幼なじミーク 作:アオ
お兄さんは公園に来なくなった。
いつも決まった時間に来てくれるはずのお兄さんは、そのまま姿を見せてくれることはなかった。
その日、私はお兄さんが引っ越して行ったのだと悟った。
お兄さんと約束を交わして、すぐのことだった。
「……お兄さん」
(今日から、しばらく会えないんだ……寂しいけど、私……頑張るから……!)
覚悟していたことだったから、すぐに気持ちを切り替えることが出来た。
もちろん、お兄さんと会えなくなったことはショックだったけど。
もう一度会う為に、トレセン学園を目指して頑張ると決めたから。
(お兄さんから教えてもらったことを……全部、思い出しながら……!)
私は誰もいない公園でただ一人、黙々と走り続けた。
でも、お兄さんと出会う前のような、ただ漠然と走ることはしない。
常にお兄さんから教わったアドバイスを思い出しながら。
どうすれば速く走れるのか。どうすれば長く走り続けることが出来るのか。
頭と体を両方とも最大限使いながら、更に実力を伸ばすことを追求した。
「はぁっ……はぁっ……」
(……応援がないって、こんなに辛いんだ)
昨日までなら、私が走り終えるたびにお兄さんが声をかけてくれた。
沢山褒めてくれて、沢山慰めてくれた。
けれど、これからは一人で頑張らないといけない。
誰も応援してくれないし、誰も支えてくれない。
「……っ!」
(それでも、やってみせる……! お兄さんと、会う為に……!)
お兄さんとの約束を胸に、私は心を締めつける孤独感に抗った。
こんなところで挫けていては、トレセン学園なんて……夢のまた夢だから。
お兄さんに頼り切りの状況では、頂点なんて……絶対に目指せないから。
「はぁはぁ……!」
(約束を、果たさなきゃ……!)
●
「はっはっ……!」
「凄い! また記録更新よ!」
「私、もうミークに追いつけないかも……」
「昔はビリだったのに、今じゃ安定してトップだもんね……」
「私も見習わなきゃ……」
「ふぅ……」
「お疲れ様! 記録更新おめでとう!」
「……うん」
「私もミークみたいに速く走れたらなぁ……」
「…………」
(……記録更新? これくらいじゃ、更新の内に入らない……)
私が一人でトレーニングするようになってから。
相変わらず、学校ではトップを維持出来るようになっていたけれど。
周りのクラスメイト達からも、ずっと持ち上げられていたけれど。
(お兄さんに見てもらっていた時と比べて、伸び悩んでる……)
私は、私だけは、確かに実感していた。
お兄さんのアドバイスなしでは。
お兄さんから過去に教わったことだけでは。
記憶だけを頼りにしている状況では。
今までの結果を維持することは出来ても……そこから先へ進めないことを。
「……っ」
「ミークちゃん?」
「……なんでもない」
(このままじゃ、ダメ……お兄さんから教わったことを思い出すだけじゃなくて……
復習はもちろん大事だけど、それだけでは成績を伸ばせない。
そこから更に、新しい知識を得ることも必要になる。
つまり、お兄さんからのアドバイスを思い出しつつ。
実力を伸ばす為の方法を、自力で考えなければならない。
速く走るイメージを、自力で掴まなければならない。
「……やり方を変えなきゃ」
(今の私には、頼れるのは……
●
「ミーク……最近の貴女、凄く頑張ってるわね」
「……うん」
「校内レースでは常にトップだし、学校の成績も申し分ない。私、ミークのことを誤解していたわ」
「…………」
「貴女は晩成型だったのね。道理で今まで結果が出なかった訳よ」
「むん……」
(……違う。私が実力を伸ばせたのは、お兄さんのお陰)
「この調子なら、トレセン学園への入学も夢じゃないわ。頑張りなさい」
「……分かってる」
(やっぱり……褒められても、あまり嬉しくない……)
学校の人々だけでなく、お母さんからも褒められることが多くなった。
今まではずっと、叱られ続けてきたけれど。
お兄さんと出会ってからは、むしろ褒められたことしか記憶にない。
でも、今の私にとって……お兄さん以外の人からの祝福は、どうでも良かった。
私が褒めてもらいたいのは、お兄さんだけだから。
お兄さんに褒めてもらえた時だけ、私の心は揺れ動く。
「…………」
(晩成型、か……お母さん、やっぱり私のこと……分かってない……)
お兄さんからアドバイスをもらった時から、私の実力はメキメキと伸び始めた。
逆に言えば、お兄さんと出会っていなければ……私はきっと、今でも周りより遅れていたと思う。
そして、お兄さんがいない今……油断すれば、きっとすぐにでも周りに追いつかれてしまう。
そうならないように、私は自力で頑張り続けなければならない。
お兄さんから教わったことを活かし、トップを走り続けることが出来るように。
●
「……っ!」
「なっ……が、学校史上初の記録……!?」
「す、凄い……!」
「あんなに速いウマ娘がいたなんて……!」
「ふぅ……」
(……よし。この前、時間をかけて掴んだイメージ……ちゃんと反映出来てる……!)
