東方翔霊録ーЯe:bootー   作:来翔

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どうも来翔です。
今回は人気キャラだった秦羅がついに、いやとても早く登場します。
では、お楽しみください


守森秦羅

「俺は守森秦羅だ。よろしく頼むよ、神代翔聖」

「あ、うん。よろしくお願いします……秦羅さん?」

 

翔聖は差し出された手を握り返す。この時翔聖は経験こそないが直感で感じた。見た目こそは華奢ではあるが握られた手はがっしりとしており武術嗜む人の手であることを。

つまり、相当できる男だと。口に出すのは恥ずかしいため、心の奥底に潜めたが。

 

「秦羅でいい。どうせお前の方が年上だ」

「へっ?なんでそんな事分かるの?」

 

秦羅は翔聖の学ランの首元にある校章を指さす。

 

「京都の名門 帝北高校の校章だろ?それだけで俺の方が年下と分かるよ。まぁ、テレビで何度も取り上げられてるだけで実物は見たことないけどな。校章だけは見覚えがある」

「そ、そうだけど……え?どうして……秦羅が?」

 

翔聖には疑問しか浮かばなかった。何故幻想郷に住む秦羅が外の世界の事を知っているのかと。紫でさえ学生であることを言い当てただけなのに、秦羅は高校名まで言い当てた。

明らかに困惑している翔聖に霊夢は

 

「秦羅は外から来た人間よ。だから外の世界に詳しくて当然なのよ。思い出せないかしら?紫が言ってたこと」

「紫さんの言ってたこと……?」

 

翔聖は少し前の記憶を掘り起こす。まだ幻想郷に来たばかりで脳の整理が追いついてない時の事など翔聖は覚えていない。

 

()()()()って」

 

霊夢の言葉に翔聖はハッとした。何故紫本人ではなく秦羅なのかと。

 

「そっか。外の世界から人間である僕と霊夢は紫さんとは違って最初からここにいる訳でもないし、何より価値観に違いがある。でも、秦羅なら外の世界の人間だからきっと僕と同じように生活に困ったから……ってことかな?」

「大体そんな感じね。だからこそ最初は私と一緒に暮らして生活に慣れて貰うの。もちろん働かざる者食うべからず、仕事はしてもらうわ」

「そりゃ……衣食住を提供して貰うわけだから手伝うけど何を手伝えばいの?神社の仕事とか?」

「掃き掃除とかはお願いするけど……2人分の食費とかになる訳だから」

 

霊夢は言葉を続けながら、秦羅を見やる。秦羅は嫌な予感がしてたまらなかった。

 

「秦羅の元で働いて貰うわ」

「おい、霊夢。勝手に決めるな、どうして俺のところなんだ。探せばもっと実入りのいい所位ならあるだろ」

「なら、聞くけど外の世界から来てアンタと同い年の奴が幻想郷でいきなり働けると思う?」

「……確かにそうだな。仕方ない……翔聖が落ち着くまでだぞ。それ以降は自分達で探せ。まぁ……後で俺からもお前のことは紹介しておくさ。使い勝手の良い奴がいるってな」

「話は決まりね。それじゃ……ご飯行くわよ」

 

翔聖と秦羅は2人揃って首を傾げてしまう。話の前後が全く合ってないからだ。

 

「僕は挨拶ついでにご飯とは聞いていたけど……秦羅もなの?」

「当然よ。じゃなきゃ秦羅の挨拶を並行しないわ。奢りなさい、秦羅」

「……またか?」

(また!?)

「ええ。別にお金に困ってないのなら3人分くらいいいでしょ?高いのは頼まないから」

 

霊夢と秦羅のやり取りに翔聖は置いていけぼりになってしまう。霊夢が信頼している人間だと言うのだから当然とは言えるが、ぽつんと取り残されたような気分に陥ってしまう。

 

「分かったよ……。そこのうどん屋でいいな?翔聖、うどんは食えるか?」

「あ、うん。なんでも食べるよ!」

「なら、行くわよ。ほら早くしなさい」

 

霊夢は一足先に外に出ると、2人に早く来いと目で訴える。翔聖は素直について行くが、秦羅はやれやれと渋々外に出ると3人揃って人里にあるうどん屋に向かう。

向かう最中、秦羅と話そうとするが彼の放つ冷静なオーラに気圧され何も言えず霊夢と秦羅が話してるのを翔聖は聞くしか無かった。

 

少し歩くと、うどんと書かれた看板が屋根にかかっている建物の前に着いた。

 

「大将、キツネうどん3つください」

「あいよ、蒼天屋」

 

店に最初に入った秦羅は、店主と思わしき人物に注文をすると席に着く。

簡単な注文方法に翔聖は漫画のようだと思い、ついつい子供のような目で秦羅を見てしまう。

 

「凄いね!漫画みたいなやり取り!見たことないよ!」

「外の世界じゃ当然だな。むしろ、外の世界でこんなことしたら店側としてはいい迷惑だろ。まぁ……ここみたいな所なら大丈夫かもしれないけどな」

「結構常連なのね。自炊とかしないの?」

「面倒だから作ってない。さて、話題は逸れるが……奢る代わりに1ついいか?翔聖の事聞かせてくれないか?紫から聞いてはいるが、まだ信用しきったわけじゃないからな」

「僕のこと……?何を話せばいいの?」

「何をって……決まってるだろう?ここに来た経緯を話せ。まずはそこからだ」

 

翔聖は幻想郷に来る前の事を話した。友達を助けて不良に追われていたら、声に導かれるがままに幻想郷に来た事を話した。

 

