スペシャリストでナンセンス   作:強烈ミントのキセル

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お兄さんはサージェント

硝煙臭く、多数の銃声が響く荒野……そこは今まさにレジスタンスと連合軍が争う戦場の真っ只中……

 

「弾薬をあるだけ寄越せ!!!」

 

「りょ、了解!!!」

 

レジスタンスを鎮圧する連合軍の先頭で銃(只のハンドガン)を正確に乱射する男……

彼の撃つ弾丸は全てレジスタンスの命を刈り取り、天……否、地の底へと引きずり込んだ。

しかしどんなに彼の腕がよくても相手が悪い……相手のレジスタンスは人員が多く、彼の所属する連合軍は生憎硝戒部隊であったために人員が少なく、応援待ちである。

 

「弾薬はまだか!!!」

 

「弾薬、手投げ弾共に切れました!!!」

 

「ちっ……仕方ねぇか……応援は?」

 

「残り五分、間に合いそうにありません……」

 

「撤退も已む無し……か……」

 

「シキ殿!!!」

 

「なんだ!」

 

「衛生電話です!」

 

「このタイミングでか……誰だ?」

 

「アメリカから……織斑様、妹様からです……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寄越せと一言言い放ったシキと呼ばれた男は衛生電話を受け取ると、一言二言話し……そしてレジスタンスへと走り出した。

片手には耳に当てたままの衛生電話……そして左手には何の変鉄もないナイフ……俗に言うマチェットを片手に……

 

「なっ何だコイツ!?」

 

ひとりは首の頸動脈を寸分の狂いなく斬られ、

 

「こ、このっ」

 

ひとりは心臓をひと突きに……

 

「相手はひとりでナイフだ!!!撃ちまくれ!!!」

 

ひとりは眉間を貫かれ、

 

「ひ……ばっ化物!!!」

 

ひとりは喉を貫かれた……

 

「来るな……来るな~!!!!」

 

またひとりは狂い銃を乱射し、

 

「なっおいやめ……」

 

そしてひとり、またひとりと流れ弾にその体を貫かれ、

 

「化物が、道ずれにしてやる!!!」

 

そして最後のひとりは自爆した……

 

 

爆発の煙が晴れ、そして残った男は電話にこうに呟いた……

 

「今どこだ?」

 

男の名は織斑 四季……職業傭兵……世界で最も強い女性の兄であり、これより始まる物語の主人公である……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雑兵しかいねぇじゃねぇか……こちとら高い金貰って仕事してんだぞ!!!」

「報酬に合った仕事しねぇとスッキリしねぇんだ!!!」

「さっさと政府の頭痛の原因出てこいや!!!」

 

このチンピラの様な物言いをする男、織斑四季は傭兵である。

報酬に合った仕事をするのがポリシーであり、座右の銘でもある。

そして稼いだ金の約八割は遠く離れた妹と弟へと仕送りしている。

尚妹と弟も離れて暮らしているので、厳密には妹四割弟四割である。

 

「…………んだよ、ここもハズレか……」

 

ちなみに襲撃したのはここで五回目……なかなか親玉へと辿り着けていない様子だが、五つも政府の頭痛のタネを潰した訳だしもう結構な働きぶりな気もする。

 

「しゃぁね……今日はこれで終いにすっか……」

 

夜も更け、流石に疲れてきた四季はその場に腰を降ろすとポケットラジオを取り出しスイッチを入れた。

 

「情報収集は仕事探すのに便利だからな……」

 

流れるのは全てワールドニュース……しかもスポーツが始まるとすぐに周波数を変えて別のニュースを聞き始めた。

数回周波数を変え、ニュースを聞き、満足したのか電源を切ろうとしたその時である。

 

『臨時ニュースをお伝えします……』

 

「ん?」

 

『今日未明、日本政府が男性初のIS適合者を発見したことを発表しました……』

 

「政府の頭痛のタネがまた増えたな……難儀なこった……」

 

『……尚発見されたのは織斑一夏15歳……あの織斑千冬の弟で……』

 

「ん゙?」

 

ピリリッと四季の携帯電話が鳴る……

 

「…………はぁ」

 

臨時ニュースを流すラジオのスイッチを切り、四季は電話に出た。

 

「はい、こちら四季……何用か」

 

眉間にシワが寄ってる彼の表情は、少々苦笑いを含むものだった……

面倒な奴だが、それでも放っておけない……それなりに大切だし、邪険に扱ったことはない…………そう彼は語る。

 

「束……今度は何の面倒事だ?」

 

その知人の名は……

 

『あれ?わかっちゃいます?』

 

「当たり前だ……何年お前の面倒を見てやったと思ってる……」

 

