〈凍結〉TALES of ARISE 〜繋ぐ花〜   作:雨漏り

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 どうも。何か違うな〜、と書いては消してを繰り返していた雨漏りです( ̄∇ ̄)
 どうにか形にできました。


第三話

 

sideリアン

 

 グラニード城に戻ってくると兵士たちが慌ただしく駆け回っていた。何かあったようだ。そう思い近くを通りかかった兵士に声をかける。

 

「随分慌ただしいな。何があった?」

「はっ、数刻前にシオンを輸送中の部隊が襲撃を受けたとの連絡が……」

「襲撃だと⁉︎襲ってきたのは誰か分かっているのか?」

「はい、襲撃してきたのはおそらく紅の鴉によるものと思われます」

 

 紅の鴉…カラグリアで活動してるダナ人達の抵抗組織だったか…シオンの捜索にあれだけの部隊を動かしていたのだ。此方にとって重要なものだと予想するのは容易いか…。

 

「領将より通達はあったのか?」

「はい、奴らの拠点を叩きシオンを確実に確保せよと。現在二十三名の兵が集結しており、これから拠点へと強襲する予定です」

「……ならば私も行こう。戦力は多いに越した事ない。それで、拠点の場所は分かっているのか?」

「偵察隊からの報告では"ジオーネ廃坑道"にいるとの事です。あそこは我々も近づく事が無いので奴らの拠点で間違いないかと」

「そうか。…反逆者達はどうするつもりなんだ?」

「ビエゾ様の命では一人残らず始末せよ、と」

 

 一人残らず…か……。彼らは現状を変えようと立ち上がった者達、確かにレナにとって邪魔になる存在だ。だが…、

 

『リアン…、貴方には使命があるわ…。でも…、でももしも…貴方が望むなら。貴方自身の意思を、想いを大切にしてあげて…。それはきっと…とても大切な事だから…』

 

 アンナ…私は……。

 

 

 〜ジオーネ廃坑道前〜

 

 ジオーネ廃坑道まであと少しと言うところまで来た。

 

「では、作戦通り強襲をかける。もう一度確認するぞ。第一、第二分隊は私と共に内部に侵入しろ。ある程度戦ってから不利に見せかけ撤退、彼らを外まで誘い出す。シオンがいた場合は捕縛を優先しろ。第三分隊は抜け道が無いか周辺を探索しろ。有った場合其処から侵入しシオンを探せ。無かった場合は第四、第五分隊に合流しろ。そして第四、第五分隊。お前達は入り口近くで隠れて待機、合図を待て。以上だ」

「了解!」

「では、作戦開始!」

 

 紅の鴉の拠点へ近づいていく。

 

カンカンカンカン

 

 敵の見張りが此方に気づいたようで半鐘を鳴らしている。

 

「先に行く」

 

 後続の兵達にそう伝え単身坑道へと駆け出す。

 

 坑道の中から二人出てきた。槍を逆手に持ち、先に出てきた男の腹を石突きで突き体勢を崩す。男の体勢が崩れたところに蹴りを入れもう一人の男へと蹴り飛ばす。

 

「ゴホォ。グァぁ」

「なっ⁉︎うあぁ、っ」

 

 もう一人の男も蹴り飛ばした男と壁に挟まれ気絶したようだ。まずは二人。気絶していれば殺されることはないと思うが……。気絶した二人を一見した後坑道内へと入って行く。

 

 坑道内は人が四人ほど並べば埋まる程度の幅だった。槍を振るうことはできそうにないな。石突きで、あるいは体術を使い敵を気絶させながら奥へと進んでいく。途中脇道があったが敵の多い本道へと進む。ある程度進むと多少(ひら)けた場所に出た。

 

「悪いがここから先に行かせるわけにはいかんな」

 

 奥の通路から右腕に籠手を装備した男が歩いてきた。この特徴…。

 

「貴方がジルファか?」

「そうだ、あんたは領将補佐(スルドグレイア)のリアンで合ってるか?」

「驚いたな。既に知っているとは」

「何、あんたらの部下が話してるのを聞いただけさ」

「そうか、情報を漏らすとは後で叱らなくてはな。貴方を捕縛した後に誰が言っていたのか聞かせてもらおう」

「そいつは無理な相談だ。鎧で見分けが付かんし捕まったりもしないからな」

 

 互いに軽口を叩くが隙は見せないか……槍を持ち直し低く構える。手を抜ける相手ではなさそうだ。ジルファの後ろから十人近くの男達が来た。後ろから鎧の擦れる音が聞こえてくる。此方の兵達も追いついたか……

 

「お前達は他の相手を頼む。こいつの相手をするには荷が重い」

「ジルファの相手は私がする。お前達は他の者達の相手を頼む」

 

 ジルファの声と被る。どうやら考えることは同じようだ。

 

 地面を強く蹴りジルファとの間合いを詰める。

 

「ふっ」

 

 槍で斬り上げる。が、ジルファは一歩後ろへと下がり上体を反らす事でこれを避ける。空いた胴へとジルファの拳が迫る。

 

 左腕の籠手で受け止める。

 

ーー重い!

