Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———諦めるなんて、オレが許さない


第四十四話 彼の絆

ーーーー

 

 アタシは夢から覚める。なんか、あの少年……つーか、人型ノイズがすごい寂しそうにしてた顔で消えたことが、モヤモヤした。

 

 お前はそんな顔するなよ。

 もっと、お茶らけた感じだろ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

「アタシ……なんでアイツのことを」

 

 アタシは誤って、髪を括っていたモノを落としてしまった。ベッドの下に、落ちてしまい、それをとるとベッドの下に、薄い本が……。

 

 なんだこれ? いつ買ったんだ?

 

「ふきょー用? えっと、名前は板場?」

 

 板場って確か、アイツのダチだったような……。まあいいや、返し損ねたヤツだろう。

 

 そう思い、ふと、ちょっと見てみようと思った。

 

 せっかく借りたんだし、気分転換に……。

 

 

 

 

 って、

 

「なんじゃこりゃあァァァァァ!?」

 

 内容が……!

 

 男と男が、キスゥゥゥゥ!?

 

 女と男ならまだしも男同士がキスゥゥゥゥ!?

 

「なんだよこれぇ!? ってタイトルは……!」

 

 タイトルがヤベェヤツじゃん!? エロ本かよ!?

 

 てか、どこが健全なBLだこれェェェェ!!

 

 アイツ、なんで()()()と男にしたあの馬鹿を、ボーイズラブにぃ!!

 

「あれ、え、あれ? なんで……」

 

 アタシは……あの人型ノイズを知っていた。

 

 いや()()()()()

 

 そして、アタシは……アタシ達は大切な仲間を、そして友達を傷つけて……。

 

「ウッ」

 

 吐きそうになった。アタシはそれを堪えて、なぜかBL本を見て、嫌な考えを逸らせた。

 

 

……同時に羞恥心が襲う。いや、めっちゃ濃厚だぞこのラブシーン!?

 

 なんか、それを空太郎としていることを想像してしまい……。

 

「ど、どうしたの!?」

「あ、う、あうあうあー」

「ゆ、雪音が壊れた!?」

 

 あの馬鹿と風鳴先輩がやってきたことに気づかず、茹で蛸なったアタシはBL本を、二人に渡した。

 

「……雪音。私達は別にそう言う趣味は」

「クリスちゃん……そんな趣味が

「ちげぇーよ!! これ見たら何もかも思い出しちゃったんだよ!!」

 

 アタシの言葉を聞いた二人は、BL本を見始めた。読み終えた二人はふぅ、と息を吐いて。

 

「雪音……介錯を頼む

「翼さァァァァァん!? 武士みたいで脱がないで! 切腹しないで!?」

「頼む、後生だ、死なせてくれぇ! 防人としてゆ"る"ぜん"!! 『モアイ!!』だ!!」

「私も『ウソダドンドコドコーン!!』ですよ!!」

「いや、なんでオンドゥル語!?

 

 こいつら仮面ライダー見てるかよ!? もしかして動画で見たな。さては見てたな!?

 

「いやだって空太郎さんがオススメしてたし。見てて面白かったよー。ハッハッハッ。…………ヤバい、死にたい」

「病むなよ! 言うなよ!?」

「奇跡も魔法もないんだよ……さやかちゃん」

「いや、さやかって誰だよ!? てか、それお前が言っちゃいけないヤツぅ!!

 

 なんかカオスになってきやがった。クソッ、こういうときは……。

 

『緊急事態だ!! ノイズを検知した! ヤツだ!!』

 

 ナイスぅ、オッサンンンン!! おかげでこの二人が顔を引き締めてくれた!

 

 とりあえず、オッサンに事情を……待てよ?

 

「なぁ、ちょっと小日向にお願いしてくれないか?」

「え、未来に? 何を」

「それはな」

 

 アタシはあるお願い事をコイツに頼んで現場へ向かった。風鳴先輩は今日、ライブでいけない。

 

 だからこそ、アタシ……アタシが落とし前つけなきゃならない!!

 

 

 

 

 

 

 

「ネフィも行く。お腹、空いた」

「いつからいたのお前!?」

 

 なんかネフィリムもいた。……召喚されたのか、空太郎に?

