主人公の服装は劇場版ジードの劇中に登場するクシア人と同じく、琉球の民族衣装のイメージです。
その中でも若々しさと軽やかさを重視して『エイサー風』となっております。
漆黒の宇宙空間、生命が生存出来ない極限の環境が広がっている。
そんな宇宙に有る、とある広大な小惑星帯を一筋の光が駆け抜けていく。
「フォスE2基地、こちらはジャンバード、聞こえるか?」
一筋の光……宇宙船ジャンバードは、近隣の基地へと通信で呼びかける。
『ジャンバード、こちらはエスメラルダ軍フォス星系E2基地、通信状態は良好、任務に関する情報は本部と共有している』
「了解、王の勅令に従い、任務を遂行する」
正式名称『エスメラルダ王家直属
古くから王家に仕えてきた『伝説のスターコルベット』の異名を持つ宇宙船で、
高度な人工知能である通称「ジャン」により人間に劣らない人格を持ち、機体の全ての制御や、人間との直接的なコミュニケーションを可能にした自立型の宇宙船だ。
そしてジャンバードは今、王からの勅令によりある任務を果たそうとしていた。
「惑星ニュークシアまではあと10万宇宙キロ、これより通信を封鎖する」
『了解、任務を続行せよ』
通信を終えた後、傍受されないように回線を切断、
その後は次元羅針盤を確認して航路の微調整を行いながら、任務の内容を再確認する。
王からジャンバードへと与えられた勅命、それはニュークシアへの調査だった。
これまでは順調に交流を重ねて来たエスメラルダとニュークシアだったが、突然の一方的な通知と共に惑星が封鎖されたのだ。
以降は通信も繋がらず、ニュークシア側の情報が全く掴めない事態が続いていた。
こうなった原因としてはカイザーベリアルの件も有るのだろうが、それにしてもこれまでとは比較にならない程に過剰な反応だと言える。
その為、王はニュークシアへの調査隊派遣を検討、相手を刺激しないように少数精鋭を極秘裏に派遣する方針を決定。
今はジャンバードが単独でニュークシア方面へと向かっている。
「もう間もなく見えてくるはずだが……」
ここまで来ればニュークシアが見えてくるはず、だが、未だにその星の姿は見えない。
羅針盤を確認するが、航路は間違っていないはずだ。
「予定軌道に間もなく到着するはず……っ!?」
その時、ジャンバードのレーダーに何かが引っかかる。
この宙域は既にニュークシアの領域であり、普通の船は滅多に通りかからないはず。
咄嗟に小惑星の影に隠れたジャンバードは、物陰から様子を窺う事にした。
画像センサーで周囲を窺えば、約500宇宙キロ先に船団が見える。
「あれは!?」
そしてその船団の先頭を行く漆黒の巨人、それを見てジャンボットは確信した。
最近になって突然出現し、周囲の悪党を傘下に収めて暴虐の限りを尽くす悪の帝王……
「カイザーベリアル!!」
―――――――――――――――
「もうニュークシアが見えてもおかしくないはずですが……」
ダークゴーネは周囲を見渡すが、目当ての星の姿は無い。
方向は合っているはずなのだが……
「星なんて見えんぞぉ、お前の勘違いではないのかぁ?」
「そんなはずは無い!」
「だが無いものは無いぞぉ」
状況に困惑し、口論を始めるダークゴーネとアイアロン、
その後ろを付いて来る艦隊にもその困惑は広がり始める。
「どうするべきか」と、考え始めた時だ。
「黙れ」
言い争いが激化しそうになる寸前でベリアルの発した声に、口論をしていたダークゴーネとアイアロンを含め全員が押し黙る。
周囲の雑音が消えた事を確認して、ベリアルが顎に手を当て考えている最中、
再びレイブラッド星人の声が脳内に響いた。
『ほほう、コレは面白い』
「何か分かったのか?」
頼るのは癪だが、流石のベリアルも今の状況を打開するべく、何かを見抜いたレイブラッドへと聞いてみる。
得意げに『フフフッ……』と笑うレイブラッドに対して、プライドが高いベリアルはバカにされたような不快感を感じたものの、背に腹は代えられない。
『空間そのものが遮断されておる、正攻法では入れんぞ』
「空間の遮断、だと?」
『ああ……』
その後のレイブラッドの説明よると、惑星が存在するであろう空間のみを切り取り、亜空間へと収納しているという事だ。
コレには流石のベリアルも驚く、光の国基準で見てもかなり高等な技術だ。
光の国の科学者でさえ、再現が出来るかどうか……
『ただ、貴様なら空間に無理矢理アクセスする事が可能なはずだ、
「……」
レイブラッドの言葉の意味を理解し、そして自分にとって忌むべき事実をさらりと言われたベリアルは何とも言えない不快感を覚えるが、
まあ、良いだろう。
今のやり取りでニュークシアへのアクセス方法は分かった。
ベリアルはカラータイマーの前に両手を翳す。
そうすると赤黒い光がカラータイマーから発せられ、両手へと絡みつくように集まっていく。
そして、充分なエネルギーが溜まった時、ベリアルは両手を前に突き出し、そのエネルギーを開放した。
「トゥインクルウェイ!!」
次から山場になります。