Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———さあ、ここからどんでん返しの時間さ!


第四十五話 サーヴァント

ーーーー

 

 声がした。知ってる人の声がした。

 

「諦めるなよ! 勝手に諦めて、ゲームエンドしてんじゃねぇよ!!」

 

 その者はかつて妖精國を破壊し、空太郎の世界にまで、破壊の手を伸ばそうとしたが敗れた妖精の王様。

 

「絶対に許さない! 俺達がお前が踏み躙られた(託したことを蔑ろにする)ことを!」

 

 キモチワルイ、キモチワルイと言っておきながら、本音は違うのに、嘘しかつけない呪いを背負った者

 

「絶対に許されない! オレ達を生きたい想いを殺した(背負ってくれた)ことを!」

 

 本音とは違うことしか言えない。けれど、空太郎やアルトリアキャスターの背負う者に対して哀れみ、役を降りてもいいと言ってくれた本当は心優しいヤツ。

 

「諦めるなよ! まだ終わっちゃいけないだろ!?」

 

 その者は必死に空太郎へ呼びかける。

 

 妖精王……いや、【奈落の災厄】。オベロン・ヴォーティーガーンは()()()()()

 

「でないと、俺らはなんのため敗れたんだ。なんで敗れちまったんだ!!」

 

 全て異聞帯をクリアし、空太郎達は人類史を取り戻した。そして、同時に()()()()()()()()()()()()()()()

 

 オベロンはそれを許さない。そして、それを投げ出して役を降りようとする空太郎を許さない。

 

「だから生きろよ(生きろよ)! 諦めるなよ(諦めるなよ)! 最後まで足掻いて足掻いて、足掻き切れ!!」

 

 かつて空太郎がやってきたことをやれと彼は言う。やれ、やってくれ! 出ないとオレ達が敗れ去った意味がなくなる!

 

 

「まだ終わってないのに、舞台から勝手に降りてんじゃねぇ!! ゲームセットしてから、やめちまえ!!」

 

 オベロンの言葉に今まで死んでいた心に、空太郎の心に、何かが届いた。

 

「マスター。空太郎、あなたはここで折れてはいけないです。あなたが折れてしまえば、彼の想いを無意味してしまいます」

「キャストリア……オベロン、村正……。なんで……」

 

 今になって現れたオベロン。そして、アルトリア・アヴァロン。二人の加勢に、嬉しいと感じ始めている。

 

 だからこそ、思う。彼は疑問に思ってしまう。

 

「なんで……なんで()()()()!! 代わりなんていくらでもいるのに! どうして! どうしてなんだ……!! どうして……なんだ!」

 

 彼は英雄ではない———普通と変わらない少年だった

 彼はヒーローではない———前向きが取り柄の少年だった

 

 英雄でも、救世主でも、ヒーローでもないただの普通の男の子。

 

 誰と比べても、他のマスターの方がいいはずなのに。

 

 もう、忘れ去られて、次のマスターと契約してもいいのに。とっと、こんなマスターなんか切って次へ進めばいいのに……!

 

 

 

「なんでだよぉ……。なんでなんだよ……!!」

 

 

「決まってるじゃないですか」

 

 声が、した……。その声はこの世界では全く聞けなかった声が。

 

 その人は空太郎にとって、大事な人の一人で、自分のことを支えて共にいてくれた大切な女の子が。

 

「ま、しゅ?」

 

「はい。あなたのマシュです」

 

 マシュは空太郎に向かって微笑んで優しく語る。

 

「みんな、あなたことが大好きなんです。あなたが好きだから、忘れられないのです」

 

 大好きという言葉。

 

 それを聞いた空太郎の目から涙が溢れ出していく。

 

「わすれて、たんじゃないのかよ……」

「忘れてしまってました。とても大切なことを。私はそれをとても後悔してます。だって、あなたと共に歩んだ旅を。大切な思い出を忘れてしまったのですから

 

 大事な人を忘れてた自分が許せない。

 大事な思い出を失っていたことが悲しい。

 

 彼女の言葉が次々出てくる中で、次々とサーヴァント達が現れてきた。

 

 彼らは、彼女達は空太郎と契約してくれた()()()()()()()()()()()()。空太郎の大切な仲間達だ。

 

「あなたと繋がった英雄達は、あなたと共に戦いたい。一緒にこの絶望を乗り越えたい。だから、あなたと一緒に生きたいんですよ

「あ……う……」

「マスター。あなたがいたから、私達はここにいるんです。決して代わりなんていない、あなただからこそ、私達がここにいるんです。だから、()()()()()って悲しい言葉を言わないでください」