お兄さんと会えなくなって、数年の月日が流れた。
私はいつしか中学生になって、周りの人のレベルも上がったけれど。
それでも私は、ずっとトップを維持し続けてきた。
「ねぇねぇ! どうやったらあんなに素早く走れるの!?」
「……練習あるのみ」
「練習って……並大抵のものじゃないよね?」
「あれほどの実力なら、きっと凄い特訓を……」
「……特訓かどうかは知らないけど、一生懸命頑張ってきた。でも、油断は出来ない……」
「うわっ、ストイック……」
お兄さんのアドバイスを活かしつつ、自力でトレーニングを続けてきて、分かったことがある。
私はイメージを掴むまでは、中々良い結果が出ないけれど。
一度イメージを掴んでしまえば、頭で思い描いた通りの動きを体で再現出来る。
そのイメージが完成するまでが長いけど、完成してしまえばこちらのもの。
そこに、お兄さんから教わった知識をかけ合わせれば……よりイメージを掴みやすくなる。
それに気づいてから、私は自分でも驚くほどに実力を伸ばすことが出来た。
(……全部、お兄さんのお陰)
自力でイメージを掴むのは、決して簡単ではないけれど。
お兄さんがずっと、私のことを見ていてくれたから。
それが今、一人で頑張れるだけの力に繋がっている。
(この調子なら……絶対に、いける……トレセン学園まで、後少し……!)
それからも、私はただひたすら……頑張り続けた。
大好きなお兄さんと再会する為。
その想いだけを胸に、ずっと一人で努力を続けた。
寂しくて、泣いてしまいそうになることもあった。
スランプに陥って、挫けてしまいそうになることもあった。
でも、そのたびにお兄さんと交わした約束を思い出して。
弱っていく自分の心に喝を入れて。
絶対に、トレセン学園に入学すると心の中で何度も宣言して。
私は三年間、歯を食いしばって耐え続けた。
お兄さんに会えない辛さを、寂しさを、その全てをトレーニングにぶつけた。
そして、私の努力は実を結び……ついに、待ち望んでいた日がやって来る。
「……ここが、トレセン学園」
(長かった……本当に、長かった……)
私は見事、トレセン学園への入学を勝ち取ることが出来た。
筆記試験や面接はもちろん、一番力を入れたのは……当然、レース。
これで失敗すれば、二度とお兄さんに会えなくなるかもしれない。
その思いと覚悟のお陰で、私は実力以上の力を発揮することが出来た。
「お兄さんも……ここにいる、よね……?」
合格通知が届いた時、両親が大喜びする中……私だけは冷静だった。
なぜなら、絶対に合格出来たという自信があったから。
かつての私からは想像もつかないほど、自分の実力を信じていた。
お兄さんが信じてくれた私を信じていたからこそ、今まで頑張ってこられたから。
「……っ!」
正門をくぐった瞬間、私は駆け出していた。
すぐにでも、お兄さんと会いたかったから。
約束を守ったことを。ここまで頑張ってきたことを。
沢山、沢山……褒めてもらいたかったから。
(お兄さん……お兄さん……!)
