平成ライダー達の異世界放浪記   作:宇賀神

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今回は、練っていた構想を全て打ち消し、ロボガZ&ディケイドという東映クロスオーバーになりました。
気まぐれに書いてるからほんと、次の作品は計画通りに書きたいね!

ちなみにこの話に続きを書く予定はありません。

なんかもう、色々と投げやりになっちゃったけど、これもあれね、あれ、おのれディケイドオオォォォォ!!


仮面ライダーディケイド『ロボットガールズZの世界1』

「また新しい世界か……。次から次へと節操無いな」

 

公道の端に止めてあるバイク『マシンディケイダー』に寄りかかりながら、白衣に身を包んだ門矢 士は慣れない眼鏡をクイッと上げて、自分の置かれている境遇を諦めながら愚痴った。

というのも、つい数分前まで平成ライダーと共に昭和ライダーとの戦いを決行し、無事にこれを大団円で収めて、光写真館への帰路である海岸沿い公道にバイクを走らせていたのだが、突如として士の目の前にオーロラが出現し、避ける間もなくバイクごと別の世界に飛ばされたのである。

戦いの疲労も抜けぬまま、前情報も無く東京のスクランブル交差点を彷彿とさせる街中に放り出され、おまけに別の仮面ライダー世界同様、服装や髪型など、外見が変わっていたのだ。

今や、度の入っていない伊達眼鏡を装着し、ワイシャツに純白の白衣を羽織、ピンクと黒のストライプネクタイで、さながら『理科の先生』を彷彿とさせるアイテムに身に纏っている。

しかし、ネクタイやワイシャツはきつくないようにユルユルに緩めてカジュアルに着こなしている辺り、自由人間な士の独特さが見え隠れしていた。

さてこれからどうするかと考え込む士だが、何か手がかりになる物は無いかと白衣ポケットを探ると、真っ先に右ポケットに突っ込んだ指先が、カードらしき、硬質な薄い物体に触れた。

それを抜き出してみると、左上に証明写真の様に顔がアップで撮られた写真が貼られ、空いたスペースには何やら肩書きらしき物が書かれている。

 

「『光子力研究所 光子力専門工学博士 門矢士』、今度は博士かよ」

 

この世界における自分の立ち位置を証明できる手がかりに、ハァーと溜息を吐くと、バイクのハンドル部分に掛けておいたヘルメットを被り、マシンディケイダーに跨って、カードに示されている目的地を目指すのだった。

 

 

 

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「ここが光子力研究所か」

 

先ほどの交差点からバイクを走らせること数分、意外にも早くお目当ての光子力研究所に辿り着いた。

どうにも、光子力研究所はこの世界で有名な建造物らしく、道中の至る所で光子力研究所行きの看板が建てられており、土地勘の無い士でも楽々と到着できたのだ。

建物の形状はかなり歪で、四角錐に取って付けたような正面玄関があるだけの、現代アートとも取れるかなり目立つ建物だった為、どちらにせよ早い段階で辿り着いていただろう。

付近に駐車場らしき場所も見あたらなかったので、『光子力研究所』とプレートが貼り付けられた門前にバイクを停め、ヘルメットを脱いで、バイクのハンドル部分に立てかけると、研究所敷地内に入ろうとするが――――。

 

「ちょっと待ったぁー!」

 

士の後ろから、士を静止する女性の大声が聞こえ、釣られるように振り返ると、ブレザータイプの制服に身を包んだ茶髪ロングヘアーの少女がこちらに片手を突き出して待ったをかけている。

 

「ここら辺じゃ見かけない人だね……。光子力研究所に何か用?」

 

「何だ、お前は知らないのか?」

 

「へ?」

 

「……俺の事はここに書かれてる」

 

煮え切らない返事を返しつつ、士は白衣の右ポケットから先ほどのカードを取り出し、少女に渡して身分証明の確認を促す。

少女は士から手渡されたカードをマジマジと見つめるが、しばらくすると手をポンと合わせて「あぁ~」と一人納得する仕草を見せた。

 

「そういえば、今日から新しい博士が配属されるってユミ先生が言ってた気が……。じゃあこれ、研究所のIDカード?」

 

「まぁそんな所だ」

 

「いやぁ~、博士って聞いてたからもっとオジサンっぽい人が来ると思ってたけど……カジュアルに白衣着てるね。歳幾つ?」

 

「25……何だ、そんなに怪しく見えるか?」

 

「そうじゃ無いんだけどさー、アハハ……」

 

(歳の近い男の人ってウチに居なかったからなー……。どう接するのが良いんだろ)

