まだゲッターロボどころか、ロボットすら出てねぇのに…。
ただのおじさんさん、誤字報告サンクス。
とある世界の光と闇の決戦にて、闇の首領の男が光の戦士に斃された。
「なにぃ!? ぐぁぁぁ!」
光の戦士が放った穏やかなる光の必殺技を受け、闇の首領は吹き飛ばされて落下していく。
「おのれ! だが、この我はまだ負けてなどいない! 光ある限り影、即ち闇は生まれ続ける! 光と闇の戦いは永遠なる円環なのだ! 全てを無にせぬ限り、未来永劫続く物なのだ! 故に我は何度でも蘇る! 光を闇に覆い尽くすまで、我は決して死ぬことは無いのだ!!」
落下する闇の首領であるが、彼は光ある限り影、即ち闇は生まれ続けるので光と闇の戦いは永遠に続く物であると、負け惜しみのような台詞を吐く。
同時に光ある限り自分は何度でも蘇り、光の戦士が疲れ果てるまで戦ってやると、自分を吹き飛ばした光の戦士に宣告する。
そんな彼の真下に、鉄塊の様な大剣を持つ全身がボロボロの大男の剣士が姿を見せる。その剣士を見た闇の首領は驚愕する。この戦いの前に、斃したと思っていた剣士であるからだ。
「き、貴様! あの状態で生きていたのか!? 我が一撃を受けても尚、立ち上がれると言うのか!?」
驚愕する闇の首領に対し、意識が朦朧としている剣士は答えることなく、鉄塊の様な大剣を落下する男向けて突き刺した。
「グァァァ!? お、おのれ…! 死にぞこないの分際で…!」
背中を貫かれた闇の首領は吐血したが、死に至らずにまだ息のある剣士を睨み付ける。
「魔剣スレイブで我を貫いたくらいで、我は死なんぞ…! 今の勝利は貴様ら光にくれてやる。だが、次こそは我ら闇が勝利する…! 束の間の平和を、精々楽しみが良い…!」
大剣で胸まで貫かれた闇の首領は、次こそは勝利して見せると宣言して今は息絶えた。
光と闇の戦いは未来永劫であり、闇の首領の言う通り全てを無にせぬ限り戦いは何処までも果てしなく続く。今は勝利しても、またいずれか戦うことになる。どちらかが疲れ果てるまで…。
「けっ…だったら、俺は…無駄死にじゃねぇか…! 畜生が…」
そんな永遠に続く無数にある虚しい勝利の為、剣士は自分の死が無駄死にであったことを知ってか、絶望の余り力尽きてしまう。
だが、彼は前のめりに倒れることなく、立ったまま息絶えた。奇妙な死に方であるが、彼の身体は急激に石化してしまい、やがては等身大の石像と化してしまった。
この保存とも言えるやり方、気が遠くなるような年月を得て意味を見出すこととなる…。
あれから数千年か一万年、時は流れ、あの光と闇の決戦場は惑星イマガワへと姿を変えていた。
大男の剣士は大剣諸とも石造のままであり、ずっとその場で立っている。周りは原形を留めぬほどに変わり果てたと言うのに、石像だけはあの時のままだった。
数えるのも馬鹿らしい年月で惑星イマガワは入植者たちによって輝かしい発展を遂げたが、その発展は無限に続くことなく今は衰退期を迎え、やがて罪人たちを収監する囚人惑星と化してしまった。前の入植者たちは近くの星に移住しており、そこに居るのは問題のある人物ばかりだ。
その中の一人、
罪状は殺人と傷害。竜騎は近くの星の住人であり、札付きの不良であった。そんな彼が一人の男を殺害した。
だが、一人の殺人でもはや地獄が生温いとも言えるイマガワに収監される理由は、殺害した男が星の統治者の長男であったからだ。
星の統治者たる長男は出自の如く上級国民と揶揄される特権階級出身であり、数々の犯罪行為を働き、それを親の権力を使って揉み消してきた。彼に泣かされ、泣き寝入りを余儀なくされた女性たちの数も計り知れない。長男は出自の特権を使い、気紛れに星の住人たちを苦しめ続けた。
