どうにも仕事が上手くいかなかったせいなのか、メンタルをやられてしまっていて…
病院で診療して貰ったら軽度の抑うつ状態らしく、今現在は安静にしております。
少々更新の速度が落ちてしまうかもしれませんが、ご容赦ください。
「兄貴っ!!」
今、一つの命がその生に幕を下ろそうとしていた。
自分の身を挺して、大切な者を守ろうとした勇敢な青年、ラン。
周囲では
そして、その背後では光の巨人――ウルトラマンゼロが焦燥感に駆られながら、その様子を見ていた。
このままでは青年は死んでしまうだろう、そして自分の命も……
『やるしかねぇ、か』
そんな切羽詰まった状況の中で、ゼロはある決断をした。
リスクは高いが、青年を助けるにはもうこれしかない。
『……っ!!』
クロスさせた腕を眼前まで持って行き、集中する。
自らの肉体を解くイメージ、そして青年へと注ぐイメージ。
そのイメージを強く持つと共に、ゼロの体が光に包まれ、その光が一筋に青年へと降り注いでいく。
あまりの眩さに、周囲は光に包まれ、ナオとゼクダスは思わず目を背ける。
そして……
―――――――――――――――
「さて、シナリオ通りにゼロはランと融合したようだな」
光に包まれた後、何事も無かったかのように起き上がったランを見て、俺は一人呟く。
一応、惑星アヌーはウルトラマンゼロが降り立つ最重要地点という事で、いくつかの探査機を派遣して万全の監視体制を敷いていた。
今俺が眺めているモニターに表示されているのも、その探査機が送って来た映像である。
『探査機のセンサーにヨリ、バイタルを検知、ウルトラマンゼロの融合ヲ確認』
アナライザーからの報告を聞きつつ、俺は食い入るようにモニターを見つめる。
それにしても、やはりウルトラマンの融合という物は凄い。
あれだけの傷を一瞬で癒し、失いかけていた命を復活させる。
在り来たりな言葉だが、正に『神の御業』という奴である。
「さて、ここまでは予定通りだが、一つ心配事が増えたな」
無事に復活を遂げて立ち上がったラン……いや、ウルトラマンゼロが、後からやって来たレギオノイドから身を隠す為に洞窟へと駆けていく。
原作だと、ここではランとナオの2人だけだが、今は違う。
そう、原作には無かったゼクダスという存在が、2人に同行しているのだ。
「出来れば監視を続けたいところだが、流石にジャンバードへ入られると難しいな」
さて、どうするかと考え込むが、適当な案は思い浮かばない。
とりあえず、多少の違いは有れど原作通りに進んでるし、しばらくは様子見するか。
ひとまずは休憩しようと、俺は椅子から立ち上がり、奥の私室へと戻ろうとした時だった。
『ご主人様、ベリアル陛下より入電デス』
「ベリアル様が?」
休もうとした所を引き留められる形になり、俺は少々気分を萎えさせながらも、アナライザーに通信を繋ぐように指示を出して椅子に座りなおす。
軍服の襟を整え、モニターへと向かい合った瞬間に、通信が繋がった。
「パルデス・ヴィータです、いかがいたしましたか?ベリアル様」
目の前の大型モニターに、ダークゴーネとアイアロンを両脇へと従え、玉座に足を組んでふんぞり返ったベリアル様の姿が映る。
だが、その姿はいつもの悠然とした姿とは異なり、どこか浮足立ったような様子にも見える。
ひょっとして、ウルトラマンゼロの来訪を察知したか?
『パルデス、報告すべき事が有るだろう?』
「……ウルトラマンゼロの件でしょうか?」
言った瞬間、ベリアル様が右の拳を玉座の肘掛けに振り下ろす。
《ガンッ!!》という音と共に、ダークゴーネとアイアロンの肩がビクリと震えるのが見えた。
普段なら笑えるシーンだが、画面越しにも分かる尋常じゃないベリアル様の怒気、と言えば良いのだろうか?
