東方翔霊録ーЯe:bootー   作:来翔

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初めまして、来翔です。
長らく別小説更新出来ていないので、お久しぶりでもありますね。
今作は、過去作である東方翔霊録のリブート作品です。リブートではありますが、キャラ名とキャラの立場が同じだけの別作品と捉えてください。
もちろんキャラの性格等も変更ありますので、ほぼ新作と言っても過言ではないかもしれませんね。

過去に翔霊録を読んでくれた方も新しく読んでくださる方も楽しんでいただけるように執筆致します。

では、物語の開幕です


序章ーRe:幻想入りした少年と幻想に住む少女
幻想入りした少年


慣れないことはするんじゃなかったと後悔していた。神代翔聖はそう思いながら雨が降る中全速力で走っていた。

途中疲れから足がもつれそうになるものの、この道の先にあるカーブで巻けるかもしれないと自身を鼓舞し、息も絶え絶えの身体に鞭を打ち足を動かす。

 

雨の中走るのは、何の変哲もない高校生 神代翔聖(かみしろしょうせい)

「くそっ!首を突っ込んだのは僕だけどこうなるとは思わなかったよ!」

 

事の発端は今から数分前に遡る。

テストで学校が早く終わり、るんるん気分で帰っていた彼は不良に絡まれている友人を発見した。当初は見過ごそうと思ったものの気づけば身体が動いていた。

無論、翔聖に喧嘩の心得などあるわけない。結果は火を見るよりも明らかで、最も簡単に反撃にあった。ただ、不幸中の幸いなことかは不明ではあるが、友人は何とか逃げることに成功はした。ターゲットが翔聖になっただけであるが。

 

「や、やばい‥‥‥そろそろ体力が尽きる‥‥‥」

 

部活動で走り込みをしているとはいっても、走っている場所が土なため泥濘で走りづらく余計に体力をもっていかれる。それだけでなく土砂降りのため制服に雨が染み込み重くなり更に彼の自由を奪うという最悪のコンデションなため満足に走ることができていないのだ。

 

「まてやぁぁ!クソガキ!」

「喧嘩売っといて無事で済むと思うなよぉ!逆らえないようにしてやんよぉ!」

 

後ろから怒号が聞こえ、その刹那翔聖は異変に気づいた。後ろから聞こえた声は2人。その異変が真実かどうか確かめるべく後ろを振り向いた翔聖の目に映ったのは自身を追いかける2人の男。

翔聖の記憶の中では追いかけていたのは3()()()()()()()

 

(おい……まさか。そんな事あるの!?)

 

嫌な予感がした翔聖が前を向くと、先回りしていたもう1人の男が立っていた。この周辺を根城にしているかもしれないから土地勘が自分よりもあることで先回りされたのだと翔聖は考えた。

一本道で周りは雑木林。雑木林に飛び込むという手もあったが、土地勘の無い自分がましてやこの悪天候の中自然に飛び込む事はこの場を切り抜けられても無事ですまないはずだ。

 

「くそっ……どうすればいいんだ。このままじゃ囲まれる」

「よし、止まったぞ!おい、お前も来い!」

 

後ろの男の1人が制止している翔聖を見て、前の男にこちらに来るように命令する。

このまま囲まれてしまうと逃げることは不可能。まさに絶体絶命と思ったその時

 

「右の雑木林に飛び込みなさい。大丈夫ですよ、必ず助かりますから」

 

翔聖の耳に女性の声が聞こえた。男達の様子を見るに自分に聞こえていないようだ。

怪しさ満点と言ったところではあるが、一か八かの賭けで翔聖はその声に導かれるままに右の雑木林に突っ込む。

 

「バカだな!俺たちから逃げられると思うなよ!俺はこのまま突っ切る。お前たちは反対側に向かえ!」

「おう!」

 

後ろから男達の声が聞こえるが、翔聖はそれを気にすることなくひたすらに木々をかき分け先に進んでいく。

 

それからしばらく走り続けると、雨の音が止んだ気がした。

 

(止んだのかな?でも、今日は一日中雨だったような気が……)

 

少し休憩しようと空を見上げると、木々の間からではあるが雲ひとつない晴天が見えた。

理解が追いつかない翔聖であったが、ひとまず雑木林を抜けたいという気持ちが先に出てきて目の前に光が差し込む場所が見えたためそこに向かって今度は歩いていく。追っては来ない、そう翔聖は確信はなかったがそんな気がした。

