Justice中章Ⅱ:蠢き轟く脅威と去り逝く者達   作:斬刄

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7話深み(正輝ルート)

 

 

ーー【正輝視点】

 

12/3 19:00

 

 

正輝はフェイトの家にやってきた西園寺世界を虹の庭園に空いてある個室へ案内し、保護という形で彼女を軟禁することとなった。

虹の庭園から家へ戻った正輝は、フェイトに話の続きを聞いていく。

すずかの家に正輝達の仲間がいて、どうなっているのかを。

 

「…今から、すずかの家に電話する。

全員来てくれ」

 

正輝は響とクリス、セイバー、浜風を呼び、月村すずかの家電に電話をかける。

まず最初にメイドのファリンと話し、翼達の関係者とのことで彼女達に代わるようお願いしていた。

 

『もしもし、正輝さんですか?

事情はすずかちゃんから聞いてます…ご迷惑をおかけしてすみませんっ』

「えーっと、ファリンさん…だったか?

謝るのは、こっちの方です。

今は姉が不在で、連絡が取れてません。

仲間とそちらの誤解から、いざこざもあったのも聞きました。

 

翼達がいるのなら電話を代わってくれないだろうか。

仲間が無事かどうか、確認したいって」

 

そうして、ファリンから翼に電話を交代する。

 

『あぁ、今変わったところだ…正輝か?』

「…翼だな。俺と話す前に先に響とクリスが心配していたから、まず二人に変わるぞ」

 

声を聞いた正輝は、隣で心配している響とクリスの二人にも話せれるよう音量を大きくするよう設定する。

 

「あ、変わりました!えーと、聞こえますか?翼さん」

『その声は…立花か。フェイトの家にクリスもいる事は、すずがという子供から聞いている。

無事で何よりだ』

「たくっ、先輩も無事で良かったよ…」

 

お互いに、声を聞いて安心する。すずかの家には間藤桜、ライダー、風鳴翼、暁美ほむら、赤城、加賀の6人が住まわせてもらっている。

 

「あの、そっちは何かあったんですか?」

『いや…どうも説明がし辛くてな。私含めて全員、正輝のお姉さんが仕掛けた罠を喰らって…暫くは動けそうにない』

「えっ、正輝のお姉さんが?

どうしてそんな⁉︎」

 

同盟を組んでいるはずの正輝の姉こと嶺がすずかの家に罠を設置し、仕掛けていた罠が正輝の仲間に対して作動したことに。

 

「…案ずるな。私含めて、軽い捻挫と打撲くらいで済んでいる。この別荘に住んでいるすずかの家族が罠を停止してなければ、自己防衛の為にシンフォギアを纏っていた。

どうやら侵入者だと勘違いしていたみたいでな。私含めた他の四人も武器を構えていた直前で、本当にギリギリだった…この家に罠を仕掛けたのは正輝の姉さんらしいのたが、正輝本人は家中に罠を張っていたことを知っていたのか?」

 

響が困った顔のまま正輝の方に首を向き、話していたことをそのまま伝える。

 

「あの…翼さんから、正輝さんはすずかちゃんの家の事を知っていたのかって」

「聞こえてる…だが、姉の事情について俺は全く知らんぞ?翼に何かあったのなら、ちょっと変わってくれないか」

「それが、正輝のお姉さんが罠を仕掛けてたみたいで…あっ、翼さんから正輝さんに一度電話を代わって欲しいって」

 

響から受話器を受け取り、音量を調整しつつ電話を代わる。

 

「…あーもしもし、響達から俺に代わったぞ。ウチの姉がすずかの家に何か仕掛けていたのか?」

「メイドの話を聞いたのだが、月村すずかとその友達が登校中に攫われた事例があったそうだ。

 

家が襲われる事も加味し、罠の設置も家族から公認している」

(あぁ…まぁうん。確かにウチの姉ならやりそうだな…すずかのメイドも迷惑をかけたって言ってたのもそういうことか)

 

正輝がフェイトと出会っている間に、姉がアリサ・バニングスと月村すずかの2人に出会い、すずか家の別荘へ居候してたことすら知らなかったのだから。

 

「うちの姉が罠を設置する際に、侵入者が入らないように作動したんだろう。

 

まぁ俺も姉からは何も言われてなくてな…怪我させてしまったのなら俺から謝る。転移して早々、四人には災難な目に合わせて申し訳なかった」

「気にするな、罠を仕掛けたのも家の娘を守る為に仕掛けたのだからな。

攫われそうになった前例だってある。

他の三人も、事情を聞いたら納得していた。

…それで奏は無事なの?

