Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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——————南無阿弥陀仏ー。


第二十四話 歌唱大会してたら、狐さんがきた

 

 

ーーーー

 

 

 

 私は今、キリカとシラベの二人が食べ終わるのを待っていた。

 

 多くの出店をめぐり、腹八分まで収まったところで小休止。

 

「すごいデス。あんなにあった食べ物をあっという間にデス」

「お腹いっぱいになっちゃうよ」

「え、まだまだいけますよ?」

「どんな胃袋してるのデスか!?」

 

 そんなに驚くことでしょうか?

 

 つい、この間には【大食い大会 フード王決戦】では響やジャンヌ・ダルクと良い勝負しましたし。

 

 途中、「おかわりいただけるだろうか」と言う馬耳と尻尾を生やした女子高生が参戦してきた。

 

 彼女はなかなかの食べっぷりでした。我が生涯のライバルの一人となるでしょう。

 

 終わったらどこかへいなくなりましたが。……なぜでしょう。モルガンのところのバーヴァンシーというサーヴァントを脳裏に浮かびました。

 

 馬耳と尻尾を生やして「あげません!」と言うと似合うと言うべきか……。

 

「まあ、ご飯は大切です。今後もしっかり食べていきましょう」

「……アルトリアが来てから、エンゲル係数が上がってる気がする」

「気のせいです」

「この間、コーンスープが一週間分あったのに、作ったその日になくなった気がするデス」

「気のせいです」

「「あ、はい」」

 

 素直でよろしい。やはり、この子達は良い子ですね。

 

「昨日のハンバーグではあんなに美味しそう食べていて、微笑ましかったですよ」

「う、それは言わないでほしいデス。久しぶりに食べて、涙が出ちゃったことは」

「キリちゃん、可愛かったよ」

「調だって泣いたデスよ!」

「……泣いてないもん」

 

 フフフ、意地の張り合いして、なんとも姉妹みたいですね。

 

「驚いたのは、マリアとセレナが『うまーい!』というリアクションをとったことですが」

「あれは正直、キャラが合ってないような……」

「……エミヤのハンバーグはジューシーでスパイシーだったデスから、思わず叫んだのデスよ」

「え。じゃあ、エミヤさんは三つ星シェフなの?」

 

……あながち間違ってないので否定しづらい。

 

 料理長だったり、オカンだったり、そう呼ばれることもありますが、「異世界食堂の店主さん!」とセレナに呼ばれたとき、びっくりしました。

 

……あれ。なんか合ってる? なんでだろ。

 

「ところで肝心のエミヤはどこなのデス?」

「そういえば……」

 

 買い出しに行って、いつの間にかいない。空太郎も探しに行っていないし、帰ってこない。

 

 どうしたのだろう?と心配していると、何やら騒がしい。

 

「あそこにスンゲーバトラーがいるんだって!」

「それに女装の合うオトコの娘がいるんだって!」

 

……察した。これは早く、回収しなければ。

 

「行きますよ、キリカ。シラベ」

「どこにデスか?」

「女誑しと変態を回収しに行きへ」

「いや、クータローと誰を回収するのデスか!?」

「キリちゃん、変態はわかるんだ」

 

……クータロー。あなたはどうやら、キリカに変態と認識されてますよ。まあ、普段の言動からして言われても仕方ないですが。

 

 ある出店出向くとそこには女性客の行列が。

 

 これは回収が大変ですね。プラカードを持つ店員に「少しよろしいか」と尋ねた。

 

「あ。お客様、どうかなさいましたか?」

「知り合いを回収しにきました。黒いジャケットを着てメガネをかけた青年と、オレンジのシャツを着てカジュアルな格好をしたあなたと同年代の男性を」

「お客様は当店人気の二人のお知り合いですね! 助かっています!」

「いえ、そろそろ回収してもいいでしょうか?」

「そうですね。もうしばらくお待ちになってもらえませんか? そろそろ、この行列も収まりそうですし。その間で、中で待っていますか?」

「わかりました。では、それでよろしくお願いします」

 

 客としてではなく、あくまで知り合いというスタンスで入る。そこは執事とメイド喫茶。いわゆるご主人様、お嬢様をもてなす喫茶店だ。

 

 そこで働く私の知り合いが今、接客していた。

 

「お嬢様。こちらをどうぞ」(ニコリ)

「あ……はい!」

「何かありましたら、こちらをお呼びを。私はいつでも駆けつけましょう」

「ありがとうございます!」

 

…………しっかりバトラーをするアーチャーと。

 

