Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———とりあえず
———ムカつくヤツは
———ぶん殴る!!


第三十一話 喪失までのカウントダウン———させると思うか?

 

ーーーー

 

 ノイズを蹴散らす。空を飛び回るノイズを、アタシはガトリングで撃ち落とす。

 

 ここまで来るまでに、アタシはずっと考えていた。

 

 少しずつ、アタシの日常が……何かに侵されているのだ、と。ノイズを撃つ度に、コイツらが、コイツらが、と憎しみを込めて撃ち落としていくが、これもそれもソロモンの杖のせいだと感じていた。

 

 そのソロモンの杖を……扱っていたアタシが悪い———結局、アタシが元凶なのだと思い知らされた。

 

 全てのノイズを撃ち落とした後、息は切れない。立香とのパスが繋がっているからなのだろうか。

 

 アイツの魔力というエネルギーが、アタシのフォニックゲインへ還元してくれている。だから、あれほどのノイズがいたとしても敵ではなかった。

 

……でも、な。どんなに強くなったからと言って、アタシの罪悪感は消えない。アタシのした業は……消えないんだ。

 

「おっ。クリスちゃん、みっけ!」

「なんだよ。案外余裕じゃねぇか!」

 

 天羽先輩と立香が駆けつけてくれた。

 

「……まあな。空太郎は?」

「お兄ちゃんなら、響ちゃんと一緒だよ! なんでもセレナさんも保護したらしい」

「そうか……」

「およ? 元気ないね。どしたの?」

「……なんでもねぇ」

「むーん。そんなこと言うなら、またイジメちゃうよーん?」

「ヒッ」

 

 思わず、身体を守ってしまう。コイツとのパスを繋げるためとは言え、あ、ああああんなことするなんて!!

 

「ニュフフフ、いいねぇ。唆られるねぇ。今夜あたり、もっと」

「よーし、そろそろ黙ろうか愚妹」

「あうち!?」

 

 空太郎がハリセンで立香をしばく。コイツの暴走を止めるの、コイツしかいないもんなぁ。

 

 てか、なんか目の輝きが薄いんだけど。

 

「なんかさ……かわいい妹分が遠い世界へ行ってしまったと思うと、なぁ……」

「ちょっと待て。アタシのことか、アタシのことなのか!?」

「いやそうでしょ。女の子同士でドッキングしたってことでしょ。ゲッターロボみたいに」

「いやまだしてねぇよ!? キスしただけだって!」

「ディープ?」

「…………ノーコメント」

「したのかよ」

「し、ししし仕方なねぇだろ! 天羽先輩があれほどの力を得たんだし、アタシも必要と思ったから!」

 

 アタシの言葉に空太郎の目がどんどん死んでいる!? コイツどんだけストレス抱えてるの!?

 

「なんか、そのうち立香が装者ハーレム作りそうな気がしてきた。もう、なんか嫌になってきた。奏さん、現実逃避していい? 主に二次元に逃げたい」

「三次元の方がいいぞ? なんなら混ざる?」

「三だけにって言いたいの?」

「ハッハッハッ、この際、三人だろうが四人だろうが変わらないだろ。道連れが増えてバンバンザイさ!」

「道連れって言っちゃったよ、この人」

 

……天羽先輩。結構、キてるな。なんかいろいろ失っているだろうなぁ。

 

「てか、空太郎。アイツを放っておいていいのか?」

「響ちゃんは、今一人にした方がいいかなって思って。それに……」

 

 ふと、空太郎はアタシを見る。急にどうした?

 

 まさか、またこの格好のこと言いたいのか?

 

「……大丈夫なのか?」

「ッ……別に怪我してねぇし。へーきだって」

「なら……いいか。辛くなったら、誰かを頼れよ。ほら、いくぞ立香」

「あぁーん。美少女とイチャイチャしたいのにぃー」

 

 アホなことを言う立香を引きずっていく空太郎。

 

 なんだよ……気づいているのかよ。誰かを頼れって言われても……。

 

「……なら、アンタに甘えていいのかよ。空太郎」

 

 自然と出た言葉に、しばらくしてから驚きを隠せなくなってきて、ちょっと悶絶したのは秘密だ……。

 

 

ーーーー

 

 

 未来が生きていることが明らかになり、師匠から「いつまでも燻ってはいられない」ということで、翼さんやクリスちゃん、それとカルデアのマスター達とトレーニングをすることとなった。

 

 最初はランニング…………なのだが、ここでアレックスさんから待ったをかけられた。

 

 ただのランニングでは味気ない。面白みがない。

 

 なので、

 

「これをつけて走ろうではないか」

「なにこれ」

「お地蔵さんだ」

 

 うん、お地蔵さんだね。小さいし、持ち運びしやすいね。ただ、めちゃくちゃ、肩に引っ付いて離れないし、重いのだけど?