それとも船に残ったまま?」

 

翼が次に聞いたのは、天羽奏のことだった。彼女も場所が分かればすぐ言えるのだが、まだわからない。

 

「いや…俺達と同じように散り散りになった。

まだ見つかってもないし、連絡もとれてない」

「そうか…もし分かったら、また連絡して欲しい」

「あぁ、とりあえず一人ずつ変わってくれ」

 

翼との電話を終え、今度は暁美ほむら、間桐桜、赤城の順番に正輝が対応していく。

翼同様、関係者達の安否を心配していた。

 

「…まどかは今何処にいるのかわかるの?」

「さやかだけは発覚してて、士郎達と一緒について行ってる。他の四人は、悪いがまだ探してる最中だ…まどかのことを心配してるのは分かるが」

「…さやか以外は、まだ見つかってないのね」

「悪いな…こっちもなんとか調べてみる」

「……」

「ん?おい、ほむら?」

「え、えぇっ…何でもない。さやかと無事合流することと、まどか達を探すの…貴方達に任せたわ。

それじゃあ、桜って人に変わるわよ」

 

何か言いたげな様子だったが、そのままほむらから桜へと電話が変わる。

 

「あの…先輩や、姉さんは無事なんですか?」

「士郎にはランサー達がいるから、大丈夫な筈だ。遠坂は探してもまだ見つかってない…最悪、俺の令呪でセイバーを士郎の元へ移動させることも可能だ。そっちは無事か?」

「無人島の頃にいた他の艦娘達はどうなってますか?」

「浜風はこっちにいて、不知火が士郎達と一緒に行動してる…他は、悪いが今のところ何処にいるのか分からない」

 

桜、赤城の順に話をし、安否の確認を終える。

もう一度、電話を翼に代わり、続けて今後の話をしていた。

 

「あぁそうだ、四人とも携帯は大丈夫…なわけがないか。問題ないなら俺に電話するよりも先に安否を確認してるもんな」

「…私達だけじゃなく、正輝達も連絡が取れなくなってるみてーだしな」

「俺達も二日前に到着したばかりで、今はまだ待機だ。

それで、お前らはどうする?

すずかの家から、俺達の所に合流するか?」

 

正輝はそう聞いたが、翼はしばらく何も返事をしない。電話越し表情が分からず、話すのをやめて別のことをしてるんじゃないかと、もう一度確認する。

 

「…おい、翼?もしもし?

電話繋がってる、よな…?」

「あ、あぁ…いや、すまない。

少し考え事をしていた。

悪いが、私達は暫くの間はすずかの家に泊まろうかと考えてる。仲間を探すにしても襲撃されるのなら、落ち着くまで合流するのは控えようと思っている。

このことは電話する前に全員と話をして、皆そのことに納得してくれた。

 

寧ろ、正輝達は街中に散らばっていった仲間を最優先にした方がいい」

「…分かった。他の仲間の居場所を知ったら、そっちに連絡する。

長話させて済まなかったな、それじゃあ切るぞ」

 

話を終え、電話を切る。これですずかの家にいる翼達と話すことを済ませた。

 

「それで、翼さん達とはどうするつもりですか?」

「…いやそれがな、まだ俺達と合流はしないとのことだ。先にレイナーレ達のような外にいる仲間から合流させて欲しいとな。街にいる敵がそこらじゅうにいるから、控えるって」

「それじゃあ先輩達は暫くの間、フェイトの友達…すずかって子の家に居候することになりそーだな」

 

こうして、すずかの家にいる仲間達と電話を終えた。散らばった仲間の生存と居場所が分かったことに安堵する。

ただ一つ、正輝が少し気がかりだったのは何かあったかと聞いたことに対してレイナーレだけでなく、翼達も返事に戸惑っていたことだ。

(四人とも…やけに冷静だったが、なんで戸惑ってたんだ?

特に翼とほむらも奏とまどかの安否を確認したいだろうから、二人の居場所をすぐ見つけてって絶対言いそうなもんだが。

俺からも他の仲間を探したいって言われるかもしれないから、こっちで動くから待機してくほしいってお願いするつもりだったんだけど。

 

それとも、少し間を空いて返事したのもあっちでも何か言えないことでもあったのか?

もしかして俺や響達には言えないような事故が起きてるのか?)

 

フェイトの家にずっといる正輝達が知らない間に、外で何か重大な事が起きているのかと。

 

(まぁ…今は探っても仕方がないか)

 

考え事をしている最中に、今度はフェイトが不安そうな顔で正輝に声をかけた。

 

「あの… 私達からも話があるんだけど良いかな?」

「ん、どうした?フェイトにも話さなきゃいけないことが、まだ他にあったのか?」

「実はね…すずかの家のこともあったんだけど、もう一つ話さなくちゃいけないことがあるんだ」

(みんな来てくれ、フェイトから重要な話があるって)

正輝は翼との電話を終えて解散した仲間全員を、もう一度戻ってくるよう念話で伝える。

全員フェイト達の話を親身に聞き、囲んで事情を聞いていた。

 

「…それで、何があったの?」

「登校と下校中に誰かに見られてるような気がして…正輝が電話してる最中に、もう母さんにはちゃんと話したんだ」

「見られてるって…?まさか誰かに尾行されたとかか?」

「ううん。ただ私達を眺めてるようなだけで、尾行とかはされてないかなって、思う…もしそうならアルフの嗅覚で分かるし、バルディッシュも念話で警鐘をしてると思うから」

「見られてるって感覚はあったけど、学校の行き帰りで探りをしてくるようなことは誰もしてなったかな。

 