 

「……ここはどこだ……こんな場所見たことがない」

 

やっとの思いで雑木林を抜けた翔聖の目に飛び込んできたのは大きな神社であった。

雑木林を抜けた先は公道だったはずと翔聖は自身の記憶を起こしていた。

ひとまずここがどこか調べるために探索を始める翔聖。そんな彼の目に真っ先に飛び込んできたのは何か書いてある看板だった。

 

「……名前書いてある。博麗神社……?そんな神社の名前聞いたことないや」

 

聞いたことがない名前に困惑していると

 

「見かけない顔ですね。誰ですか?」

 

後ろから声をかけられた。驚きのあまり声すら出せずに翔聖が振り向くと額に1本角があり、カールがある緑髪を持つ少女が立っていた。

コスプレではなく、人間ではないと翔聖は一瞬で判断できた。雰囲気が、人間とかけ離れていたからだ。

 

「神社に何か用ですか。というかどこから出てきたんですか」

「ちょうどよかった……!ここに住んでるのかな?道に迷ってたんだけど……ここってどこなの?博麗神社って聞いたことなくて」

「博麗神社を知らないなんて……ああ、()()()()()()()()()。それなら納得です」

 

翔聖の頭の中は?マークでいっぱいだった。夢なのかなと思って頬を引っ張っても痛いだけで目が覚めることは無い。

 

「ごめん……話が分からないんだけど」

「ああ、そもそも知らないんですもんね。えっと」

 

少女が言いかけると

 

「ったく……うるさいわね。おちおち昼寝もできないじゃない」

「あ、霊夢さん!」

 

神社の方から襖を開ける音と少女の気だるそうな声が聞こえていた。

翔聖がそちらを振り向くと、彼は目を見開いた。

漆のような黒髪に整えられた顔。そして漫画でしか読んだことがないが巫女服のような衣服をまとった少女が立っていた。

まさに美少女と言っても過言ではないと翔聖と内心鼻の下をのばしていた。

 

「あうん、ソイツ誰?私に男性の知り合いは霖之助さんとか数える位しかいないんだけど」

「この人は外の世界から来た人ですよ、霊夢さん。博麗神社って言われてもピンと来てませんでしたもの」

「ふぅん。あんた、名前は?」

 

前言撤回したかった。容姿端麗だから中身は美麗だと思っていた自分を殴りたくなった翔聖。

初対面の相手にいきなり上からものを言われて翔聖は感じ悪いなと思いつつも名乗らないのは失礼なため名乗る事にした。

 

「僕は神代翔聖です。不良に追いかけられて逃げてたらこの博麗神社……?に着いたんです」

「結界緩かったのかしらね。私は博麗霊夢、ここで博麗の巫女をしているわ。よろしくね、翔聖」

「は、はい……」

 

会話が弾まなかった。女性、しかも自分と歳の近そうな異性と話したことが翔聖にはなかったからだ。

 

「なんで不良なんかに追われてたのよ。見た感じ喧嘩とか出来なさそうだけど、見た目に寄らずってやつかしら?」

「喧嘩なんかしたことないですよ。友達が絡まれてたから助けなきゃって……まぁ返り討ちに合いましたけど」

「ふっ……」

 

翔聖の返答に霊夢は鼻で笑ってしまう。

 

「な、なんだよ!友達を助けちゃ悪いっていうのか……言うんですか」

「ごめんなさいね、随分お人好しだから。勝てる勝算もないのに突っ込むなんて本当にお人好しね。今まで苦労したでしょ」

 

霊夢の言う通り苦労していた。助けた友達に裏切られたりと色々あったがそれでも誰かを助けたいという気持ちはきえることはなかった。

 

「その顔を察するに色々あったのね。でも、見返りを求めずに人を助けるなんて……立派だと思うわ」

 

急に向けられた霊夢の微笑みに翔聖は思わずトキめいてしまう。

 

「でも、馬鹿の一つ覚えなのは間違いないわね」

 

また前言撤回したかった。上げて落とすとはこの事だ

 

こんな出会いではあったが、後に惹かれ合う事を2人はまだ知らない

 

ーTo Be Continuedー

 

 




ありがとうございました。
気分転換に書くようになると思いますので、更新自体は遅めです。もし、気分が乗っていたら連続更新もあるかもしれません。
他の作品については報告にて記載しますね。

では、次回をお楽しみに
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