様々な負の感情が綯交ぜになったような激情を抑え込んでいるようなその姿に、俺は思わず冷や汗をかく。
「約1時間程前に次元境界面の揺らぎを検知、その後、アヌーへ派遣されていたレギオノイドの一体がウルトラマンゼロと接触しました」
『何故早くその事を報告しなかったぁ?』
俺の報告にアイアロンが余計なツッコミを入れて来る。
あまりに不毛なその質問に、俺は一つ溜息を吐き、呆れを隠さずに答える。
「1時間前に検知したばかりだと言っただろう、貴様は未確定の情報をベリアル様に伝える気なのかね?」
『ぐっ……』
言葉に詰まったアイアロンを、ダークゴーネが俺と同じく呆れたような表情で見ている。
良かったな、【これからはキチンと考えてから口に出そう】という教訓を学ぶ事が出来て。
そんな皮肉を内心で吐き出しながら、俺は一つ咳払いしてベリアル様への報告を続ける。
「アヌーに降り立ったウルトラマンゼロは、現地民の青年と融合し活動しております」
『ならばさっさと殺しなさい』
「殺すだけなら簡単だが、それはベリアル様のご意思なのかね?」
『どういう意味ですか?』
俺は口出しして来たダークゴーネに、暗に【ベリアル様の考えは貴様とは異なる】という事を伝える。
予想が正しければ、ベリアル様はおそらく……
『ウルトラマンゼロを生け捕りにしろ』
『ベリアル様!?』
『流石にそれは危険では……』
まさかの発言に狼狽するアイアロンとダークゴーネを見て、俺は思わず笑みを零す。
そりゃあそうだろう、抹殺するかと思えばまさかの生け捕りである。
しかもそこいらに居る木っ端ならともかく、一度はベリアル様を倒したほどの実力を持つウルトラマンゼロに対してだ。
普通に考えたらあまりにもリスクが高いだろう。
『黙れ』
『ベリアル様……』
『俺様の命令は絶対だ、忘れた訳じゃあないだろうな』
『いえ……全ては陛下の御心のままに』
しかし、危険だと窘める声を捻じ伏せて、ベリアル様は改めて命令を下す。
その地を這うような低い声に、ダークゴーネはビクリと震えて跪くと忠誠の言葉を捧げ、アイアロンも同様に跪き頭を垂れた。
ベリアル様は屈辱を忘れない男だ。
自らの手でゼロへと復讐しなければ、気が済まないだろう事は分かっていた。
事実、劇中でもわざわざ檻に入れて玉座の間まで運ばせていたほどだ。
「必ずや、ウルトラマンゼロを生きたまま陛下の御前に引きずり出しましょう」
俺も席から立ちモニターの正面、正確にはモニター上のカメラに全身が映る位置に行って跪き、ベリアル様に誓いの言葉を捧げる。
さて、この後はどうするか……
【登場人物紹介】
・ゼクダス・ロプロー
肉体年齢:約20歳
身長:176cm
表向きには『星間輸送に従事していたが、母星をベリアル軍に侵略されて帰れなくなってしまった宇宙船パイロット兼メカニック』という事になっているが、
その正体は、かつて『宇宙超越試験機』として使用されていたダークロプス・ゼロ。
本来なら惑星チェイニーでの作戦の際に消滅する予定であったが、ウルトラマンゼロとレイの嘆願によりパルデスがコスモリバースシステムを使用し、
AIの人格を、事前に取ってあったデータから新たに作った『ウルトラマンベリアルの肉体』にインストールする形で復活した。
ただし、ウルトラマンベリアルの肉体とはいえウルトラ族としての超人的要素は取り除かれており、多少の怪力や敏捷性といった肉体的優位を除けば、ほぼ人間と変わらない。
性格は機械的な武骨さは残るものの、命という物を学んだからなのかロボット時代よりは温厚であり、他者を思いやる精神性を持っている。
ちなみに、ベリアルの情報を使用した為に容姿はナオの成長した姿(濱田○臣)ソックリ。