Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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——————チェックメイト


第四十一話 不信

 

 

ーーーー

 

 ノイズの反応を検知して、現場へ急行したアタシと天羽先輩。

 

 そしたら、前に遭遇した人型ノイズ達が、先にそこにいた。

 

 この騒ぎ原因を起こしたのが野郎!!

 

「土砂降りだ!! 逝っとけ!」

 

 ビルの上から飛び降りて。エネルギー弾を雨のように降らすと、野郎の隣にいた高身長女が気づいて、男を守り、黒めの女がバリアみたいなのを貼りやがった。

 

「チッ! やっぱ強ぇな!」

「だけど、これならどうよ!」

 

 エネルギー弾の雨が止むと、天羽先輩がバリアへ槍を突っ込んでそれを突き破った。

 

 そこからもう一突き行こうとしたが、身長女が剣で、天羽先輩を突き飛ばした。

 

「馬鹿力め!!」

「失礼な! 私とて、女だぞ!」

 

 知らんがな。てか、なんかその身長、アタシへの当てつけか?

 

 未だに伸びないアタシの身長への当てつけか!?

 

「……なんであの銀髪、血涙流しそうなほどギラギラしてんの?」

「どうせ、あれでしょう。バーゲストの高身長に妬んでるでしょう」

「なるほどな! 確かにちっこいしな!!」

「んだとゴルァァァァァァ!?」

 

 決めた! まずあの赤女からやってやらぁ!!

 

「ハンッ、生意気なチビめ。このバーヴァン・シー様がテメェみたいなチビ助に負けるかよ!」

「上等だ! やってやらぁ!」

 

 アタシのエネルギー弾と、バーヴァン・シーとか言う女の射撃戦が始まった。クソが! なんだよそのハープみたいなヤツ!?

 

 音が鳴るたびに、アタシの弾が落とされてやがる!

 

「キャハハハ! 歌ってるだけのステレオごときが勝てるかよ! せめて、歌で人を倒せるくらいになりやがれ」

「なんだそのジャイアンみたいなのは!? んなヤツいねぇだろ!?」

「……いるんだよなぁ、マジで」

 

 すごく気まずそうに視線を下げるバーヴァン・シー。てか、そいつってお前の仲間にいんの!?

 

「フフフ、バーヴァン・シーったらあんなにはしゃいで。仲良くなって嬉しいことです」

「え、あれ仲がいいの? 普通に戦ってるのに」

「当然です。なにせ、あれほど言い合っていたのはキャストリア以来です」

「あの子かー」

 

 くそっ! 黒めの女と男が呑気に談笑してやがるが、いつまでもそうしてる暇はねぇぞ!!

 

「はあァァァァァ!!」

 

 加勢にきた風鳴先輩が剣を振りかぶりながら、降り立ち、斬撃を与える。それは、銀髪の早い女が止めやがった。

 

「クッ、やるな!!」

「当然! 僕はあの最強の騎士のギフトをもってるならね!!」

 

 よくわからねぇこと言いながら、銀髪女がまた人ではあり得ない機動力を見せながら、逆に先輩を攻めていく。

 

 てか、なんだよあの動き!?

 

 空中で動けるか普通!?

 

「なるほど! これが雪音を苦しめた機動力か!」

「そうさ! どうする、剣士よ! このまま僕になぶられるかいッ」

「甘いは!! 防人剣はこの程度で折れない! そんな動き、牧場で戦ったウマゴンで予習済みだ」

「えぇ、この世界にいたの!? あの馬みたいなヤツ!?」

 

……いや、アタシも初耳なんだが。バイクでツーリングしてるときに、遭遇したのか?