その彼の振る舞いと碌に対処しない政府機関い人々が黙っているわけでは無く、ある政権打倒勢力が武装蜂起し、それを力尽くで政府は制圧戦としたために星の治安は悪化する。
ここでも長男と政府関係者のご子息たちの振る舞いに、一部の過激派たちに共産主義者を目覚めさせ、連日の如く特権階級を狙った共産テロが相次いだ。
話を戻し、なぜ竜騎はその長男を殺害したか、その一部始終をご覧いただこう。
「うげぁぁぁ!? い、痛い! 痛いィィィ!!」
「男が喚くんじゃねぇ! てめぇ、杏子がそう叫んだ時も、何とも思わなかったのか!?」
ある空き地にて、長男とその一味たちを竜騎は卓越した身体能力と年齢に合わない数々踏んできた場数で打ち倒し、最後に残った長男の胸倉を掴んで顔面を何度も利き手の右手で怒り任せに殴っていた。
何度も殴った所為か長男のやや整っていた顔面は変形し、あざと腫れで悲惨な物となっている。彼を殴る竜騎の右手も返り血か皮膚が切れてか、血で真っ赤だ。
なぜ竜騎がこの長男を殴るかは、目前の殴っている男が自分の彼女を陵辱して殺したからだ。殴られて同然の蛮行を働いた長男は竜騎を怒らせ、復讐鬼の彼の前で取り巻きたちを倒され、今こうして殴られている。
長男を殴り続ける竜騎は、彼が屈辱して殺した彼女が唯一自分を思ってくれる女性だと、殴り続けながら訴える。
「あいつはな、あいつはこんな、どうしようもねぇ俺を気遣ってくれる迷惑でお節介な女だったんだぞ!? そんな女を、そんな優しい女を…! テメェの身勝手な都合で傷付けて! レイプした挙句に殺しやがって! テメェはクソだ! どうしようもないクズだ! 何が国家主席の息子だ!? 上に立つ奴なら、下の奴を思いやりやがれぇ!!」
殴りながら訴える竜騎であるが、殴られている長男は自分を恐怖の目で見続け、許しを請うだけだ。
そんな竜騎も右手が擦り切れるくらいまで殴り続けて疲れ果てたのか、殴るのを止めて胸倉を掴む左手を離し、両膝を地面に着き、幾ら殴っても彼女が返って来ることは無いことを知る。
「畜生が…! 幾ら殴っても、そいつを殺しても、あいつが返って来る訳が無いのに…! クソ、クソ…!」
その真実を知った竜騎は地面を両手で叩いて苛立ちをぶつける。こ相手を完膚なきまでに殴り倒しても、気持ちが晴れる訳が無かった。殺害すると言う選択肢もあったが、よく考えればそれであの女性が返って来る訳が無い上、一生、獄中の中で過ごすこととなる。例え目前の男を殺害したところで、人を殺したと言う罪悪感が残るだけだ。
泣き崩れて冷静となった竜騎は顔を上げ、自分が半殺しにした目前の男に向け、自首するように説得する。
「おい、自首するぞ。お前がやったこと全部サツに言うんだ。俺も一緒に自首してやる。償うんだ」
立ち上がって一緒に自首するように長男を説得する竜騎であったが、当の本人は自首する気も無ければ罪を償う気も更々なかった。
「自首、自首だと…? この俺が、お前みたいなゴミと一緒に警察に自首するだと…? ふざけるなよ…!」
竜騎が共に自首すると言ってきたことに、長男は怒りを覚えた。
この星の統治者の息子で、選ばれし人間たる自分が、なぜ目前のゴミである竜騎と共に警察に自首しなければならないのか?
自分はこの星で何をしても許される存在。罪を認めて警察に自首しろだと? ふざけるのも大概にしろ。ゴミと一緒に自首などするか。自分は選ばれし存在なのだ。自分が何をしようが無罪なのだ。そう、物を盗もうが、人を車で撥ねようが、殺そうが、女を犯そうが無罪なのだ。
そんな絶対的存在である自分を半殺しにし、挙句に自首を勧めた目前の餓鬼こそが有罪。そう、自分こそ絶対であり、法そのものなのだ!