 

そもそも、バイトを抜きにして、日常的に男性そのものとの会話すら少ない彼女からしてみれば、士との距離感がイマイチ掴みづらいのである。

ましてやそれが、俺様キャラで白衣すら我流に着こなすイケメンだったら尚更だろう。

ポリポリと右ホッペを掻きつつ、ほんのり赤くなった顔を笑いで誤魔化しながら、不穏な空気のまま会話を途切れさせない為に続ける。

 

「あ、そうだ、アタシの名前まだだったね!アタシはロボットガールズ チームZの一員で、みんなには『Zちゃん』って呼ばれてるんだ、よろしくね!」

 

「俺の名前はそのカードに書かれてる」

 

「門矢……もや……し?」

 

「『かどや つかさ』だ」

 

「あぁ~そう読むんだ!」

 

などと、不毛なやりとりを幾度か繰り返し、もういいだろうと光子力研究所に士が足を踏み入れようとした時――――。

 

「遅くなってすみませーん」

 

再び、後ろから士に向かって声がかけられる。

一体何なのだ若干うんざりしながら振り返ると、それはまるで仮面ライダーWの様な出で立ちをした、半身タキシード・半身ドレスの、男性だか女性だか区別の付かない人間が肩を揺らしながら息を切らしていた。

 

「げっ!あしゅら男爵!」

 

「研究所前と聞いて嫌な予感がしたが、やはりいたか……ロボットガールズ!」

 

文字通りな半分こ人間を見るや否や、Zちゃんは露骨に嫌そうな表情をし、あしゅら男爵と呼ばれた方もまたキッとZちゃんを睨み付けるが、Zちゃんが前に一歩出ると、少したじろいで距離を取ろうと後ろに下がる。実力差が少し滲んで見える光景だ。

お互い天敵を見つけた者同士の反応に士は置き去りにされるが、状況を進展させる為に動き出した。

 

「おい、お前何者だ?」

 

「あ……あぁすいません!私は地下帝国で働いている『あしゅら男爵』と申します。以後、お見知りおきを」

 

「男爵……男?」

 

「男爵は女だよ!」

 

「そうか」

 

「あの……『光子力研究所の前で新たな仲間が待っている』と、Dr.ヘル様からお伝えがあったんですが……。貴男は門屋 士さんで合ってますよね?」

 

「あぁ合ってるな」

 

「良かったぁ……。では、地下帝国まで案内しますね」

 

「地下帝国……まさか『バダン』が絡んでいないだろうな」

 

「バダン……聞いたことありませんね……」

 

首を傾げるあしゅら男爵を見ると、違うならば良いと士も頷き、IDカードはZちゃんの手に中にあるのも忘れ、自分のこの世界における立場を示すために、もう一度IDカードを取りだそうと白衣の両ポケットを探り出す。

が、右ポケットは白衣の布を掴むだけで終わったが、左ポケットからは明らかにIDカードとは違う、カサカサと乾いた紙の質感のする物体に手が触れた。

中身を取り出すと、それは士の名前と『地下帝国』の住所と会社のネームが入った名刺だった。

 

「名刺の存在する『地下帝国』、確かにバダンとは違うみたいだな……。お前が言ってる地下帝国ってのはこれの事か」

 

ピッと人差し指と中指に名刺を挟んであしゅら男爵に渡すと、名刺に書かれていた住所に目を留めたあしゅら男爵がそうですと頷いた。

すると、今度は困るのはZちゃんで、まだ手に持っていた士のIDカードと士の顔を交互に見て、うーんと唸り出した。

士が地下帝国の仲間なのか、それともこちら側なのか、混乱してしまったのだ。

 

「えーっと……士博士は敵だったの……?」

 

「知らん」

 

「もしかして貴男……光子力研究所が送り込もうとしているスパイ!?」

 

「それも知らん」

 

士からしても、自分自身がZちゃん側なのか、それともあしゅら男爵側なのか、この世界での役割が全く不明なのだ。

だから、ぶっきらぼうながらも素直に知らんと返事したが、二人からしてみれば、返ってこの発言が士を『謎そのもの』としか形容できない存在にしてしまった。

 

「うーん……えぇーと……士博士が地下帝国に連れて行かれるとユミ先生に怒られるから……と、とりあえず研究所に来て!」

 

「こ、このまま門矢さんを研究所に送り出すと、ドクターヘル様に大目玉だわ……。お願いします!地下帝国に来てください!」

 