篠ノ之束……又の名を、

 

『あはっ♪そうですよね~♪』

 

天災ともいう……

 

「用件を言え、また匿ってくれとでも言うのか?それとも気に入らない研究施設をぶっ潰して欲しいのか?」

 

『も~……束さんはそんなに物騒なお願いしませんよ~……』

 

「何度もしてるから言ったんだがな……」

 

『う……確かにそうですけど……』

 

「まぁ、大体の見当はついちょるけん……日本に向かうとするべ」

 

『さっすがシキさん♪束さんのお願いが言わなくてもわかるんですね~♪』

 

「阿呆、お前からお願いされんでも行くわ……ほんに二人が心配で仕方ない……」

 

『ちーちゃんも寂しいって言ってましたよ~』

 

「さよけ……」

 

プチっと電話を切る四季……まだ話の途中に見えたのだが……そこには触れないでおこう。

それはともかく四季は突然周りをキョロキョロと見渡し始めると、周りに物がない開けた場所に移動した。

 

「エーミル……起動しろ」

『…………おはようございます、サージェント』

「残念だがこんばんは……だ」

『失礼しました……寝ぼけていたようです……』

「そうかい……だがまぁ、しっかり起きてくれよ?」

『サー……システム、オールグリーン……通常モードで起動……完了しました』

「よし、フライトシステム不可視モードで起動……オゾン臭は控えめな」

『サー……システム、フライトシステムに移行……装甲を展開します』

 

四季の姿が装甲という名の鎧に包まれた刹那……装甲に包まれた四季の姿は消え、代わりに砂埃が辺り一面を覆った。

四季が会話をしていたのは、彼が傭兵活動によって集めた僅かな資金で作製した自己進化AIである。

そもそもAI、なんて簡単に作れるものでもないのだが……それができるから四季なのである。

ただのAIではなく自己進化ってところがまた凄いとこなのだが……

今や普通に四季と会話するし、感情の欠片が見え隠れしている。

…………先程の謎の会話についてはまた追々説明することにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも……俺だ。

さっさと仕事を終わらせ日本へと移動した。

束の事だから俺の身内には知らせていないんだろうが……所謂サプライズってやつ?

そんな必要ないと思うのだが……さて、

 

「エーミル、行くぞ……IS学園に」

『サー……入学式までおよそ2時間……』

「おう」

 

束の追記メールによれば、なるべく入学式が終わるまでに目的地に到着してほしいとかなんとか……

まぁ、二時間もありゃ余裕だろ。

 

「今回の仕事は長くなりそうだな……」

『…………およそ3年はかかるものと思われます』

「さよけ……3年もありゃ腕が鈍るかもしれんな……」

『…………射撃訓練場等の施設があるので、腕の鈍りを抑える事はできそうです』

「実践じゃないと気休め程度だがな……」

『肯定……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ……なんだあの警備員は……失敬な奴だったな」

『サージェントが男性だったことからあの態度だったものと思われます……』

「嫌な世の中だね……」

『そしてサージェントがそれなりの立場にある人物である事を知り、態度を一転させたものと思われます』

「束の親友であり噂の姉弟の兄ってか?」

『肯定……所謂ゴマスリ…ですね』

「知らねぇよんなこと……」

 

IS学園に到着した俺は手厚い歓迎(笑)を受け、嫌な気分である中……着々と束の思惑は進行するのであった……サプライズな。

 

「で、何か?良さげなタイミングで教室に飛び込めば良いのかね?」

『肯定……追記メールにはそう書かれています』

「さよけ……」

 

良さげなタイミングってのは……別に今でもいんじゃね?

 

「自動ドアか……突入に適していないが……ま、どうとでもなるか」

『サポートはお任せを』

「任せた」

 

どうやらエーミルが自動ドアを開けてくれるらしい。

 

「じゃ、突入……」

『サー……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の命令には全てはいかYESで答えること」

 

彼女は織斑千冬……このIS学園の教師である。

ドヤ顔で喋っているが、様になっているので特に言うこともないだろう。

 

そんな中の話である……

 

プシュッと音がしたと思いきや……ひとりの男が教室に飛び込んできた。

男は前転を一回すると、手にしたハンドガンを構えた……しかしまぁ、すぐに下ろしたが。

 

「オールクリア……どうだ?」

『サー……オールクリア』

 

男の名は……まぁ、もうわかるだろうが織斑四季である。

 

「お兄ちゃん!?」

 

「兄ちゃん!?」

 

そして噂の姉弟の……

 

「おう、久しぶりだな」

『初めまして、織斑姉弟様……』

 

世界最強の兄である……

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