悪の帝国のテクノクラート   作:トラクシオン

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炎の海賊団VSベリアル軍(主人公指揮)
はたして勝負の行方は?


第三十四話【炎と鉄と】

炎の海賊団とパルデス率いるベリアル軍艦隊が、広大な宇宙空間の中を接近していく。

そして、双方が直接視認出来る距離まで近づいたところで、砲門が火を噴いた。

 

漆黒の宇宙空間をビーム砲の閃光が走るが、初手は双方の艦の分厚い装甲に防がれる。

今は均衡しているが、純粋な火力で言えば艦の数の多さから炎の海賊団の方が強く、このまま押し切ればベリアル軍側の方が不利だろう。

炎の海賊団が運用するファイヤーパイレーツ級戦艦は堅固な装甲と高火力を誇り、戦闘力の高さは国家が運用するレベルの戦艦と肩を並べる。

 

だが、ベリアル軍側にはブリガンテに搭載された合計200機ものレギオノイドβが有る。

このレギオノイドβは主に宇宙での戦闘を前提としたタイプで、強力なブースターによる宇宙空間での高い機動性と、両腕のガンポッドによる強火力が特徴だ。

威力としては艦砲に及ばないものの、その分貫通力と連射能力を高めており対艦戦闘にも十分な能力を付与されている。

 

炎の海賊団側はアヴァンギャルド号を先頭に、ベリアル軍へと迫って行く。

他のファイヤーパイレーツ級よりも堅固な装甲と強力な火器を備えるアヴァンギャルド号は、旗艦でありながら船長の気質もあって切り込み隊長的な立ち回りを行う事が多い。

 

だが、艦の性能だけがこの戦法を取る理由ではない。

 

「さぁ、かかって来いやぁ!!」

 

アヴァンギャルド号の甲板上で、燃えるような……いや、燃える紅蓮の巨人『グレンファイヤー』が、その手に炎の戦杖であるファイヤースティックを手に迫って来るレギオノイド達へと飛び掛かって行く。

その体に内包する恒星レベルの炎のエネルギーと、一目で分かるほどに鍛え上げられた逞しい体躯から繰り出される一撃は、迫って来るレギオノイドの装甲をブチ破り、あっという間に戦闘不能にしていく。

 

「オラオラオラァ!!どうしたどうしたその程度かぁ!?」

 

そのまま炎を纏って飛翔したグレンファイヤーは、ファイヤーフラッシュをレギオノイド達へと連射する。

超高熱エネルギーの塊である光弾は、当たったそばから炸裂してレギオノイドを破壊していった。

 

そうして開いた包囲網の穴を炎の海賊団達は抜けて行き、とうとうアヴァンギャルド号を含めた数隻が艦隊へと接触する。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

『ブリガンテ級各機、本艦ヲ守る陣形を取りマス』

 

迫る炎の海賊団の艦隊を前に、アナライザーがブリガンテをグレート・プレアデスの盾とする形で並べていくよう指令を出す。

AIによる制御と高度なデータリンクを施されているブリガンテは、コンマ一秒単位で与えられる指令を遂行する。

 

「全砲門一斉射!!」

 

そしてブリガンテの陣形が整ったところで、俺は再度砲撃の指示を出した。

ブリガンテが発するビーム砲の閃光が敵を焼いて行く。

 

このブリガンテ級に搭載された回転大砲塔は連射能力に優れ、弾幕を張って敵の進撃を阻止する事も可能だ。

さらに威力に優れた艦橋の砲塔で、敵の戦艦へと有効な打撃を与える。

 

そして後方からはグレート・プレアデスも砲撃を加えていく。

この艦に搭載された重核子ベータ砲と重核子アルファ砲はブリガンテ級を遥かに上回る威力を誇っており、連射性能にも隙が無い。

堅固な装甲を誇るファイヤーパイレーツ級でもまともに食らってしまえば一発で撃沈してしまう程である。

 

『敵艦、上方と下方カラも接近』

「本艦が対処する、ミサイル発射機、並びに魚雷発射管起動、撃て!!」

 

挟み撃ちにしようと迫って来る艦に対してはミサイルと魚雷を発射していく。

この装備に関してはグレート・プレアデスのみの搭載ではあるが、出し惜しみは無しだ。

 

宇宙空間を大小様々な爆発の光が染め上げる。

数隻は戦闘不能にまで追い込んだが、やはり最強クラスの戦力を誇る海賊団とあって粘り強い。

このまま時間が過ぎれば数の分だけコチラが不利だ。

 

