Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア 作:ぼけなす
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空太郎くんの元へ向かう。今日で尋問、もとい面談を終える予定である。
そろそろ、軟禁という形をやめて、本格的協力申請をとりたいと考えていた。彼の仲間———サーヴァントの力は、【シンフォギア】に匹敵する。
ある種、人類の歴史の力を借りているようなものだ。
特異災害機動二課のロビーを歩き、たどり着く。彼の待つ、部屋へ。
そこで待っていたのは、
——————マジックミラーを鏡にして、香ばしいポーズの練習をしている
「……何をしているんだね」
「沖田オルタさんに教えようとするネタの練習をしていまして。…………ハッ」
ここで俺の姿に気づき、いそいそと座る空太郎くん。「見た? 見ちゃった?」と聞いてきたので頷くと、机に突っ伏した。
「なんてこったい。まさか、常識人の弦十郎さんに見られてしまうなんて。これでは俺は変態と思われてしまう」
「いや、君が変態なのは共通の認識であるから」
「なん……だと……!?」
「前から気づいてたがね」
自分が常識人であると、思っていたようだが、断じて違う。君はネタに走ってる時点でおかしいから。
そう指摘すると「だが、後悔はしてないです」と答えてきた。そういうところは清々しいな。
「それにしても、こんな状況であっても前と変わらずいつも通りだな。俺としても、それなり経験がなければ普通は戸惑うだろうに」
「んー、まぁ、常に命懸けの命懸けでしたからねぇ。一歩間違えれば殺られてたわけですし」
「なるほどな。君が言っていたことは概ね正しかったわけだ」
前の尋問では、彼はこの世界にはいるか、いないかわからないが、カルデアの【魔術師】と名乗っていた。それは俺達にはないノイズの対抗手段として、ご教示願おうとしたが、どうも彼の腕は半人前で初心者クラス。またそれを扱うための、【魔術回路】というものがなければ使えないときた。
風鳴機関は、彼を解剖すべきと言っていたが、【カルデア】という組織が未知なる存在であったため、様子見すべきと返答した。
……結果、その判断は正解だった。彼にも仲間がいた。それも歴史、伝説、逸話から出てくる英雄の幽霊達———英霊。
【シンフォギア】の装者であっても、勝てるかどうかわからない対ノイズ及び対人の
「カルデア……人理の危機から救うための組織だとはわかった。しかし、なぜ君のような少年が戦うこと?」
藤丸空太郎は確かに魔術が使える。だが、それは戦いに向いてるわけでない。一人ならば、ただの兵士二人でも組み伏すことも可能に思える。
「それしかなかったから。俺の義妹は、ある種、人理を救うための決戦マスターだったし、もし戦いが終わればきっと残りの人生を生きることもなさそうだった。それが気に入らなかったからてますよ」
「家族のため、か」
「まあ、ぶっちゃけ。義妹と後輩に世界はまだまだ美しいものが残ってると教えたかっただけですし」
「美しいもの?」
「うーん、まあ、いろんな景色や人、そんな出会いとかがあるってことですねぇ。彼女達が生きていたのは狭い世界でしたし、特異点というところでしか知らない土地でしたから」
……つまり、彼はここだけではないまだ見ぬ世界を教えたい、伝えたいのだろう。
「と、まあ、俺の話はそんな感じです。別に俺は人理を救って英雄になりたいわけでもないですし、ただただ、今の世界を知らないまま、終わりしたくないだけですよ」
「なるほどな。……君が戦う理由はわかった」
「ところで、クリスはどうでしたか? 元気でしたか?」
「元気さ。ただ……まだ我々のことを信じてないようだ」
空太郎くんに、クリスが今、どういう状況かを説明した。彼女は大切だった人———フィーネから捨てられたことから、立ち直り、一人で戦おうとしていた。
「そうかそうか。お兄さんはうれしいですぞ。」
「……クリスくんが大人のことを信じられなくなっているのは知っているのか」
「まあね。まあ、そのときは喧嘩口で言い合って、結局、負けたときに知った」
両親が夢を見た上で亡くなったことと、行方不明になっていたクリスを助けられなかったこと、捕虜としての酷い待遇を受けてきた生活のせいで大人を信じられなくなっていたこと。
