Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア   作:ぼけなす

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———ガリィがいました。さてどうする?
———そうだ、麻婆ぶつけよう


第五十七話 ガリィ襲撃———麻婆はいかが?

ーーーー

 

 響達の熾烈な戦いはそれはとてもすごかった。

 

 緒川さんと通信していた翼さんも「くっ……なかなかどうして……ッ!タフなメニューの連続です……ッ!」と言うほど。

 

 確かにタフなメニューになってるよね、これ。

 

 ビーチバレーがガチの対戦へと変わってるし。

 

 主に響と翼さん、マリアさんのせいで。

 

 ビーチバレーって……あんなにスピンかかるものだったのかな?

 

 エルフナインちゃんが、泣き顔で震えているし。

 

「……すごいね」

「すごいなぁ」

 

 グルグル巻きにされて、隣で観戦してる私と空太郎さん。

 

「あんなビーチバレー見たことないよ」

「そうだな。あれほど見たことないな」

「……どこ見て言ってるの?」

「え、マリアさんの胸

 

……確かに揺れてるね。ムカつくほどに。というか、どこ見て言ってるの……!

 

「響達が必死でやってるのに……!」

「いやだって、あれほど揺れていたら……ブッ!?」

 

 ビーチバレーボールが、すごいスピンがかかって空太郎さんの顔面へシュート!!

 

 超エキサイティング!

 

「人が必死こいてやってるのに、他の女を下品な目で見てんじゃねぇ!!」

 

 クリスちゃんがやったんだね、あのサーブ。というか、クリスちゃんってあんなに運動神経がよかったんだっけ?

 

「つーか、スゲェな魔力強化ってヤツ」

「私が教えた魔術をもう使いこなしているとは、さすがですね」

 

 そういえば、確か響達がマシュさんに強化魔術をレクチャーされていたらしい。

 

「これってアタシが空太郎とパスが完全に繋がってるからか?」

「そうですね。デミサーヴァントや擬似サーヴァント。特に身体が霊体じゃない私達は、マスターの一部を身体に取り込むことで、強力なパスを繋げることができます。サーヴァントと違って、私の盾で仮契約したときよりも、魔力の循環力が変わっていますし、私や響さん、クリスさんはより強力な魔力放出を使えるようになってます」

「へーそうなんだ。だから、アタシのサーブが殺人レベルまでなってやがるのか」

 

 すごいなー……って!

 

「それを空太郎さんに使ったの!?」

「大丈夫だろ。アイツ頑丈だし」

「はい、先輩はあれくらい平気です。ガッツありますから!」

 

 いや、あんなサーブ受けたらさすがに……あ。なんか浮いてる。めちゃ溺れかけてるし。

 

「というか、助けてあげなきゃ!」

「ハッ! つまり溺れかけてる空太郎さんを助けることで合法的なキッスを!

「その役目は私が!」

「いや、アタシがやるよ。任せろ」

「待ちなさい。邪な気持ちでそんなことしちゃダメよ。ここは私が」

 

 どの人も欲望全開ですよね!?

 

 てか、空太郎さん。縛られたままで、泳いでる!?

 

「スゲェなアイツ。縛られたままで泳いでるし」

「あ、何かにぶつかってまた溺れてる」

「呑気に見てないで助けてあげてよ……」

 

 そう言うと翼さんが海へ飛び込み、空太郎さんと誰かを引き上げてきた。

 

 え、この人……って。

 

「ドクター!? え、ドクタージョン!?」

「キャスターのジョンさんが土左衛門に!!」

 

 生きてたよこの人! なんか白目剥きながら「スイーツを……パフェをォォォ……」とか呟いてるし。

 

「……魔力切れ寸前ですね。とりあえず、マスター。仮契約で繋いであげては?」

「いいよー。まぁ、コイツに聞きたいことあるし」

 

 そうだった。マリアさんにとって、セレナさんが裏切った理由を知る重要人物。是が是非とも聞きたいだろう。

 