 

「ヌハハハ! とーぜんだ。これはかの哲学する柔術家が発明したとされる【しがみつき隊】だ!」

「え、ホントにいるのあの人!?」

「実在してたらしいよ。梁山泊はあるのか知らないけど」

 

 普通に呟く空太郎さん。

 

 漫画の世界だけかと思いきやホントにいたんだ!

 

 でも、あの人のトレーニングって……主人公が死にかけてたような。

 

「加えて番犬だ!」

「フシャー!!」

「犬じゃなくてキャットだし!!」

「タマモキャットだワン」

「ワン!? 猫人じゃないの!?」

「猫じゃなくてキャットだワン。キャットは犬、犬は猫、猫はキャット! つまり、そういことだゾ!!」

「わけがわからないよ!?」

 

 なんかカルデア側のサーヴァントみたいだけど、空太郎さんが「俺のサーヴァントをトレーニングに使わせるな」と抗議の目を向けていた。アレックスさん曰く、「人参で買収したから問題ない」と。

 

……え、結局、この子は猫なの? 犬なの? もしくはナマモノなの?

 

「ではゆけぇい!! タマモキャットよ!」

「応さ! というわけで、このハンマーから避け続けよ

「「ハンマーかよ!?」」

 

 どこからか取り出した【百トンハンマー】を振り回すタマモキャットさん。ちょ、本気で危ない!

 

 これには命の危機を感じた私達は必死に逃げていく。

 

「って空太郎早っ! 逃げ足早っ!」

「HAHAHA! こう見えて鍛えているからねぇい!」

「本当は!」

ぶっちゃけ、言えばこの男の『超レオニダスブートキャンプ』に巻き込まれそうなったりして、逃げてたから、自然と身につきました!!」

「どんだけキツいんだ!?」

「メタボな一般職員がムキムキボディービルダーになるくらい」

 

 どんなブートキャンプ!? てか、それ今行われているの!?

 

「ウムウム、ご主人。わかっておるな。とりあえず、50Kmのランニングをしようぞ

「それマラソンじゃねぇか!!」

「ふむ……サライを流していいか!?」

「オッサンンンン!? そういう問題じゃねぇんだけど! アタシ、初参加でどんだけハードトレーニングさせるつもりなんだ!?」

「雪音、最近ふくよかなってきてるのではないか? うむ、それはいけない。イケナイから鍛えよう、な?

「翼先輩ィィィ! どうしてアタシの胸を怖い目でそんなこと言うんですか、こんちくしょう!!」

「雪音に初めて名前で呼んでもらった。うれしみ」

「和むな! てか、ハード下げてお願いしやがりますぅ!」

 

 クリスちゃんツッコミながら全力疾走して疲れないのかな。まあ、ほどほどに頑張っていこうよ。

 

「あ。アレックスさん、質問。タマモさんは、『別に倒してしまっても構わんだろう?』って言う認識でいい?」

「よいぞ! むしろ、やってもよし!」

「よーし! 卑弥呼真拳で返り討ちだ!」

「いや死亡フラグ立てるなよな!?」

 

 クリスちゃんの言うフラグは知らないけど、とりあえず返り討ちは失敗しました。まる。

 

 

 

ーーーー

 

 

 僕は一人、歌う少女を見守る。彼女は大切な妹と離れ離れとなり、死んだと思っているようだ。それもそうだ。爆発と、銃撃でセレナはタワーから落ちてしまったのだ。

 

 そのときに、黒髪の女の子……小日向未来という少女を保護してしまった。

 

 セレナのような女の子をつい、助けてしまったが、我々にとって部外者だ。

 

 計画も最終段階で、さっさと解放してしまえばいいものの……。まあ、それはできないものか。

 

 何せ、僕達はテロリスト……【F・I・S】なのだ。

 

