宇宙戦艦ヤマト2199のコスモリバースシステムが有れば、ウルトラ世界の住民の中にも救われる人は居そう。
母星を滅ぼされたトレジャーハンターとか、
愛する存在を失った青い科学者とか、
亡国の高貴な血を受け継ぐ赤き獅子兄弟とか。
今日もニュークシアは新しい一日を迎えた。
空間遮蔽装置を起動している為に日照時間は短くなっているものの、テラフォーミングの技術により通常空間と変わらない環境が維持されている。
鈍色の空を鳥たちが飛び交い、川の中では魚たちが跳ね、森では動物たちが木の実や草を食す。
ニュークシアの自然の息吹は、今日も穏やかな時間と共に流れている……
《ドォォォォン!!》
……そんな穏やかな時間をあざ笑うかのような轟音が、かつて東京と呼ばれた都市のど真ん中で響いた。
「ゲホッ、ゲホッ」
やっちまった、と思いながら、俺は目の前の惨状を眺める。
換気装置により強制的に煙が吸い出されて行き、割れたビーカーやひしゃげた実験機器が露わになった。
思い付きでやった実験がこんな結果になるなんて。
「まさかこんなに激烈な反応を起こすとは……」
本当にただの思い付きだったのだ。
『波動エネルギーとエメラル鉱石のエネルギーを融合させたらどうなるのか?』という。
結果は想像を絶する物だった。
波動エネルギーはエメラル鉱石と強く結びつき、瞬時に莫大なエネルギーを発生、あっという間に制御不能になり爆発。
幸い、ごく少量のサンプルによる実験だった為にこの程度で済んだが、もしも艦艇レベルの波動エンジンとエメラル鉱石機関が反応すればどんな事になるか……
「まるで
[暗黒星団帝国デザリアム]
旧作版宇宙戦艦ヤマトの劇場版『ヤマトよ
圧倒的軍事力を持ち、ヤマトシリーズで唯一、地球を制圧・占領した。
しかし波動エネルギーに対しては極めて脆弱という弱点があり、
波動エネルギー兵器を使用された場合、デザリアムのエネルギーと激烈な反応を起こして大爆発してしまう。
エメラル鉱石もそれとよく似た性質を示している。
波動機関自体が、元々はこの世界に存在しないイレギュラーだからというのも一因として有るのだろうと思う。
「まあ、きちんと管理すれば大丈夫か」
俺はこの研究結果を記録しながら思案する。
そもそも波動機関はかなり特殊な物であり、内部でエネルギーを発生させるという構造上、臨界にでも達しない限り外部にエネルギーが漏れ出すという事はほぼ無い。
兵装の中には波動エネルギーを直接使用する物もあるにはあるが、波動掘削弾、波動カートリッジ弾、そして波動砲ぐらいだ。
他の兵装はあくまでも、波動エネルギーを元に動作しているだけであり、直接発射するわけではない。
もちろん、開発自体はしているが……
「波動砲を撃つような事態なんて、来てたまるかっての」
研究結果をまとめ、俺はしばしの休息に入った。
最近は研究も順調に進み、ヤマト世界の様々な科学を再現する事に成功している。
とはいっても、実際に実用レベルで製作した物は少ないが。
平和が続く限りは使用する機会など無い無用の長物ではあるものの、
ここまで研究してきたのは単に「男のロマン」という奴である。
「ウルトラマンゼロが来るまでに、粗方終わらせておきたいな」
ゼロが来れば、クシア人の移民計画もグッと進む。
そうなれば研究の為の時間を取るのにも一苦労だろう。
そんな事を考えていた時だ。
『ご主人様、非常事態デス』
アナライザーから、突然通信が入る。
せっかく休息を取ろうとソファーでくつろいでいたのだが、無下にするわけにもいかない。
俺は多少の不機嫌さを噛み殺し、通信機のスイッチを入れる。
「どうした、アナライザー」
『外部からの干渉にヨッテ、遮蔽フィールドが中和されテイます』
「はぁ!?」
『間もナク、遮蔽フィールドは崩壊、ニュークシアは通常空間へと弾き出されマス』
驚いて手近な窓を開ければ、遮蔽空間の鈍色の空が徐々に青空へと戻っていくのが見える。
俺はしばらく唖然としてその光景を眺めていたが、ハッと我に返ると基地中枢部へと駆け出した。
―――――――――――――――
ベリアルの手から放たれたエネルギーは、真っすぐ宇宙空間を進んで行く。
《ピシャァッ!!》
だが、そのまま宇宙空間を進んで行くと思われたエネルギーは、途中で不可視の壁に遮られた。
空間に巨大な波紋が浮かび上がり、揺れ動くのが見える。
「おぉい、どうなっているんだぁ?」
「これは二次元人の技術!?しかしそれにしては……」
アイアロンとダークゴーネが困惑して話すのを尻目に、ベリアルは更に力を込めた。
「ふん!!」
波紋のように揺れ動く空間はどんどん広がっていき、やがて揺れ動く空間の中に一つの惑星が浮かび上がる。
その光景にベリアル軍は色めき立つ。まるで現実感の無い光景。
揺れ動く空間はやがて収束してゆき、遠くに一つの惑星が姿を現した。
「久々だったが、まさかこんな事に使うとはな」
空間が安定し、ベリアルはエネルギー放出……トゥインクルウェイを止める。
ウルトラ族に限らず、巨大な体を持つ種族にとって宇宙を旅するという事は至難の技だ。
肉体を収める為の宇宙船を作るにも多大な資源を消費する上、まともな宇宙船を建造しようと思えば、あまりにも巨大な物になってしまう。
そうなれば何も無い宇宙空間では大丈夫だが、惑星に着陸する事は不可能になる上、小惑星帯などでは身動きが取れなくなるので迂回を強いられる。
そういったデメリットの為、巨大な肉体を持つ種族は不便を割り切って巨大な宇宙船を建造するか、それとも自らの肉体を縮小するかのどちらかを選択している。
だが、中には自らの肉体を直接ワープさせる技術を開発した種族も存在する。
その中の一つがウルトラ族であり、それを可能にした技術が『トゥインクルウェイ』である。
これはウルトラ族の体内を流れる光エネルギーを利用し、粒子加速器と同じ原理で小型のワームホールを作る技術だ。
光エネルギーの卓越した制御を要求されるが、その難易度を補って余りあるメリットがある為に、今では宇宙を旅する者にとって必須の技術となっている。
今回、ベリアルが行ったのはそれの応用。
体内から放ったトゥインクルウェイのエネルギーで、遮蔽された亜空間へとつながるワームホールを開けたのだ。
その影響で空間を遮蔽していた膜は完全に崩壊する。
これでベリアル軍は、容易にニュークシアへと攻め込む事が可能になった。
「お前ら、行け」
ベリアルの指揮の下、軍は前進を始めた。
数百もの艦船が、無防備になった哀れな惑星を食い尽くそうと食指を伸ばす。
だが……
「っ!?」
それは戦士の勘という奴だったのであろうか?
背筋に走った悪寒に、ベリアルは瞬時にその場から飛びのく。
《ピュピピピピピピ!!》
瞬間、何も無かった筈の空間から、巨大な炎の柱が飛び出した。
終盤に現れたのは勿論『あの兵器』です。
ふざけた効果音だと思われるかもしれませんが、マジでこうとしか表現できない音なんですよね。
参考までに動画へのリンクを張っておきます。
https://youtu.be/nw1C2cmNzBY
動画の7:20~をご覧下さい。
※リンクの方は問題あるなら消します。