Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———狂った家族を持つと、大変だよねー。まあ、どのみちやることは変わらないけど





第三話 新入生が人助けしてるけど、身なりはしっかりね

ーーーー

 

*月°日(日)

 

 新しい顧客が来た。なんかサングラスかけた青い髪の羽をイメージしたヘアースタイルの女の子と、なんかデキソウなイイ男がきた。ウホ。

 

 イイ男は冗談として、スンゲーイケメンだなーと思いながら、メニューをとっていると、店の扉が開いて、遅れて赤い髪の女の子がやってきたことを青い髪の女の子に謝っていた。

 

 なんか見たことあるな、どこだっけ? 特異点で会ったっけ?

 

 まあ、特異点が遠い昔になりつつあるしなー。今は異聞帯だし。

 

 そう思っていたら、赤い髪の女の子に聞かれた。どっかで会ったことあるかって?

 

 オタクら、美少女達に会ってたら連絡先聞いて男子高校生に自慢してるわ。そう言って返すと、赤い髪の女の子と青い髪の女の子の二人は照れていた。

 

 もしかして、ナンパ慣れしてないの?

 

 そうこっそりイケメンさんに聞くと肯定された。うわぁ……どこの箱入り娘ですか、危ないなぁ。

 

 あ、そのためにイケメンさんがいるのか。謎は解けたぜ!

 

 とりあえず、何かの縁なので自己紹介しました。

 

 赤い髪の女の子が奏さん、青い髪の女の子が翼さん。そしてイケメンさんはマネージャーの緒川さん。

 

 藤丸空太郎ですと答えると、奏さんが「マスオじゃないの?」って返されたけど、オイラは海鮮一家じゃないやい!(CV釘宮)って返しておいた。

 

 翼さんが「ビィくんか」って呟いていたので、この世界にもグランブルなファタンジーがある模様。仮面ライダーとかの特撮はないのに、なぜそこだけ同じなのだ。

 

 まあ、とは言え、食べ終わった三人と連絡先交換は一応した。

 

 後から知ったけど、女の子の二人。トップアーティストだったことに驚きでした。なんか見たことあると思ったら、バラエティーで、ローション坂登らされていた赤い人じゃん。

 

 よく身体張ってご苦労様。

 

ーーーー

 

「彼ではなかったな」

「あぁ。偶然、見つけたと思ってたが人違いだったみたいだ」

 

 翼が偶然見つけた美味しいところで食事することとなり、向かった先になんと二年前から捜索していた人物らしき男の子がいた。

 

 あたしと翼、そして緒川さんは慎重に話を聞き出してみたところ、全く人違いに至った。

 

 あのとき、助けてくれた人かと思ったが勘違いだったのは、残念だった……案外面白いヤツだった。

 

 ノリノリにボケてたり、ツッコむ辺り、社交性が強いヤツだと思えた。

 

「それにしても、翼を間違えてキャプテンとか言った辺り、噴いちまったよ。今度、サッカーボール持ってくか?」

揶揄(からか)うな! くっ、まさか私をボールが友達少年と間違えるとは」

「『違うわよ!』とツッコむ翼が新鮮だったよ。んで、その後、剣の話をしたら翼が武士道の話とかしだしたから、本人も焦ってたぞ」

 

 ヘラで切腹できるかとナチュラルにボケてくる辺り、ホント面白かった。久しぶりに笑えた。

 

「とは言え、例の『マスオ』ではないとなると、彼はどこなのだろうな。少なくとも二年経っているから、自分達より歳上としかないな」

「ま、気長に待てばいいさ。また会える」

 

 そうさ。いつか会える。そんな気がする。

 

「根拠は?」

「勘さ」

「……なんと曖昧な」

「でも間違いでもないだろ?」

「そうだな……」

 

 楽しみだ。再会したらとりあえず、どうしようか?

 

 まあ、あの忘れ物のCDをちゃんと渡さなきゃな!

