流石に姉弟の性格がアレ過ぎる気もしますが……このまま突っ走ります。
「何してんだメルサ……」
「何してるんだ?じゃないよシキ……ペンを持ってきてくれって言ったじゃないか……」
「は?ペン?」
「いつ言ったんだよそんなこと……」
「いつって……12時間前に確かに言ったよ」
「12時間って……俺はその時何してたと思う?」
「お前ならわかるだろ……」
「…………出掛けてたのか……そうか」
「そゆこと……考え事してたら周りが見えなくなるのは悪い癖だな……」
「今回の依頼が少々難航しているんだ……すまないね」
「天才科学者も大変だな……」
「俺も大変だよ……知り合いに天才が二人もいるってのはね」
「煩いなぁ……僕の前では他の人間の話をしないでもらえるか?」
「あ~ぁ、へいへい、さいですか……」
「こりゃ失敬」
「四季さん!!!」
「煩っ……んだ、箒か……どうした」
本日二度目の休み時間……一夏と久しぶりの対話をしていると、束の妹…箒がやって来た。
コイツは姉と違ってテンションが高い……姉も姉で妙なテンションな時もあるが、こちらは常時このテンションだ。
以前姉と折り合いが悪かった時期もあったが、俺が説得した結果、
殴り合うという形で仲直りした。
悪く言えばバカ……よく言えば熱血である。
大分人懐っこい熱血……俺じゃなけりゃぁ死んでるかもしれない連続マラソンに付き合わされたり、山本武蔵ごっこと称した試合を行い近くの道場の門下生をめった打ちにしたりと……この姉も姉なら妹も妹と、かなりぶっ飛んでいる。
「お久しぶりです!会いたかったです!!!」
「あ~……そうかい」
どうも……俺は人一倍コイツに懐かれている気がする。勘弁してほしい。
「あれやってくださいあれ!!!」
「あれってのはどのあれだ?」
「高い高いするやつです!!!」
「お前さ……いい歳してんだからそれはやめとこうぜ?」
「いえ、やってください!!!」
「…………こい」
「はい!!!」
まぁ、できなくもないが……前やったのは……まだ歳が一桁だった頃だぜ?
天井に頭ぶつけかねない気もするんだが……
「ほれ、高い高い……自重して高~い……」
「高っあれ?低い?四季さん!低いです!!!」
「アホ、流石に自重しねぇとおめえ天井に頭ぶつけるべ?」
「あ……それもそうですね……ちょっとがっかりです!!!」
「っだ~!うるせぇ!!!」
「あ……すいません……」
「兄ちゃんは人の声が苦手だからね……」
人の声ってか……頭に響く騒音は苦手だ。銃声等は除くが。
「まぁ、静かにしてりゃ大和撫子ってやつなんだからそこんところ意識しとけ……」
「へ?大和……撫子?……ふぇ!?」
「はいはい、百面相ごっこはお終い終い……さっさと席につけ、授業が始まるぞ~……」
「あ、うん……ほら、箒も……」
「私が、大和撫子……エヘッエヘヘッ」
「ダメだこれ……」
俺は知らねぇ……何も見てねぇし言ってねぇ……だから千冬に威嚇したリスの様な目で見られる筋合いは全くねぇ。
「それは本物の拳銃なのでしょうか?」
「あ?あぁ……何の変鉄もねぇが愛用してるコルトだが?」
「本当に傭兵なんですね……」
「まぁな……てか千冬の授業聞いてなくて良いのかよ」
現在は2時間目(LHRの後に休憩、さっきのが1時間目後の休憩……で、今2時間目な)の授業中である。
例のオドオドしたキョドってる女教師より再びコンタクトがあり、先程より少々会話が続いている状態にある。
この教師……LHRからずっとこの教室にいるのだが……はて?