しばらくは二人とも士をどうするべきか悶々と悩むが、ひとまずはZちゃんが光子力研究所で身柄を預かろうと申し出た。

それに負けじと、あしゅら男爵も地下帝国に連れていこうとするが、今度はどちらが士を自分側に引きずり込もうか言い争いに発展してしまう。

しかし、話し合いはお互いに士の身分を証明する名刺とIDカードを持ち出して、これがまた平行線の元になってしまい、埒が明かず、遂には実力行使で勝った方が士を連れていく事になってしまった。

 

「ロケットパーンチ!!」

 

「あしゅら光線!!」

 

最初こそは普通の格闘戦だったが、さっさと勝負を決めようと、Zちゃんは拳から黒いグローブをロケットの要領で飛ばし、あしゅら男爵は杖から光線を出して応戦を始める始末。

それはもう酷い有様で、コンクリートの塀がロケットパンチで瓦解され、あしゅら男爵の杖から放たれた光線も道路を破壊していた。

このまま続けられたら町が瓦礫の山になるのも時間の問題だろう。

それにしても、悪を名乗る地下帝国ならともかく、平和を謳うロボットガールズが町を壊すのは所行は如何なものだろうか。

 

「おいおい、お互い生身に破壊兵器って怪我だけじゃ済まないだろ」

 

冷静に突っ込みを入れつつ、一応は戦いを止めようと、カメラのレンズの形をしたバックル『ディケイドライバー』を腰に装着した。

 

待っていましたと言わんばかりにバックルからベルトが伸長して腰に張り付くと、今度はベルト左側に着いているカードホルダーを開けて一枚のカードを抜き取り、バックル上部のカード挿入口に差し込んで、サイドハンドルを内側へと押し込み、ガチャンと機械的な音を鳴らしながらバックルのレンズを90度回転させる。

 

 

《KAMEN-RIDE DICADE》

 

 

男性の電子音声と共に、バックルからはマゼンタ色のバーコードと《DICADE》の文字が浮かび上がった。

それとほぼ同時に、彼の周囲を人型をした影が9つ現れ、それらは一瞬だけ各々が独立した姿形をしていたが、瞬きする間に全ての影が、上半身に大きく『十』の文字が刻まれた一つのパワードスーツに変化すると、士の体に重なっていった。

 

そうして全てが重なり終わると、士の体全体がモノクロ調の影と同じパワードスーツに覆われ、今度はバックルから浮かび上がっていたマゼンタ色のバーコードが、彼の頭部へと装着される。

頭部に装着されたバーコードからマゼンタ色の液体が流れ出し、やがてモノクロだった体は側面と顔面だけがマゼンタ色に変化し、複眼が緑に染まった……。

 

 

かつて、昭和・平成問わず全ライダーを全滅させ、世界の崩壊を阻止しようとした秘密結社『大ショッカー』の大首領であり、『仮面ライダー』として全ての世界を写そうとした二律背反の存在。全てを繋げる破壊者、その名も、『仮面ライダーディケイド』

 

 

「その姿……もしや、ドクターヘル様が生み出した新たな機械獣!?」

 

「いーや違う。中身は人間だ」

 

「じゃあ博士ってのは仮の姿で、私達と同じロボット……あー……ボーイ?」

 

「それも違う。ボーイなんて年齢でも無いだろ」

 

「じゃあどっちなんだよー!」

 

 

ディケイドの勿体振った言い回しに、Zちゃんは怪訝な面持ちから一転、業を煮やし『ウガー!』と牙を向いて今にも噛み付いてきそうだ。

対して、あしゅら男爵は極めて冷静で、頭の上にクエスチョンマークを浮かべて眉を顰めている。

そんな彼女達に向かって、ディケイドはお決まりの台詞で返すのだった。

 

 

「どっちでも無い。俺は通りすがりの仮面ライダーだ……憶えとけ!」

 

 

果たして、世界を牛耳ろうと目論む地下帝国と、光子力エネルギーの有用性を訴える光子力研究所、板挟状態になってしまった門矢士の明日はどっちだ!!

 




Zちゃんに関して、『マジンガーZ』が正しいネーミングなのか、それとも『Zちゃん』なのか、はたまた只の『Z』なのか。
彼女達ロボットガールズが自己紹介をする時、どれが一番最適なのか悩みましたが、自分で『ちゃん』や『さん』は付けないだろうって事ですが、只のZだと悲しいので、周囲にこう呼ばれてるからこう呼んでねという手段に落ち着きました。
彼女達の正しいネーミングが在りましたらご一報お願いします。女が自分でちゃん付けしてたら、痛い子か、ぶりっ子かの二択になっちゃうぞ……。
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