Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア 作:ぼけなす
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○月○日(月)
あ、ありのままに起こった話をするぜ!
気がついたら見知らぬ廃墟で寝ていて、銀髪ロリ(一部がアダルティ)な子に叩き起こされた!
その子に怪しまれるわ、さらには白衣だけしか着ていない痴女にまで絡まれ、なんかバルタン星人みたいなヤツらに襲われた!
なんと恐ろしい片鱗を味わったぜ。
というか、特異点か異聞帯案件ってわけですね、わかります。
さて、こんなこと書いてるということは無事、乗り切ったというお知らせなんですよ。
わたくし、藤丸空太郎がいつもの種火集め周回もとい、サーヴァント達との訓練が終わって、部屋に戻って寝ていたところ、気づいたらここにいた。
んで、ここどこなんだろなー、また巻き込まれたのかなー、と思いながらぼんやりしていたら、先ほど出てきた痴女が杖を使って、バルタン星人(仮称)を操って襲ってきた!
なんかのマスコットぽかったけど、今はサーヴァントがいないマズイ状況みたいだった。銀髪ちゃんから「逃げろ!」と言われたが、間に合わず、なんかバルタン星人(仮称)がいきなり覆い被された。
これは死んだなー。悔いが残るなー。義妹殿を放置はヤベェーなと軽い感じで思ってますが、内心めちゃくちゃ焦って悔いがありました。
それから、覆い被さってきたバルタン星人(仮称)はしばらく経っても何も起こさず、じっとしていたので、とりあえずオモイーと答えてからどかしてみたら、痴女と銀髪ちゃんに驚かれた。
なんぞやと聞くと、どうもコイツらはノイズという生き物らしく、人を炭素にして殺す生物らしい。あー、だから銀髪ちゃんが急に焦ってたのね。
んで、痴女に「なぜ炭素化しない!」とツッコまれたので、自分なりに分析してみたところ。
あらゆる災厄から身を守るデミサーヴァントと契約中
↓
毒も病も効かぬ媚びぬ
↓
炭素化など無駄無駄ァ!!
という結論が出ました。書いててふざけてる感じになってるけど、実際の現場では痴女さんもかなりびっくりしていた。
「聖遺物の塊」とか「融合事例」とか訳の分からないこと言っていたので、二人の名前を聞いてみたところ、【フィーネ】と【雪音クリス】という名前でした。
はじめまして、藤丸空太郎ですと言って、何者かと聞かれたので「カルデア」から来ましたと返してみた。
どうも二人はカルデアのことを知らないらしいので魔術関係者じゃない模様。じゃあ、さっきの魔術っぽいのはなんだろと聞くところ、聖遺物というものの力らしい。
【ソロモンの杖】と呼ばれる代物で、ノイズを召喚して操る力があるらしい。
……ソロモン、か。ドクターを思い出すなぁ。
あのとき、もう少し頑張れたら彼を犠牲にせずに済んだのだろうか。……考えても仕方がない、もしの話だけど。
それにしてもこの聖遺物。ギルガメッシュ王が聞いたら、「我の宝物を漁ったな、雑種めぇ!」と憤慨しそう。そう言うとフィーネさんが「貴様……かの王を知ってるのか?」と聞いてきたので素直に答えました。
ウルクの特異点で彼と出会い、その街を過ごしたこと。
共にキングゥやティアマト戦ったこと。
宝さえ関わらなければ、とても尊敬できる素晴らしい王でしたと答えた。
なんかフィーネさんは懐かしむ顔になってから、途中、顔を青ざめ始めていた。
ギルガメッシュ王の知り合いなのかと聞くと、「か、関係なかろう! ……マズイ、我が王に殺されそう」と言っていた。
ノイズのことで聞いてみたら、なんかバビロンの宝物庫から召喚してるみたいだったから、そりゃ怒るね、王様。キャスターのギルガメッシュ王であっても、
「貴様……よくも我が宝物庫を何やらわからぬ煤まみれにしてくれたなァァァァァ!!」
となりそう。フィーネさん、王様の関係者だったら、ガチで制裁されるね。とりあえず、これで脅そうかな。
とにもかくにも、俺は何やらわからない特異点……いや、異聞帯……なのか?
現代日本みたいな世界へやってきたようだ。これからどうしようか、と考えていたら、フィーネさんが「しばらく面倒みてやる。ただし、我が王にこのことは黙っててくれ」という取り引きを交わしました。
ぐへへへ、ありがとうごぜーやす。まあ、でもしばらくだからそのうち自立しないとね。住むところを考えていたら、雪音ちゃんに呆れながら、「うちに来るか?」と誘われた。
ありがたいにはありがたいが、小さな子どもに養われるのはちょっと……と言うとなんと雪音ちゃんは、雪音さんだった!