 

 なんか、あの先輩。よく変なの遭遇するな。

 

 最近なんて、パンを咥えながら先輩と並走する馬耳の女子高生と遭遇したとか。

 

「……そういえば、お前。声が似てたな。実は親戚とか、お前だったりするのか?」

「ちげーよ! つーか、あたしはあたしだけだし、家族はお母様だけだし!」

「いやだって、その馬耳女子高生も、『おかあちゃん! がんばるからね!!』って仲良くなったとか、先輩が話してたし」

「マジかよ!?」

 

 マジだ。

 

 あと、去年の夏に見かけた大食い対決で、いつの間にかいた馬耳女子高生もいたぞ。

 

 『おかわりいただけるだろうか?』ってカレー食ってたし。

 

「んー。なんかカオスになってね? これ、シリアスだよね、シリアスだよな?」

「安心してください、我が夫。いつものことです」

「そうでした……」

 

 そうなのかよ!? てか、なんかまた目が死んでるだけど!

 

 苦労してもういいやって顔になってるんだけど……。

 

「アイツって、苦労してんだな」

「……わかってくれてありがとよ」

 

 変な友情が生まれそうだよ、これ。そんなとき、やっとあの馬鹿が参戦してきた!

 

「お待たせしました! とりあえず、卑弥呼パンチ!!」

「え!?」

 

 なぜか黒め女が『卑弥呼』ってところに反応した。どうしてた? まあ、持ってた杖で防いだが。

 

「どうしてあなたが卑弥呼を?」

「麻婆豆腐専門店で教わりました!!」

「いや、ホントどういうこと!?」

 

 ホントだよ。なんで本物の卑弥呼が麻婆豆腐専門店でアルバイトしてんだよ。邪馬台国で女王してたんじゃないのかよ。

 

……あれ、なんか理(・)由(・)が(・)あ(・)っ(・)た(・)よ(・)う(・)な(・)。

 

「しゃんなろー!!」

「この馬鹿力め!!」

「乙女に失礼な!」

「乙女ならばもっとお淑やかにしなさい! 淑女が拳でくるなど言語道断です!」

「無理です! OHANASHIにするためにはまずぶん殴って無抵抗にさせろと卑弥呼さんから教わりました!!」

「あの卑弥呼ぉ! これが終わったら、『攻撃のとき、リリカルマジカルしか言えない魔術』をかけてやる!!」

 

 それ……逆に合ってなくね? 『なのです、にぱー』な少女巫女や『プリンアラモードをお一つ』とか言いそうなハーフエルフのセリフが、似合ってるよな?

 

「……つーか、嬉々していいそうだなあの邪馬台国」

「おかあちゃん! わたし、がんばるから!!」

「ここでお前もネタに走るのかよ!?」

「あれ、なんであたし……あんなことを?」

「しかも無自覚!?」

 

 すると、今まで無言だった男が「ハッハッハッ」と笑いながら、

 

「大丈夫。たまにあるから」

「たまにあるかよ!?」

「その子にもいろいろあるのさー。ハッハッハッ。…………はぁ」

「なんか、家庭の事情で疲れたお父さんみたいにになってるゥゥゥゥ!?」

 

 アイツ本当に何者だよ!? え、もうなんかノイズなのか本気でわからないだけど!

 

 つーか、本当に……ジョンを殺ったのか?

 

「騙されないで!」

 

 と、ここでセレナが参戦。聖剣でバーゲストとか言う女を吹き飛ばした。

 

「この人がジョンを殺(・)し(・)た(・)のをこの目で見ました。あの人……あの優しい人をよくも!」

 

 と言ってバーゲストとか言う女へ斬りかかる。

 

……そうだよな。どんな理由であれ、アタシらの仲間を殺った落とし前をつけなきゃならねぇ!!