「何見ているのですか? キャスター」

「ウェルか。何、麗しい少女の会話見て楽しんでいただけさ」

「変態チックですねぇ。まあ、でも君が消えてない辺り、セレナは生きてるようだね」

「当然だ。サーヴァントはマスターとの繋がりが消えれば消える影法師。マリアはそれを知らないようだが……」

「教えてませんからねぇ。このままの方が都合が良いので」

「……そうか」

 

……やはり、止まらないか。

 

「未だに目指すか?」

「当然さ! 男の子は全て【英雄】を夢見る!! それは誰もが当たり前でしょう!」

「そうとは限らないと思うがね」

「フンッ言ってろ。これから準備あるから、邪魔しないでもらおうかね」

「もちろん、邪魔はしない」

 

 今はな………。

 

 ウェルの言うことは、まあ大体会ってる。

 

 物語に出てくるヒーロー。神話に出てくる英雄。誰も彼もが、カッコいいもの。

 

 泥臭くても、最後まで諦めず、最後には勝利していくそんなお話。

 

 全く……どうして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くだらない。度し難いほど、くだらない……!」

 

 

 英雄などクソくらえだ。あんな……あんな人柱のためになるために。

 

「……空太郎氏に打ち合わせしなければな。いや、そろそろ風鳴司令官とのコンタクトを、か? まあいい。いずれ、終わらせる話だ」

 

 ウェル……貴様だけは。貴様の夢だけは絶対に認めない。この()だけは

 

 

ーーーー

 

 【F・I・S】が動きを見せた。海上へ、現れた大型飛行船が何かをしようと見せたところで、アメリカ政府から派遣された海軍が、彼らへ攻撃を加えようとかしていた。

 

 しかし、それはウェル野郎のノイズによって、無力へ変わる。

 

 数は少ないが、()()()()()ノイズ襲撃で大混乱へ陥る。あれ……強くないか?

 

「翼さんッ! 私も……」

「死ぬ気か、お前! ここにいろって。な? お前はここからいなくなっちゃいけないんだからよ。……頼んだからな」

「でも……」

「雪音!」

「わかってる。……わかってくれ、頼む」

 

 アタシはこの馬鹿が、出撃しないように釘を刺した。コイツはこうでも言わない限り、行こうとしやがる。人を助けるために、この身を犠牲にしてまで。

 

 馬鹿(立花響)はアタシの言葉に頷くが、なんかすごい決意してるような目をしている。……怪しいな。

 

「空太郎、コイツを頼む……」

「んー、まかされたー」

 

……なんか棒読みのような気がする。いや、なんか心あらずって感じ? と思ってたら、なんか動揺している?

 

……何があったんだ?

 

「しっかりしろよ! お前のサーヴァントも出撃させるんだろ? なら、マスターのお前がしっかりしないと!」

「……そうだよな。うん、そうだよなぁ。俺……()()()()なんだよなぁ」

「当たり前だろ! 何寝ぼけてやがる!?」

「寝ぼけちゃないけど……まあ、気にしないで。ちょっと時間かけて心を落ち着かせるから」

 

……何があったんだ? 衝撃的過ぎて、びっくりしてるような。まあいいや、アタシはアタシの仕事をするだけだ。

 

 今、シュルシャガナの装者がノイズを蹴散らしている。仲間割れを起こしたのか、都合がいい。

 

 アタシと先輩で加勢へ向かうために外へ、飛び出した。

 

 そこで待っていたのは、イガマリアの装者がシュルシャガナの装者を無力化させていた。あれは……アンチリンカーってヤツか?

 

「キリちゃん……どうして」

「あたし……あたしじゃなくなってしまうかもしれないデス。そうなる前に なにか残さなきゃ、調に忘れられちゃうデス。例えあたしが消えたとしても 世界が残ればあたしと調の想い出は残るデス。だからあたしは ドクターのやり方で世界を守るデス。もう、そうするしか……」

 

 仲間割れしたのに、回収つもりか?

 

 とりあえず、話を聞こうとしたら、今度はどっからかビームが飛んできやがった!?

 

 なんだあれ!?