 

「……ところで、奏。なぜ遅れたんだ?」

「ちょい寝坊」

「……全く」

「あと、翼にもローション登りのオファー来てたぞ」

「絶対嫌よ!?」

 

 あたしより翼の方が、そういうの向いてそうだけどなぁー。

 

 

 

ーーーー

 

 

*月%日(月)

 

 今日、どうやら私立リディアン音楽院の入学式らしい。そろそろ、新入生達がやってくる時期かーと思いながら、朝のジョギング中。

 

 木に登るJK発見。新手の変態か、と思っていたら、なんか 木に乗った猫ちゃんを助けるべく、登ってるようだ。

 

 「パンツ見えるぞー」と言ってみると慌てて、スカート抑えていたところ羞恥心はある模様。

 

 そんなとき、猫ちゃんが勇気を出してI can fly!!してきたので、それを受け止めてあげる。

 

 ヨシヨシ、君は勇気あるニャンコだ。ゴロゴロしてしんぜよう。などとやっていたJKが木から落ちた。尻もちついていたが、まあ無事そうだ。

 

 よかったよかった。てか、猫ちゃんのこと心配していたのでまあ、ちょっとモフらせてみた。ほんわかしていたので、歳頃の女子であろう。

 

 そんな感じで自己紹介してみたところ、彼女の名前は立花響ちゃんらしい。これからリディアン音楽女学院に通うらしい。

 

「お兄さん、どこかで会いましたっけ?」と新手のナンパみたいなことをしてきたので、「あらやだ。誘ってますのー?」と返してみたところ、赤面された。

 

 まだまだ若いねキミィ、と軽口で返したら、「失礼ですよ!」とプンスカ怒られた。

 

 とはいえ、「そろそろ遅刻しない?」と言ってあげたら青ざめて、マイバックをもって「ありがとう」と叫びながら猛ダッシュしていった。

 

 間に合うといいなとニャンコに言ってから、野生に返すかどうかオバチャンに携帯で聞いてみた。

 

 なんかOKもらえた。ただ、名前を【ラムセス三世】はどうかと思う。太陽神となったファラオが乗り移りそう。ライダーだけに(うまくない)。

 

ーーーー

 

 私立リディアン音楽院で早々に遅刻した私こと立花響は、知り合った友人達と【フラワー】というお好み焼き屋に来ていた。

 

 そこで待っていたのは、

 

「ヘイ、ラッシャイ。うちのお好み焼き屋はどれもうまいぞー」

「え、へ? あぁー!!」

 

 今朝会ったお兄さんである。ついでに猫ちゃんもいた!

 

「あ、君は確か……」

「また会いましたね、お兄さん!」

「今朝のパンチラ上等さん!」

「違いますよ!?」

 

 どんな覚え方してますか!?

 ほら、未来が驚いてるじゃないですか!

 

「立花響ですよ! 名前いいましたよね!?」

「ごめんごめん。このボケはいけないね。うん、セクハラはいけないね。ワレ、反省」

「謝るところはそこじゃない!」

「では、木登りガール。どのような救いを求めて、ここにやってきたのかね?」

「いつからここは教会になりましたか!? あと響です! ひ・び・き!」

「ではビキオで」

「そのあだ名ヤダよ!?」

 

 ビキオって誰!? 男の子の名前だよね!?

 

 ……そりゃあ、女の子らしさが薄いねって言われることもあったけど、まだまだ諦めてないもん!

 

 それにしても、この人はなぜここまでボケてくるのだろうか?

 

 そして後ろにいる我が友達、クスクス笑うのやめてくらません!? 地味にダメージくる!

 

「ほら! そこで遊んでないで接客しなさい接客!」

 

 オバチャンに叱られたお兄さんは、「すみませんねー」と謝っていた。私にも謝ってほしい。

 

「了解しました。ではお嬢様方は、こちらへご案内。ビキオ、後でな」

「差別反対! あと響!」

「わかったわかった。じゃあ、響ちゃん。静かにしような」

「誰のせいですか!?」

 

 呆れた感じで、対応するお兄さん。私だけが悪いみたいで納得できないよ……。

 

「ぷっ、ククク。ノリノリだね、あのおにいさん」

「だね。あのビッキーをここまで弄ってくるとは……。ただ者じゃない!」

「まるでアニメみたいね!」

 

 感心してないで助けてよ! そうだよね、未来!

 

「うんうん、駄目だよ。響で遊んじゃ」

「だよねだよね!」

 

 さすが私の陽だまり! わかってるぅ!

 

「響で遊ぶときは私も混ぜてもらわないと」

「それは失礼しました、未来様」

「気にしなくていいですよ」(ニッコリ)

「未来ぅ!? 嘘だよね、嘘だよねぇ!?」

「冗談だよ、冗談。フフフ……」

 

 私の陽だまりがブルータスでした。そして、恍惚な笑みが怖いんですけど。

 

 最近、私の親友が何を考えているのかわからない……。

 

「ヘイ、お好み焼きを何をしやすか!」

 

 大声でお兄さんがメニューが聞きに来てくれた! 助け舟だよねこれ!