「お前だけが、お前だけが有罪なんだよこの餓鬼が!!」
自分に自首を勧めて罪を償えなどと戯言吐いた餓鬼である竜騎に向け、長男は懐にあった自動拳銃を取り出し、安全装置を外して狙いを定めて発射した。
撃たれた竜騎は相手が拳銃を持っていたことに驚き、その場で立ち尽くした。相手が飛び道具を持っていた事を知らなかったらしい。
こんな餓鬼相手に拳銃を使うつもりは無かった長男であるが、あの餓鬼にしてやられ、挙句に自首を勧められたので怒りの余り抜いてしまった。迂闊に動けないでいる竜騎に向け、自分は何をしても許される存在だと改めて強調する。
「良いか餓鬼、俺は何をしても許されるんだよ! 俺が殺した理由は簡単だ、この俺を怒らせるか、楯突いた身体! 俺に犯された女どもは、この俺が目を掛けてやったのに、期待に答えるどころか、挙句に苛立たせたからだ! 気を遣っただと? フン、俺の癪に障りやがって! 俺の言うことを聞いてれば酷い目に遭わずに済んだ物を! どいつもこいつも! 俺の思い通りにならねぇ奴ばかりだ! イラつくぜ! 誰のおかげで暮らせると思ってんだ!?」
彼にとっては自分が傷付けられたからと言う物だったが、竜騎から見れば呆れるほどの理由だった。
同時にこの男を野放しにしていれば、この星の住人にとって更なる害となろう。
そんな考えが、竜騎の脳裏を走った。最初は殺す気でやったが、彼に屈辱された挙句に殺された思いの女性の事を思い、共に罪を償おうと自首を勧めた。
だが、結果はどうだ? 親の権力で怪物と化した目前の男は償う気持ちも無ければ、反省する気も無い。
この星に住む全ての人々の安全の為、竜騎は目前の男を殺さなくてはならないと判断した。
「自首するだと? あぁ、良いとも。自首しよう。ただし、お前は有罪で俺は無罪だ! 身分を弁えろ! このゴミが!!」
「…分かったよ。お前は、俺がどうなろうとも、殺さなくちゃならねぇ怪物だってことを…!」
「あっ? てめぇ、何を言ってんだ? 俺を殺すだぁ? てめぇ、こっちにはハジキがあんだぞぉ!? 実包だぞ! 分かるかぁ!?」
もう怪物である長男に、竜騎はこれから殺すと宣言した。
これに長男は圧倒的不利な状況にも関わらず、殺意を込めた目付きで睨み付ける竜騎の足元に向けて撃つ。威嚇射撃で並の人間なら怯むが、覚悟を決めた竜騎には何の意味も無かった。
こちらが拳銃を持っているのに、怯えるどころかこちらを睨み付けながら向かってくる竜騎に、逆に怯え始めた長男は拳銃を両手で握り、狙いを安定させようとするが、左手も震えて全く定まらない。
逆に竜騎は拳銃を向けられ、撃たれているのに恐怖を感じない自分に驚いていた。
「(なんだこりゃあ? ピストルを向けられてるのに怖くねぇし、今は何でも出来そうな気分だ。いや、考えるな。今はこいつを殺すことだけに集中だ)」
竜騎が思う通り、自分は異常な状態だ。だが、考えて一度足を止めてしまえば、一気に恐怖で支配されてしまう。今は目前の男を殺すことだけに集中し、強く地面を蹴って走った。
長男は拳銃を撃ち続けているが、恐怖の余りに手が震えて碌に狙いが定まらず、引き金を撃つたびに放たれる弾丸は全てあらぬ方向へ飛んでいる。たまに発射された弾丸が頬を掠めるが、今の竜騎には痛覚も感じなければ恐怖も感じない。
「来るな! 来るなぁぁぁ!!」
「うっ!?」
恐怖の余り拳銃を乱射する長男が放った一発が竜騎の左太腿に命中してしまった。考えないようにしていた事態が発生し、痛みを感じたことで思わず恐怖を感じた竜騎は足を止めそうになったが、その恐怖に負けずに一気に殺人対象へ駆け寄る。
「来るな! 来る…あれ!? た、弾が…!?」
「今だぁっ! ぬりゃぁぁぁ!!」
一発は命中したが、無駄に撃ち過ぎた所為で自動拳銃に装填された弾倉の中身は無くなってしまった。弾切れになったところで、竜騎は出血する左太腿の痛みを顧みず、疾走して勢いを込めた右拳を長男の顔面に打ち込む。その拳の威力は疾走の勢いが加わっており、そんな拳で殴られた長男は吹き飛んだ。
「ごべぁ!?」