「うむ、なかなか充実した特訓であったな。人を担いで水泳とは、良い!」

「それ本気で言ってるんすか……」

「充実も充実ッ! おかげでお腹が空いてきたと思いません?」

「いつもお腹空いてるんですね……」

「だとすれば やる事はひとつ」

 

 その前に腹ごしらえ。そのためにジャンケンしていくみんな。翼さんはなんか変なチョキ出してるし。

 

「変ではないッ! かっこいいチョキだッ!」

「それ巷では霊弾と呼ばれるチョキですぜ、翼さん

「ホントか!? やはりカッコいいチョキなんだな!?」

「うん、主に小学生がするチョキなので、大学生がしたらちょっと……

「空太郎!? 私が恥ずかしい女と言いたいの!?」

 

 いや、そのチョキ。はっきり言ってダサいですし(偏見)

 

「とりあえず、負けた人らは行った行った。好きなもの買ってこいべー」

「好きなものばかりじゃなくて、塩分とミネラルを補給できるものもね」

 

 空太郎さんが負けた翼さん、切歌ちゃん、調ちゃんにお金を渡していく。不機嫌な翼さんに、マリアさんが自分のサングラスをかけてあげた。

 

「人気者にはこれが必要、ね」

「……まるでお母さんみたいなことを」

「母さん、パチンコ行ってきていい?」

「お母さんじゃないわよ。てか、空太郎。貴方はダメな夫みたいなこと言うんじゃありません。パチンコしたことないでしょ」

「それもそうだったわ」

 

 などとふざけながら、翼さん達とガヴェインさんで、買い出しへ向かった。残された私はふと空太郎さんに尋ねた。

 

「あれ? なんでガヴェインさんも?」

「一応、護衛的な感じで。力仕事にもってこいの人材でしょ」

「ふーん。てっきり空太郎さんかなと思った。気配りできる人だと思ってたのに」

「まぁ、やろうかなと思ったよ。でもな。ちょっと気になったことがあってな」

 

 海へ視線を向けた空太郎さん。……何かあるのかな。

 

「出てこいよ。()()()()()()()()()()()()()()がそうじゃないだろ」

「……あれま、バレてた?」

 

 水が上がっていき、一人の人形が出てきた。あの子は……ガリィ!!

 

「夏の想い出作りは充分かしら?」

「なわけねぇだろッ!」

「真夏の麻婆はいかがかね?」

「「いらねぇよ!!」」

 

 そこで麻婆をチョイスとは、空太郎さんもなかなかやる。

 

「久しぶりね。元気だったかしら」

「そりゃまあ、元気だった。クリスとハッスルしてくるくらいに」

「昼間っから何言ってやがる!!」

「……女の子の前でそんなこと言ってていいの?」

「安心しろ。お前を女として見てないから」

「ムカつく!」

 

 すごいね。こんなときでも、ガリィを煽っていくなんて。

 

「とりあえず、遊びましょ。こんなところで、呑気にしてないでさぁ!!」

 

 彼女はノイズを出していく。クリスと響がシンフォギアを纏い、ノイズを殲滅していく。私はマリアさんに連れられ、この場から逃げていく。

 

「逃げるっての? ハハ、ざまぁないわね!」

「いや、頭にワカメ乗っけたお前が言っても

「うるさいわよ! こちとらお前らがキャキャウフフしてるときに待機してたのよ!」

「え、つまり何か。出番が来るまでスタンバイしてたってこと? うわぁ……恥ずかしいなオイ」

「よし空太郎! お前はとりあえず、始末する!」

 

 と言って空太郎さんを追いかけるガリィ。空太郎さんは「ハッハッハッ、捕まえてごらーん」と言って逃げていき、ガリィは「待てやゴルァァァァァァ!」とガチギレしていた。

 

 なんだろ、あの殺伐してるカップルみたいなやり取り。

 

「あ、あれが伝説の水辺のカップル! 羨ましいわ」

「いや、マリアさん。どちらかと言えばトムとジェリーなんですけど

 

 仲良く喧嘩しなさいと言わんばかりに攻撃していくガリィ。空太郎さんは笑いながらなんか、こっちに向かってきた……!?

