「私、この鎮守府で……提督と出会えて本当によかったです」
「……俺も、お前と出会えてよかったよ」
私の心の奥の奥底まで覗き込むような瞳を向けて、提督は微笑んだ。
私は提督のこの笑顔が大好きだ。
弓を射る時より、ご飯を食べる時より、なによりこの笑顔を見るのが大好きだ。
「提督」
「どうした、赤城」
「私のこと、好きですか?」
「ああ、大好きだ。愛している」
「ふふっ。私も愛していますよ」
「……そうか」
「提督」
「どうした、赤城」
「提督の手……温かいです」
「そうか」
「はい」
「お前は……いや、お前も温かいよ」
「提督」
「どうした、赤城」
「初めて出会った日のことを、覚えていますか?」
「もちろんだ。お前はこの鎮守府で初の正規空母だったからな」
「あの時の提督ったら……ふふっ。子供みたいに喜んでくれましたよね」
「それはもう忘れてくれ……」
「ずっと覚えていますよ」
「提督」
「どうした、赤城」
「私は、提督のお役に立てましたか?」
「……愚問だよ。俺はお前がいなきゃ生きていけないんだ。……今までも、これからも」
「そうですか……」
「ああ」
「提督」
「どうした、赤城」
「……生きてくださいね」
「…………」
「どうして答えてくれないのですか?」
「ごめん。……ただ少し、ぼぅっとしてただけだよ」
「提督」
「どうした、赤城」
「笑ってください」
「……難しいな」
そう言いながらも、少し口角を上げ、私の目をしっかりと見据え微笑んでくれる。
ああ、大好きな、私の大好きな笑顔だ。
「提督」
「どうした、赤城」
「ありがとうございます」
「…………」
「困った人ですね」
「俺は──」
「私を選んでくれて、ありがとうございます」
「……こちらこそ、ありがとう。こんな俺を支えてくれて、こんな俺を選んでくれて……本当に、ありがとう」
「提督!」
血相を変え、ノックもせずに加賀は執務室の扉を乱暴に開いた。
普段の彼女からはあり得ない行動──つまり、そういうことなんだ。
「どうした、加賀……」
俺はその様子に驚きもせず、冷静に返した。
全てを呑み干すにはきっとまだまだ時間はかかるのだろうけど、全てを知っていたから、まだ涙は出なかった。
「赤城さんが……赤城さんが……っ!」
ぽろぽろと大粒の涙が加賀の頬を伝って、執務室の床へと流れ落ちていく。
上手く喋れず、唇を震わせるだけの加賀に、なにもしてやれることはなくただただ次の言葉を待った。
──提督。
「赤、城……さん、が……轟沈……しました……」
──さようなら……提督。
赤城「というSSを考えたのですが、どうでしょうか?」
提督「それ 却下デース☆」
読んでくださった方がいればお礼申し上げます
いっぱい食べる赤城さん大好き