クロノ。 クロちゃん、クロ助。
クロノ・ハラオウン。
次元航行艦「アースラ」艦長、リンディさんの息子さん。 一人っ子。
弱冠、14歳にしてアースラ所属の時空管理局執務官を務めていて。
クールで無口、生真面目で人当たりが少しきつい。 でも優しい。
よくエイミィさんの寝癖が気になって直してあげたりしてる。
エイミィさん。
エイミィ・リミエッタ。
時空管理局通信……? なんだったかな? 忘れちゃったけど長い役所の人。
頭の回転が早く、明るくお喋り好きな女の人。 ちょっと歳上なのに私たちに優しくしてくれて楽しい時間を過ごしたのを覚えている。
クロちゃんの部下にあたる人。 クロちゃんの大切な人。
二人共、大切な私の友達。
□
よく話のネタに持ち上がる話題だが、探し物とは極端である。
ふと必要だなと思うものはすぐには見つからず、忘れた頃になり見つかる。
逆も然り。
必要ではないものはよく目に入り、あぁ邪魔だなこれ。 などと思うのに、実際必要となれば見つからない。 こんな話はどこにでもあるのだ。
つまり、何が言いたいのかと言うと。
「あぁもう! あの資料はどこに行ったエイミィ!」
「この前見たはずなんだけどなぁ…!」
既に探しものをし始め2日目に入ろうとする二人は、やっとその探しものに対する進展を見つけだすことができた。
しかしその進展に対する、あったはずの資料が見当たらない。
まるでそれがクロノたちに見つかるのを、誰かが何らかの理由で隠したかのように。
……つまり現状以上クロノたちに認識、知識、情報を得させないために。
だがクロノは思う。
何故? と。
正直言えばこんなものは知っている人がいれば知っている物であり、その手の人からすればそれを研究にすら扱い、議論し、解明しようとしているものだ。
研究、解明。
ことこの事において管理局は他世界よりも数歩……、いやずっと先を言っていると自負しても問題ないだろう。
それは多次元に渡り資料や技術を魔法という追加要素で研究していく管理局には、解明できないものはないと言われるほどだ。
魔法とは、魔力を消費して発動される現象、だがここで表す現象とは何もないところから現れると言うとんでも現象というわけではなく………。 そう、超科学と言われる側に位置するものである。
リンカーコアから現象の素となる魔力を、高度な計算技術をデバイスという増幅器で経由し現象として現すもの。
だが、そんな高度な技術をもってしても解明できないものが一つあった。
厳密に言えば一つではなかったかもしれないが、その解明できないもの一つである。
「聖遺物」
管理外世界にて、聖人の遺骸や遺品。
崇敬の対象、畏怖の対象。
そんな人々の念や思いを型どり溜め込んだもの。
この聖遺物の研究を始めたのは、管理局技術支部筆頭のアルキメデス。
アルキメデス・ハイオー。
古代ベルカ遺産を現実使用可能デバイスまで持ち込んだ天才。 だが変人。
そんな彼が解けない、解読できないものである。
しかし、かの天才が表層を暴き、内部と言うブラックボックスに手をかけたところで研究がストップした。
これも知っている人は知っていることの一部である。 クロノ自信はこの研究自体は知らず、天才が何かしているということぐらいは知っていたが内容までは知らなかったのだ。
しかしほんのちょっとした切っ掛けで、ここまでたどり着いたのだが道は絶たれてしまった。
「エイミィ…休憩しよう」
そんな言葉に返って来た返事は、数層にも積み重ねられた書類&書籍の下からであった。
□
「はぁ……」
ため息をつきつつ、手元にある暖かいコーヒーの入ったカップを数秒眺め、目を閉じる。
相方の彼女は既に隣の部屋の簡易ベッドで、就寝というには朝早くのダメ生活のような安息を手に入れている。
「二人目だよ…くそったれ…」
二人目。
彼の前から友人が消えたのは四人目。 何も言わずに行ったのが一人。 何か言って消えたのが一人。 何かを言ったけど解らなかったのが二人目である。
「なにが遺跡の方が性に合ってる、だ。 君はまたそうやって逃げるのか…」
JS事件の時も。 メンバーで遊んでいた時も。 闇の書事件の時も。
きっと本人に言えば逃げてないと言う答えが来るだろうが、クロノにとってはそうとは取れなかった。
だからずっと友達だけど相いれないような反する気持ちが有り、逆にそれが自分に持っててないような羨望があって嫌いで、羨ましくて好ましかったのだと思う。