ならば……

 

「1番から3番艦を後退、超大型砲発射準備」

『艦首超大型固定砲、発射準備』

 

指示を出した瞬間、ブリガンテの1番から3番艦が後退し、それをカバーするように4番から10番艦が前へと出る。

艦首超大型固定砲、通称:超大型砲、ブリガンテに搭載される最大の武装。

チャージには多少の時間がかかるものの絶大な威力を発揮する兵器であり、例えるなら『ブリガンテ版波動砲』と言うべきものだ。

 

まあ実際の波動砲よりは威力的には及ばないものの、連射が可能と言う波動砲には無いアドバンテージが有る。

 

「チャージ完了次第、発射しろ」

『了解』

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

「ったく、ワラワラ湧いてきやがって」

 

あまりにもしつこく纏わりついて来るレギオノイドに、グレンファイヤーは苛立ちを露わにしながらファイヤースティックを投げる。

高エネルギーを纏った炎の槍は、真っ直ぐ飛んで行き一体のレギオノイドに突き刺さった。

ファイヤースティックはその超高温により装甲を溶かしながら中枢部を貫いていく。

 

「しつこい野郎はモテねぇぜ?……って言ってもブリキの玩具には関係無ぇか、っと!!」

 

爆発したレギオノイドの閃光を背景に、再び手にファイヤースティックを出して構える。

グレンファイヤー自身のエネルギーで出来ているこの武器は、エネルギーが尽きない限りいくらでも出す事が可能だ。

若々しくも思える彼だが、長命種族であるが故に若い身空でも数百・数千年戦って来た歴戦の勇士である。

AI制御のロボットなんかにタイマンで負ける事は無い。

 

ただ、そんな事は敵も分かっているようで、レギオノイドは一定の距離を保ちながら常にスリーマンセルでグレンファイヤーに張り付いている。

倒しても倒しても、後からレギオノイドが現れて常にこの体制は守られたままだ。

 

その為、他の炎の海賊団の船とは常に分断されている状況だった。

 

「流石にこのままだとマズいか」

 

振り切ろうと戦場を縦横無尽に飛び回るグレンファイヤーだが、完全にレギオノイドにマークされている。

舌打ちを零しながら攻撃を繰り出すが、敵も学習してきたのか先ほどよりも攻撃が当たりづらい。

 

どうするか、とグレンファイヤーが考えていた時だった。

 

突然飛んで来た光線が、グレンファイヤーの周囲を飛び回っていたレギオノイド達を貫いた。

光線が飛んで来た方向を見れば一隻の海賊船、艦橋を見れば船員がサムズアップをしながらこちらを見て笑顔を浮かべている。

 

「やるじゃねぇか、こりゃあ俺様も負けちゃいられねぇな!!」

 

そう意気込んで、グレンファイヤーは敵戦艦の方を向いた時だった。

 

「ッ!?危ねぇッ!!」

 

異変に気付いてグレンファイヤーが味方の海賊船に手を伸ばすが、一足遅かった。

飛んで来た極太の閃光が、数隻の海賊船を包み込んでいく。

先ほどグレンファイヤーに対してサムズアップを向けていた船員は、何が起きたのかも分からずポカンとした表情のまま、閃光に溶け消えて行った。

 

「っ!!」

 

その光景に呆然としていたグレンファイヤーが頭上の光に顔を上げると、同じ閃光が数隻の仲間の船を巻き込んで行くのが見えた。

成す術もなく溶け、刈り取られていく仲間の船。

 

無慈悲な光景に、グレンファイヤーの心に灼熱の(怒り)が燃え盛る。

 

「やめろぉぉぉぉっ!!」

 

怒りの炎を身に纏い、立ちはだかるレギオノイドを溶かしながらグレンファイヤーは敵艦隊へと向かって行く。

目指すは敵艦隊の中心、ブリガンテに取り囲まれた異形の巨大戦艦。

 

感情のままに突き出された拳が、巨大戦艦……グレート・プレアデスの装甲を叩いた。




主人公設定(ベリアル軍所属Ver)ですが、本編に書かれていた通り沖縄の民族衣装から軍服にチェンジしました。

具体的に解説すると、

・縦二列の金ボタンに深紅の裏地の黒いロングコート
・黒いスラックスに革靴
・ベリアル軍の紋章(ウルトラサイン)があしらわれた軍帽

といった服装です。
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