Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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——————彼にだって、許せないものはある。基本は許してるけど


第二話 アルバイト始めました件

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○月×日(水)

 

 しばらく生活してみたが、何事もなく過ごせていた。時々、フィーネさんに血をとられて健康診断されていたが、何事なかった模様。

 

 雪音さんが男の人との生活に対して無防備なことが判明。ちょっとお話しして解らせた。

 

 ……言葉からしたら、これ事案じゃね?

 

 とりあえず、男の人にくっつくのはよろしくないです。恋人みたいだし、最悪勘違いした野獣さんが目覚めるのでやめましょうと、それをきちんと説明したらわかってくれたと同時に、赤面していた。

 

 さあ、来い!とドンと手を広げると枕が飛んできた。

 

 「言った手前に、やるな変態!」と罵倒もいただきました。

 

 我々の業界では、美少女の「変態!」はご褒美です。ありがとうございます(悪ふざけ)

 

 

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〇月△日(木)

 

 家事とかお任せあれ。と思いきや、雪音さんきっちり家事とかできた模様。

 

 なんかよく、コンビニ弁当やらパンとか買っていたので、お料理できないかと思って作ってみたら喜ばれた。んで、手料理をお返しされるようだったので、今まで食生活を指摘しつつ、煽ってみたら、キレ気味で手料理をお返しされた。

 

 普通に自分よりも美味かった。

 

 「うめぇじゃねぇか」とどっかのライダーの真似したら、フフンとドヤ顔された。

 

 というか、お母さんに教えられた技術がすごかった模様。

 

 ぐぬぬ、こちらが解らせられてしまった。これは精進せねば。

 

 ……紅先生のお料理教室への参加フラグじゃないよな、これ。前に見学してみたら戦場だったし。

 

 今度エミヤに教えてもらお。

 

 

 でも、なんでお母さんの言葉が出たとき、寂しそうな顔をしてたんだろうな。

 

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○月◾️日(金)

 

 驚きのことが判明! なんと雪音さん、高校に通っていなかった!

 

 いけませぬ……これはいけませぬぞ!

 

 花のJKライフを不意にするなど、JK代表の鈴鹿氏に怒られますぞ!

 

 と言ってみたら、雪音さんには目的があるらしく、学生ライフにかまけてる暇がない模様。

 

 なるほど。して、その目的とは? と聞いてみたらはぐらかせられた。

 

 なんとなくだけど、大いなる目的なんだろうな。もしや、人類猫耳化計画だったりする、と聞いてみたら、「そんなことするわけねぇだろ!」としばかれた。

 

 痛し。

 

 

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〇月▽日(土)

 

 しばらく生活してみて、雪音さんはフィーネさんと一緒に何やら企んでいるみたい。その目的はわからないが、時おり、決意した顔をしているので、たぶん彼女にとって真剣なものなんだろう。

 

 別にそれを尋ねるつもりもない。だって彼女の口から出ない限り、俺はどうすることもできない。

 

 中途半端な偽善で、彼女を手助けするなど烏滸がましいし、何より今の自分は足手まとい。ただのお荷物が中途半端な覚悟で関わっちゃいけないというわけですよ。

 

 なので、今日も彼女が心穏やかになるように、お料理と家事をします、まる。

 

 

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○月*日(日)

 

 ある日、雪音さんが名前で呼んでほしいと言われた。しばらく経ってから築けた信頼関係だからなのだろうか。まあ、彼女の名前を気軽に呼ぶと、「なんで恥ずかしがらねぇんだよ!」と逆ギレされた。

 

 いや、だってさ。こちとら、古今東西の英雄達とコミュニティケーションとってきたし、コミュニケーションとらなきゃ何をやらかすかわからない人達ばかりだったし、何よりこれくらいで、恥ずかしがっていたら、前に進めないじゃん。

 

 そう言うと、雪音さんことクリスは「……悪い」と気まずい感じで返してきた。

 

 別に気にすることないのになー。まあでも、あだ名で呼んであげるのもありだと思ったわけで、『クリちゃん』、『リスちゃん』。合わせて『クリと———(字が消されている)』

 

 

 ……失礼しますた。これ以上はイケナイ。割と本気でグーパンされた。見事なボディでした、ガクッ。

 

※なお、あだ名は禁止されました。悲しきかな(デメテル風)

 

 

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○月☆日(月)

 

 しばらく生活に慣れてから、雪音さんに養われている今日この頃。

 

 それを自覚したとき、電撃が走った!