「ご主人様ぁ〜、今、お持ちしますニャンね♪」

「か、可愛い! 写真撮っていいですか!?」

「いいですニャン♪ ではご一緒に。萌え萌えキューン」

「「「キューン!!」」」

 

…………見事に、猫耳メイドを演じるマスターがいた。

 

 いや、ホントに何してるのこの人達。キリカとシラベもあんぐりしてるじゃないですか、恥ずかしい。

 

 ジト目で見ていると、二人は私の姿を確認して、ギョッとしていた。

 

「な、なんでここに?」

「マスター。帰りが遅いので迎えにきました。まさか、こんなところでエミヤと油を売っているとは」

「ち、違いますぅ。これは、そのエミヤの人助けのお手伝いで……」

「そうですか。とりあえず、キリカ、シラベ。写真を。これを使って、立香の交渉のための保険としておきましょう。きっと、彼女は食い付きます」

「やめて! これ以上、ひどいことしないで!」

「そうですか。ではついでにヒビキとクリスにも渡しておきますか。大丈夫、いつもの仕返しで嬉々して使ってきますから

「オワタ」

 

 ガクリと、人形のように膝につくクータロー。その様を客が写真をとっていく。さすが、クータロー。更なるネタを提供するのですね———同人誌の

 

 さて、今度はエミヤに聞きましょう。

 

「なぜここでお手伝いしてるのですか?」

「いや、その、彼女達が困っていたもので。料理できる子が貧血で倒れて……」

「そうですか。ところでエミヤ。私にも当店オススメをもらえませんか?」

「え。でも他に客がいるので」

「これは王命です。私の言うことに従え、エミヤ」

「獅子王みたいに言われてる……!?」

 

 失礼な。彼女と私は別人です。かの女神な私と違い、私は寛容です。

 

……今、胸のこと指摘した人。出てきなさい。エクスカリバーで斬ります。

 

「えっと、割り込みしてもいいのデスか?」

 

 キリカは周りの人を見て言いました。彼女は気が利くようですね。ですが、大丈夫です。

 

「私のカリスマであれば、この程度。どうとでもなる。では皆、今まで通りで働きなさい」

「いや、カリスマでどうにかなるものじゃ……」

「「「ハッ! 承知しました。陛下!!」」」

「アレェ? なんか、知らない間に王国できてるデス!?」

「すごい。これが女王の教室」

「妙に上手いこと言わないで、調ぇ!」

 

 ふむ。どうやら、この教室は私の国となってしまったようだ。あまり気乗りしませんが。

 

「ちくしょう! こんなところ、いられるか!!」

 

 猫耳クータローが窓から飛び降りて逃走。逃がしませんよ?

 

「店員Aは追い、店員Bは同伴して随時連絡。残りはお店を回しなさい」

「承知しました。では行くぞぉ!」

「了解です!」

 

 近くにいた店員を使って、追いかけ回す。疲れたところを捕獲する。良い作戦です。

 

「ではエミヤ。私はここで待ちます。連絡が来たら、クータローを捕獲しなさい」

「……すまない、マスター。俺は無力だ」

 

 エミヤが愕然としていたが、あなたの自業自得です。クータロー? 同罪です。

 

「あ。じゃあ、切歌も探しに行っていいデスか?」

「いいですが、ここで待ってるのもいいですよ?」

「面白そうデスから参加してきますデス!!」

「あ。私も」

 

 キリカとシラベが教室から出ていった。さて、

 

「シロウ。ではここへ。あなたに聞きたいことがあるので、問い詰めます。今度は何人、誑しましたか? イシュタルとパールヴァティー、シトナイに報告するので

「なんでさ」

 

 時間はたっぷりあるので、どう話すか見ものですね。

 

 

ーーーー

 

 アタシは緊張感でいっぱいだった。これから、この講堂の壇上で立ち、歌うのだから。なんか、あちこち()()()()てるが、さっきの演劇で何かあったのか?

 

 アイツに聞いたら「ジャイアンアイドルが来た」と言っていた。……リサイタルでもあったのか?