 

「ジョンって誰だよ。つーか、マスターの知り合い?」

「セレナのサーヴァント。甘党でめんどくがり、ブラック職場に対して反逆精神が高いエリート研究員。別れる前に聞いた話だと、最近ハマってたのがパチンコ」

「なんだその銀さんみたいなよヤツ!? そんなのいるのかよ!」

「なんで知ってやがる!?」

「マジなのかよ!?」

 

 なんか驚かれたけど、気にせず足止め。

 

「ッ、この女! まさか……!」

「もらった!」

「しまった。マスター! 逃げろ!!」

 

 バーゲストとか言う女が、セレナが抑えており、天羽先輩が一人、男へ突っ込んでいく。

 

 男はただ何かを唱えて、天羽先輩の構える槍が迫ってくるのに、何もせず、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——————土手っ腹を刺された。

 

 天羽先輩はニヤッとやり遂げた顔をして、アタシはどうだ、という気持ちで見守った。

 

 戦っていた風鳴先輩もおなじように見守り、あの馬鹿だけは口(・)を(・)隠(・)し(・)て(・)驚(・)愕(・)し(・)て(・)い(・)た(・)。

 

 腹を貫かれ、血を流す人型ノイズ……が、俯かせてた顔を上げて、天羽先輩へ目を向けた直後、

 

 

 

 

天羽先輩が槍を離して、後ろへ下がり、へたり込んだ。

 

 何かの精神攻撃か!? と思い、ヤツの顔を見た。

 

 

 

 その顔は…………絶望しかなかった。

 

 希望なんてない。

 未来なんてない。

 明日なんてない。

 

 そんな……アタシがかつてしていたときの顔つきだった。

 

「アン、タ……なんで」

「満足か?」

「……え?」

 

「人を殺そうとして満足か、って聞いたんだ。人殺し」

 

 その言葉が耳に入り、アタシを含めた装者達は戦いをやめた。

 

「の、ノイズのアンタが」

「かもしれないね。でもね、ノイズでも人でも、心があれば人(・)間(・)と変わらないでしょ。そんな人間を、殺してアンタは満足か、って聞いてんだ?」

「あ、う……」

 

 天羽先輩が親に怒られた小さな子どもように何も言えなくなった。アタシ達と戦っていたヤツらも、動きを見せようとしたが、

 

 

 

「令呪をもって、我がサーヴァント達に命ずる。——————今は矛を引き、装者達の攻撃を禁ずる」

 

 突如、ヤツらは動きを止めた。アイツが、止めた……のか?

 

「ッ、マスター!」

「君ら、装者らを本気で殺す気になってたでしょ。一応、手加減してもらった手前で申し訳ないけど、コ(・)イ(・)ツ(・)ら(・)は(・)ダ(・)メ(・)だ(・)」

「なぜだ!」

 

 バーゲストが叫ぶ。マスターという男は天羽先輩の槍を抜いて、不思議な光でそれを治癒する。

 

「コイツらは一応、ノイズ災害のスペシャリストだ。いなくなれば被害を防ぐ手立てはなくなる。一人でもだ。だから、殺さない」

「だが!」

「それにさ、俺はもうさ……何(・)も(・)か(・)も(・)、(・)信(・)じ(・)ら(・)れ(・)な(・)い(・)」

「ッ! ま、マスター。いや、藤丸空太郎……! しっかりしろ!」

「しっかりしてるさ。もう傷も治ったし、痛くもないや」

 

 血は止まり、彼は周りにいるアタシ達に目を向け、「いくぞ」と言って足を進めた。ここから立ち去るつもりだ。

 

「ま、待て!」

「待たない。もう待つ必要もない。だって、お前ら……今は俺の敵でしょ?」

「ッ!」

 

 冷たい言葉、冷たい視線がアタシらを貫く。

 

「この程度で動揺する知(・)ら(・)な(・)い(・)ヤ(・)ツ(・)ら(・)なんて構ってられない。俺がすべきことをする。それだけさ」

 

 知らない、ヤツ……ら。アタシはその言葉で、心が、頭が、痛む。

 

 苦しい……辛い。何か……大切な人に、拒絶されたかのような、そんな気持ちに。

 

 アタシらはただ、ヤツらがこの場から去るのを見守るしかなかった。

 

「……なんでアタシはいつも」

 

 いつも……いつも、いつもいつもいつも!!

