちらこそ、ありがとう。こんな俺を支えてくれて、こんな俺を選んでくれて……本当に、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督!」

 

 

 

 血相を変え、ノックもせずに加賀は執務室の扉を乱暴に開いた。

 普段の彼女からはあり得ない行動──つまり、そういうことなんだ。

 

 

 

「どうした、加賀……」

 

 俺はその様子に驚きもせず、冷静に返した。

 全てを呑み干すにはきっとまだまだ時間はかかるのだろうけど、全てを知っていたから、まだ涙は出なかった。

 

「赤城さんが……赤城さんが……っ!」

 

 ぽろぽろと大粒の涙が加賀の頬を伝って、執務室の床へと流れ落ちていく。

 上手く喋れず、唇を震わせるだけの加賀に、なにもしてやれることはなくただただ次の言葉を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 ──提督。

 

 

 

 

 

 

 

「赤、城……さん、が……轟沈……しました……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──さようなら……提督。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「というSSを考えたのですが、どうでしょうか?」

 

提督「それ 却下デース☆」

 

 

 




読んでくださった方がいればお礼申し上げます
いっぱい食べる赤城さん大好き
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。