東方翔霊録ーЯe:bootー   作:来翔

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来翔です。
今回は、筆が乗ったのか早い更新でした。
次回もこんなふうに早い更新が出来たらなと思います。
では、本編をお楽しみください


第一章〜幻想で生きる少年〜
人里へ


「さて、とりあえずその背負ってる物を下ろしたら?」

「あ、そうだね。どこに置けばいいかな?」

「邪魔にならない場所なら、どこでもいいけど……何が入ってるの?見た感じ重そうだけど、アンタの学校?とかいうところは大荷物なの?」

 

霊夢は興味津々に翔聖のリュックを見ている。幻想郷にも学校に似た寺子屋があると聞いたが、持ち込むものが違うので霊夢が興味を持つのは仕方がないと言える。

翔聖は霊夢に見せる様にリュックを下ろすと、チャックを開いては中にある教科書類を見せていく。

 

「これって寺子屋でも見たことあるわ。でも、こんなに分厚くはないし本のように閉じてもないわね。寺子屋にある勉強で使うものよね?」

「そうだよ。そっちとは違うと思うけど教科書ってものだよ。これ以外にもあるんだけど今日は必要なくてね」

 

霊夢はフーンと聞いているのか聞いていないのか分からない返答をすると、リュックを無遠慮に漁る。今日は荷物が少かったため見られても困るものはないので翔聖はそれを止めない。

寧ろ、止めたところで好奇心で動いている彼女を止められる気はしなかったこともある。

 

「あら、これは何かしら?箱……?にしては小さいに軽いわね」

 

霊夢はリュックの奥から翔聖のスマホを取り出す。スマホを興味深そうに霊夢は触ったり見たりする。幻想郷にはまだ存在していないためこの反応は当然と言える。

何故、現代っ子でスマホを手放せない年代の翔聖がスマホを奥にしまっているのは理由がある。それは、不良から逃げる際に落としたりしてスマホを見られたら住所など特定されたり、知人に迷惑がかかると思ったのでリュックの奥に隠しておいたのだ。連絡先の数などたかが知れているが、念には念と翔聖の考えだ。

 

「スマホだよ」

「すまほ?何それ、どっかで見たような気はするけど何に使うの?」

「遠くの人と話したり、分からない物を調べたりするんだよ。多分ここじゃ使えないと思うけどね」

「なら使えないものね、返すわ」

 

霊夢は翔聖にスマホを投げ渡す。使えたらどうするつもりだったのだろうとキャッチしながら疑問に思うが答えが怖いため聞くことはやめた。

 

「本当に外の世界からきたのね。私には何が何だか分からないわ」

「まぁ、それは仕方な」

 

翔聖が何かを言いかけると、彼のお腹が鳴った。

 

「……お腹空いたの?」

「……う、うん。朝遅刻しそうになって朝食食べれてないし、昼も不良たちのせいで食べられなかったし」

「そう……、14時か……。よし、翔聖。私もお腹空いたからご飯食べに行くわよ!ついでにアンタの布団とアイツに挨拶しに行くわよ」

「アイツ……?さっき紫さんが言ってた人?」

「ええ、今は暇なはずだし。それじゃ行くわよ」

 

霊夢は一足先に靴を履くと、外に出る。翔聖も彼女の後に続いて外に出る。

改めて見た外の景色は、田舎のおばちゃんの家よりも自然で溢れており見てるだけで心が安らぐような気がした。

 

「翔聖?何してるの?」

「え、あ、なんでもないよ!それじゃ行こうか!」

 

翔聖の言葉に霊夢は頷くと、先頭に立って案内するように石段を降りていく。翔聖はそれにおいて行かれないようについて行く。

 

〜少女達移動中〜

 

神社を後にしてから10分程度で人が沢山居る場所についた。

 

「はぁ……はぁ。やっと着いた」

「全く……だらしないわね。それでも男でしょ?」

 

神社からここまでの道のりはけもの道と言えるもので、舗装され安心が保証されている道を歩いている翔聖には不慣れな道だった。それを示すかのように翔聖の息は絶え絶えだった。

対する霊夢は息一つ乱れておらず、ピンピンとしていた。

 

(毎日歩いて……慣れないと。せめて息を乱れないようにしないとな)

 

翔聖は息を整えつつ、霊夢の隣に立つ。

 

「ここ人間が住む場所の里よ。唯一人間が安心して暮らせる場所よ」

「へぇ……。妖怪とかは出入りしたりしてるの?」

「ええ。人間の技術は妖怪に作れないものもあるし、食事もそうだしね。ひとまず人里の中にいれば妖怪に出会ったとしても襲われる心配はないわ。人里で人を襲うのはルールに反するから」

 