 

「ハッハッハッ。てか、もう無理ィィィィィィ! さすがにこれはずっとは無理ィィィィィィ!」

「なんでこちらに向かってくるのですか!?」

「森に逃げたいの! 逃げて木に隠れたいの!」

「隠れられるわけじゃないよね!?」

 

 絶対見つかるって。ガリィも「キシャァァァァァ!」と人の言葉を忘れながら来てるし!

 

「仕方ないわね」

 

 ここで頼れるお姉さん、マリアさんが動いた。

 

「さぁ、見せてあげる新生アガートラム……あら?」

 

 え、もしかして。

 

「……ギア。忘れてきたわ」

「ちょっとォォォォォォ!?」

「し、仕方がないじゃない! 日焼け止めしてたら、跡がつくのが嫌だったからつい外しちゃったのよ!」

「ここでポンコツを発揮しないでくださいよポンコツリアさん!」

「ポンコツリア!?」

 

 思わず新たな呼び名を使ってしまった。言い過ぎかもしれないが、肝心なときに限ってドジっ子を出す人なんてこれで充分です!!

 

「大丈夫だって。ポンコツでもマリアさんなら、萌え要素の一つとして見られるから

「うれしくないわよ! というか、ポンコツって何よ! 私のどこがポンコツなのよ!」

「え、だって三日前くらいに購入した洋服に、未だにタグついてるし

「言ってよ! 恥ずかしいわ……!」

 

 羞恥で赤く染まるマリアさん。……可愛い。

 

「プークスクス! まさか、外れ装者じゃなくてポンコツ装者だったとか、ウケるんですけどー!!

「う、うっさいわね! 性悪のくせにバーカバーカ!」

「ヤベェ、マリアさんがテンパって幼児レベルの罵倒になってる」

 

 そりゃそうだ。敵にすら笑われるなんて。

 

「マリアさーん! ギアでーす!!」

「エルフナイン!」

 

 エルフナインちゃんがギアを持って走ってきた!!

 

「させるか! くら、」

「麻婆はいかが?」

「ぎにゃあァァァァァ!? また視界がァァァァァ、あたしの目がァァァァァ!?」

 

 また麻婆をスパーキィンされるガリィ。視界が麻婆によって麻痺してるそうだ。人形なのに……。

 

 エルフナインちゃんがギアを投げ渡し、マリアさんはシンフォギアを纏い始めた。

 

「銀の……左腕……ッ!?」

 

 辛うじて目を開けて戦慄するガリィ。私も同じだ。

 

「マリアさん、それは……ッ!?」

「新生アガートラームです。これまでのギアをコンバートして、マリアさん専用となったシンフォギアです!!」

 

 エルフナインちゃんの力強い言葉と共にマリアさんのアッパーカットがガリィを打ち上げた。

 

……人形とは言え、女の子をぶん殴ってるようで、なんか絵面がヤバいけど。

 

「さぁ、覚悟なさい! アガートラムの力見せてあげるわ!」

「とりあえず、マリアさん。一言いい?」

「何かしら」

「二十代のお姉さんがそんな格好して恥ずかしくないのですか?」

「それ今言わないで!? 関係ないでしょ!?」

「魔法少女の寿命は中三までって決まってますよ?」

「関係ないわよ! 女はいつだって心が十七であれば十七歳よ!!

「いや、それ明らかに年増の考え方……」

 

 ザクッ。プシャー。

 

「今すぐ黙りなさい」

「サーイエッサー」

 

 空太郎さんの額にナイフが!! スプラッタな光景が広がってるんですけど!?

 

 というか、刺されてなんで生きてるのこの人!?

