Fate/grand order 絶唱魔性戦記シンフォギア 作:ぼけなす
———罪悪感。ゆえに彼女は忘却と破滅を求めるのさ
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人理焼却、人理漂白。特異点と異聞帯を攻略した私達は、多少ある微小特異点を解決する日々を過ごしていた。
大きな戦いで起きたことで、まだ世界が不安定であること、それによってまた大きな特異点が起きる可能性があるとダ・ヴィンチちゃんが言っていた。
まだまだ私の戦いは終わらない。世界は救われても予断は許されなかった。
おそらく、私はこれからもカルデアで働いていくんだろうなぁ。なにせ、普通の社会に魔術やサーヴァントなんていない。
政府非公開とは言え、この力が世に明かされたら、神秘の秘匿が破綻するし。
両親には悪いと思う。結婚して、普通の家庭ができないってことは明らかだし、何よりマシュって言う女の子と関係持ったし。
女の子が女の子とくっつくのはおかしい?
貴公たちにはキマシタワーという言葉を送ろう。
『ほむまど』及び『さやきょう』は至高なり。マミさん?
公式漫画では三十代でボッチ道貫いてるからねぇ……。
それはさておき、私は最近、カルデアを過ごしていくうちに違和感を覚え始めていた。
カルデアには
だけど、何か違う気がした。だって、みんなマスターのことを想って寂しそうな顔をしていもの。
きっと、私の知らないマスターのことを想っているに違いない。だから、私は見て見ぬフリをした。
だって、彼ら彼女達にとって大切な思い出なのだから。
それに踏み込むのはいけない。
忘却補正持ちのみんなは、そんな私を静かに見守ってくれたけど、なんで何も言ってくれないのかわからない。
そんなある日、黒いフードで全身を隠した女性が現れた。その女性は、私の知ってる人に似ていたけど、見るからに敵だとわかった。
「誰なの」
「あなたに伝えることがあります」
彼女はそう言って、私に日記帳を渡してきた。…………『ぱーとつー 異世界編』?
一冊目があったのかな。そう思って手をとった。
とった瞬間、理解した。
兄がいた。理想がいた。世界に消された少年がいた。
『悪い、立香。後は頼むわー』
『これをどうにかしないとさ。なんか、ヤッベェし。それに……みんな救えないだろ?』
彼はそう言って光の向こうにいる敵と戦い、忘れ去れた。ノイズ塗れの最終決戦の記憶、私は……私達は彼と共に戦っていたんだ。
そして、私は狂っていた。狂い、物事を全て愉しむ人の形をした悪魔だったんだ。
「私、なんで、こんな……あ、う、いやァァァァァ!!」
叫ぶしかなかった。悲鳴をあげるしかなかった。
これまで歩んできた特異点、異聞帯でも私は効率重視で非人道な手段を行おうとしていた。
それを止めてくれたのは彼……兄だった。
「私は……【私】、じゃない……?」
気づいてみればそうだ。何せ、私はこれまで無意識のうちに相手の動きに対処していた。
普通ではあり得ないほど知識を、瞬時に出せていた。
それはなぜか?
簡単な話だ。
本当の両親は優しくない/むしろ道具だ
本当の両親は厳しい/むしろ人として見ていない
だったら……私の……私の知る両親って……。そう思って、連絡をとった。
私と両親って血が繋がっているかどうか。親や兄弟がいないのか。
そう聞くと、彼らは、
『あら? 血は繋がってないけど、娘は
それを聞いた瞬間、私の力が抜けた。私は……私の人格は贋物だったの?
私は今度は、黒いローブの女性を疑いにかかった。彼女が言うことは出鱈目だ。
きっと、そうに違いない。私は確認がてら、サーヴァントに聞いてみた。
私に兄なんていたのか、と。大半は違うと答えた。
そうだ、それが正解だ。そう思っていた。
「マスター……すみません。兄がいたのは、本当です」
「ハハハ、ポルクス。嘘が上手いなぁ。私に兄なんていないってみんな言ってたよ?」
「貴様、我が妹が嘘を言うと思ってるのか?」
「いやいや、カストロ。だってそうでしょ。そうじゃなきゃ、私って何? 今の私ってなんなのさ」
「マスター……」
「……人間」
「ねぇ、なんでそんな顔するの。私は私だよ。兄なんていない。いないんだって……!!」
認めたくない。狂った私と兄の存在を。
でないと私は……!