 

「いつから機動戦士が開発されてたんだ!?」

「雪音、なぜそこを目をキラキラさせる」

「いやだって、夢あんじゃん。ロマンあるじゃん!」

「それもそうだが、ちなみに私は斬鉄剣をやりたい」

「あ。それわかる。つまらぬものを斬ってしまったって言ってみてーし」

『君達! 現実逃避してないで、目の前の敵を見て!!』

 

 藤堯の言葉で、アタシの意識を敵へ向かう。

 

「……嘘だろ」

 

 人質になっていたアイツの友達が……なんで。

 

「小日向がッ!」

「なんで……そんな格好をしてるんだよッ!」

 

 ()()となって立ち塞がってきやがった。

 

……ウェルの野郎。やってくれるな。

 

 まさか、装者に仕立て上げるなんて。

 

「雪音! 避けろ!」

「わーってるよ!」

 

 紫のビームから避ける。クソッ、このままだとジリ貧だ。てか、リフレターで防ごうとしたら、リフレターが溶けた!?

 

「なんだよあれ! 反則だろ、チートだろ!?」

「ぐっ、剣が溶けるなどとは」

「ふ、ふふふふ……」

 

 不気味に笑うアイツの友達。

 

「この力さえあれば……響を。響を守れる」

 

「これさえあれば、響を危ないところへ行かせない」

 

「もう響が、誰もが戦わなくていいような……世界にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!」

 

 なんつーかその……。

 

「ヤベェな」

「ああ。本気で」

 

 先輩までドン引きだよ。なんか、『やんでれ』ってワードが脳裏に浮かぶ。コイツってこういうキャラだっけ?

 

「なんか、立香にあてがいたいな。色んな意味で」

「私怨混じってないか? それ」

「ぜーんぜん。別にアイツに好き勝手身体を弄られて、ムカつくから、宛てがうわけじゃないから」

「いや、それめっちゃ私怨入ってるぞ」

 

 ちょうど、立香と天羽先輩がここへやってきた。小日向のヤツがまたもやビームで、天羽先輩達を狙うが、それは躱され、当たらない。

 

 クッ やりづれぇ。助ける為とはいえ、あの子はアタシの恩人だ。

 

 隙を見て、陳宮が矢の雨を降らしていくが、小日向のビームがそれを()()()()()

 

……まさか。

 

「立香! サーヴァントを下がらせろ!」

「ッ! まさか!」

 

 今更気づいたが、遅かった!!

 

 立香のサーヴァントであるシグルド、ブリュンヒルデがビームに呑み込まれた!

 

 断末魔も悲鳴もなく、ブリュンヒルデを庇ったシグルドを、シグルドごとブリュンヒルデを呑み込み、跡形もなく消してしまった。

 

「サーヴァントが……霊格を残さず、消えた?」

「あれは聖遺物だけじゃねぇ! ()力でできたサーヴァントに対して特攻が効く危険なビームだ!!」

 

 だとしたら、コイツはマジでヤバい!!

 

 普通の攻撃どころか、聖遺物やサーヴァント。それすらも封殺し、消してしまう特攻兵器だ!!

 

「まずいね……だとしたら、これは」

「ッ、悪いマスター! 翼ぁ!」

 

 立香を先輩へ投げ捨て、天羽先輩がビームに呑み込まれてしまった!!

 

 天羽先輩は元の姿へ戻り、ギアペンダントが……砕けかけていた。彼女はそのまま海へ落ち、浮かんだまま気を失っていた。

 

 立香を受け止めた先輩は、苦虫を噛んだ表情で、小日向を見ていた。

 

「ッ、あれに当たればもう戦えなくなる!」

「マジかよ! 避けなきゃヤベェヤツかよ!」

 

 どっかの機動戦士みたいに一斉放射してくる小日向。それを躱しながら、アタシはツインテールのヤツを回収した。

 

「し、調!」

「お前もこい!」

 

 無差別にくる攻撃。金髪のヤツを先輩が回収し、まとまったところで、極太のビームが飛んできた!

 

 先輩の巨大な剣を盾にし、さらにリフレターを使ってガードしたが、威力を軽減させただけで、その衝撃で吹き飛ばされてしまった。

 

『どうした! 何が起きている!』

 

 オッサンの声が響く。ものの数秒のやり取りでここまで消耗するなんて……!!