吹き飛ばされた長男は思わず拳銃を手放し、地面に叩き付けられる。仰向けになって倒れたところで、竜騎は相手が起き上がる前に走りながら飛び、対象の顔面に向けて右足を突き刺す。
これで殺せるかどうか竜騎には分からないが、今はやるしかない。
そう思った竜騎は長男の顔面に向けて全力の飛び蹴りを見舞った。その狙いは、長男が持つ拳銃よりも正確であった。
「ま、待て! 自首する…! 自首するかばっ!?」
今頃になって自首すると言った長男であるが、もう既に遅く、竜騎の蹴りの爪先が口に突っ込まれ、後頭部が地面に叩き付けられた後であった。
助走をつけた蹴りでしかも竜騎の体重が合わさり、長男の頭部は口から上下半分に引き千切れてしまう。竜騎の蹴りは骨まで粉砕してしまったようだ。下部から引き千切れた上部は近くにまで飛んでいき、残された下部の根元から噴水の如く血が噴き出る。その勢いは竜騎の右足を瞬く間に赤く染め上げる程だ。
相手を殺すことに成功した竜騎は、これまで以上に抑え込んでいた物が一気に噴き出て震え始める。恐怖もかなり抑え込んでいたようで、失禁のみならず、脱糞までしていた。
「お、俺は…! 俺は人を、人を殺しちまったのか…!? で、でも…! こいつを、こいつを殺さなきゃ…この星のみんなが、この星のみんなが…!」
血塗れの地面に尻もちを着き、罪悪感も加わった竜騎は混乱して過呼吸まで起こしていた。
「こいつは、こいつは殺さなきゃ…! 殺さなきゃ…」
その後、竜騎は余りの混乱の所為で鼻血まで出し、挙句に気絶してしまった。
これが竜騎が惑星イマガワに収監された理由だ。
人を一人殺しても、最悪でも無期懲役に処される。二人以上なら死刑に処されてしまう。
竜騎は未成年であり、この星の法律に少年法があるので、彼は数年以上少年院に拘留されるはずである。惑星イマガワに収監されるほどの罪人ではない。しかし、この星は政体は全体主義だ。統治者の意向によって法律も変わる…!
「被告人、今川竜騎は無期懲役刑。惑星イマガワに収監とする…!」
「な、なにっ! 無期懲役刑!? しょ、少年法はどうなってんだ!? 俺は未成年だぞ!?」
「少年法? 少年法はたった今廃止された。未成年でも、成人と同じ刑が処せるように法律は改正された。全てはお前の様なゴミが、統治者のご長男を殺害したからだ」
「確かに俺は人を殺した! だが、あいつを野放してたら、惑星中の人間が殺し尽くされていた所だぞ! それに俺はピストルで撃たれた! 正当防衛だ! だけども殺した罪は償う! 更生させてくれ!」
裁判、否、これは裁判とは言わない。
竜騎には弁護士すら着かず、ただこの全体主義の星で新たに改正された法律の判断が下された。この改正は逮捕後に直ぐにと言うか、昨日のうちに行われており、この場で知らぬのは竜騎だけだった。
これに竜騎は正当防衛を主張し、殺した罪も償うと言ったが、裁判官は聞き入れるはずが無い。養豚所の豚を見るような目で、竜騎を睨み付け、刑務官らに連れて行くように伝える。
「煩い餓鬼だ。イマガワの奴らに可愛がってもらうんだな」
「離せ! なんだこの裁判は!? 裁判じゃねぇだろうが! ふざけるなぁ!!」
裁判官の指示を受けた二人の刑務官に連れて行かれる竜騎は、こんな物は裁判では無いと訴えるが、この場には裁判官と二人の刑務官、竜騎の四人しかいない。傍聴者など誰一人いなかった。ただ被告人に判決を下すだけの間なのだ。
こうして、今川竜騎は囚人惑星イマガワに収監された。
だが、これはイマガワの奥底に眠る生命の進化を促す怪物エネルギー体、ゲッター線による導きであった…!
今の竜騎は知らない。この性質の悪いエネルギー体に選ばれてしまった不運な男であることを。そして、これから未来永劫、光と闇の終わりなき戦いの渦に呑み込まれることを…!
えぇ、明日以降に募集を開始します。
皆さま、どうぞご自由にご参加ください。
二つ目の読者参加型はどっちにしたい?
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