 

 てか、全ての原因はお兄さんだけど。

 

「あ、じゃあここのオススメで!」

「ヘイ! 麻婆豆腐ですね、かしこまりました!」

「いやなんで麻婆がオススメですか!?」

「ヘイ! 当店はお好み焼きが主役ですが、麻婆豆腐がオススメでやす!」

「中華料理がオススメなお好み焼き屋って何!?」

「お味は【激辛】【ピリ辛(激辛強)】【愉悦】の三つですが、どれにしやすか!」

「どれも激辛ばかりだよね!? てか、愉悦って何!?」

「ヘイ! 【愉悦】はとある神父のみしか食べたことないと言われる強烈に激辛な麻婆豆腐でやす! 真っ赤なマグマのようにグツグツしてやす!」

「それ、お店で出していいヤツじゃないよね!?」

「店主、麻婆愉悦をこちらの響に。我の奢りだ」

「未来ゥゥゥ!?」

 

 未来までノリノリに言っちゃったよ! 我ってなんか何!? いつからそんなキャラに!?

 

 てか、やめて。私を麻婆へ引きずり込まないで!

 

「まあ冗談はさておいて、お好み焼きは何します?」

「じゃあ、私は豚玉」

「ミックスで」

「海鮮で!」

「私も!」

 

 へ? じゃあ、私も……。

 

「了解しやした! 豚玉、ミックス、海鮮、海鮮、麻婆(愉悦)でやすね!」

「私だけ麻婆豆腐のオーダー通っちゃってる!?」

「さあ、オーダーを通すぜキャッホォォイ!」

「テンションノリノリでそのオーダー通すのやめてください!」

 

 ……この後、私のところには麻婆は来ずに、こっそりお好み焼きのオススメ品の【モツ煮入り】がきた。

 

 あのお兄さん、きっちり仕事をしてくれていたけど、麻婆豆腐がオススメって嘘じゃん!!

 

 

ーーーー

 

「ありがとうございましたー」

 

 と私立リディアン音楽院の新入生達を見送る。あの響って子、なんかチラチラ背中を見ていたが、彼女は俺の背中に恨みがあるのだろうか?

 

 さては、優雅たれサンと同じようにぶっ刺す予定なのだろうか?

 

「荊軻じゃあるまいし」

「そのケーカって子はアンタのコレかい?」

「小指立てないでください。全然違いますから」

 

 恋人じゃなくて、共に戦う仲間だ。酒飲んだら酔っ払いのお姉さんになるが、素面では凄腕のアサシンの一人。油断したらグサリだぜぃ。

 

「ふーん、まあ、アンタって子はあまり秘密を言わないだろうし」

「人類最後のマスターの一人で、漂白された人理を取り戻すために、サーヴァントと呼ばれる使い魔と仲間と共に戦ってきましたって言って信じますか?」

「何そのライトノベルシリーズ。さっきのアニメ好きの子が喜びそうなんだけど」

 

 ほれ見ろ。オバチャンは信じない。そりゃ、そうだ。だってこんな話をこんな平和なところで、話しても誰も信じないって。

 

 ……戦いとは無縁だからこそ、こんな辛く苦しく感じる話は信憑性がない。

 

 でも、例外だったのは、クリスとフィーネだったなぁ。魔術家系でもないのに、なんか不思議な装備とか使ってたし。

 

「さて! 休憩は終わりだよ、仕事仕事!」

「はーい」

 

 元気よく返事してふと、思い出す。

 

 

——————そういえば、あの響って子。どっかで見たことが?

 

 遠い昔と言うべきか、まだ人理が焼却という危機の中で、レムレム睡眠で訪れた特異点……。そこで会ったような……。

 

 

 ま、別にいいや。面倒だし。

 

 

ーーーー

 

———ノウム・カルデア

 

 漂白された地球の人理の最終ボーダーライン。そこにベッドに眠りについていた少年がいた。

 

 いくつもの特異点、そして異聞帯を乗り越え、これからも攻略していく矢先、突如、彼は目を醒さなくなった。

 

 敵の攻撃か、はたまた何者かの陰謀か。それはわからない。ただ眠る彼の傍らに一人の少女が、ジッと寄り添っていた。

 