「なるほど……。だから制服のままだったのか。と言うか……平日の昼間になのに制服なんてサボりか?」

「ち、違うよ!テスト期間中だったから午前中で学校は終わりだったんだよ。昼ご飯食べようと思ってたらこんな事になったんだからさ……」

 

翔聖と秦羅が話してる中、霊夢が

 

「ちょっと待ちなさい。声に導かれたって……初耳よ?」

「あ……ごめん。そん時頭の中がぐちゃぐちゃだったからさ。声の事すっかり忘れてた……」

「なんでそんな事忘れるのよ。しかし、分からないわね……外の世界にまで干渉してまで翔聖を幻想郷に引き込むなんて」

「そうだな。紫のスキマを通しても別の場所から出てくるだけで一向に外の世界に帰れないからな。何か能力でもあるのか?」

「幻想郷に居て能力が目覚めるならあるかもしれないけど……翔聖は完全に外の世界の人間よ。()()()()()()()()()

「それってどういう」

 

翔聖が霊夢の発した言葉に問いかけようとすると

 

「へい、お待ち!」

 

うどん屋の店主が3人前のうどんを持ってきた為、遮られた。

食べながら聞けばいいやと翔聖は思ったがそれは直ぐに消えることになる。

 

「なぁ、蒼天屋。いきなりで悪いんだけどよ、1つ依頼受けちゃくれねぇか?ウチで使ってる野菜の収穫なんだけどよ、倅が風邪ひいてよ。人手が足りねぇんだ。夕方だけでいいんだけどよ、頼めるかい?」

「ああ、構いませんよ。夕方ですね」

「すまねぇな。報酬は……」

「この2人のうどん代で大丈夫です。俺の分は払いますから」

「そうか?ありがてぇ。いつも助かってるよ、ありがとうよ」

 

店主の依頼に秦羅は、先程までとは打って変わってさやかな笑顔を浮かべながらそれを承諾する。対する秦羅の返答に店主は、安心したようにこやかに笑いながら厨房へと戻っていく。

 

「いつもの営業スマイル……。そんなチンケな依頼受けてんの?もっと大きいの受けなさいよ」

「これくらいがいいんだよ。それに大きい方はお前の専売特許だろ?うだうだ言ってないで食べるぞ。いただきます」

 

秦羅は手を合わせ挨拶をするとうどんを啜っていく。霊夢も、そうねと返答すると同じように挨拶をして食べ始める。

先程の質問と新しく浮かんだ質問によって翔聖は固まってしまうが、2人の挨拶を聞いて意識を戻すと2人と同じように挨拶を終えてから食べていく。

その間も秦羅に聞きたいことは浮かんでいたが、2人とも黙食だったため質問する事も出来ず食べ続けるしか無かった。

 

〜少年達食事中〜

 

「ご馳走……美味しかったぁ!」

「そうかい?ありがとうな、少年!」

 

翔聖の感想の言葉に、厨房に居た男性は嬉しそうな声で返す。

暫くうどんの味を口の中で味わっていたが、お金を準備していた秦羅を見て聞かねばいけないことを思い出した。

 

「そういえば秦羅の仕事ってなんなの?霊夢に手伝えって言われたけど何をすればいいか……」

「俺は何でも屋だ。蒼天屋って名前で通ってるよ。家事から何でもするさ。ちなみにコイツからも依頼はたまに来る。極稀にだけどな」

「アンタに任せたら仕事が無くなるから当然ね」

「霊夢の仕事は……?」

「妖怪退治よ。人間においてルールを守らない妖怪を退治しているわ。ルールを守らない妖怪を野放しにするのは幻想郷のバランスを崩すわ。幻想郷のバランス、均衡を保つのが私 博麗の巫女の務めよ。本当は博麗大結界の管理が本職なのだけどね」

 

翔聖はへぇと納得する。全て理解できた訳では無いが、霊夢が凄い人なのは直ぐに分かった。

そんな2人を見ると、秦羅は立ち上がった。

 

「さて、俺は準備があるから先に出るぞ。またな」

「あ……秦」

 

秦羅はそのまま店主にお金を払うと、簡単な挨拶だけを交わして外に出ていく。

翔聖は秦羅にまだ聞きたいことがあったが、それを聞く暇すら無かった。

 

「何を言おうとしたの、翔聖」

「いや……霊夢が翔聖と僕は違うって言ってたからさ。完全な外の世界の人間って……秦羅は違うの?」

「……その事は追々ね。秦羅にも知られたくないこと位あるわよ。アンタもそうでしょ?」

「そうだね……いつか時が来たらでいいかな。その時は僕も話すよ」

 

霊夢は微笑むと、ゆっくりと立ち上がり外に出るわよと翔聖に伝えると、彼もそれに続いて立ち上がる。

 

「ごちそうさまでした!また食べに来ます」

「ごちそうさま」

 

翔聖と霊夢は、店主に例をすると店の外に出る。

この後の用事は翔聖は、知らないため霊夢の言葉を待つ。それを察した霊夢は考えたような仕草をすると

 

「よし、これから布団買いに行くわよ。寝る布団ないからね。荷物持ち頼むわよ?」

「うん、任せて!」

 

翔聖は元気よく自信満々に返事を返す。それに霊夢は頷きつつ

 

「なら、行くわよ」

 

と、一言だけ言うと歩き出す。

 

その後、翔聖は布団の他に食材や一時的な寝巻きを買うことになり意外と荷物の大所帯になり、彼の自信は一瞬で消えたとか、

 

To be continued




どうでしたか?
秦羅に関しての変更は、霊夢が既に認知しているという点です。やはり彼ほどの存在を霊夢が知らないのはおかしいと思ったので早くの登場となりました。
次回もこんな風に平和な回にしたいですね。

では、次回の更新をお楽しみに
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