しかも花の16歳! 女子高生!
うーん、なおさらダメなような気がするので、改めて断ろうとしたが、強引に連れて行かれた。
雪音さんや、その鎧……おにーさん的にアウトのような気が。南半球見えてますよ、と指摘したら、腹パンされて怒られた。
文句ならフィーネに言えと言われた。
……フィーネさんが改めてウルクの人だと思った。あの人達、何気に肌を晒すのが当たり前だったからね。
今度聞いてみよ。
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「なに書いてんだ?」
「日記だよ」
アタシが何を書いているのか覗き込むと、どうやらプライバシーに関わるものだった。だけど、藤丸は気にすることなく、見せてきやがった。
コイツ、ホントに何も気にしないんだな。
「つーか、なんでこう平然としてられるんだ? アンタがいたところとは全く知らない土地に、誰かに誘拐されたかもしれないだぞ? 普通は怖がるもんじゃないのか?」
「いやー、それよりも怖いもんによく合ってきたからねぇ〜。よくわからないところにはよく行ってきたし、考えてもよくわからない場所とかへも行ってきたよ」
「なんだそれ」
例えばを聞くと、【チェイテピラミッド姫路城】とかいう、呪文みたいな構造物を言われた。確かにわからん。
「城の上にピラミッドの上に城を重ねた建物さ。すごいだろ」
「パワーワード過ぎてわからん」
「うんうん、大丈夫大丈夫。そのうち考えても無駄ってわかるから……」
「いや、ダメだろそれ」
なんか藤丸の目が死んでる。恐怖や絶望という暗い感じではなく、よくわからないものを見すぎて、もういいやそれで、というなんかすごい諦めた感じのヤツ。
コイツ……苦労してるな。
「まあ、おかげでこんなことがあってももう普通でいられるよ。だって、毎回ピンチだったからネ!」
「慣れちゃダメだろそれ……」
「慣れちゃわないと、死ぬからね〜」
「平然とそんなこと……」
言うなよ、と口に出そうになったが辞めた。コイツはこれまで多くの土地へ赴き、そして死にかけた。シャワーから出てきた半裸のコイツの身体を見たら、息を呑んでしまった。
その……男の裸体とかで、ちょっといいなというわけじゃなくて!
……何言ってんだアタシ。
ともかく、ホントに息を呑んだ。
——————だって、多くの傷跡や火傷の跡があったから。
小さなものは数えきれず、お腹には大きな傷跡があった。鍛えた身体はその傷から逃れるために、生きるために一生懸命身につけたものだと、思えた。
「……藤丸、はさ。辛いと思わなかったのか。もう辞めたいと思わなかったのか」
ふとらしくないことを口に出ていた。辛いとか苦しいから、もう辞めたい。
アタシ自身そんなことを経験してきたから、彼に同情したからかもしれない。
藤丸は少し考えてから、
「結構あるよ。だけど」
苦笑した顔で、
「———俺達しかいないと思った。それでも前に進むって決めた。だから、最後までやってこれたんだ」
俺しかいない。前に進む。その言葉達で藤丸がどれほど重大な立場で、困難を乗り越えてきたのか、としか言えないものだった。
アタシは想像できなかった。
普通の人でありながら、人理を守るなどという立場に立たされ、勝手に背負われ、勝手に期待される。
アタシだったら投げ出したくもなる。けど、コイツは最後までやりきる覚悟と決意をもってやってきたのだ。
「……変なヤツ」
そう、藤丸空太郎は変なヤツだ。自身を凡人だとか普通の男だとか言っているが、周りからしたら、コイツは
平然とできることではない。それを普通に笑ってやろうとしているのだ。
「変なヤツって言われてもなぁ。まあ、小さな女の子のお世話になってる変態と見られて仕方ないけど」
「自分で言うか普通?」
「周りからそう見られてもおかしくないからねぇー。とりあえず、黒ひーが血涙流して嫉妬する案件だけど」
「くろひーって誰だ?」
「黒髭。時の大海賊。今は立派なオタクです、ありがとうございます」
「いや、訳がわからねぇよ!!」
黒髭がオタクというパワーワードにツッコむ。ビッグネームが、まさかのサブカルチャーにハマってるとか、カルデアって本当にどんな組織なんだ!?
しばらく安定して、クリスとそれなりに仲良くなってからこの日記を書いていた模様。
俺達ってことは……?
ヤッタネ、仲間がいたよ!
ってな感じのお話ですが、次回からいきなりの急展開。
まあ、この物語はほのぼのしたものでないから当然ですからねぇ……。
次回もお楽しみにしてください。