匂いを嗅いでたけど、フェイト達を尾行する人は誰もいなかったよ」

(ただ見られてて何もしてこないってだけか。

うっかり目に入ってしまったとか、

 

これも一応、調べてみるか…)

フェイトと一緒にいるアルフも、危険を感じてない。周りから見られているというだけなら何も問題なかったが、この芳しくない状況で二人を狙ってこないとは限らない。

 

「あの…曖昧な事を言って、ごめんなさい。

なのは達も登下校する時に不安に感じたから」

「…まぁ、気にすんな。フェイト以外にもなのはまでそう感じ取ったのなら、調査してみるよ。

ただ視界に入ってただけなら、他の一般人と然程変わらないだろうし」

 

帰宅中のフェイト達を、ずっと見ている人がいないか調べることも新たに必要となった。

 

「うん、ありがとう。

それと…家に来た女の人はどうなったの?

近くの喫茶店で色々と話してたんだよね?」

「…まぁ情緒が不安定だったからな。暫くは虹の庭園にある小部屋で大人しくしてもらうようにしたんだ」

「あの人は、正輝の知り合いだったの?」

「いいや。全く知らない女だったよ…」

 

苦い顔で、そう返事を返す。正輝やプレシアにとって助けを求める為とはいえ、急に家に上がり込もうとして来た西園寺世界という女のことにあまり良い感情を持てなかった。

 

12/3 22:30

 

「お疲れ様。

貴方、随分と参ってるわね」

「あぁ…まぁな」

 

フェイトとアリシア、娘の二人が寝静まっている間に、家に訪ねてきた西園寺世界について話をしている。

 

正輝の仲間も全員眠っており、まだ起きている二人は机に向かい合いながらも黙って考え事をしていた。静寂な部屋で、壁につけてある時計の針音だけがカチカチと鳴っている。

 

「「……」」

 

レイナーレ達だけではなく翼達ともフェイトの家に合流すべきなのかと正輝は迷っていたが、考えることが多過ぎて保留にするしかなかった。

 

プレシアと正輝はフェイト本人から誰かにじっと見られていると言っていたことにも気になるが、西園寺世界の話にお互い深刻な顔をしてずっと考えている。女子高生の内情を聞けば聞くほど、生々しい裏事情を抱えていることを察してしまうことに。

 

「…あぁ、そうだ。

部屋の件は本当に助かったよ、ありがとう。

俺達のことにも、気を使わせてしまった」

「気にしないで。さっきの話を聞いた通り、世界って人を娘には近づけない方が良さそうね。

こんなことアリシアとフェイト、アルフには絶対に言えないわ。

 

 

ごめんなさい。

貴方達の分もやらなきゃいけない事があるだろうけど…帰ってから、フェイトとアリシアのことまで…余計に増やしてしまったわね」

「困った時はお互い様だ。世界っつー女の子は、情緒不安定だったのは本当だったから暫くは虹の庭園にある空き部屋に住ませるって表向きには言っておいた…が、子を身籠ってることについては一部の仲間やフェイト達には黙っているけどな。

 

仮に聞いたところで分からないから首を傾げると思うが、今のあの子達が後々意味を知るのはあまりに危険すぎるし」

 

話を一区切り終えると、二人ともまた黙ったままになってしまう。

テーブルの上には正輝とプレシアの紅茶があり、二人は椅子に座ってゆっくりと飲む。

一息ついたところで、これまでのことについて話を始めた。

 

「ねぇ…西園寺世界、っていう名前よね。

彼女について貴方はどう思ってるの?」

「まだ半信半疑の段階だ…これから調べる必要がある」

「私達が知っていることとしたら、彼女はまだ未成年で…そして、新しい命を授かっている事よ。娘達や貴方の仲間達に余計な心配をかけたくないという気持ちはあるけれど、今は少しでも情報が欲しいわ。

それに、不自然なこともあるの。

このマンションのことはフェイト、アリシアの友達と家族、会社と学校以外には誰にも言ってないの」

「…え?どういうことだ?」

「私が気になっているのは、私達が全く知らない女子高生が、どうやって私達のいるマンションや部屋のことまで知って来たのかってことも」

「協力者がいるとか言ってはいたが、俺達ですら引っ越したことを知らなくて、フェイトとアルフの二人に教えてもらったばかりだった。

 

俺達は知らなかったのに、なんであの女はこの家を知っていたんだ?

誰かに教えてもらったとは言っていたが」

 

フェイトとアリシアが見られているという言葉に引っかかり、もし二人を見ていた中の一人が、家に来た女子高生だったというのなら。

 

確定しているわけではなかったが、プレシアは椅子から立ち上がり、デバイスを取り出して虹の庭園に行こうとする。

「あれ、あの何処へ」

「虹の庭園よ、少しあの女の子のことで確かめたいことがあるの」

「…おい、まさかっ⁉︎」

 

フェイトの話と、彼女が突然家に来たことが繋がっているのでないかと気が立っていた。目的が助けてもらいたいこととは別に、家に侵入してフェイト達を脅かそうとしているのではないか。

 

「彼女も娘達の下校中に尾行してた一人だったかもしれないと思ってるの。それなら教えてない家の場所まで訪問できたのも納得がいくわ…もしそうなら」

「ちょっと待て…冷静になれ!