 

「行方不明となっていた小日向未来の無事を確認。ですが……」

「無事だと? あれを見て無事だと言うのかッ!? だったらあたしらは あの馬鹿になんて説明すればいいんだよッ!」

 

 全く……洒落にならない。友達殺しとかさせろなんて。

 

「先輩……。先輩達は二課へ行ってくれ」

「雪音!?」

「アタシがケリつける。立香のサポートもありゃ、充分だ」

「まあ、確かにいけるって行ったらいけるけど。()()()()()()()()()()

「わかってる! でもやるしかねぇんだ」

 

 これ以上、悲しませないために。

 これ以上、戦わせないために。

 

「アタシが、その十字架を背負う!!」

 

 銃口を向け、覚悟を決めたアタシ。それを嘲笑う、アイツの親友。

 

「できますか? あなたに」

「その仕上がりで偉そうな事をッ!」

 

 次々とくるビーム攻撃。それを避け、こちらもエネルギー弾で応戦してくるが、アイツの周りに浮くファンネルみたいなのが、三角形を作り、防ぎやがった!!

 

「【暁】か!!」

「え、あたしデスか?」

「ちげーよ! 危なっ!」

 

 バリアしたら、残りでビーム攻撃かよ!!

 

 てか、足場の船ごと沈める気満々かよ!?

 

「ふふふふふ、ふ、ハハハハハハ!!」

「うわぁー……あれ、ラスボスだよ。絶対シンフォギアではラスボスだよ彼女」

「ヒロインがラスボスなんて、 Vガンダムで充分だ!!

「え、Fateもあるよ? エミヤ関係で」

「マジかよ!?」

 

 エミヤって恋人とも戦ってたの!? どんな悲劇のヒーローだよ!

 

 そう言うと、立香曰く、なんか【衛宮士郎】ってヤツがそうだったので、過去のエミヤと今のエミヤとは違うようだ。……いつか過去の自分が現れたら、きっと殴り合うな、こりゃ。

 

「へい、痴漢魔術!」

「字がちげぇ!!」

 

 入れ替え技をセクハラみたいに言うな!! まぁ、お陰でビームの位置を変えることができた!

 

 方向は小日向の方面。自滅してやんの!

 

「あのビーム、自分にも効くみたいだねぇい」

「なるほどな。んじゃ、どうする?」

「置換して、妨害する。そうしたら、その隙に撃つ。簡単でしょ?」

「マジで容赦ないな」

「友達だろうがなんだろうが、敵なら殺る。これが普通でしょ?

 

 だとしてもだ。コイツに情がないのか?

 

「それにいい加減止めないと響ちゃん、来るよ?」

「それは駄目だ。ここで無効化させる!」

「了解! 他に、何も……ッ!?」

 

 そう言いかけた刹那、立香がバックステップして回避! 立香がいた地点に槍が刺さっていた。

 

「チッ、親玉かよ!」

「うにゃー……本気でマズイかも」

 

 いつの間にか形成逆転していた。金髪のヤツは、親玉の元に着き、さらに小日向が親玉の味方。

 

「邪魔です」

 

 そう言ってさらには陳宮を消し飛ばした! クソッ! 外道戦法を使っていくサーヴァントとは言え、今、これ以上味方が少なくなりゃ……いくら先輩と一緒にやっても。

 

「これで終わりね。調、こっちに来なさい」

「できません……」

「どうして?」

「こんな……こんな弱者を虐げて、力を抑えていくやり方なんて、やりたくありません! ドクターのやり方で世界を救っても、スッキリできない!」

「……調」

 

 親玉が唇を噛んで何かに耐えていた。……何か思うことがあるのかもな。

 

「……それでも、私は。私達は進むわ。たとえ、どんなことがあっても」

「マリア……」

「ごめんなさい。……キリカ。無理矢理でも連れて帰るわよ」

「デス!!」

 

 やり合う気満々か……。クッ、このままだと。

 

 そう思うも虚しく、また極太ビームがアタシと先輩達の元へ向かっていく。結局、駄目なのかよ。

 

 最後に思い浮かんだのは、あの馬鹿と空太郎の顔。なんでたってアタシは——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「令呪をもって、命ずる。エミヤ——————『クリス達』の正義の味方となれ!!」

 

 

 その声と共に、エミヤが前に立ち、大きな七つの花びらの盾で、アタシ達を守った。

 

「全く……無茶命令してくれるな、マスター」

「ごめん……ごめんな……」

「謝るなマスター。私とて、この世界でこんな最後を迎えさせてくれるなんて、願ってもいなかった」

 

 エミヤの花びらの盾が……エミヤの身体が消えていく……。やっぱり、サーヴァントに効くのかよ……。

 

「万人の救える英雄になりたかった。それを君が叶えさせてくれたのだ。我々、サーヴァントはマスターのために道を切り開く者。ゆえに、私が消えたとしても、それはやむ得ないことだ」

「でも俺は……!」

「君は優しい。その優しさは本来ならば、私が咎めるべきだが……ありがとう。私のために、泣いてくれて」

「男の涙なんて……誰得だよ」

「フッ、別にいいではないか? だって、もう前を向くのだろう?