 

「さてッ! 次なるは一年生トリオの挑戦者達ッ! 優勝すれば 生徒会権限の範疇でひとつだけ望みが叶えられるのですが、彼女達は果たして 何を望むのかッ!」

「もちろん アニソン同好会の設立ですッ!あたしの野望も伝説も、全てはそこから始まりますッ!」

「五秒で終わりますね」

「辛辣すぎません!?」

 

 なんか司会者、結構厳しいな。審査員も厳しそうだし。

 

 てか、どっかで見たことあるサングラスかけたオレンジと黄金Pも座ってるだけど。

 

「五点。失せろ」

「厳しすぎません!? 学校の歌唱大会ですよ!?」

「黙れ雑種。ここは(おれ)のオーディンションだ。活躍すればデビュー、なければ去れ。そういう場だ」

「オーディションってなんですか!? てか、生徒会範疇で叶えられる願いじゃないですよね!?」

「そーだよ、ギルガメッシュ王。弓美ちゃんの歌がイマイチだからってそんなこと言ったらいけないよ。むしろ、カラオケでは80点レベルのまあまあな実力なんだから!」

「そっちも辛辣な評価ですけどぉ!?」

 

……なんか、審査員席に見たことあるヤツらがいるんだけど。ヤベェ。本気で帰りたい。

 

 だって、絶対イジられるって、あの性悪コンビに。

 

「では続きまして! 二年の雪音クリスさんです! ちっちゃい身体でナイスバディで、ロリ巨乳と審査員立香さんから評価されてます!」

「立香お前いつかぶん殴るからな!! てか、今、殴る!」

 

 どんな評価してやがる! しかもこんな往来の席で!! 最悪じゃねぇか!

 

 怒ったアタシは審査員席へ向かおうとすると、壇上外から拍手喝采が。……え、歌えって言うの?

 

「では歌っていきましょう! 【Next ●estination】!!

「アタシ、それ選曲してないぞ!?」

「私が選びました。ピッタリでしょ?」

「いや、知らねぇ曲なんだけど!?」

「クリスちゃん。ある人からの教えがあるからら教えるね———胸の内の歌を信じなちゃい!!

「フィーネの最期の言葉を『ちゃい』付けすんな!! ああもう!」

 

 アタシは覚悟を決めて、歌うことにした。

 

 フィーネの言葉に感化されたアイツのようで、癪だが、もう歌うしかねぇ!!

 

 夢中になって歌う。歌詞などその場で考え、テンポを予想し、それなりに合うように歌う!!

 

 なんとか歌い切ると、なぜか観客が拍手喝采。『ク リ ス !!』コールが起きてる!?

 

「……なんで」

「そりゃ、クリスちゃんの歌唱力と即興で歌った創造力が素晴らしかったからだよ。ちなみに英雄王。クリス氏に一言」

「アイドルデビュー、するか?」

「excellent! クリスちゃんに満点! 優勝は雪音クリスちゃんに決定です!」

「いや決めるなよ! 他の参加者いるだろ!?」

「あ。クリスちゃんで最後だよ。だってあなたが歌ったせいで、全員『スピードワゴンはクールに去るぜ』しちゃったし」

「なんでこの学校で、ジョジョネタが流行ってるだよ!?」

「みんなー! クリスちゃんの歌に異論があるかー!!」

「「「ないでェェェェす!!」」」

「うむ。ヨロシ」

「よくねぇよ! 恥ずかしいわ!!」

 

 くそぅ。まさか、こんな辱めを受けるなんて。これもそれも空太郎がいないせいだ。誰もコイツの暴走を止められねぇ。……見つけたらミサイルするか。うん、そうしよう。決して八つ当たりじゃない!!

 

「ではもうお開きにしとこうかなと思いましたが、ここでサプライズ! 観客席に我こそがっている人いませんかー?」

 

 司会者が観客にも呼びかけを行う。

 

「今なら女帝クリス様を超えるチャンスですよ」

「オイそれやめろ!? なんか如何わしいぞ!」

「そうですか? では、女王様クリスによる鞭打ちがありますよー?」

「余計酷くなったわ!!」

 

 なんだそれ!? 絶対後でネタにされるだろ!?

 

 てか、なんかハスハスしてる変態男子と女子もいるし!! つーか、立香もワイングラスに葡萄ジュース飲んでるんじゃねぇよ!!

 

「いませんかー?」

「なら、(アタシ)がやるわ!!」

 

 と手を上げたのは、ワインレッドの髪色をしたドラゴン(?)娘だった。……なんか嫌な予感するだが。

 

 立香もアワアワしてるし、英雄王も耳栓の準備してるし。

 

「はい、マイクどうぞー。えーと、お名前は?」

エリザベート・バートリーよ

「ほうほう。血の伯爵夫人ですか。これは選曲はデスメタルですね!!」

「違うわよ!? もっとポップでプリティーな曲よ!」

「まあどうでもいいので、さっさとどうぞー」

「テキトウ過ぎないこの司会者! まあいいわ。聞きなさい豚ども! これが本当のアイドルよ!」

 

 エリザベートが大きく息を吸い、そして——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「麻婆豆腐お待ちだニャンンンンン!!」

 

 謎の猫耳黒髪美少女(?)が、麻婆を顔面へぶつけて阻止をした。女子にあの劇物ぶつけた!?