 

 マズイ、とてもマズイ……。

 

 

 今の俺っち…………ニートやん。専業主夫してるけど、女の子に養われてるニートやん。

 

 このままではマズイと思い、アルバイトの求人活動してみた。

 

 近くのコンビニ、ドラッグストア、スーパー居酒屋とかの求人を探してみた。

 

 見事……不採用でした。

 

 いや、だって身元不明だし、カルデアに入ってましたって言われても、どこの組織かわからないからなぁ。

 

 採用担当の人も苦い顔で「身元不明な人なのが残念……」「即採用したいのに、うーん……」という感じで、申し訳なさそうなことを言っていた。本気で悩んでくれていたらしい。

 

 まあ、自分は仕事が向いていないわけでもないし、きっと大丈夫さ!!

 

 平気へっちゃら! ……これ、誰かの言葉に使われてそうなので、これ以上は言わないでおこ。

 

 なお、クリスには応援された。

 

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〇月$日(火)

 

 今日、クリスの身体をたまたま見てしまった。いわゆるラッキースケベだぜ☆

 

 羨ましいだろう? へへーん。って言ってみたがぶっちゃけ、ちょっとショッキングな事情を知った。

 

 なんかフィーネさんとクリスは企みがあって暗躍していたわけですが、それに失敗したことで、フィーネさん……いやフィーネでいいや。

 

 彼女からお仕置きをクリスは受けたみたい。鞭打ちとか酷い話だ。痛みで人が繋がるしかないとか言っていたが、まあ、間違いじゃない。

 

 けど、それを言っていいのは、『痛み』を知ってる人だけだ。

 

 決して『痛み』で人が繋がるわけじゃない。『痛み』を知って、その人のことを知って、初めてわかり合えると言えることなんだ。

 

 暴力で平和になるわけじゃない。

 暴力で人が幸せになるわけじゃない。

 

 そのことをクリスにも話してみたが、フィーネに毒されているのか「わかった口を聞くな!」と言われてしまった。

 

 そのとき、クリスの事情を知った。

 

 両親が地球の裏側で殺されたこと。捕虜にされて、酷い虐待を受けたこと、フィーネに助けられたこと。

 

 俺は何も言い返さず、ただ聞いていた。しっかり彼女の目をみて、逸らさず聞いていた。

 

 次第に彼女は涙を流していた。ただただ、辛かった。苦しかった、と。

 

 だから俺は何も言い返さず、彼女の手を握って「大丈夫。もう君は大丈夫だから」と言い続けた。

 

 そのうち泣き疲れた彼女を布団で寝かせて、ベランダに出て思う。

 

 今の俺には、フィーネを説得できる力はないし、どうにかできる繋がりはない。けど、いつか、彼女をその呪縛が解き放てる人が……理解者が現れることを願うしかできなかった。

 

 

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○月♪日(水)

 

 翌日、クリスは昨日のことをぶっきらぼうに謝ってきた。別に気にしてないし、それに吐き出したかったものだから仕方ないよ、と言うと目を丸くされた。

 

 可笑しなこと言ったのかな? 次第に彼女は笑っていた。「変なヤツだよ、お前は」と言われた。解せぬ。

 

 とりあえずお返しに、昨日の写メを見せる。真っ赤になって襲ってきたので、逃げるザマスー。

 

 なお、写真は消されましたとさ。泣き。

 

 

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○月¥日(金)

 

 しばらく日記書けていなかったが、今日から続きを書こう。クリスの家から追い出された。

 

 喧嘩とかそういうわけでもなく、どうもフィーネさん関係で、米国から監視されるようになったらしい。

 

 そのため、フィーネと関わるクリス。そしてその関わりを持つ俺が人質になりかねないから、放り出さなくてはならなくなったこと。

 