「先輩……」

 

 マシュ・キリエライト。彼と共に旅をしてきたデミサーヴァントだ。眠りにつく彼と片時と離れず、ただ見守っていた。

 

 そんな彼女に、部屋の扉が開いた。オレンジ色のヘアーカラーした少女、彼の親族である義妹。

 

 名前は———藤丸立香。彼女が信頼できる人であり、苦手とする人物だ。

 

「まだ看病してるんだ」

「……リツカさん」

「おにいちゃんは、たぶんまだ目覚めないよ。これまで通りのレムレム睡眠なら、そこで起きてる問題をクリアしないと眠りから覚めない。わかるでしょ?」

「わかってます……けど……」

「なら、信じなきゃ。ほらほら、休憩してよ」

 

 彼女の言う通りだ。自分が倒れてしまえば、元も子もない。彼女の言う通り、一息入れようと思い、椅子から立つ。

 

「……リツカさんは、先輩のこと信じてるんですね」

「とーぜんじゃん! だって、

 

 

 

 

———私のオニイチャンだよ?

 

 

 

———()()と言ってるくせに、誰よりも異常から愛されて

———()()を望んでいながら、誰よりも非常識に望まれて

 

 それをなんなく、立ち向かい、乗り越えていく!

 

 まるでヒーローだ。ただのヒーローだ!

 

「それがとてもオモシロイ……!!」

 

 彼女はそう言った。恋する乙女のように、恍惚に、嬉しそうに。

 

 ……マシュは彼女が苦手だった。こういう異常的な、空太郎への執着心を持つ彼女のことが。普段なら、普通のノリの良い女の子なのだが、空太郎が危機的な状況に陥れば、喜んで楽しそうに嗤う。

 

 多くの英霊と人と関わってきたマシュでも、ここまで狂った女の子は初めてで怖かった。

 

「……もし先輩が目覚めなかったらどうするつもりですか?」

「そんなことないじゃん。目覚めるって。でも、もし……万の一つに目覚めなかったら」

 

 うん、と笑い、

 

 

 

捨てちゃうよ、いらないから

 

 

 

 藤丸立香にとって藤丸空太郎はお気に入りの観察対象だ。多くの英霊と共に乗り越えてきた姿が、彼女にとって見たい姿なのだ。

 

 幼い頃から見せてくれた立ち向かう姿が、彼女の脳裏から離れない大切な思い出だ。

 

 しかし、それとは全く違うことをすれば、彼女はあっさり捨てる。彼女に倫理観などない、道徳もない。

 

 ゆえにこんなあっさりと人を見捨てることができる。

 

「……あなたは最低ですね」

「今更でしょ? 私が最低の外道なんて」

 

 自分が最低な人でなしなど百の承知。だから何を言われても響かない。

 

 この狂った少女を救うなどと考えている人間などたった一人を除いていない。

 

 その人物は目の前のベッドで寝ている。

 

 マシュは部屋から出て、息を吐いた。立香が空太郎をどうこうすることなど全くない。それは信頼できる。いくら最低最悪な人でなしであっても、可能性がある中で自らの手で、終わらせることはない。

 

「……そうです。まだ可能性があります」

 

 バイタルはまだ安定している。それにチラホラであるが、彼と契約しているサーヴァント達が虫の知らせを感じとって、ソワソワとしている。

 

 きっと彼がカルデアからサーヴァントを召喚する可能性があるのだ。その僅かな可能性を信じて、今は休もう。そして、もう一度、彼が目覚めるのを待とう。

 

 彼女はそう思い、休憩室へ向かう——————

 

 

ーーーー

 

———その頃。当の藤丸空太郎くんは、

 

 

「なぁに、こぉれ?」

 

 偶然、知り合いがいるコスプレ(仮称)集団が行う大乱闘に巻き込まれていた。




この作品の【藤丸立香】ちゃんはある理由で、狂気に染まり、オニイチャンこと藤丸空太郎に歪な愛情を抱いています。

ハーレムとか気にせず推してくるし、なんなら混ざっても問題ないとか考えるフツーにヤベー女子です。普段は好奇心旺盛な女の子ですが、オニイチャンがピンチまたはヤバいときに興奮して嬉々して観察してきます。

ヤンデレサイコパスなんて……当初はなかったのに、なんでこうなった?(すっとぼけ)

次回は響達の戦闘に巻き込まれます。


ところで麻婆、いる?
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