 

 耐え切れないと判断。ダメージを減らすために自ら後ろへと跳ぶ。飛ばされたが空中で体を捻り体勢を整え着地する。

 

 ジルファに意識を向けつつ防御に使った左腕の感覚を確かめる。痛みはあるがまだ動く。

 

 飛ばされた事で開いた距離を助走に使い、素早く駆け寄る。斬り払いではなく突きによる攻撃に切り替える。一撃、二撃、三撃と突きを繰り出すが籠手で逸らされ、躱される。

 

ーー攻めきれないか……

 

 体勢を立て直す為に距離を取る。周りに意識を向けるとあちらも押され始めているようだ。

 

ーー潮時だな……

 

「総員撤退せよ!これ以上の戦闘は此方に不利だ!」

「了解」

「なっ⁉︎逃すな、追え!」

 

 ジルファ以外は勝機と見たのか追いかけてきた。

 

ーーそのままついて来い

 

 坑道から外へと飛び出す。途中先程気絶させた者達が居たが殺されてはいないようだ。

 

ーー良かった……

 

 そう思ったが、直ぐに意識を戻す。追ってきた者達が坑道から出たのを確認。声を上げる。

 

「総員反転!第四、第五小隊構え!」

 

 隠れていた部隊へと合図を出す。周囲の岩陰からクロスボウを装備した兵達が姿を現し彼らを包囲する。

 

「周囲に抜け道は?」

「確認した限りそれらしい物はありませんでした、出入り口は此処だけかと」

「そうか。……部隊長、後の指揮を任せる」

「はっ、総員構え!」

 

 その時、坑道からジルファ、仮面の男、そしてシオンが出てきた。

 

「裏切り者を捕らえろ!他は皆殺しだ!」

 

 その号令と共に彼らに向かってクロスボウから矢が放たれていく。だが誰が放ったのか一発の矢がシオンの胸へと刺さり彼女が倒れる。

 

「何をしている!まだ主霊石が何処にあるのか分かっていないのだぞ!」

 

ーー刺さっている場所は心臓の位置より少しだが上だ。星霊術で治療すれば間に合う‼︎

 

 急ぎシオンを確保しようと駆け出そうとする。だが、

 

「うあぁぁぁぁあぁぁ」

 

 矢が刺さっている所から空高く火柱が上がる。

 

ーー何だ!何が起こっている⁉︎

 

 倒れているシオンへと仮面の男が駆け寄り燃え盛りながらも刺さっている矢を握り引き抜いていく。だが、男が引き抜いたのは矢では無かった。強く燃え盛る炎を纏う剣。そして、シオンの胸の前には主霊石が浮いていた。

 

「主霊石!自らに埋め込んでいたのか⁉︎もういい‼︎あれを取り返せば殺しても構わん‼︎突撃ー‼︎」

 

 部隊長が号令を出し大剣を装備した兵達が彼らへと駆け出していく。

 

「待て!不用意に近づくな‼︎」

 

 仮面の男が燃え盛る剣を構える。

 

「うぉおおぉぉぉっ‼︎」

 

 雄叫びと共に剣を振るうと剣から炎が溢れる。それはまるで此方を呑み込まんとする大波の如き勢いだ。彼らに近づいていた兵士たちが炎に呑まれていく。

 

岩石壁(ロックウォール)‼︎」

 

 槍の穂先を地面へと刺し星霊術を唱え前方に岩の壁を作り出す。

 

「無事な者は撤退しろ!急げ!」

 

 その告げると同時に炎の波が壁とぶつかる。

 

「ぐっあぁぁ」

 

 壁越しでも伝わる程の熱量。そして炎の勢いによって壁の端が少しずつ砕けて行く。炎が収まる頃には壁の大きさが半分程まで減っていた。

 

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 

 疲弊した体に鞭を打ちこの場から走り去る。しばらく走っていると先に撤退させた兵隊が集まっていた。

 

「生き残ったのはこれだけか?」

「はい……私を含め六名のみです」

「そうか……グラニード城へ急ごう。少なくとも主霊石が何処にあるかは分かっ……た……」

「リアン様⁉︎」

 

 自分で思っていたより体力を奪われていたらしい。私の意識はそこで途絶えた。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、炎の剣に炙られた結果気絶したリアンでした。リアンの心情が上手く表現するのが難航しています。
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