自分が何かに突出して特別だった二人。
仲間に恵まれていた二人。
一人で抱え込むことが似ている二人。
だけど、抱え込んでも打ち明けて助けを求める一人。
しかし、抱え込んでも打ち明けれず走り続ける一人。
そんな、似ていて、似ていないなんて言えないふたりは友達だった。
でもユーノは消えてしまった。
管理局側としては有望な人材を失うわけにも行かず、相当な人やもの、金を動かしたが結果は伸びず、詳細は不明。
「まるであの時と一緒だ」
そう、あの時。 クロノが最初の友人を失った時。
何かを言って消えていったが、解らなかった一人目の時である。
「聖遺物」
最後に聞いた言葉の一篇。
「エイヴィヒカイト」
アルキメデスの参考書類の極一部にメモ書きされていた言葉。
見たことも聞いたこともないその言葉が、なぜかクロノは頭から離れなかった。
「時…夢…座…思い…オモイ…‥つッ!?」
断片的に流れる何かは、一瞬の頭痛とともに消えていった。
こぼしそうになったコーヒーカップを握し直し、口をつける。 あの時はまだ、こんな苦いものを飲めるなんて思ってもみなかったな。
そんなこと思いながら冷たくなったそれを飲みきってから考えよう、そう思った。
□
いつものメンバーと言われるメンツで遊ぶようになったのは、闇の書事件も終わり数年、クロノが夏季の長期休暇をもらい海鳴市で休暇を満喫している最中に喜芽と言う茶髪の少年に連れ出され、1週間が過ぎたところから始まる。
リーダー気質の活発な少女、
いつもヘラヘラと笑っており周りをおちょくる少年、
JS事件からの付き合いとなるオコジョもどきのユーノ・スクライア。
そして、JS事件、闇の書事件の最後の最後で現れて全てを救った男、
本当のことを言えばクロノは、源友佐という少年が嫌いだった。
力があるくせにそれを拒み救いを否定している。 そんな風に見えていたからだ。
JS事件でアリシア・テスタロッサを助ける時も、自称……いや今では他称か、自称他称の救いの王様、中尾伊吹。
そんなことを言えば辞めてくれ昔のことだ。 と否定するだろうが、今の管理局の英雄が
それは闇の書事件でも同じことであった。
レアスキル「
自身が持ちうるものを対象へと渡すという自己犠牲を主体とした、
これを持っている友佐は息吹からの契約により、友佐の魂の情報が殆どない量を幾度となく分けて譲渡し、埋まった情報のない器にプレシアが保管していたアリシアの昔の血を混ぜ、魂に色を付け蘇生を成した。
実際は後になりこうだ。 という詳細の説明を受けたがよく理解ができず、ただ状況が良かったとだけ解った。
保たれた体。
新鮮な魂。
記憶を持つ何か。
これら三つが最高の状態でなければ、まず無理ということが。
ならば闇の書事件。
そんな彼女も結果だけを言えば助かった。
喜芽と友佐の力により、奪い奪われ譲渡し彼女は助かった。
しかし眠りに就いたアインスはその後に起きる事件、マテリアル事件まで目を覚ますことはなく、事件の終息後に彼とともに消え去ってしまった。
そう、あの時だ。 あの時からすべてが狂った。
みんなで過ごした1ヶ月にも満たない、だが永遠にも感じられるように楽しかったあの夏。
夢を追いすぎて友達という存在がエイミィのような近しい人しかいなかった。 だからあの日々が永劫の宝物のように感じて愛しくて眩しかった。
だけど過ぎは一瞬で、
マテリアル事件。 王様の暴走。 喜芽と友佐の乱闘。 アインスの目覚め。 聖遺物。 エイヴィヒカイト。
そして…………、
彼女の死だ。
よくわからなくてすいません。私もわかっているようで分かっていないかもしれないこともない!
この小説自体かっこいいセリフを使ってキャラを動かしたい。がナイに等しいコンセプトなので…あまりプロットなどもザッパにしか見てないというか……
と、いうことで!王様がまた今回少しだけ顔を出しました。
次から王様のターン。
次回予告。
そして物語は急変し急速に変化球と共に動き出す。
「モノってことを理解してないね。 そんなんじゃ魂だって削れない」
「なんで今更! あなたみたいな亡霊が出てくるのよ!」
「亡霊って言われると泣いちゃうわ母さん」
「私の兄さんに! 何をしたああああああ!」
「無様」
「なんという無知蒙昧許せんな。 そんなもので私の愛が語れると? あぁ許せんな、許せんよ」
「黙れ、虫唾がはしる」
さぁ
皆々様覚悟はよろしいでしょうか?