彼はそれを知っていた。俺は未だに負い目を感じている。
そんな俺に、空太郎は、
「気にしたところで過去は変わらないですよ。重要なのは、今からどうするか、でしょ?」
「確かに、そうだな」
「クリスに関しては、まあ、なんというか『間が悪かった』としか言いようがないですよ」
「その言葉だけで納得しろというのか」
「するしかないですよ。どんなに納得できないことがあったとしても、どんなに認めたくないことがあったとしても、最悪のタイミングは必ず起きるもんですよ」
「そうかもしれんな……」
「だからこそ、次はどうするか、今からどうするか、を行動していくんですよ。でないといつまで経っても動けないままですよ」
彼は義妹や後輩に見せたいだけだ。
そんな崇高な理念や想いとかなどない。ただ、義妹と後輩に
だから人理焼却を認めない。
だから人理漂白を認めない。
まだ彼女達に、世界が美しいものであると教えきれてないのだから。
「いつも通り巻き込まれて、間が悪かったって一言で片付けたら、あとは自分達でどうにかする。そういうもんですよ」
「……君は強いな」
「そう見えるだけですよ。前を見て進むことしかできませんからね」
「そうだな……俺もやってみるべきか!」
「まあ、俺の言葉がなくてもあなたならできてます」
「む? そうか?」
「はい。弦十郎さんならできるって信じてますから」
「ハハハ、そこまで信頼されてるとなれば応えなければならないな! ……ところで、君に聞きたいがいいか」
弦十郎が真剣な目で尋ねてきた。
「クリスくんの背後にいたフィーネという人物……。その者を倒すのに一緒に戦ってくれないか?」
「できません」
……彼はあっさりと断った。理由は、あるのか?
「なぜ、と聞いておこう」
「まずは様子見がしたいという感じですね。フィーネが何をしようとしているのか、それが一体何をもたらすのか知ってから動きたいです。彼女の全てを否定するのは、それを知ってからですよ。……まあ、彼女がもしも、知り合いに手を出してきたら、別ですが」
空太郎くん自身、今のところフィーネの目的に止めることは考えていなかったようだ。ただ、彼女が知り合い達に手を出すことがあれば、彼は本気で動くつもりだ。
「俺としては、君に今からでも協力してほしいのだが……」
「協力はしますよ。ただ、今はしないだけです。もし、動けばフィーネが俺を殺しにきます。それは俺だけなく、カルデア側としても痛手です。ただでさえ、カルデアは人員がいないのですから」
「……そうか。すまん」
「謝らないでください。時が来たら、俺達も動きます」
なんとなく予感はしている。空太郎くんはフィーネが何かとんでもないことをやらかすことを、肌で感じていたのだろう。
俺としてはぜひ、協力してほしかったが、彼の身の安全も考えなければならない。
「……何を企んでいるのやら」
「わからない。だからこそ、罠を張る。次のノイズ災害はきっと陽動になる。そのときを狙って、フィーネはおそらく何かしてくる」
「そのときの人員配置は?」
「奏くんを残しておく」
「足りないですね」
「そうだ。だからこそ、絶好のチャンスをフィーネとやらは逃さない」
「……では次の災害、もとい襲撃で俺は判断します」
そのときの彼の目は何か決意を込めていた。
彼はきっと決めるのだろう。自身を拾ってくれた者を、敵としてみるか否かを。
「そういえば【カ・ディンギル】だが、何か聞き覚えはないか? 了子くんは『巨大な塔』と言っていたが」
「
心当たりなし……か。
「わかった。ありがとう。近日中、君の力を借りるかもしれない。そのときはよろしく頼む」
「こちらこそ。あ、ちなみにゲッターロボの声優とかされてませんよね?」
「俺はそんなことしてないんだが……」
なぜにあの熱いロボアニメの声優をしてると彼は思っているのだろうか。
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——————そして運命の日がきた
都市部への大型ノイズの襲撃。そして、【リディアン音楽院】の襲撃が始まった。
生きたいし、家族に世界が美しいことを教えたい。
藤丸立香がなぜそうなったのかの理由はいずれ、また
次回、メンタル削られながら救出戦。
あの自衛隊員の名前、小林じゃないよね?