翔聖は、へぇと関心しながら周囲を見渡しつつ霊夢について行く。幼少期の頃父親に連れられて訪れた時代劇の撮影場によく似てる様に翔聖は思えた。

その光景を思い出すのか、彼は落ち着きのない子供のように周囲をキョロキョロと見渡してしまう。

そんな様子に霊夢は子供っぽいと呆れていた。

 

「少し落ち着きなさい。ただでさえ珍妙な格好してるんだからキョロキョロしてると変な目で見られて噂になるわよ?おかしな格好の奴が挙動不審だってね」

 

珍妙と言われ、翔聖は若干傷ついた。いつも着ている学ランを珍味と言われるのは彼でも傷つく。

 

「わ、分かったよ……。とりあえず今からどこに行くの?ご飯屋らしき所ならさっきから通り過ぎてるけど……」

「アイツに挨拶に行くのよ。ご飯食べててすれ違いなんて面倒だし」

「……そんなに忙しい人なの?」

「ええ、忙しいわ。大事な要件がある時に限って居ないし、探すのも面倒だから。今の時間ならちょうど休み時だから今を逃すと、アイツを逃す事にもなるわ」

 

尚更翔聖は興味が湧いてきた。霊夢がここまで言う人だけあって凄い人なんだろうなと翔聖は考えていた。

 

 

それから十数分程度歩くと、人里の出入口を示すであろう門が立っていた。

 

「あれ、人里出ちゃうの?」

「ええ、人里の外に家があるからね。あそこよ」

 

霊夢が指をさした方向を見ると、ここから歩いて5分程度の所にぽつんと小さな一軒家が立っていた。屋根付近に看板らしきものがついているが、文字が霞んでいて名前は読めない。

 

「僕の視力の問題なのか分からないけど……何かのお店なの?」

「アンタは悪くないわ。アイツが直すのを面倒がってるのが悪いのよ」

「そ、そうなんだ……」

 

翔聖が少し先を歩いていると、立て看板が目に入ってきた。

 

(この先蒼天屋……?やっぱりお店なんだな。でも何を売ってるんだろ……小道具とかかな?でも、わざわざ人里の外に置くなんて……聞いた感じだと人里の外は危険でいっぱいなはずなのに)

 

翔聖が、そんなことを考えている最中霊夢は先に進んでおりもう既に一軒家の前に立ってた。彼にそれは気づくと急いで彼女の側へとかけ出す。

 

「何ぼーっとしてんのよ」

「ご、ごめん……。蒼天屋って立ち看板にあったからなんの店かなって……気になって」

「入れば分かるわ。入るわよ、秦羅」

 

ノックもなしに入る霊夢の無遠慮さに翔聖は呆気に取られる。

 

「秦羅はまだ仕事の前よね?」

 

霊夢の後に続いて、翔聖が入ると目に入ってきたのはたくさんの本の山。より1番目を引いたのは机の上にある書類の山。明らかに整理整頓が出来ておらずとてもでは無いが、困った時に頼めるような人物では無い事が翔聖には感じてしまった。

そして、霊夢の前には青いコートにフードを被った人物。フードのせいで顔は良く見えないが、霊夢にも負けない位の顔の整った少女に翔聖は見えた。

 

「……その秦羅さんって人居ないみたいだね。お手伝いさんかなにか誰かなの?」

「ま、当然の反応よね。コイツよ、秦羅は」

 

翔聖の思考は一旦停止してしまう。彼と聞いていた事から男性なのは聞いていたがこんな美少女だったとは思わなかった。

 

「……男の人だよね?」

「失礼な奴だな。男の他に見えるか?」

「アンタじゃなかったらツッこむ理由はあるけど、アンタだからこその反応よ」

翔聖はすぐ様、俗に言う男の娘だと判断してしまった。ネット上では見たことがあったりしたが現実では1度も見ることはなかったのでつい、まじまじと見てしまう。

 

「要件はなんだ。手短に頼む」

「今日は挨拶に来ただけよ。ここじゃなんだし、外行きましょ。どうせアンタ暇でしょ?」

「……まぁ、今日は仕事は入ってないが。ソイツが()()か?」

 

秦羅と呼ばれた少年の問いかけに霊夢は頷く。それに頷き返すと少年は翔聖を見やる。

 

「お前が外から来た人間か。紫から聞いてる。俺は守森秦羅(かみもりしんら)。よろしく頼むよ、神代翔聖」

 

To be continued

 




どうでしたか?
今回登場したのは、旧作でも人気だった秦羅君でした。登場が旧作より早かったのは色々と設定に食い違いがあったのでこのような登場でした。
一人称も僕ではなく俺にしました。男らしく振る舞いたいのに、僕だと説得力ないかなと思い切って一人称変更しました。
キャラクタの方はほとんど変わりがないため、一人称が変わった秦羅君だと思ってください

では、次回の更新をお待ちくださいませ。
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