 クリス自身申し訳なさそうに頭を下げていたから、気にしないでと答えてあげた。

 

 彼女は良い人だ。正体不明としか思えない俺なんかを引き取ってくれて、面倒見てくれたのだ。

 

 ありがとうとしか言葉に表せない。

 

 それでも罰が悪そうなクリスに俺は、彼女の手を握って握手した。

 

「そっちが落ち着いたら、また会おう」

 

 そう言うと彼女は俯き、なんか赤面していたが、最後は花のような笑顔で答えてくれた。

 

 そんなこんなで、しばらくホームレス的な生活を送ることになったが、どうもすぐに限界がきた。

 

 クリスと過ごした日々は、とても良かったが、見知らぬ環境で溜まっていたストレスと疲労。それが一気に爆発したのか、熱が出てしまった。

 

 あー、このまま死んじゃうんかなー、とぼんやりしていたら、見知らぬオバチャンに助けられた。

 

 お好み焼き屋のオバチャンに助けられ、そのまま引き取られた。

 

 オバチャンは深く事情を聞くことなく、自分を引き取ってくれた。

 

 人って人情深いんだなぁ。

 

ーーーー

 

 今日……アイツを手放した。

 

 フィーネが米国と本格的につるむことになり、藤丸を……空太郎を、ここには置いておけないということになった。

 

 以前のアタシなら、そう言われても普通だった。けど、今のアタシはそれがとても悲しかった。

 

 アイツはアタシと同じだった。たった一人で、責任を背負わされ、一人で抱え込みながら、人には平気と見せて、そのくせ、心の中はボロボロ。

 

 そういう感じがした。一人でも生きていけると言ってるアタシでも、つい手を助けたくなるほど、アイツは時々暗い雰囲気を纏っていた。

 

 朝とかよくそうだ。夢見が悪かったのか、よく涙を流したり、それを誤魔化そうとしていたりしている。知ってんだよアタシ。

 

 寝言で「ごめん」「許してくれ」とか呟きながら、涙が出ていたことを。

 

 アイツはそうやってこれからも、自分の心を見せず、誤魔化しながら生きていこうとするだろうな。

 

 それがたまらなく——————

 

 

「って言っても仕方ないよな」

 

 そう呟いて、同居人がいなくなった居間にいた。明日から本格的に動くことになる。

 

 融合症例と呼ばれる女を攫えという命令をこなすために、アタシは悪いことをする。

 

 

 それを聞いたアイツは何を言うだろうか。

 それを見たアイツは何を思うのだろうか。

 

 たぶん、普通のヤツなら、「やめとけ」「そんなことしちゃいけない」と綺麗事を並べるが、アイツはきっと「そうなんだ。無理しちゃダメだゾ☆」とか言って、おちゃらけて返すだろう。

 

 悪も善も関係なく、ただアイツは一人の人間としてアタシのやることを尊重する。……罪悪感に蝕まれていたとしても、その苦しみも尊重する。

 

 要するにアイツは、アタシの唯一の理解者になっていた———かもしれない男だったのだろう。

 

「バカバカしい。アイツが理解者なんて、笑えねぇ、ジョークだっての」

 

 思い出すのはかつての生活。アイツがいた日常。

 

 一人寝転がり、あの日々を思う。

 

「……元気でやってるかな」

 

 らしくないことを呟きながら、アタシは目を閉じていた。

 

 

 

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——————その頃の空太郎くん。

 

「オバチャン、オバチャン! モツ煮とお好み焼きって混ぜたら美味くね? やってみよう!」

「さすが坊ちゃん! いい線きてるわ!」

 

 オバチャンと二人で、お好み焼きの商品開発していた。楽しそうだね、君たちぃ……。




なお、オバチャンは空太郎の善性とコミュニケーション能力を見破り即採用した模様。

何気にスペック高いのは、カルデアに来る前に色々していたから?
そこらへんはオイオイと説明する予定。

なお、空太郎以外にもカルデアのマスターはいる設定です。
カドック? キリシュタリア? さて、誰だったかな?

とりあえずオリキャラとか出る作品なので、次回も楽しみに〜。

あ。次回から、原作主人公達出るよ! やったね、たえちゃん!

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