【旧東京都、港区、東京港】
臨海副都心を囲むように存在するこの港湾は、ウルトラマンマックスの世界ではUDF日本支部であるベース・タイタンが建設されていた場所だ。
本来なら穏やかな内港となっているこの場所は、今現在は港をほとんどを埋めるように存在する複数の無機質な構造物によって占拠されている。
そんな建物の一つに、俺は足を運んでいた。
今日は重要な日だ。ついに待ち望んでいた物が完成したのだから。
『一番艦ハ既に完成し、いつデモ処女航海へと旅立てマス』
背後から付いて来るアナライザーの一言を聞きながら、俺は胸を躍らせて目の前の建物へと入った。
内部は広く柱の無い空間で、普段なら走り回っている作業用の機械も、今は役目を終えて静かに一時の休みに入っている。
まあ、目の前の
そして俺は、待望の船と対面する。
直線と曲線が織り交ぜられた芸術的なフォルム、勇ましさを感じさせる艦砲等の武装の数々、そして艦首に備え付けられた
そのグレーの艦体を、そして側面に印字された艦の識別番号を、俺は胸を高鳴らせながら眺めた。
【ANDROMEDA】
【B.G.E.F. AAA-0001-0001】
「とうとう完成した!!これこそが俺の希望の光!!」
心の底から歓喜が沸き上がり、思わず叫びだしてしまった。
いけないいけない、落ち着かなければ……
深呼吸で気分を落ち着け、改めて目の前に鎮座する戦艦を眺める。
【前衛武装宇宙艦アンドロメダ】
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場した、地球連邦軍の旗艦。
従来型の戦艦よりも強化された様々な武装や装甲を搭載し、高度な自動化により少数の乗員で運用可能なハイテク艦だ。
そして何より特徴的なのが、艦首部分に搭載された二連装の波動砲である。
この波動砲はエネルギーを一点に集中して標的を確実に粉砕する収束波動砲と、複数の敵に対して打撃を与える面制圧が可能な拡散波動砲の両方を切り替えて使用する事が出来る。
アンドロメダ級はこの宇宙でも最強クラスの戦艦となるだろう。
「艦内を確認する、
『ロックを解除、ゲートを開きマス』
金属質な音と共に格納庫内へとモーター音が響き、艦体を守る装甲の一部が外側へとせり出して来る。
横から見ればかなり分厚く、その頑強さは一目見ただけで理解できるほどだ。
ある程度まで外へとせり出した装甲は、一瞬停止した後に横へとスライドし、数メートルほど動いた後に再び金属音と共に停止した。
今度は内部から対真空・防爆用の耐圧扉が姿を現し、それが上部へとスライドして艦内部へのゲートは完成だ。
俺はキャットウォークから艦内へと足を踏み入れ、艦内のとある場所へと向かう。
艦内の通路を奥へと歩いて行き、エレベーターで下層へと降り、そして到着した一室。
扉を開いた瞬間、目の前の光景を見て俺は背筋が歓喜に粟立つのを感じた。
「ああ、これが……」
艦内の一室、その中央に鎮座する黄金の機械。
これこそが俺が求めていた物、この宇宙の遍く生命を救う事が出来る鍵。
「コスモリバースシステム」
独特の曲線を描くその機械を、まるで赤子に触れるかのように撫でる。
これこそが希望そのもの、ベリアルによって失われるだろう命を救う事が出来る唯一の手段。
惑星に存在する「時空を超えた波動」と、生命の進化の記憶である「エレメント」を基に、滅びつつある星を再生する事が出来るシステム。
だが、それはコスモリバースシステムの表面に過ぎない、
それはイスカンダル文明の最も悍ましい面を代表する物ではあるが、今回に限ってはベリアルから遍く生命や星々を救うに足り得る唯一の手段だ。
だからこそ、俺はこの装置の完成を急いでいた。
『二番艦以降モ艦体は完成してオリ、後はソフトウェアのインストールだけデス』
「パーフェクトだ」
俺はアナライザーからの報告を聞き笑みを浮かべた。
アンドロメダ級、並びにコスモリバースシステムは今後も量産されていく。この宇宙の救済の為に。
『ソフトウェアのインストールが完成スル期間を考エると、今後一週間以内に五番艦まで完成いたしマス』
「そうか……」
アナライザーからの情報を聞き、俺は考える。
波動砲とコスモリバースシステムの試験は、出来るならベリアルの肉体が復活し、自由に行動をしだす前に進めたい。
もしも企みに気づかれてしまえば、裏切り者として粛清される危険性が高いからだ。
そう考え、俺は今後の方針を決断する。
「では三日後に、反逆惑星を用いて波動砲、並びにコスモリバースシステムの試験を実行する」
アンドロメダの識別番号に記された『B.G.E.F.』の意味は、
Belial
Galatic
Empire
Forces
つまり『ベリアル銀河帝国軍』の頭文字から来ています。
それ以外の番号は概ね原作のヤマト2202と同じですが、年号に当たる最後の四桁は建造された年号であり、ベリアルが樹立した銀河帝国暦の一年目という意味になります。