流石に早計過ぎるだろ‼︎

仮にそうだとしても、俺のシャドーがとっくに知らせが来て探りを入れてる…ってか、アルフの嗅覚で尾行されてることまですぐにバレちまう。

 

力づくで吐かせようとしたら、俺の仲間だけじゃなく娘達だって」

「まぁ確かに…それもそうよね」

 

彼女の反応に慌てた正輝は、改心してなかった時みたくフェイトに鞭で躾をした事を西園寺世界にもしてくるんじゃないかと抑えていた。

かつてプレシアはアリシアを失ったのだから、もう失いたくないと余計に子供を過保護にしたい気持ちもわかる。

が、乱暴な手段で世界に拷問をして吐かせようとしても、娘にバレたら幻滅するだけだ。

かといって、世界の言葉を信用できないのは正輝も理解している。

 

2人は、苛々する気持ちを抑えていた。

 

「あの少女の件は俺と仲間の一人が打開策を見つけたから、手短に済ませようと思っている。

兎にも角にも、その怪しい連中が西園寺世界っつー女子高生と関与するしない云々以前に…娘の2人を危険な目に合わそうものなら、俺達も全力で助けに行く」

「…当たり前よ」

 

いずれにしてもフェイトとアリシアが危険な目に遭うことになれば、母親だけではなく正輝達も危険を顧みず全力で二人を助けに向かうこととなる。

 

(ただ調査するには1st達の仕掛けた無人機達と罠をどうにかしないと、迂闊に街に出掛けられねーし…まぁ、助けに行く時とかはどうしようもないが)

 

1stの性格上、街に蔓延っている無人機がなのは達を襲わないことは幸いではあるが、正輝達が助けに行くにも必ず障害にはなる。

 

「あぁそれと、貴方のデバイスを用意したわ。

持ってなかったでしょ?

あった方が助かることもあるんじゃないかと思って用意したの」

「おおマジか、助かる」

 

プレシアは立ち上がり、机の引き出しからペンダントを取り出していく。よく見ると、それは銀の首飾りに真ん中には緑色のデバイスが埋め込まれていた。

 

「十字架か…」

「起動させてみて」

 

正輝は、プレシアの言う通りに起動させる。

服に大した変化は無く、凧形のカイドシールドが装備される。

 

「盾と…服は俺が常時使ってるシステムと合わせるようにしてるのか」

「バリアジャケットが必要なら、設定で変えることができるわ。デバイスはフェイトと同じミッド式だけど、使い勝手は違う」

「…武器は盾しか出てきてないが…まさか盾だけで殴るの?」

「裏側を見なさい。盾で殴ったり、自分の身を守るだけじゃないのよ」

そう言われた正輝は、盾の裏側を見ると棒状の柄が2本か付け、ボタン押すと魔力の刃が放出される。

 

「確かにあるな…だが、柄が破壊されたり場合はどうすれば良いんだ?」

「盾に魔力を込めて、新しく柄を作るの。

破損したら、フェイトと同じようにリカバリーの修復魔法も可能よ」

「やってみるか…」

 

そう言って魔力を込めると、持ち手の下側に長方形の穴が出現する。

その穴から1.2本の柄を放出し、穴は閉じる。

「確かに補充はできるな。これで接近戦は聞いたけど……なのはとフェイトのような遠距離魔法は使えるんだよな?

俺の場合はどうなるんだ?」

「それじゃあ、切り替えてもらえるかしら」

 

そう言われ、デバイスの機械音と共にに遠距離用として盾から大型のクロスボウへと変形していく。

 

『ボウガンモード』

「魔力弾を弓矢状に変形させて飛ばすわ。柄を矢にできるし、魔力の質を変えたら、氷と火、爆弾矢にもなる」

「……へぇ、流石技術者。よく考えたなこれ。

まぁ実際に使うのは慣らしてからじゃないと無理そうだし…今のところは盾メインで使うかな」

 

弓の形状をじっくりと見て、デバイスを元に戻す。

「それで、デバイスには何て名前をつけるの?」

「ん?名前か…そうだな。

このデバイスの名は、ローワンにしよう。

今後ともよろしくな」

〈yes.sir〉

 

 

*****

 

12/4 7:00

 

「なんでこったっ…1stの仕業か。俺達の電話を盗聴するより、遮断した方を選びやがったな」

 

レイナーレ達との電話が、突然繋がらなくなってしまった。他に電話をしようにも、電波の届かない所にいますと返ってくるだけ。

強制転移も条件を科せられている。

 

ーーー完全に、仲間と合流を阻止されていた。

 

『申し訳ございません。街の奥に進むのは現状の人数では不可能です』

「…それほどまでに時間がかかるのか?