「あ、私副担任なんです……山田真耶と申します……えっとですね、授業の進行の仕方などの復習をしようと見学していたので、聞いていなくても問題は、ないです」
「さよけ……」
コルトを分解して整備しつつ、少々会話をしていたら、あっという間に授業は終了してしまった。
「………!…!………!」
「…………!………!……!」
何やら一夏と女子生徒がもめている様だ……喧嘩するほど仲が良いとも言うし、そっとしておくとしよう。
にしてもしかし……下手したらあの女子生徒よりも一夏のがべっぴんさんかもしれねぇな……こりゃ。
盆で帰省したときに男子に告られたとかなんだとかで泣きついてきた事もあったなそういや……ふむ。
もしかして一夏ってのは女性よりも女性ってやつか?俺に似て家事とサバイバル能力(生活能力)高いし。
嫁の貰い手にゃ困らねぇな!ハハハッ!
…………何考えてんだ俺は……こりゃ、本格的に疲れてきてるな。俺。
よし、少し寝よう……ま、少しだ。十分十分……一分間の深イイ夢が十本立て……豪華だな。
「そこで寝ている男こそ日本がいかに遅れをとっているか証明していますわ!!!」
十分と言わず数十分に渡る俺の駄眠は、突如甲高い俺のもっとも苦手とする騒音によって妨害されることとなる。
「【脳が受け付けてくれません】!!!」
「【アーアー聞こえねぇ……】!!!」
「【あれだべ、所謂ふじこってる?】!!!!」
「【俺をイラつかせるプロだな】」
何言ってんだコイツ……
「あ~……傭兵してると変人って人種をよく見かけるもんだが……」
殺す事に快感を覚えてるヤベェのとか、「帰ったら○○するんだ……」とか言ってものの数秒で死ぬやつとか、「俺は今まで撃ち漏らしたことはねぇ!」とか言っておきながらあっさり的を外すスナイパーとか……
まぁ、そんな個性的な変人の中でも、
「お前みてぇなヒステリックな奴ってのは大抵映画でも何でも次のシーンには惨殺体で発見されるもんだ……わかるか?今お前は日本人全員を敵に回したんだ……この意味、わかるよな?夜道に気を付けな……ビーケアフリー……アーユーオケー?」
「な、脅迫ですか!?傭兵だなんて野蛮だと思っていましたが「うるせぇな……こちとら一睡もしとらんのじゃ……要人警護の仕事明けて間髪入れずに仕事入ったもんだから休まずに済ましたもんだから13日な?ギネス大幅に更新しとるべ?一仕事済ませてビジネスホテルで一休みしようと思ったらこんなところに呼び出されてよ?そりゃ可愛い可愛い妹と弟、それからあれだべ、友人の為だから文句なんてないし兄としての責任があるべ?これくらいなんともねぇし痛くも痒くもねぇ、それこそ目に入れても痛くねぇからな?俺の妹と弟、それから友人は。でもよ、ちいとばかし疲れてるんだわ……わかる?おつむ大丈夫?ちょいと休みたいの、わかる?妙な考え事しちまうまで本格的におかしくなってた訳、わかるよな?で、休んだよ……流石に錯乱して生徒刺したくねぇしな。でもよ、お前がそれを邪魔したんだよ!!!!!!ふざけんなし……人がせっかく家族三人と他三人で砂の城ほったててる夢見てたのによ、おめぇ何してくれてんだよ!?お前だってさ、安眠を邪魔されたらさ、キレるよな?キレないってか?じゃあ早朝寝起きドッキリしてやろうか?元気になるテレビじゃねぇけどさ、使うのはバズーカじゃねぇよ?手榴弾使って吹き飛ばしてやるよ……何なら対戦車用の特殊配合した爆薬使ってやらぁ、汚ねぇ花火が見れるだろうよ。ただ単に起こされただけなら別にここまで怒らねぇよ?でもよ、起こし方がもう最悪……代表候補生だかなんだか知らねぇけどよ、英国淑女なら俺と違って使って良い言葉と悪い言葉の区別くらいつくべ?メルサのがまだまともだったわ……はぁ……あ、ヤベ……血管がプチっと逝った……」
「に、兄ちゃ!?」
「お兄ちゃ!?」
そして俺がめを閉じる寸前に見たのは、涙目でワタワタする妹と弟……お前ら……保健室ってのを忘れてないか……?
文中の他三人ってのが誰なのかわかった人は流石です。