Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———まだ、終わりじゃないさ
———装者達が敵なのに?
———装者は敵じゃない。味方になり得る可能性さ


第四十三話 絆

ーーーー

 

 夢を見た。

 

「あ。おーい、久しぶりー」

「あ? 誰だお前」

「……あー。人違いでした。すみません」

「なんだよ。まあいいや。気をつけろよ」

「へへへ、ありがとうございますー。…………はぁ、これで十回目か」

 

 それはある少年が知ってる人に声をかけ、()()()()と返された回数だ。

 

 彼を知る者、知ってる人全てが、忘却されてしまった。

 

「あのー、すみませーん。藤丸立香さんいますか? 自分、クラスメイトの空太郎と言いまして」

「あら、あの子? まあまあ、そうなのね。あの子、今、海外で仕事してるのよ。すごいわよね」

「そうですね! 元クラスメイトとして誇らしいです。ところで、立香さんって一人娘なのですか?」

()()()。それが何か?」

「兄妹とかいなかったのかなぁーって」

「まあ、冗談が上手いこと。あたしも欲しかったんだけど、上手くいかなくてねー。それで養子としてあの子を迎え入れたのよ」

「そう……ですか」

「あの子も今は、昔と違って友達がたくさんいて、恋人もいるみたいよ! 彼氏か彼女かは……はぐらかされたけど」

「そうですか……。うん……よかった」

 

 彼はそう言って、()()()()と別れて、()()から離れた。

 

……もうこの世界に、彼の居場所がないと言わんばかりに、何もかも彼は忘れ去れていた。

 

 それはとても辛かった。

 それがとても苦しかった。

 それを見てるだけの自分が嫌いだった。

 

「うん……よかったんだ、これで。世界は救われて、取り戻したい人類史を手に入れて……立香が幸せになった。……これでハッピーエンドじゃないか」

 

 何が? どこが?

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう叫んでも、私の声が彼には届かない。

 

「……ふぅ。それにしても、世界も酷なことをするなぁ。平和なのに、俺をまたここに戻しておいて……」

 

 そう呟くと、彼の身体が消え始めてきた。

 

「あ……そっか。そういうことなのか? 納得した」

 

 彼は何かを受け入れたかのように呟く。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。別にいいさ、もう。…………いろんな人と話して、思い知ったし、慣れたよ」

 

 彼はあのときしていた目で、空を見上げた。私と()()()()()()()と視線があったような気がした。

 

「俺は……もう終わってるのか。バトンタッチして終わったランナーがすることは、……もうないってことか

 

 私達はただ彼が寂しく消えていくのしか見守っていくしかできないまま、目が覚めた。

 

 目を開けると、S.O.N.Gの寄宿部屋。お泊まり用にあるヤツだ。私はあの夢のことを思い出しながら、ふと本棚にあったブックカバーしてある薄い本に目に入った。

 

「あれ、これいつ買ったんだっけ? えーと、リディアン音楽院制作?」

 

 なんだっけ? この本って最近見てなかったから、忘れたまま置いて行った本のような気がする。私がその本の内容がなんだっか、思い出そうと思って開けようとした。

 

 

ーーーー

 

 空太郎のノイズは倒された。彼は最後まで訳の分からない言葉を出しながら、攻撃してきたが、最期はニヤリと笑って炭となって消えた。

 

「なんだったんだヤツは」

「わからないよ。けど……不気味だ。こんなあっさりとしたものなの?」

「…………」

「我が夫?」

 

 空太郎は無言となって、手を握る。

 

「……アイツ、結局なんなんだ。今まで見たことも、聞いたことがない」

「人型ノイズそのものが、そもそもいなかったですから」

「いや、そうじゃない。なんで()()()()()()()()()()()()

 

 そう、当初はガチガチだった空太郎のノイズの動きが、完全に自分が指示したかのように、真似されていた。

 

 まるで、今見たものを再現されたかのような、そんな動きを見せつけられた。

 

「ノイズは意思を持たない。学習能力を持たない。ただ、人を殺すだけの兵器。そうであったはずなんだ……。なのに……」

()()()()()()()()()()()()。それが気がかりなのですね」

 

 コクンッと頷く空太郎。彼はノイズが変な行動したり、感情的なものを見せた感じなことをしていたことを知っている。

 