一応サーヴァントと同等の力を授けてるはずだし、気配遮断も施したはずだが」

『年齢、容姿を誤魔化せないような繊細なセンサーを備わっております。無人機の他に、マスターと同様の能力であるシャドーを、2ndの綺羅も使っているみたいです。

彼らだけではなく、重装備の黒い少女達にも奇襲を仕掛けられています。

 

その上、気配遮断を使用して潜入したとしても、黒い少女達に狙撃されてしまいます』

 

街を偵察するようシャドーを向かわせたが、その進捗があまり上手くいっていない。

 

『仲間の散策を継続させますか?』

「…継続だ、今度はシャドーを5、6体増やす」

『了解しました』

 

シャドーは現場に戻り、仲間の散策を継続させている。罠の位置もゼロに教えてもらったことで分かっているが、内通してることもバレないように敢えて罠に引っかかっている。

ただ問題なのは、

 

(センサーに、無限湧きの無人機と罠、その上に俺と姉さんがいつも分身で使っているシャドーを綺羅がコピーしたのか…これじゃあ仲間の散策どころか、昨晩に相談してくれたフェイト達を見ていた連中の調査すらままならないな)

 

フェイトの調査を調べるにも、まず1stが配備させている無人機達が邪魔だった。そのまま罠と無人機を突破してたとしても、今度は騒ぎに乗じて今度は綺羅のシャドー達と、サーヴァントと同等の実力を持つ黒い少女達が奇襲を仕掛けてきたりと、踏んだり蹴ったりの状況が続いていた。

 

 

既に、姉からもらったアイテムを活用させている。

特に使っているアイテムを挙げるとすれば、投煙球と呪符だ。

投煙珠は戦闘から一時的に逃げることが可能だが、他のセンサーで戦闘が発生した時に綺羅のシャドーも見張っているから、今度は別方向から来る敵と戦うことになってしまう。

呪符についても、鹿目まどかやアリシア・テスタロッサのような戦えない人でも護身用として扱えれる。

 

有効に扱えれる分、消費アイテムだから使用した分は消える。特に散らばった仲間達は、アイテムを補充することができない。

ある程度の戦闘は、避けられないだろう。

 

 

ーーーーーーフェイトの家に到着してから正輝自身やる事が多すぎて、かなり気が滅入っていた。

 

「…正輝、士郎達の他に凛達は見つかりましたか?」

「綺羅達の妨害がかなり厄介でな、全く仲間を探すのも思うようにいかない。もうこうなったら100体一気に出して探索させることは可能だが…ロープ陣営や殺者の楽園まで出てくると考えてたら、そこまでやる決断が出来ない。

 

こっちも倒しながら進んではいたが、碌に探索が進まない…結界が張られて、無人機達を倒すのにも時間がかかる。

市内の奥までは簡単に進ませてくれない。

仲間の探索や敵の散策をしようとしたら…まず、このフェイトの家の周りで戦闘になる。

向こうも厳重に見張ってる」

「仮に数を増やしたとしても、簡単には合流させるつもりはないのでしょう」

「…そうなるな。とにかく区域を絞らないと、1人で突っ込んだところを袋叩きにされてしまう。

 

よっぽどの理由が無い限りはお前らも絶対外には出るなよ。久野の無人機が巡回している以上、仲間を探してる最中に狙撃されてしまうからな。

 

船から仲間を呼べるけど、それでも人数と転移範囲をかなり制限されてる。

いつでも仲間の元へ、助けに行けるよう準備しとけ」

 

*****

 

スーツと私服を着ている男女が、街中にいる。

彼らは一般人であるが、この世界の住民ではない。元の世界に帰る目的が為に指示に、麻紀に従ってカメレオンのように海鳴市に住む市民達に溶け込み、偽っている。

 

海鳴市に住む民間人と彼らに違いがあるとすれば、特殊な通信機を持っているだけ。市民に紛れ込み、なのはとフェイト達のような子供達の下校を遠くから眺めている。

見ているだけで、彼女達に手を出すことはない。確認してはポケットに入ってある端末を掴み、真ん中にある黄色のボタンをただ押していく。

 

子供達が散り散りになると、見ていた彼らは別の端末を取り出して誰かに暗号を伝える。見ていたのはなのは達だけではなく、他の子供にも遠目で確認していく。

 

なのは達以外にもバスで帰る子供もいれば、アリサのように高級車に乗って帰ることもあるだろう。

 

また、すずかが図書館に訪れた時、彼女が八神はやてと楽しく会話している。その図書館の中にも容姿は眼鏡をかけた学生か、主婦の格好をした人がはやて達を見て、同じ端末を取り出してボタンを押していく。

誰も怪しい行動をするような事はしていない。

側から見ても、誰も彼もが異様な行動をせずに平穏な日常を暮らしているだけ。

 

しかし、別世界に連れてこられた彼らに対して1stの罠が起動せず、分身や男女の識別を見分けるほどのセンサーですら全く引っ掛からない。

 

ーーーー【では何故、彼らは1stの仕掛けた罠に引っかからないのか?】

 

1stの罠に引っ掛かることも、綺羅達に襲われることは全くない。この決戦編で危険視されることもなければ、そもそも知らない人物のことなど全く眼中にない。

 

それは彼らはモブであり、モブであるが故に同時に一般市民の群れに隠れ潜むことが可能だからだ。

 

そんな彼らが行動を起こし、この回りくどい大掛かりな陰謀が明らかになるのも、もう少し先の話になるだろう。

 

*****

 

12/4 0:30 フェイトのマンション宅

 

「あら、知らない電話番号ね…?

