Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———選ばないの?
———選べないんだ。失うのが怖いから

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「恋とは劇薬だ」

「毒にもなるし、薬にもなる」

「特に心の傷を負ったヤツなら尚更だ。人が願う気持ちが、癒し傷つける。まさに運任せの薬物投与だがな!!」
「アンデルセン殿。何を言ってるのだ?」
「オーディンエンスにわかりやすく説明してるのだ」




第五十三話 仮契約しようとしたら

 

 

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@月%日(月)

 

 イグナイトモジュールが完成した。これでオートスコアラー達に対抗できる。やったぜ!

 

 の束の間。なんか電力施設を襲撃されていた。S.O.N.Gのシステムってなんか、多くの電力施設から賄っていたらしく、それがなくなれば機能停止するらしい。

 

 これはヤバい。そう考えていたら、切歌と調が出撃していた!

 

 Linkerで適合率上げての出撃だが、ジョン博士や葡萄ジュース博士がいない以上、数に限りのあるものである。

 

……え? 合体したらよくねって?

 

……俺のメンタルがヤバくなるので却下。

 

 ただでさえ、なんかマシュもハーレム勧めるし、クリスがドMになるし、響も未来とセットの結婚願望が高いし!!

 

 これ以上、俺に背負えと?? この修羅場待ったなしハーレムで、さらにヒロイン増やせと!?

 

 無理だ。てか、年齢JCからJKになったばかりの少女に手を出せとかどうかしてるって。

 

 ナスターシャ教授にしばかれるって。

 

 だからノーサンキュー。……セレナさんの件で、マリアさんがお怒りなので、これ以上のトラブルはごめんだ。

 

 それに、別に合体しなくてもなんとかなりそうだ。

 

 特異点や異聞帯のときに、マシュの盾でカルデアへサーヴァントを喚ぶことをしていた。聖硝石と呼ばれるいかにもガチャ要素の石で、よくサーヴァントをカルデアへ招いたいた。

 

……なお、俺の場合はご覧の有り様。縁あるサーヴァントは呼べたが、それ以外は立香に招かれている。

 

 しかも、神霊レベルやラスボス系やら、強力なサーヴァントとか。……唯一、ラスボス系サーヴァントであるカーマだけがこちらに応えてくれたんだけどなぁ。

 

 あ。ポンコツだからか。最後の最後で詰めが甘いのでやらかしてるわけだし。

 

……まあ、それが可愛いのだけどね。彼女にスイーツ提供したら年相応の姿で喜ぶわけだし。

 

 さて、話を戻すがマシュの盾はサーヴァント召喚の要である。仮契約の際も、これを媒体にカルデア側のパスを繋げていることがある。

 

 なので、これを使って仮契約したら、装者の適合率が上がり、Linkerの負担が減るんじゃないのかというダヴィンチちゃんの見解である。

 

 本契約と違って、出力は弱いがそれでもLinkerで身体を痛めつけるよりもマシだ。

 

 ものは試しと今日行う予定だったが、切歌と調が勝手に出撃。マリアさんは、まだ自分のギアをエルフナインが修理してないし、現に響達のイグナイトモジュールで手が出せない状況。

 

 なので、彼女達が危ないので俺が出撃しようとしたら、響達に止められた。

 

 なんぞや、と聞くと響達と一緒に出撃してほしいとか。エルフナイン曰く、イグナイトモジュールは、かつて響が暴走した時と同じ破壊衝動を促す作用があり、それを防ぐために俺の魔力パスが必要らしい。

 

 なので、まず、まだ契約していないクリスや翼さんに仮契約を結んでほしいとか。

 

 了解したというわけで、俺はマシュと共に、仮契約のパスを繋げるために部屋に入りました。

 

 

 

 

 

———だまされました

 

 俺が入ったお部屋はDOMANが作った罠でした。前に響と入って、朝までフィーバーしちゃったお部屋でした!!

 

 あるぇー、仮契約は?

 

(次のページへ)

 

ーーーー

 

「つーか、なんでこの部屋残ってるの!? なんで残すの!?」

 

 と、空太郎がマシュに問いただすと、

 

「だって、先輩と繋がるために必要な部屋ですし

「破壊しろよォォォォォォ!! 繋げるとかそういうのは本人の意思とか確認しろよォォォォォォ!!」

 

 空太郎も、頭を抱えてツッコむ。

 

「覚悟はできている。……痛いのは慣れてる。ハァハァ」

「いや、お前のそれはただ性癖ぃ!! ただ、痛いのがほしいだけでしょ!?」

 

 クリスの謎の昂りにシャウトする空太郎。

 

 そんなとき、翼が肩を叩いて空太郎を落ち着かせる。

 

「案ずるな空太郎。別に雪音も悪気があって言ってるのではない。安心しろ」

「どこが!? むしろ、不安ばっかだしッ。つーか、なんで翼さんも、参加するの!? トップアーティストはマズイでしょ!!」

 

 空太郎の言葉に翼は深呼吸。彼女は覚悟を決めて一言。

 

「防人としてのケジメだ。……人想いやってくれ」

「重いわ!!」

 

 全くである。

 

「そんな神妙な面持ちでしないでくれよォォォォォォ!! 重いわ!! 防人の覚悟で、こんなとこ来ないで!! マシュの軽い気持ちを、重く受け止めないで!!」

「そんな……! 私の贖罪を奪うつもりなのか!?」

「いや、まだ気にしてたの翼さん!? もうかれこれ二週間経ってるよ!?」

「想いの強さに、時間は関係ない!!」

「それ主人公が言うセリフぅ! そして、使いどころ間違ってるぅ!」

 

 ラブコメで使うべきセリフが、ヒロインが言うし、この場で言うべきところではない。この防人はどこかズレてるのだろうか。

 

「つーか、出撃までに時間ないのに、ナニしようとしてるのさぁ!?」

「往生際が悪いですね」

 

 と言ってマシュに拘束され、空太郎はベッドに縛られた。

 

「やめて、酷いことするのでしょ!? ウス異本みたいに! ウス異本みたいに!」

「……いいな、それ」

「ズボンに手をかけないで!?」

 

 いや、ホント誰か助けてと願う空太郎!!