 まだ動物的だった。けれど、今のノイズは明らかに()()()()()()()()()()()()をした。

 

「バビロニアの宝物庫。ネフィリムによって焼かれた空間……。あそこで何かが起きている」

 

 そもそも、どうして彼はこの世界へ招かれた。

 

 聖杯がないのに、意識だけレイシフトして、【フロンティア事変】が解決するや否や、帰還できた。

 

 ()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「俺は何を見逃した……。誰が……敵なんだ?」

 

 空太郎の懸念が深まるばかり、そんなとき、誰かが拍手しながらやってきた。

 

「おめでとうございます。あなたはあのノイズを討伐できましたね」

「セレナ……」

 

 空太郎は警戒心を解かなかった。

 

「おや、私は味方ですよ? 少なくともこれは二課……今はS.O.N.Gですね。私達が所属する組織として動いていません」

「……あっ、そう。だけど、アンタは信用できない」

「なぜですか? 少なくとも私は」

 

 

 

「嘘つけ。じゃあ、なんだその()()は」

 

 

 今の響達、装者を含めた関係者は、空太郎を忘れ去っている。つまり、カルデアのこと、立香達のこと、サーヴァントのことを()()()()()()()()()

 

 なのに、セレナから魔力が溢れていた。それも……()()に匹敵するほどの。

 

「魔力? 何を言っていますか?」

「惚けんな。普通なら、フォニックゲイン……シンフォギアのエネルギーしかないはずだ。けど、お前から魔力がある。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 空太郎の言葉にサーヴァント一同は、構える。

 

「気づいちゃいましたか」

 

 悪戯がバレた小悪魔っ子のように舌を出して言うセレナ。しかし、それが空太郎の目には余裕の現れしかなかった。

 

「大方、ジョンの討伐はフェイク。俺がやったかのように仕向けたんだろ」

「はい。正解です。厳密に言えば、あの人が、私がマスターに協力しようとしたときに、パスを自ら切り離していきました」

「へぇ……意外だ。マスターを裏切るヤツってわけじゃないのに」

「あの人は裏切りますよ? 特に()()()()()()()()()()

 

 セレナはシンフォギアを纏い始めた。聖剣、そして、()()()()()()が宙に浮いた姿で変身した。

 

「ッ、それは!」

「知ってる人がいましたね。さすが()()()()()()です」

「なぜお前がその鞘を!? それは……我が妹の!!」

 

 

 全ては遠き理想郷(アヴァロン)。かつてアーサー王が持ち、あるマスターとある少年のマスターが、命の危機に瀕したときに、傷を癒したとされる聖遺物。

 

 だが、本来ならば、それは紛失した聖遺物(ロストロギア)。この世にないとされている。

 

「マスターの協力者にギアの装備としていただきました。すごいですよね。この聖遺物があれば、()()()()()()()()()

 

 突如、セレナの姿がかき消えた。一瞬で、バーゲストの前に現れ、聖剣を振り下ろしていき、彼女を吹き飛ばした。

 

「ッ、すまないマスター!! 持ち堪えてくれ!!」

 

 バーゲストはそのままビルから落ちていく。彼女ならば無事だが、すぐに復帰はできない。

 

「こんのぉー!!」

 

 メリュジーヌが機動力を使った動きで突っ込む。しかしそれは受け止められた。

 

「身体で受けた!?」

「つーかまえた♡」

 

 セレナは彼女をそのままジャイアントスイングして宙へ飛ばして、聖剣の突きを構えた。

 

「あれはヤバい……!」

「させません!!」

 

 モルガンが青白い剣を飛ばした。セレナは突きを中断して、横凪の一撃を振るう。

 

 それはアーサー王の約束された勝利の剣(エクスカリバー)と同等の威力を持っていた。

 

 魔術で防壁を貼るも、ガラスのように破れてしまい、モルガン達は吹き飛ばされた。

 

「クッ、この威力!!」

「クソゲーかよ、ちくしょうが!!」

 

 バーヴァン・シーが悪態を突きながら、宝具を使用とした刹那、自動人形(オートマタ)が現れ、彼女達を縛り上げた。

 

「これは!? クッ、解けない!?」

「それは【グレイプニル】。本来ならば神獣など縛り上げる伝承なのですが、()()()()()()()()()()()()()()()()? それってつまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 【グレイプニル】。まだ空太郎も見たことがない聖遺物、宝具。それがまさか使われるとは思っても見なかった。いや、それよりも、なぜ()()()()()()()()()()()()()()()と知っている。