 

「間違ってしまうんだよ……!!」

 

ーーーー

 

 ところ変わって、【S.O.N.G】本部。ノイズの出現と共に、謎の通信回線が開かれ、大混乱へ陥っていた。

 

「何者だお前達は!」

 

 弦十郎の言葉に対して、雑音混じりの返答が返ってきた。

 

 

 

 

『見よ、この美しき筋肉を!!』

『違うわよ! 見なさい、アタクシの美貌を!!』

 

…………まさかのマッスルとナルシストのアピールに、一同は唖然となった。

 

 いや、何これぇ。

 

「すまない。悪戯なら他でやってくれたまえ」

 

 弦十郎は回線を切ろうとすると、

 

『すみません! ちょっと待ってください!』

 

 ここでまともな少女が変態二人を、大きな盾で『邪魔!!』と言ってぶっ飛ばした。

 

「君は……」

『私の名前はマシュ。マシュ・キリエライトです! カルデアの一員です!』

「カルデア……?」

 

 確か、国連の組織で活動が停止していたはず。それがなぜ、今頃になって。

 

 弦十郎の疑念に気にせず、彼女は続けてこう言った。

 

『どうか助けてください! ここに、あの人が……あの人がいるんです!!』

「あの人……? 誰のことだ」

『も(・)う(・)一(・)人(・)の(・)藤丸です!!』

 

 彼女は、名前を思い出しかけていた。喉に骨が引っかかっているくらい、あと少しのところで思い出せる。

 

『その人を、どうか……たすけて』

 

 それを最後に通信が途絶えた。なぜかノイズの反応もなくなり、場が静かになった。

 

「……聞いたか皆んな」

 

 職員に告げる。

 

「【藤丸】という者を保護する! 全員、装者達に通信だ!」

 

 と勢いよく、弦十郎が告げた瞬間、モニターではいつの間にか状況は終わっており、葬式のように全員が落ち込んでいた。

 

「ど、どうしたのだみんな!」

『……人型ノイズと交戦し、その……完全に敵対しました』

 

 風鳴翼がみんなの代表で答えた。

 

「そ、そうか」

『……それで人型ノイズの呼称ですが、どうも藤丸空太郎というものでして』

「何?」

 

 いや、まさか、そんな……。

 

「もしや、人型ノイズではなく人間……だったのか?」

『おそらくは。司令の話していた人がもしかすると』

「彼だったのか……!」

 

 大きなミス。致命的な失敗を彼らは犯してしまった。もう……彼が人を信じることをしない、と言ってしまった。

 

「……引き続き、彼の捜索を。できれば交渉のテーブルを」

『……了解。捜索し、成果がなければ帰投します。……ですが、おそらくは』

 

 と言って翼の通信が途切れた。

 

 弦十郎は席に座り、息を吐いた。

 

「……何もかも手遅れ、ってことか」

 

 S.O.N.Gと空太郎。両者の溝は大きくどうしようもない。




藤丸空太郎

バイタル:軽傷。傷口は塞がり、しばらく経てば完治
メンタル:鬱。精神が危険なので早急に対応されたし。なければ、自傷し、死に至る可能性あり

———報告以上、申し訳ございません。予想外の出来事で追い詰めてしまいました……

ーーーー

やったぜ(白目)
これで溝ができちまいましたなぁ。これ、記憶取り戻したらどうしよ?
とりあえず、ネタに走るのは決定です。お仕置きは、ネタになるのはお決まりなのがこの作品デェス(愉悦)

さて、空太郎のメンタルは詰みです。もうあの子を含めた人達がいないと、立ち直れません。感想欄にもありましたが、アヴァロンでの逆位置に立とうしてる空太郎。

彼を救うのは……?

次回、紛い物

——————やっと、みつけた。俺の偽物
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