 

 

ーーーー

 

「というわけさ! もういろいろ後悔した! 大切な仲間を、傷つけたし、苦しめた自分が許せないし、ガチで死にたくなった!!」

 

 本当だ。自分の大切な仲間を傷つけてヘラヘラして自分へ鉛玉をぶち込みたい。

 

「だけど、セレナが、アタシらを騙して空太郎を敵対させたのが許せねぇよ! だから、アタシの罪滅ぼしを兼ねて止める!!」

 

 責任転嫁ってのはわかってる。けど、アタシを敵対へ導いたこの女もまた罪人だ。仲良く、やり合おうじゃねぇか!!

 

 そう思って、構えると空太郎が、「うん、ちょっと待って」と大声で言った。

 

 なんだよ? なんか引っかかることがあるのか?

 

「いや、あのさ。クリスが思い出したってことでいいよね?」

「ああそうさ」

「その方法が、薄い本ってことでいいよね?」

「まあな!」

「俺のBL本で全て思い出しちゃったってことなの?」

「そうだ! きっちり思い出したぞ空太郎!!」

「うれしくねぇよ!!」

 

 なんだよ!? なんで嬉しくねぇんだよ!?

 

「だって、俺のBL本もとい恥ずかしい本で、思い出されるのってどんな気持ちになれってんだよ!? 複雑すぎるわ!!」

「仕方ないだろ! それしか手立てがねぇんだから!」

「よくねぇよ!? てか、それで二課のメンバー達の記憶、取り戻しちゃないだろうなッ。そうだよな!?」

「……さあ。戦闘の続きだセレナァァァァァ!」

「オイィィィィィィ! このおっぱいアーチャァァァァァ!? こっち見て話せェェェェ!」

 

 誰がおっぱいアーチャーだゴルァ!

 

 そんなエッチィ呼び名すんじゃねぇ!!

 

「……なんというか気の毒ですね。私なんか、あの子に空太郎さんの()()()()()()で思い出したのに」

「そうなのか!? 次回あったら、そうしよ!」

「……ドンマイ、空太郎さん」

 

 空太郎がアタシの言葉で悶絶してやがる。

 

 なんかやっちまったみたいだけど、気にしねぇ!!

 

 とりあえず、空太郎を逃すことが先決だ。

 

「アタシはコイツを助ける。邪魔すんじゃねぇ!」

「邪魔はあなたです」

 

 セレナは見たこともない聖遺物を使って、聖剣の威力を高めてきやがった!

 

 なんだよあれ!

 

「くっ、ぅう……」

「ネフィ!?」

 

 横凪の一閃がネフィを一撃で倒した!?

 

 なんだよあの威力!?

 

「哀れなこの人は死にたがっています。その命を、誰かのために使おうとしています。彼を想って行かせるのが情けでは?」

「ネフィは嫌! マシターがいなくなるのはヤ! だってマシター、ネフィと約束した! ずっと一緒にいてくれるって! だから、マシターは渡さない……! 死なせない!!」

 

 そうだ! アタシはコイツをもう死なせたくねぇ!!

 

「不思議ですね。散々、敵意を向けて思い出したら手のひら返し。まさに、かつてあなたにされたことのようですね」

「言ってんじゃねぇ!!」

 

 ネフィも立ち上がり、拳を握りしめて向かっていく。アタシは歌いながら、エネルギー弾を撃ち続けていく!

 

「コイツに酷ぇことをした! アタシはこの先ずっと後悔して、悩んで苦しんでやる。だけど、コイツだけは死なせちゃいねぇ!!」

「なぜですか?」

 

 なぜかって? そりゃそうだろ!

 

 今まで心から否定して、そうじゃないって決めつけてきた。けど、もうこんなことになってしまっちまえば気にしちゃいられない。

 

 だから、言う。

 

 

 

 

 

「コイツが初恋ってヤツだからだ!!」

 

 

 

 たとえ、恋人がいたとしても、アイツの惚れてる男だとしても!!

 

 頼れる兄ちゃんを、大好きな男を死なせちゃいけねぇって!!

 

「……ここで告白ですか。羨ましい限りです

「なんとでも言え! アタシはコイツに預けてやる! アタシの命も何もかもな!」

「す、すごい覚悟です……」

「応さ! なんだったら、コイツのサーヴァントに煮るなり焼くなり、辱めるなりしてもらっても構わねぇ!!」

 

……なんか、嫌な未来が見えたが、気のせいだ。大丈夫! 痛いのには慣れっこだ!!