ちょっと正輝、来てもらえないかしら」

 

この日も正輝とプレシア以外の全員は、ぐっすりと寝ている。家電が鳴り、画面に電話番号が表示されてもプレシアは困惑した顔で受話器を取らない。

 

「…いや、俺も分からん。

留守電まで少し待とう」

 

呼ばれた正輝も知らない電話番号だったから、困った顔のまま手に取らない。そのまま電話を取らないまま放置し、留守電話へと切り替わった。

 

留守電の伝言が士郎の声だと分かると、すぐさま正輝は受話器を取った。

 

『あの、この時間に電話してすみません…衛宮士郎って言います。持っている携帯電話が突然遮断されてて、こうして家電に電話してるんですけど…』

「あーもしもし、正輝だ。携帯を変えたのか?『正輝か!こんな時間に起きてくれて助かった!』」

 

正輝と彼の仲間全員が持っている携帯電話で連絡できないことは、昨日のことで分かっている。

 

「電話番号も変わってるし、状況が状況だから仕方ない…だけどさ、今何時だと思ってんだ?

そもそも、なんでボソボソ声にしてんの?」

『あぁ、今布団の中で電話してる。

堂々とやってたら監視カメラがあるだろうし…それに俺達の携帯電話じゃ繋がらないから、プレシア達の家の電話番号なら大丈夫か試したんだよ。

 

 

夜に電話してきたのはその…悪かったと思う。でも試そうと思っても』

「あぁなるほど…わーったよ。

まずはそっちの現状を話してくれ、なるべく簡潔に頼む。長話してもそっちが大変だろうし、1stが怪しまれても不味い。

 

電話番号が変わったのも理由があるんだろうし……今から、俺もメモを用意するから少し待ってろ」

 

あの誰かも分からない電話番号から別の人から携帯電話を借りているのかと思っていたが、投影魔術で作ったことに納得がいった。

 

正輝はメモ用の紙を探し、小首を傾げるように受話器挟みつつ士郎達がどんな状態で何処にいるのかを聞きながら記入していた。

 

『さやかの水分身で散策したけど、近づくにつれて強力な機体が出現するようになったって』

「そいつらの殆どが家の周囲に置かれてる。

俺達がバラバラ離れた仲間を探すのを邪魔する為だろうな。

街の奥なんてもっと無理だ。

2ndの奴、コピーの力か自前なのかは分からないが…俺と同じ能力であるシャドーで街を見張ってた。

 

綺羅に加担している黒い武装をした女達も、高所に転移して、狙撃してきたなんて報告もあるくらいだからな…」

 

1stだけではなく、綺羅と一緒にいるブラックロックシューター達も、正輝達の散策を妨害している。

 

「それで、フェイトの家とお前らがいる旅館まで約7kmってところか」

「…俺達の今の状況は、これで全部だ」

「分かった、俺から今いる仲間全員に伝える。

話が終わったらすぐに投影した携帯電話を破棄して証拠を消せ。

 

また電話する時は、また留守電で自分の名前を言ってから連絡する事。ただ何回もかけたら、1stにバレるから程々に。

合流する時はさやかの念話圏内に入ってからだ。

 

敵と鉢合わせて、本当に不味い状況になったら投煙珠を投げて逃げろ。良いな」

 

そう言って、士郎との話を終える。

今わかる仲間の散らばった場所と状況を知ったことで半分安心し、対して敵の出方が分からない事に少し頭が痛くなりそうで深いため息をついた。

 

ーーー12/4 10:30 虹の庭園

 

 

「とまぁ、ここまでが士郎達の状況だ」

 

虹の庭園の空き部屋で響達を招集し、作戦会議を行なっている。まず、昨夜に士郎と電話で話していたことを伝えている。

 

「電話って…でも、私達の携帯電話は」

「そうだ。俺達が持っている携帯電話は、四日に遮断されてることは分かってるよな。

だがまぁ、士郎なら一般人の携帯電話を投影して、その携帯電話でこの家に電話をかけてきた。

プレシアの家の電話番号は、流石に知ってたからな。

 

ま、一応…ホテル内の監視カメラとかで見られてるかもしれないってことで布団に隠れながら、電話してたそうだからボソボソ声だったが…」

「それじゃあ新しい携帯電話を買ったりとか、電話機を貸したりして仲間と連絡とかもできるな」

「買うのも人に借りるのも絶対怪しまれるだろ…この連絡手段が可能なのは、俺と士郎、アーチャーの三人だけだ。

 

