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「ポストガン、えっとね……そう、パイルバンカー。俺らの業界じゃブローケン ランスって呼ばれてる。ISの装備にもあるんじゃないか?」
歓声が上がる。
ポストガンを開発したメルサもこりゃ、鼻高々だな。
するとエーミルが何故か自信満々に解説し始めた。
『……薬が連続して炸裂し、セットされた鉄杭が超高速で射出されます。通常のパイルバンカーとは違い、杭は撃ち込まれると刺さったままになります。尚弾数はこれにより一回使いきりです、使い捨てです』
何故俺よりも詳しく知ってるんだ……ビックリ。
『一回きりの使い捨てなのでデッドウェイトの心配もありません……射撃武器として使えなくもないです。この場合はネイルガン、ニードルガンと運用方法は然程変わりません』
え、そんなこともできんの?
俺知らなかったんですけど……え?
生徒たちは熱心にエーミルの解説を聞いているし、エーミルってもしかして教師肌なのか?
どれ、ちょっと撃ってみるか。
「ここに特注の的がある。ちなみにこれを開発したのはメルサだ」
「先生、メルサって誰ですか?」
生徒の一人が挙手して質問してきた。そういやメルサ知らないんだったかな……どう説明しようか。
変態?脱走するやつ?面倒なやつ?これを説明するのは難しぃぞぉ?
「あ、私知ってる。第二の天才って呼ばれてるなかなか表に出てこない人だって……」
お、知ってる生徒もいるらしい。
「仕事の知り合いだ……ちなみに整備室に住み込んでるぞ」
これくらいなら言っても別に構わないだろう。
「これにポストガンを撃ち込むから、少し離れてくれ」
生徒たちはそれに従って後ろに下がる。
ある程度距離がとれたのを確認したら的にポストガンを撃ち込み、その威力を披露した。
鉄杭は的を貫通し、すぐ後ろの地面に突き刺さった…こりゃ、凄い。
「安心しろ、模擬戦の時に使用しているのは火薬の量を調整した訓練用だ…一応これも訓練用だが、これよりも遥かに威力は抑えてある」
パラパラと拍手の音が続きそれも止むと、生徒たちはもう良いだろうと元の位置に戻ってきた。
「次はイーグルダート…ダガーと同様短剣ではあるが、こちらは重心が先端部分にある」
ポストガンが元のブロックに戻り、続いてイーグルダートへと変形していく。
「あれだ、短剣型の斧みたいな感じだな…斬りつけた時に深く斬り入れる事ができる。ISじゃ関係無いがね」
イーグルダートが完成し、それを手に取る。
「よく見ればわかるとは思うがこの通り先端は尖っておらず、扇型になっているので突き刺す事は普通じゃできない。攻撃方法は斬りつけるか、突貫するかのどちらかだ」
的をイーグルダートで斬りつけて見せる。
深々とイーグルダートは斜めに刺さり、的に深く大きい切れ込みを作った。
「ちなみにこれも、ここじゃ刃のないただの鉄板同然のモノを使っている。じゃないとシールドが破れるからな……」
一通り解説し終えると、黙っていたエーミルが突然口を開いた。
『前回の試合では以上二つの兵器のみが使用されました…次は私が解説させていただきます』
続いてエーミルが試合で使用した兵装を解説するらしい。