 

 そんなとき、彼女が現れた!!

 

「ちょっと! 聞いていたらナニしてるのよ!!」

「マリアさん!」

 

 ここでマリア参戦! 唯一の常識人が、空太郎を助けるためにやってきた。

 

「こんなときに合体なんてナニ考えてるのよ!」

「マリアさん、これは必要な合体なのです

「嘘つきなさい! 仮契約したらいいのでしょ!」

「バレましたか……!」

 

 マシュが悔しそうに歯を噛む。マリアが部屋に入り、装者二人に言う。

 

「貴女達も出るわよ。こんなことして強くなっても意味がないでしょう」

「だが、しかし」

「好きでもない男に抱かれて、大事なものを失うなんてダメよ。仮契約で満足してなさい」

「うっ、わかった」

 

 まるでお母さんのように、翼を諭すマリア。翼は焦っていたのだろう。周りが強く、己が置いてけぼりにされているのでないかと思っていた。

 

「クリスもこんなときにそんなことしないの」

「だけど……こうでもしないと、置いてかれそうなんだ」

「そう?」

「そうだよ……! マシュとあの馬鹿が一歩二歩リードされて、アタシなんか……アタシなんか」

「大丈夫よ」

 

 マリアは彼女を落ち着かせるために抱きしめる。

 

「マシュや立花響は優勢だけど、まだ貴女にもチャンスがあるのよ。貴女は魅力的な女の子なんだから自信を持ちなさい」

「マリア……」

「あと、マシュ。貴女も反省しなさい。空太郎はフラフラしてる優柔不断な男だけど、置いてけぼりにしない男よ」

「マリアさん……すみません。私、焦ってました」

 

 場をまとめ上げたマリア。三人を退出させ、残された空太郎に対してため息混じりで呟く。

 

「全く、貴方もいい加減誰か一人でも決めたらどうなの?」

「いやー、面目ない。俺って優柔不断なフラフラ男なので」

()()()()()()

 

 その言葉で空太郎のヘラヘラ顔が固まる。

 

「貴方は()()()()誰か好きになって、選んだけど、自分のこと忘れ去られるかもしれないと怖がってるだけよ

「あー……わかっちゃいます?」

 

 これには空太郎は観念した。

 

「……俺さ。マシュのことが好き()()()()()。けど、みんな俺のこと忘れちゃったじゃん。そしたら……怖くなってさ」

 

 ホントにそうだ。

 

 愛した人が。

 好きになった人が。

 親しい人が。

 

 誰もが平等に()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 大切な人や人理を救った代償に、自分の存在を失ったことで、忘れ去られたというトラウマが彼から()()()()を恐怖心で縛り付けられていた。

 

「だから、たぶん俺は……もう恋なんてしない。できないんだよなぁ」

 

 失うならばいっそ作らなければいい。少なくとも今のままでいい。そう思う気持ちがあった。

 

「……本音はそんなことね」

「一応、他にも理由あるよ? 普通に恋をして、普通に結婚して、普通に家族と暮らして、普通に死にたいという夢があるから

「絶対叶わない夢ね」

「まさかの否定!?」

「そりゃ、そうでしょ。こんなに慕われている女の子がいるのに、()()()()()()()

 

 マリアが空太郎の顔を近づけた。

 

「……近いです」

「あら、経験者なのに意外に初心なのね」

「そりゃ、こんな綺麗な人に顔を近づけられたら……」

「そう、ならこうしちゃうわね」

 

 そう言って、マリアが空太郎の唇を塞いだ。不意打ちに彼は固まり、唇が離れると悪戯が成功した女の子のようにマリアが笑う。

 

「貴方が思うままでいいのよ。勇気を出しなさい」

「え、あ、はい」

「誰かを不幸にしたら許さないのだから」

 

 彼女はそう言って退出した。残された空太郎は、マリアの唇の感触を思い出し、顔を赤くしたまま呟く。

 

「……はずかしいな。でも」

 

 だからこそ、前へ進もう。彼はそう決意して部屋から飛び出した。

 

 向かうはマシュの待つ仮契約の部屋。そこで、自分のできることをやっていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うぅ、私。なんであんなことを」

 

 飛び出したお部屋の近くで蹲るマリア。

 

「お、男の人に、き、きききキスしちゃった……! はじめてなのに、はじめなのにぃぃぃ〜」

 

 マリア・カデンツァヴナ・イヴ。内心では実はパニックになっていたポンコツお姉様である。

 





【忘却】という現象で、彼から恋愛を奪い、恐怖を与えました。
結果、彼は誰かと結ばれること(響のようなノリの合体は除く)で、失うのが怖くなっていました。結果、彼は恐怖して誰も結ばれないことを選んでいました。

とは言え、マリアさんが勇気を与えたので、前へ向くようになりましたが。

さて次回は、キャロル戦です。

———ここからが彼の本領(ボケ)の発揮です。キャロルよ、強く生きろ
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