「人間、これだけは言ってやる。貴様に兄がいた」
「嘘だ」
「貴様の兄はその身を犠牲に、この世界と貴様らを救った」
「嘘だって」
「……我らだけでない。アヴェンジャークラスや忘却補正持ちはみんな覚えて」
「嘘だって言ってるでしょ!!」
私はカストロにあたった。だって、そうしなきゃ、私という存在が嘘になる。
嘘という存在が、本来いるはずである人の居場所に居座っている。
そんなのあんまりだ。そんなの認められるはずがない!
そんなの……。
「私が…………悪魔ってことじゃん」
言ってしまえばそうなのだ。
マシュと結ばれたのも、きっと違う。彼女が見ていたのは、消えた兄———藤丸空太郎のこと。
カルデアのみんなの信頼も、きっと私じゃない。彼ら彼女達が信じてたのは、消えた兄のこと。
…………だから、私は図々しくも居座る寄生虫なのだ。
私は部屋に戻り、女性になぜこの信じるを打ち明けたのか問う。彼女の目的は、
消えた少年がいたことを。世界のために戦ってくれた少年がいたことを。
私はそれを聞いた瞬間、自身の愚かさに気づいてしまった。吐き気と視界が白黒へと変わる。
激しい自己嫌悪と自傷行為。
自身で命を絶つことを考えるほど、私の心はズタズタになったこだ。
女性が消えた後、私は命を絶つためにリストカットした。……けど、ダメ。リストカットしたところが、魔術で治癒されていた。
私の身体は
記憶を無くす前の私がセットした魔術だ。暗示の一つで、死のうとすることを拒絶されるようになっている。
首を吊ろうとしても、首を斬ろうとしても、包丁で腹部を刺そうとしても。
リストカットを何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もしても、私の身体が邪魔をする。
「こんなのって……あんまりだよ」
最低最悪な人間が生き残るって、理不尽だ。私は私を許せない。死にたい……。
数日後、女性は再び現れた。彼女は言う、「彼を救いたくないですか」と。
どこから聞いても、罠だ。乗るべきでは提案。
けれど、もう私は
だって、この数日、ずっと死ぬことしかしていない。
リストカットは当たり前。縄で吊ることも日課の一つ。
カルデアのメンバーの前では明るい立香ちゃんを演じていたけど、それほどまでに……思い詰めていた。
そんな私に、彼女は提案したのだ。
「多元宇宙の先の世界にいきませんか」、と。
それは多次元宇宙……所謂、異世界だった。
この世界とは違った発展を遂げたもう一つの世界。異聞帯とは違い、世界から認められ、私達の世界のように同じく剪定されることなく、発展していった世界だった。
その世界は私や兄、アレックスが行っていた世界のようだ。その世界に兄が……兄が再び現れようとしていた。
もう一度、藤丸空太郎に……お兄ちゃんに会える。会わなくちゃいけない……。
私がその提案に乗ると、私と私が契約しているサーヴァント共にどこかへ転移させられた。
そして、そこで会ったのがキャロルちゃん。
父親の願いを歪曲して、奇跡に復讐する女の子。
私と彼女は最初、敵対していた。いきなり攻撃をしかけられ、サーヴァント達が守ってくれるという形でなんとかなった。
攻撃されるのも、当然だ。突然現れた相手を信用するのは無理な話だし。
でも、私の目を見て彼女は提案してきた。
———一緒に世界を分解しないか、って。
私の目がそれほどにまで酷かったのかな。もちろん、断ろうかと思ったけど……でも、私はもう
だって、私がしてきたことは、許されないことだ。存在してはいけないと思っていた。
だから……私はこの世界の敵となろうと思った。
私のサーヴァント達は反対してくる人がいたが、その人を私は令呪で動きを止めて閉じ込めた。そして、キャロルちゃんから、ファウストローブを貰い受け、それを使用することにした。
このローブは私にとって、神からの贈り物と思えた。その力も、評価できるものだけど、何よりよかったのは使用するために
これさえ、あれば私は……。
だから、私はこの身に悪魔を纏う。
全てを消すために……。全てを無くすため……。
そう思ったからこそ、私はサーヴァントをあまり指示を出すことなく、一人でお兄ちゃんの前に立ちはだかろうとした。
もう私は止まらないし、止められない。世界の敵として、君臨し、罪人として処断されるのもよし。
だから、お願いね……お兄ちゃん、マシュ。
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全てを話した立香さんは、息を吐いた。
長い……とても長い心の叫びでした。
「ねぇ、お兄ちゃん……お願いがあるんだ」
立香さんは……。
「私を」
死んだ目で。
「どうか」
自身の願望を。
「
吐き出して、こちらへ攻めてきた。
ファウストローブを使ってくる立香さんに、先輩は慌てたように私に指示を出した。
「マシュ! アイツにこれ以上、アレを使わせるな!」
「どういうことですかっ」
「あれは思い出を燃料に発動するんだ。だから、使い続ければいずれ、立香は
ッッ! それは先輩達との思い出全てを!
