悪の帝国のテクノクラート   作:トラクシオン

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ウルサマ楽しい!!(現実逃避)(更新遅くなって申し訳ない)


第百四十二話【ゴルバ堕つ】

「さて、感動するのもここまでだな」

 

ゼロとグレンファイヤーの胸熱シーンを一頻り楽しんだ後、アナライザーが用意したレースのハンカチーフで涙をぬぐう。

このレースのハンカチーフは良い手触りだな……ふむ、支配惑星B-054産の手工業品か、なるべく破壊されないようにしておこう。

 

「なるべくなら戦力を温存しておきたかったが仕方ない、近隣の支配惑星から援護を呼んでくれ」

『コノ近くだと、支配惑星B-066に駐留シテいる第28統治艦隊が最も早ク駆け付ける事が可能デス』

「第28統治艦隊か」

 

【統治艦隊】というのは、ベリアル軍の侵略が成功した星に配置される、いわゆる抑止力である。

最低でも5隻程の波動砲搭載艦を擁し、レジスタンスによる武装蜂起や惑星開放の阻止、そしていざという時は波動砲の斉射により反乱惑星の抹消を行う。

 

[第28統治艦隊]

・ドレッドノート級:5隻

・プレアデス級:10隻

・ブリガンテ級:30隻

 

「アナライザー、『承認』だ」

『了解、現宙域へノ到着予想、約15分』

 

俺は画面に表示された第28統治艦隊の全容を確認し、アナライザーへ承認の指示を出す。

これで第28統治艦隊は此方へとやって来てくれるだろう。

 

後はゼロの説得に応じてグレンファイヤーが諦めるだけ……と、思っていたのだが。

 

≪ドォンッ!!≫

 

「っ!?」

 

突如として、衝撃と共にゴルバが激しく揺れる。

一体今度は何なんだと思い、動揺しながらも外を見れば、アバンギャルド号が全砲門を此方へと向けていた。

 

奴ら、イカれているのか?

 

「馬鹿な、グレンファイヤーごと葬るつもりか?」

 

呆然とした俺の言葉を、グレンファイヤーが鼻で笑い飛ばす。

 

「ハッ、船長らはなぁ、テメェの愉快なお仲間と違って仲間を見捨てるなんてしねぇよ!!」

 

グレンファイヤーの得意げな声、そしてそれに重なるように、アバンギャルド号の船長らが猛々しく叫ぶ。

 

「その通り!!」

「我らが仲間を見捨てる事は無い!!」

「絶対にな!!」

 

一切の悲壮感無く笑顔を浮かべるその様子に、俺は悟った。

奴らはグレンファイヤーを見捨てるのではなく、仲間が絶望的な状況を切り抜けられると信じているのだ。

 

……ちょっと待て、この流れはマズいのでは?

 

この後に何が起こるかを予想して冷や汗を流す俺。

その目の前で、グレンファイヤーは当たって欲しくなかった予想を口に出した。

 

「ゼロ、俺はお前がベリアルの野郎を倒すと信じてる」

「グレンファイヤー……」

「だから、お前も俺を信じろ!!心配すんな、俺は絶対に死なねェからな!!」

 

マズイ、マズイマズイマズイっ!!

絶え間ない砲撃に揺れ続けるゴルバの中で、俺は状況の不味さに再び焦る。

当たって欲しくない予想が現実になりつつある。

 

そしてその予想を裏付けるかのように、ゼロはしばしの逡巡の後に、その顔を上げた。

「いや~相変わらずイケメンですね」と現実逃避したくなるぐらいに、黄金の双眸は決意に満ち満ちた光を湛えている。

 

「死ぬんじゃねぇぞ、グレンファイヤー!!」

「あたぼうよ!!あの世の死人に俺は熱すぎるだろうからなァ、すぐに帰って来てやるぜ」

「……ヘヘッ、その顔と減らず口をもっかい聞くまで、星が爆発しようと待っててやるからな!!」

 

啖呵を切ると共に、ゼロは腕をゆっくりとL字型に組む。

その構えから繰り出されるであろう技は、ウルトラシリーズのファンからすれば簡単に分かるだろう。

 

「待て!!話せば分かる!!」

「もう遅ぇよ!!」

 

嘲るような言葉を返して来るグレンファイヤーの向こうで、構えを取ったゼロの腕が発光し始める。

あ、ダメだコレ。

 

「食らいやがれ、ワイドゼロショットォッ!!」

 

光が最高潮に達すると共に、ゼロの腕から黄金の光線――ワイドゼロショットが発射された。

発射された光線はゴルバの頂上部、つまり俺が居る艦橋部分へと真っ直ぐ向かって来る。

 

「おわぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

ゼロが発射したワイドゼロショットは、ゴルバの頂上部分に着弾した。

凄まじい轟音と共に、波紋のようにシールドが揺らぐ。

 

暫くは耐えていたのだが、グレンファイヤーの命がけの攻撃と、炎の海賊による援護射撃による負荷により、とうとう限界を迎える。

 

≪ドカァァァァン!!≫

 

とうとうワイドゼロショットの奔流がシールドを貫き、ゴルバ頂上部へ直撃。

それと同時に、グレンファイヤーもシールドを破り、ゴルバ内部へと突入する。

 

≪グォォォォォン……≫

 

外装を彩っていた光が点滅と共に消失し、代わりにグレンファイヤーによるものであろう小爆発がゴルバ中で巻き起こり、糸が切れたようにスペースニトロメタンの海へと落下して行った。

 

≪カッ!!≫

 

ゴルバがスペースニトロメタンの海へと着水し、炎がガスに引火する。

一つの惑星帯を占めるガスが全て誘爆して行くその光景は、まるでこの世の終わりのようだ。

凄まじい高熱により発せられた白光に、周辺が包まれていく。

 

「小癪な真似をっ!!」

 

悪態を吐きながら、ダークゴーネは自らの搭乗する旗艦をワープさせる。

何隻かのブリガンテは爆発に飲み込まれ破壊されたが、旗艦がワープした事で連動して旗下のブリガンテもワープしていった。

 

「おわぁっ!?」

「緊急ワープ!!」

 

広がる爆炎はアバンギャルド号へも襲い掛かり、艦体を激しく揺らす。

そんな中でも冷静な操舵手の指示により、間一髪、アバンギャルド号は宙域からのワープに成功する。

 

だが、そんな中でジャンバードだけはワープしなかった、いや、出来なかった。

短い旅とはいえ、仲間として尽力し『ベリアル打倒』並びに『エスメラルダ奪還』の糸口を見つけてくれたゼロを、このまま置いて行く事に迷いがあったからだ。

 

「ハァッ!!」

 

逃げ切れないと悟ったゼロが、僅かに残されたエネルギーを振り絞ってウルトラゼロディフェンサーを繰り出す。

エネルギーの壁に容赦なく襲い掛かる炎の奔流を、必死になって堰き止めるゼロ。

だが、炎は容赦無くジャンバードとゼロを襲う。

 

そして……

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