連絡を阻止しようとされたが、抜け穴があったのは大きい」

(…アーチャーなら、士郎よりも早く勘付いて俺の元へ連絡するとかやりそうだと思うんだがなぁ。

何ならまどか以外のマミ達だって、市内にいるならなのは達の学校に近づいて、そのまま念話ができるだろうし)

 

英霊エミヤであるアーチャーの性格なら、士郎よりもこの対策に勘づき、既に正輝となのは達に連絡をしていただろう。

正輝が士郎の名案についてよく考えてみると、連絡手段は正輝の達に必ず通す必要はない。

なのは達のいる学校へ直接向かい、念話でなのは達と接触、無事だということを伝えれば良い。

1stはロリコンだから絶対に狙わず、2ndも学校を襲撃しようとしたら1stとの同盟は棄却され、敵同士で潰しあうこととなる。

無事を伝えれるとしたら、なのは達の通っている学校もまた安全だ。

ただフェイト達からそういった話を全く聞かされておらず、早く連絡することが出来ないぐらい危険な事態に遭ったのではないかと余計に心配になっている。

 

「携帯電話を投影して通話を可能にしたのも、敢えてそうさせたっていうのは?

もし盗聴されたりでもしたら」

「不可能だ。少女以外の他人に無関心だっていうのに、その他人の携帯電話を盗み聞きするようなことはやるとは到底思えない。

 

 

監視だけじゃなく、海鳴市にいる一人一人の家電と携帯電話にハッキングして、通話記録を調べるのだって一人じゃ無理だ。

無人機達を自動化させてたとしても、俺達の動向が限界だろ。その上海鳴市にい一般市民一人一人の電話の会話記録まで聞ける余裕があるとは到底思えない。

 

 

動くか、待つかを決めなくちゃいけないことだが…俺は待つ方を選ぶ。勿論、こうしている間にもシャドーで助けに向かわせて、仲間を探している。

 

この場にいる全員で仲間を探したとしても、また分断されて、俺達まで一人きりになったところを襲撃されちまうだけだ」

「…今は、仕方がありませんね。でも、そろそろ他に動きがあってもおかしくないのですが?」

「俺もそう思っている。ただ、これだけ日にちが経っても誰も動く気配がないってことだ…余りに静かすぎる。

こんなやばい状況なのに、俺達以外でも他の組織が絶対動くはずだろ。まず俺達の知っている敵組織…殺者の楽園(キラーエデン)なら、お構いなしに暴れていた。

戦いに横から割って入ることもあれば、人混みのいる場所で大暴れなんて事もあるかもしれない。

 

合流するのを阻止し、止めに行った俺達を…綺羅達が何回も漁夫って来ることも恐れてたからな。2ndの綺羅は本気で攻めに来るようなこともまだしていないし、1stも今は無人機の罠を張り巡らせているだけだ。

 

勿論、出てくる敵は雑兵ばかりで敵のリーダーが出向くなんてことはそんなに無かった。だが、今までの殺者の楽園の行動から考えても何もしてこない。

 

まるで、不測の事態を狙っているかのようだ」

 

正輝は、フェイトのマンションから海鳴市を見たのを思い浮かべる。

こんな場所で無人機が大量に配備され、誰も暴れることのない平和な光景は、本来安堵するべきことなのだろう。

決戦編が始まってから、どの組織も何もしてこないことに違和感を感じる。

それまで正輝達が出来る事とすれば、合流するまでの準備を怠らないようにするしかできなかった。

 

12/5 8:30 フェイト宅

 

「…そろそろレイナーレ達と合流する連絡が来るかもしれないから準備に取り掛かれよ」

(本当に何もなければ、それで良いが…)

正輝達は、さやかの念話が来るのかを待っていた。合流時に戦闘になる可能性が高いからと、事前の準備をしている。

電話して、7km離れたとしても1stの妨害のこともあるから2.3日かかるかもしれないと予想していたが、思っていたよりも早くに連絡が来る。

 

『おーい、もしもーし。

あたしの念話、届いてますかー?』

(来たっ…‼︎)

『俺だ…今さっき届いたぞ。

今日中に合流することは可能か?』

 

さやかの呑気な念話を探知し、すぐさま正輝が念話に入って返事を返す。

 

『あ、来た。

私達は合流の準備はできてるよ、そっちは?』

『今から仲間に報告して、合流先のバス停へ向かう』

『分かった。今から向かうね』

 

さやかとの念話が終えた後、次に正輝のシャドーが報告に来た。合流の直前で敵や罠がないか周辺を探るよう周囲を散策させ、こうして戻ってきている。

 

「…そっちは、どうだった?」

『旅館にいるレイナーレ達を、確認できました。全てとはいえませんが、何個か罠を発見しております。

 

 

接触を避けつつ合流する最短ルートも用意しておきました。急いで出かける準備をして下さい』

「分かった…なら、今度はレイナーレ達の護衛を頼む」

 