 

 それを知っているのは……。

 

「なるほどな……そうだったのか」

 

 やっと答えを得た。そして、彼は……()()()()()

 

「さて、もう名前で良いですよね。()()()()()

「お前のマスター……もしかして」

「わかってくれたようで何よりです。では、後はわかりますね?」

「……何が望みなんだ?」

「会ってみたらわかりますよ。あの子の望み、そして願い。それがあなたが背負うべき罪ですから」

「罪……か。もう嫌になるほど背負ってきたよ、そんなもの

 

 彼の言葉にセレナは苦虫を噛んだ顔になった。しかし、迷いを振り払い、彼女は言う。

 

「……知ってます。でも、だからこそ」

「そうかい……」

 

 空太郎はそう言ってセレナの元へ足を進めた。

 

「マスターダメだ!! 今、ついて行っちゃダメだ!」

「テメェ! あたしらをこのままにすんのかよ! ちゃんと最後まで戦えよ!! あたしと一緒に戦ってくれよ!!」

「我が夫……お願いします。どうか……どうか……!!」

 

 彼女達一人一人の心を痛めながら、彼は足を進める。

 

「ごめん……みんな。もう……いいんだ」

 

 彼は疲れた。

 彼は諦めた。

 

 もう、やることがない。やる気も何もかも失い、希望もなく、疲弊した心の生きる気持ちがへし折れた。

 

「ダメです……やめて」

 

 少女のようにモルガンが請う。

 

「マスター! クソッ、このォォォ!!」

 

 英雄のようにメリュジーヌは暴れる。

 

「……マスター。テメェ……あたしと同じ」

 

 同類を見たかのようにバーヴァン・シーは同情した。

 

 三人が見たのは、マスターがこれから絞首台へ向かうイメージ。幻想が見えた。

 

 最後までは彼女(モルガン)叫び続ける——————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆえに、その想い、願いは叶えられる。

 

 

 

「マシターは、ネフィのモノー!!」

 

 子どものように怒り、その者はセレナへ拳を下ろした。セレナはなんなく避け、その者は空太郎を抱きしめ、そのまま後退した。

 

「君……は」

「マシター、お待たせ! サーヴァント、ルーラ。ネフィリム!! マシターのためにきたよ!!

 

 ネフィリムは笑顔で彼女に言った。

 

「マシター! あきらめないで。マシターにはまだ希望がある。希望が残ってるから」

「でも……」

「でもじゃない! 奇跡はおこるよ!」

 

 彼女の子どものような言動に、苦笑する。何を今更、空太郎がそう思ってると、

 

 

 

 

「ソイツの言う通りだ」

 

 この場に来るはずがない少女の声がした。

 

 だってその子会ったときから、敵意を向けて……。

 

「セレナ、どういうことだこれは? 説明しろ」

「見たところ、連行するつもりですよ」

「嘘つけ。もう全て知ってんだよこっちは。お前がコイツを、お前のところのマスターに連れてくのをな」

 

 少女はシンフォギアを纏い、銃口を向けた。

 

 

「アタシの落とし前だ。きっちりつけてやる!!」

 

 雪音クリスはここに、空太郎の絆が彼女を呼んだ。




セレナ戦(アヴァロン起動形態)

クラス:セイバー
属性:人、愛する者、女性、龍、
宝具: 約束を果たす勝利の剣(エクスカリバー)

説明:
・開幕からセレナのバフ
攻撃力、防御力、宝具威力アップ
無限ガッツ付与

1ブレイク、もしくは自身のサーヴァンが敗北で戦闘終了

・サーヴァントはサポートのみ固定、出撃
・マスター不在のため、マスタースキル使用不能

サポートサーヴァント
・雪音クリス、ネフィリム

『守るぞ!』
・ガッツ付与、攻撃力アップ

ーーーー

というわけで察していたと思いますが、セレナが黒幕と繋がっていました。
いい加減にSUN値チェックは飽きてきたと思うので、ここから先で巻き返します。

さて、彼女のマスターとは、そして人型ノイズとはいったい……?

なお、人型ノイズはまた出ますが、この章では出ないかも?

次回、彼の絆

———さあ、ここからはじめよう。どんでん返しを!!







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