 

「むしろバッチこいだ!!」

「なんかクリスさんがドMに目覚めてますゥゥゥゥ!?」

 

 これにはセレナも驚いたみたいで、隙ができた!!

 

 アヴァロンと呼ばれるものを弾き、ネフィが突っ込む。これならどうだ!!

 

 

 

 

 

「では派手に加勢しよう」

 

 突如として、現れたディラー動く人形が、蹴りでネフィを吹き飛ばし、さらにアタシへ、コインを銃弾のようにして強襲してきた。咄嗟に防ぐも吹き飛ばされ、さらにノイズを差し向けられた。

 

 アタシはノイズへ撃つが、何かおかしいと感じた。コイツは……ただのノイズじゃねぇ!?

 

 アタシの予想が的中したのか、アタシのシンフォギアのギアペンダントへ、ノイズが攻撃してきた。

 

 ギアは砕け散り、アタシのシンフォギアの姿が解けてしまった……!

 

「クソッ! コイツは……!」

「アルカノイズと呼ばれるもの。お前達、シンフォギアの天敵さ」

 

 ディラー人形がそう言うと、ネフィがこちらへ転がってきた。

 

「うぅ……」

「フフフ、あのネフィリムが。過去の忌まわしき怪物が私に敗れるなんて……滑稽ですね。馬鹿馬鹿しくなりそうです」

「……この、ぅ……」

「時間がないので手早く仕事をしますねー」

「ダメ……! マシター、マシター!!」

 

 空太郎が無防備のまま晒されたまま。まだかよ、援軍は!!

 

 アタシの願いは虚しくも、セレナは空太郎に近づく。

 

「空太郎さん、今から連れて行きます。彼女達とはおそらく二度と会えません。……何か言い残すことはありませんか?」

「……あとのことを。響達に、後のことを任せていいか」

「はい。お任せください。あなたが背負うもの全てを、私が……私達がその業を背負います。だから……どうか安らかに」

「……そっか。……安心した」

 

 彼はそう言って、俯く。ダメだ。ダメだって!!

 

「させるかよ!」

 

 咄嗟に飛び出すが、ノイズがそれを塞ぐ。近づけねぇ!

 

「……ギアがないままだと死にますよ?」

「関係ねぇ!」

 

 シンフォギアを無理矢理起動させる。ギアが壊れてしまい、上手く纏えねぇ!!

 

 だが、なんとか拳銃一つは作れた!!

 

「邪魔だァァァァァ!」

 

 銃弾が飛ぶ。ノイズに当たる。けれど、一撃で消えない……!

 

「無駄なことを。さあ、行きますよ」

「……そうだな」

 

 空太郎はセレナの言葉に頷く。頷くな!!

 

 諦めるなよ……!! お前はそんなヤツじゃねぇだろ!!

 

 夢で見たことから、()()()()!!

 

 苦しかっただろ。辛かっただろ?

 

 なら、思い出せたアタシを、アタシ達を、サーヴァント達を……見捨てないでくれ!!

 

 その想いは……届かず。

 

 空太郎はセレナにそのまま……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっざけんなよ、テメェ!!」

 

 突如、空太郎が誰かに殴られ、そのまま組み敷かれてしまった。

 

 いきなり現れた襲撃に、セレナは一瞬戸惑い、空太郎を助けようとしたが、金髪の女の杖によって吹き飛ばされた。

 

「クッ、何者!」

「どうでもいいことです。私達がなんなのかは、それよりも彼の言い分を聞いてあげてください」

「そうだな。ちょいっと待ってくれねぇか?」

 

 金髪の少女と赤髪の青年によってセレナは阻まれた。

 

 そして、空太郎は黒い毛皮のようなマントをつけた男に胸ぐらを掴まれて、叫ばれた。

 

 

 

 

 

 「諦めるなよ!!」、と。

 




藤丸空太郎

バイタル:不安定
メンタル:??

ここからはじまるよー。だって、彼がもたらしたものは、些細じゃないのだから

ーーーー

最後に出てきた男、いったい誰なんだ……。
ここから先が、彼が創り上げたもの。繋げてきたものが、向かっていきます。

次回、サーヴァント

———あなたは一人じゃない
———勝手にゲームエンドしてんじゃねぇ!!
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