 

「あちゃちゃちゃ! てか、カラァ!?」

「そうさせるかエリちゃん。【ツヴァイジャイアンズ】のリサイタルにアンコールはにぇ!!」

「子犬の兄!? てか、なんで邪魔するのよ!? 乙女の顔に、アイドルの顔になんてことするのよ!!」

「やかましい! さっきビキオと未来にゃんが死んだ目して『エリザベートさんのリサイタル。またするのかな』って言ってのがピンッときたわ! よくも台無しにしてくれたなジャイ子!!」

「タケシの妹じゃないわよ!! 邪魔すると言うなら、アンタを」

「はーい。終了! とりあえず、エリザベートさんは退場でーす」

 

 立香がそういうと、獣用の檻が上から降ってきた。エリザベートは珍獣のように捕まった。

 

「ちょ、何よこれ!!」

「駄龍ホイホイだ。とりあえず、貴様は後で黄金Pによる猛烈レッスンと音痴対策のプロデュースしてやる。ミリオンライブに出られるように仕上げてやる」

「ゴージャス直々!? こ、これはスゴいわね。ゴクリ」

「レッスンの先生はスパルタクス先生だ。喜べ」

「圧政、反逆とか言ってる筋肉じゃない!?」

「目指せ、お願いマッスル。ゆけ、駄龍」

「いやァァァァァ!! 筋肉モリモリになるのはいやァァァァァ!?」

 

 スパルタクスに檻ごと連れて行かれるエリザベート。ドナドナされていくところを見ると、戦慄が止まらねぇ。……アイツ、マッスルになって帰ってこないよな?

 

「ふぅ。じゃあ、わちきはこれで」

「まあ待て雑種。せっかくだ。一曲歌え」

「え」

「せっかく、それほどの()()()()()()()()()のだ。ここで歌わなければ、何をする?」

 

 ニヤニヤする英雄王。立香はカメラを忘れてしまった、と嘆いていた。……知り合いなのか?

 

「さあ、歌え。選曲は決まっている。【一●繚乱】だ」

「まさかの武蔵ちゃんのテーマソングぅ!? それ歌うの本人がセオリーじゃない!?」

「ならば、喚べばよかろう。ヤツは今、帰っているのだろう?」

「……美少女が多いこの女の花園で彼女を喚べば、なんかハーレム作りそう」

 

 え、そんな大剣豪がいるのかよ。てか、今、『彼女』って言った?

 

 あの大剣豪、アーサー王みたいに女になったのかよ!? つーか、女なのにハーレムって何!?

 

 アッチも二刀流なのか!?

 

「さあ、歌え。さもなければ正体をバラすぞ?」

「くっ、卑怯な! ええい、やってやらぁ!!」

 

 やけくそ気味に歌い始める猫耳。歌い終わると拍手喝采を浴びる。普通に美味いな。ハスキー声が、なかなか。

 

「ふむ。先ほど雪音クリスと比べて、劣るが、まあ良い方だ。どうだ? ユニットでデビューしないか? ククク」

「アンタはただ愉悦したいだけでしょ! はい、もうおしまい! 撤収!!」

 

 と言って猫耳は逃走。それに続いて、メイド服をきた店員がヤツを追いかけていく。「陛下の命従え!」、「ブリテンに逆らうのか!!」とか言って訳の分からないことを。

 

……ブリテンってアーサー王の故郷だよな?

 

 アルトリア、来てないよな?

 

「では続いての挑戦者は!」

「私」

「達デス!!」

 

 手を上げてきたのは、先日空太郎を誘拐した一味!! ヤロウ……本拠地へお出ましとは大胆な!!

 

「では歌っていきましょう。【不死●のフランメ】……と見せかけて、【サク●メイキュウ】」

「「シンフォギアじゃないの!?」」

 

 またわけのわからない曲を。てか、誰だよ選曲してるヤツ。選手が選ぶんじゃないのかよ。

 

「ちなみに選出してもらってるのは、藤丸立香さんです!」

「イェーイ!」

「テメェの仕業か!!」

 

 なお、歌が上手かったとだけは言っておく。後から、なんか大慌てで出ていったけど。

 

……まあ、もちろん。逃さねーけどな。





空太郎の 黒歴史に新たなページが 開かれた!
エミヤは モテモテだ!

後に stay nightヒロイン達にどう言い訳するのでしょうね(愉悦)
まあ、機会があればそのときまで。

次回、遂に決闘です。




———立香の契約してるサーヴァントは、ギルガメッシュだけじゃない
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