シャドーは正輝の指示に従い、別々の方向へ外に移動する。

 

『…おい、全員聞こえてるよな。さやかの念話と、シャドーの一人から連絡が来た。

今からレイナーレ達の迎えに行く』

「私だけでも、先行していきますか?」

「セイバーだけ行かせるのは不味い。

クリスと、二人の影にシャドーも何体か追加させる。こいつらの指揮系統はお前に任せた」

「…私とシャドーだけで十分だと思いますが」

「相手は俺達と同じ正義側、しかもロープ陣営とも組んでるんだ…石橋を叩き過ぎても構わないと思っている」

レイナーレ達と無事に合流させてくれるとは到底思えない。サーヴァント相手に間違いなく警戒するから、セイバーの影に追加で分身を忍ばせる。

 

だが、事は簡単には行かない。デバイスの警鐘が鳴ったことで悪い予感は的中する。

 

『特殊な結界が発動してます。

警戒して下さい、マスター』

「大規模の結界…この近くで発動してるって事は。やっぱりレイナーレ達との合流は阻止するつもりか」

 

敢えてさやか達を泳がせて監視していたか、合流しそうな場所を1stが注視していたのか。何処にせよ、正輝達は待っているレイナーレ達の元へ助ける為に急ぐ必要があった。

 

「…正輝さん。何者かが複数、近くのバス停の方に近づいてきてます」

 

浜風が21号対空電探を見せると、敵の信号が複数向かってきているのが分かる。プレシアのデバイスと、正輝のデバイスも迫り来る魔導士を感知する。

 

「フェイトとアルフを襲ってきた…あの四人の守護騎士もいるわね」

 

プレシアがデバイスを展開し、空間に映像を出現させる。

映像にはバイクに乗って移動中のブラックロックシューターと、彼女の頭上には浮遊する巨大な髑髏に座りつつ髪を弄っている黒い大鎌持ちのデッドマスター、フロートユニット付きの無人機(ナイトメアフレーム)が数機飛行していた。

別の映像では2日前になのはを襲った四人の騎士達もまた飛行し、映し出されている。

家がバス停の近くならば、プレシアの元まで向かう可能性もあると、事前に話した通りにメディアと宗一郎へ護衛の依頼をする。

 

 

「プレシアさんは、家を守る為に傀儡兵を配備して下さい。

あれとは直接戦っちゃいけない。

もし戦って負けたら、蒐集されてしまう。

俺も後でキャスター達を呼んで、このマンションの防衛を徹底させます」

「そうね…でもそれは、私達だけじゃないわ。

デバイスを渡した貴方にも、言えることよ」

「確かにそうです。だが、セイバーや響達だけに任せるわけには行かない」

 

話の最中に、響とクリスの二人が虹の庭園から家に転移して来た。

 

「来たぞ、正輝!」

「士郎さん達、もう戦ってるんですか⁉︎」

「二人とも来たみたいだな。思ってたよりも展開が早かったが、連絡が来た。

立花の言った通りレイナーレ達がもうすぐこっちに来るが、襲撃を受けてる。

フェイト達は学校だし、そこを襲うようなら1stが許すとは思えない。あの二人やなのは達にもよっぽどの事が起きない限りは、抜け出さずにそのまま授業を受けるように言ってある。

 

浜風も、艤装の準備はできているか?」

「…はい、問題ありません」

 

彼らの行き先は、レイナーレ達がいるバス停へと向かって来ている。バス停にはシャドーがおり、レイナーレ達が到着しているという通達が

来たばかりだった。しかも、

 

「合流地点で…既に戦いを始めてるみたいね」

「クリスは、セイバーと別行動して狙撃者(スナイパー)を潰せ。

前回同様に射撃武器を持っている黒い少女が、いる筈だ。

 

レイナーレ達の元に直接に行くのは俺、立花、浜風の3人で行く!良いな‼︎」

立花とクリスはシンフォギアを纏い、正輝のセイバーと同様にベランダから外へと出て行く。

マンションから外出し、響とクリスが聖詠を歌って変身する。

 

「…キャスター、合流する仲間が襲撃されてる。

先日話した通り、二人にはフェイトの家の護衛を任せたぞ」

『えぇ、分かったわよ』

 

事前に話した通り、キャスターと宗一郎にフェイトの家族を任せ、正輝達はレイナーレ達の元へ向かう。

 

守護騎士だけではなく綺羅と久野を相手に、邪魔をしてくる仮面の男二人組のことまで探す余裕はない。

たとえ強い英霊を持っていても、苦しい戦いになるだろう。

 

ーーーこの決戦編での始動、正輝達は敵を倒すことよりも散らばった仲間と無事に合流することを最優先で動いている。

それが吉となるか、凶となるか。

 

 

 

 




正輝のデバイス【ローワン】
名前の由来は花言葉、バラ科の落葉高木「ナナカマド」の英語名。
慎重、賢明、私はあなたを見守る。
北欧の言葉では魔除けに由来する。
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