 

「いや、だって宇宙船に轢かれても生きてたし、俺

「頑丈過ぎません!? そのうちトラックに轢かれてもピンピンしてません!?」

よく知ってるな。ついでにランサーも轢かれた事件のことを」

「クー・フーリンさん見かけないと思ってたら、そういうことなの!?」

 

 なんか最近見かけないなー、と思ってたクー・フーリンさんがトラック事故で入院していたらしい。……あの人が死にかけてるのに、なんで空太郎さんは平気なのか。

 

 この人、ホントに人間なのかな。

 

「それを言ったら、弦十郎さんだって、拳と掌底で岩や爆風を吹き飛ばしてるんだけど。あと、緒川さんも車で分身したりしてる件なのだが

「私の周りの男性ってもしかして普通の人いないの!?」

 

 なんてことだ。私の周りに一般的な男性がいない……!

 

 藤堯さんしかいないの!?

 

 そうこうしていたら、マリアさんがイグナイトモジュールを使用し始めていた。……でも、なんか黒く染まっているような、まるで響が暴走していたときのような、そんな感じが。

 

「あらら……獣へと堕ちやがった」

 

 失敗したんだ……!

 

 今のマリアさんは暴走状態なんだ!

 

 暴走したマリアさんは、ガリィへ見境なしに攻撃していく。

 

「いやいや こんな無理くりなんかでなく……歌ってみせなよ。アイドル大統領ッ!!」

「違う! アイドル大総統(笑)だ!!」

「どういう意味!?」

 

 ここで空太郎さんがボケながら、ガンド! ガリィの動きを止めようとした。

 

 しかし、それは水の幻影だった。今度はガリィが、空太郎さんへハイキックしていった。

 

 木にぶつかり、痛みで歯を食いしばる空太郎さん。そして、マリアさんがここぞとばかりにガリィへ攻撃していくが、逆に顔を掴まれて、地面に叩きつけられた!

 

 打ち捨てられていくマリアさんの変身は解けてしまい、ガリィはガッカリとばかりにため息を吐いた。

 

「外れ装者にはガッカリよ」

「あら、じゃあ。私も参加させてもらおうかしら」

 

 ここで現れたのは空太郎さんのサーヴァント、ラムダさんだった!

 

 メルトと空太郎さんは呼ぶけど、本人が否定しているので、ラムダさんと呼ぶことにする。

 

「まぁた、変なのがやってきた」

「失礼ね。私のどこが変なのよ」

「フィギュアスケーターのつもりの格好している人が、いきなり戦いに参加しましょうなんて、どうかしてるでしょ」

「クスッ、そうね。なら、こうしてあげる

 

 ラムダさんの合図ともに、どこからか津波が襲ってきた。木のある森が一瞬で木のある海へ変貌していった!

 

 なお、私とエルフナインちゃん、マリアさんは、空太郎さんが用意していた浮き輪で事なきを得た。

 

「いきなり水ステージするのは酷くね? 危うくみんなが溺れるところだったよ」

「別にいいじゃない。私以外の女がここで沈むなんて所詮その程度ってことでしょ」

「ひでぇーな」

「じゃ、そんな酷い女との踊りは嫌かしら?」

「まさかー。……ちょうどいい感じで、頭がスッキリしたよ」

 

 空太郎さんが「よっこらせ」と言いながら器用に浮き輪の上に立っていた。どうやってやってるのそれ。

 

「ハンッ。踊りだがなんだか知らないけど、あたしのスケートが上ってことを教えてやるよ!」

「お生憎様。ギャラリーがいる前で、私が一番ってことを教えてあげる!」

 

 ラムダさんとガリィさんがぶつかる。水と水。スケーターとスケーター。同属性の二人がぶつかっていった。

 

 




ガリィ戦(ランサー)
ギミック:水辺フィールド
・サーヴァントはサポートのみ出撃。ラムダリリスのみ
・ワンブレイクで勝利
・ブレイク後、麻婆ノイズが出現するが、その時点で強制終了

ーーーー

そういえば、ラムダもといメルトとガリィってフィギュアスケートみたいに動きますねーと思って、メルトを参戦させました。性悪でも、麻婆には勝てぬのだ。結局、敵でも麻婆が出るけど。

さて次回はマリアさん成長回。

———そういえば、地雷(愉悦)。まだあったよね
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