「なんで……なんで使うことを躊躇わないのですか!? そんなことしたら……!」
「それがアイツの目的だ!」
どういうことですか!?
ファウストローブのデメリットが、目的って……!
「おそらくアイツは……
消えたい……って。
「使用するデメリット———そう、思い出の焼却だ。思い出を削る———つまり、記憶を犠牲にすることで、立香は何もかも忘れ去って、
元の立香さん……狂気的な女の子に戻りたいんですか!?
「そんな馬鹿なことを!」
「あぁ、馬鹿馬鹿しいことだ! でも、それほどアイツは追い詰められていたんだ!」
先輩が苦虫を噛んだ表情で続けた。
「アイツは……心の成長をしていない普通の女の子だったんだ……! だから、罪悪感と重責で参ってるんだ……」
「……そんな」
「本当だよ。それにもし仮に元の立香へ戻れなかったとしても、今の立香は自分が消えてくれれば、よかった、って考えてるんだ!」
初期化された私……何もかも忘れ去ったことで、浄化してくれる。
そう言わんばかりに、彼女はファウストローブを身に纏い、使う。
ファウストローブで、記憶を焼却し切って、何もかも忘れ去った自分になれたら、それでよかったと言わんばかりに。
「俺の責任だ。普通の女の子に背負わせるものじゃなかったんだ……!」と先輩は後悔を口に出す。そんな先輩に気にせず、立香さんは微笑む。
「そうだよ———私は死にたかった、この世から消えたかった。私を消すことで、お兄ちゃんが再び世界の一員になってくれたら……そんな願いで私はここに立っている。
…………これが、私の気持ち。
普通の女の子として、お兄ちゃんに報いるためのたった一つの方法なんだ」
絶望した目で答える立香さん。狂った微笑みを向ける。
そんな……そんなことって!!
「だから、止めるぞ。
先輩は全力で挑もうとしている。大切な家族を……自身が背負わせた罪を祓うために。
サーヴァント達の支援なしの、立香さんはただ一人。でも……それでも、かなり強い。
サーヴァントを召喚する彼に、私は力強く答えた。
「やりましょう……! 私達の手で!!」
やり残しの精算……先輩のやり残しを払う戦いが始まる……。
ーー魔術師展開ーー
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名前 藤丸立香
クラス:キャスター
属性:人、魔術師、神性
説明:
・ターンリミット有り(五ターン)、ターン以内に終わらなければ敗北。そのため、全て一撃必殺級の宝具を連発しなければ、ターンリミットで敗北してしまう
・三ブレイク性、確率でサーヴァント出現
・立香に確率に無敵付与、確率で即死が発動(自身が相手かは完全ランダム)
・二ブレイク後、宝具(仮)を使ってくる。この即死攻撃は確率がない確定のため、ガッツ等がないと全滅する可能性がある。最悪、令呪を使って復活させていくしかない。
・
戦闘:
『終わらせて……』
・確率で無敵、即死を付与。(即死のみ自身か相手かはランダム)
『これが……私の気持ち』
・二ブレイク後、宝具発動
『
・相手に即死付与、味方サーヴァントのダメージカット、防御アップ、宝具アップ、チャージマックス付与。自身の防御力大ダウン。
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今回の勝利条件は、藤丸立香の忘却行為を止めることのため、ターン制限があります。なので、超ベリーハードのクエストとなっていますねぇ(遠い目)
さて、次回。ラストスパート
———これは、精算の物語。そして、それが今、終わる