 

 オベロンは離れていき、マシュは空太郎へ近づき、ソッと、抱きしめる。その暖かさが、空太郎の渇き切った心を、満たしていく。

 

「あ、うあぁぁぁぁぁ!!」

 

 辛かった、苦しかった、寂しかった。

 

 だって忘れられたんだ。辛いに決まってる。せっかく仲良くなったのに、仲間となったのに。

 

 自分だけ取り除かれて、一人でも頑張っていこうと思って。

 

 心を殺した矢先に、コレだ。こんな……こんな、奇跡。泣くなって言われても泣いてしまうほど、うれしいことはない。

 

「マスター。藤丸空太郎。シールダー、マシュ。どうすればいいですか?」

 

 彼女の言葉で、空太郎は泣くことをやめる。まだ目が赤い彼は、セレナ達に向けて言った。

 

「セレナさん、ごめん。まだそっちにいけない」

 

 空太郎の目に、光が戻る。希望が生まれた。

 

 足が立ち始め、彼はスゥと息を吸い込み、

 

 

「あきらめない。俺はまだあきらめたくない! だってまだ———生きているから。この命がまだ終わりを迎えていない。だから、最後の最期まで足掻いて、掴み取ってみせる!」

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

 人類最後のマスターの一人。

 

 カルデア最高のマスターが帰ってきた。

 

「覚悟しろ……。ここからが大逆転劇だ!!

 

 令呪が三画へと戻り、輝いていた。

 

ーーーー

 

 一方、カルデアの次元境界穿孔艦ストーム・ボーダーにて————

 

「ビンゴ! ()()()くん発見したって!!」

「よし! これでなんとかなる! さすがは経営顧問、よくぞ推理してくれた」

Elementary, my dear Watson(初歩的なことだよ、ワトソン君)私とて、これくらい朝飯前さ」

「でも空太郎くんのこと忘れてたよね?」

「仕方がないさ。何せ、相手は()()()()()()()()()()()()()()()だ。きっかけがなければ、どうしようもないさ」

「きっかけ、ねぇ」

 

 ダヴィンチちゃんは、ここへくる時に遭遇したS.O.N.Gという組織の協力者とコンタクトをとった。その人物がリディアン音楽院で流行っていた書物を、その組織へ見せたことで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 名前は確か、小日向未来だった……か?

 

 その少女の三人の友人もまた空太郎のことを覚えていたし、リディアン音楽院の生徒達や教師も覚えていた。

 

 さらに、彼に関わる商店街の人も覚えていたのだ。

 

 ゆえに、この書物を見たカルデア全員も思い出したのだ。

 

「なんで覚えていたのかの原因が()()とはねぇ……。芸術家たるワタシにも、これは……新しいね」

「まあ、その……なんだ。空太郎に、後でケアしてあげてね。いや、マジで

「そうだねぇ……」

 

 ダヴィンチちゃんは、手に持つ()()()を置いて、モニターに写る空太郎を見た。

 

 その目はかつて、人類史のために戦ってくれたマスターのときの目だ。

 

「……ギルガメッシュ王と、連絡とれた矢先、『良い催しだ。ぜひ、任せろ』と言って切られたけど……」

「……なんだろ。空太郎が自殺しそうな勢いのことが起きそうな気がしてならないのだが」

「奇遇だ、ゴッフくん。ワタシも()()するギルガメッシュ王のイメージが浮かぶんだが」

 

 その戦闘中、世界中に、薄い本がばら撒かれたというニュースが入り、藤丸空太郎は一躍有名人へとなった……。




藤丸空太郎

バイタル:最高潮
メンタル:最高潮

以降、観察は終了とする。……君にふさわしい相手になってきたとは思わないかね?

ーーーー

空太郎完全復活。以降、サーヴァントは選択自由になりました。

エネミー戦(百体)
・エネミーの数が30減れば勝利
・マスタースキル使用可能
・マシュが出撃してる場合、サーヴァント達に無敵追加
・開幕からバフ

『やるぞ!!』
・攻撃力、防御力、宝具威力アップ

『いくぞ!!』
・敵のHPダウン

ーーーー

完全復活した彼に敵などいない。もう止められないですよー。
なお、最後のやり取りですが、この章でもっともやりたかった愉悦の布石です(笑)

……もう予想はついているかもしれませんが、お楽しみを(ゲス顔)

次回、取り戻した矢先


———彼はこうして世界の有名人となった
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