 

 エミヤの言葉で俯き泣いていた空太郎が、涙を拭い去り、顔を上げた。情けない顔ではなく、あのとき見せた……あの強い顔に。

 

「バトンタッチしたぞ、マスター」

「ああ……」

「次に会うときはカルデアだな」

「ああ……!」

「……またな。マスター。勝てよ。友達を助けるために!!」

 

「ああ……!! 任せろ!!」

 

 空太郎の声を聞き入れ、ビームの攻撃と共に、エミヤは笑顔で消えた。

 

……アイツ、あんな顔で笑えるんだ。

 

「邪魔が入りましたね。まさか、空太郎さん。ここに来るなんて」

「来ちゃ悪いのかよ。エミヤを消したくせに」

「それは……申し訳ありません。でも、これは響のため。響のためだから」

「そうか。たとえ、目の前で人を消しても()()()()()()()()()

 

 空太郎の鋭いナイフの言葉で、顔を歪めた小日向と親玉。それでも、と彼女達は自分達の決意を曲げない。変えない。そんな表情となっていった。

 

「だとしても、私はこの想いを変えません! たとえ、あなたに何を言われても」

「そうか」

「あなたはたった一人で、何ができるのですか! 今、立ち向かうのはあなた一人なのですよ!」

「そうか」

「今の私は昔の私じゃない! もう無力な私じゃない! サーヴァントがいなければ何もできないあなたとは違う!!」

「そうか」

「それだけしか言えないのですか……。それだけしか言い返せないのですか!!」

「そうか。…………まあ、いろいろ言いたいけどさ。とりあえず、最初に言うけど、

 

 

 

 

 

 

 

サーヴァントなら、いる。とびっきり最高のヤツが

 

 サーヴァントがいる……?

 

 でも、どこに……。

 

「アルトリアさんを呼ぶつもりですか? 無駄ですよ、私のこの神獣鏡なら」

「卑弥呼」

「いっくよー!!」

 

 急に現れた卑弥呼が小日向をバリアごとぶっ飛ばした!?

 

 空へ上がる小日向は忌々しそうに空太郎を見ていた。

 

「それがどうしたのですか! バリアで卑弥呼さんの身体……消えて、ない?」

 

 なぜ!? サーヴァントなら、あの光……もといエネルギーを触れたら消えるはずじゃ!

 

「卑弥呼はサーヴァントだけど、一部の聖女系サーヴァントには効かないって予想してたわけ」

「要するに?」

「魔力で纏ったパンチなら、後は筋力でぶっ飛ばせる。ステゴロで天使や神様をぶっ飛ばしてきた人だから」

 

……サーヴァント関係なくね?

 

 てか、シグルドとブリュンヒルデ、陳宮は聖女や聖人ってわけじゃないけど、なんか、こう納得できねぇ。

 

 だって物理で起きた衝撃波でぶっ飛ばすってことだろ!?

 

 なんか違うだろこれ!

 

 それを気にせず、空太郎は続けた。

 

「まあ、かと言ってもうサーヴァントの援軍は呼べないけど。こっから先はマジでしんどいし、そんな余裕がなくなる」

「何がいいたいの?」

 

 親玉が空太郎に聞く。空太郎は不敵な笑みを浮かべて言った。

 

「……友達を助けるには、友達が一番ってこと。なぁ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————ガングニールの響

 

 空太郎がそう言い終えると、あの馬鹿がヘリから飛び降りて、シンフォギアを纏う姿を見た。

 

 

ーーーー

 

 

———十分前、

 

 

「翼さんもクリスちゃんも戦ってる今 動けるのは私だけですッ! 死んでも未来を連れて帰りますッ!」

「死ぬのは許さんッ!」

「じゃあッ! 死んでも生きて帰ってきますッ!! それは、絶対に絶対ですッ!」

 

 二課の潜水艦にて、弦十郎と響が言い合っていた。理由はそう、響を出撃させないためだ。

 

 仕方ないといえば仕方ない。彼女の胸の爆弾は、シンフォギアを使えば使うほど期限が迫る。

 

「弦十郎さん。行かせてください」

「空太郎くん。しかし!」

「俺も行きます。一つだけ秘策といいますか、対策を立てています。……それにあの神獣鏡を使えば、未来ちゃんだけでなく、響を救えるかもしれない」

「なんだと……」

 

 空太郎の言葉で弦十郎は思案顔になる。彼はあの神獣鏡の特性を理解した。あれは……魔を払う。そして凶も払う。ならば……と思い、彼は弦十郎へ提案したのだ。

 

「胸に抱える時限爆弾は本物だ。作戦超過、その代償は 確実な死である事を忘れるなッ!」

「大丈夫です。俺の対策で、彼女のタイムリミットは伸びています。……絶対死にません」

「本当か? してその対策は」

「時間がないので、そのまま行きます。そして、その戦いで説明していきます」

 

 彼はそう言って響と共にヘリへ乗り込んだ。

 

 中には既にエミヤがおり、飛び上がっていくヘリの中で、彼はエミヤに言った。

 

「エミヤ……」

「わかってる。この身をかけて」

「うん……お願い。俺の予想が外れてほしいけどね」

「大丈夫さ。信じろマスター」

 

 エミヤの言葉を聞き入れ、彼は、深呼吸をして、覚悟を決めた。

 

「いくぞ……()

「はい!!」

 

 そう言って、エミヤと彼はヘリから飛び降り、未来のビームから装者を守る。

 

「——— I am the bone of my sword.(体は剣でできている)

 

 かつて、マスターとその仲間を……過去の自分を守るために使った彼の鉄壁の盾。

 

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)ーーーー!!」

 

 その盾は、仲間とマスターを守り、彼は消えていった。それを見た響は、決意を固める。

 

「絶対助ける!!」

 




なお、卑弥呼様が招かれた理由は神獣鏡の影響。
一応、鏡関係だしね、邪馬台国、銅鏡めっちゃ多用してたし。

神獣鏡のバリアは、魔力やシンフォギア関係のエネルギーは全て無効化しますが、卑弥呼パンチという魔力でコーティングされた拳とそのとき起きた衝撃波で、ぶっ飛ばすことはできます。

なので、響ちゃんなど直接、拳をぶつける系は有効という設定です。
……なんか、そのうち響ちゃんが武術だけで魔法の域にいきそう。

次回、ひびみくファンの皆様ごめんなさい。やってしまいました(汗)
完全にネタを交えたシリアスなのでお覚悟のほどを……!!


—————いや、最初の設定はね……結構マイルドだったんだよ。なんでノリで書いてしまったんだ……。


ーーーー

サーヴァント:393様
クラス:バーサーカー
属性:混沌、善、神性(?)、魔性、人、愛する者、病み

・四ブレイクしなければ倒せない。

開幕から393はバフ
『無駄ですよ』
・サーヴァントに対して耐性を得る、被ダメージにて確率で即死を与える(擬似サーヴァント、デミサーヴァントは除く)
『消えてください』
・ダメージ時、確率で即死を与える(聖女または聖人系サーヴァント、擬似サーヴァント、デミサーヴァントは除く)
『う、あぁあぁ……』
・確率で麻痺状態になる、宝具封印
『響、響、ひびきィィィ!』
・チャージマックス、攻撃力大アップ、即死確率を上げる

宝具『祓えたまえ全てを(シェンショウジン・ライト)
・全ての強化状態を解除
・確率で即死を与える(擬似サーヴァント、デミサーヴァントは除く)

戦闘
・開幕時、マスター側のスキルが封印
・サポートが立花響で固定
・デミサーヴァント、擬似サーヴァント、聖人または聖女系以外のサーヴァントに対して、防御力ダウン付与

『マスターの最後の支援』
・宝具威力、攻撃力、防御力アップ
・デバフ状態無効化を付与

『令呪をもって、命じる!!』
・ガッツ二回付与
・無敵二回付与

攻略方法
・基本的にいつも使う擬似サーヴァントを除いたサーヴァントでは無敵があっても即死するので、使わない方向
・立花響に超火力宝具で挑むのがベストなので、ダブル孔明やマシュを使うのがベスト
・ケルヌンと比べたらマイルドだが、サーヴァントが揃ってないとキツいかもしれない
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