事前に貰った地図を確認しながら、私は学園中を探し回った。
途中で先輩や同級生とすれ違ったけど、会話をしている時間さえ惜しかった。
心の中で『挨拶もせずにごめんなさい』と言いながらも、私は必死にお兄さんを探した。
(どこ……!? どこにいるの……!?)
けれど、探しても探しても……お兄さんは見つからなかった。
男性トレーナーを見かけるたびに、ついに見つけたと期待が膨らんで。
その人が別人だと分かるたびに、期待が外れて落ち込んで。
それでも、私はめげずにお兄さんを探し続けた。
「はぁはぁ……」
(どう、して……)
広い学園中を全て回ったにもかかわらず、お兄さんは見つからなかった。
どれだけ探しても、それらしい人は全く見つからなかった。
私の心の中を、絶望と孤独感が支配していく。
(お兄さんは……合格、出来なかったの……? 約束、守ってくれなかったの……?)
私はお兄さんと会えないショックで、これまで我慢してきた涙が溢れ出そうになった。
ずっと、再会出来ると信じて頑張ってきたのに。
お兄さんに会う為だけに、トレセン学園を目指して努力してきたのに。
肝心のお兄さんがいないのでは、私の努力は全て徒労に終わってしまう。
いや、努力が無駄になるのは構わない。お兄さんと再会さえ出来るなら。
でも、いくら私がここで頑張っても……お兄さんがいないなら、なんの意味もない。
「…………」
私はその場に座り込んだ。そして、そのまま立ち上がれなくなった。
ここに来れば、お兄さんと再会出来ると信じていたのに。
ここに来れば、お兄さんが出迎えてくれると信じていたのに。
私が寂しさのあまり、数年振りの涙を流そうとした……その時だった。
「約束しただろ? 必ずトレーナーになるって」
「……っ!?」
後ろから、声が聞こえた。
何年も待ち続けた声が。
記憶より少し低くなっているものの、忘れもしない声が。
私のことを包み込んでくれるような、優しい声が。
ずっと、聞きたいと思っていた……最愛の人の声が。
「…………」
私は恐る恐る、ゆっくりと振り向いてゆく。
もし幻聴だったらと思うと、怖くてたまらない。
でも同時に、今の声は本物だという実感もあって。
首が石のように固まっているような錯覚さえ抱いたけれど。
それでも私は、時間をかけて……声を出した人を確かめた。
「あ……」
胸元には、煌めくトレーナーバッジを付けていて。
「あぁっ……」
少し身長が伸びていたけれど、あの頃と変わっていない姿で。
「お……」
私に向ける微笑みも、あの頃と全く変わっていない……
「……久しぶり、ミーク」
……大好きな人が、そこに立っていた。
「お兄、さん……っ!」
「うおっと!?」
私は一瞬で立ち上がり、お兄さんの元へ駆け出した。
そして、そのままお兄さんに抱き着いた。
もう離さないとばかりに抱き締めながら、胸元に顔をうずめた。
お兄さんの懐かしい香りに包まれて。
再会出来た喜びと、さっきまでの不安が一斉に押し寄せてきて。
何年も我慢してきた涙が、途端に流れ出してきた。
「ずっと、寂しかった……会えなくて、寂しかった……!」
「……あぁ」
「ぐすっ……でも、約束したから……ずっと、頑張って……頑張ってぇっ……!」
「あぁ……あぁ……!」
「ひぐっ……お兄さん……うぅっ……お兄さぁん……!」
「ごめんな……待たせちゃって、寂しい思いをさせちゃって……ごめんな……!」
お兄さんが、私の体を抱き締め返してくれる。
そして、泣き続ける私の頭を撫でてくれる。
あぁ、この感覚をどれほど待ち侘びたことだろう。
どれほど、お兄さんの温もりを待ち侘びたことだろう。
「うあぁっ……お兄さん……ぐしゅっ……!」
「ミーク……あぁ、ミークっ……!」
途中、冷たい雨のような感覚を抱いたけれど。
私はそのことに触れる余裕さえなかった。
今までの寂しさを、全て吐き出すことしか考えられなかったから。
そして、ただひたすら……お兄さんの温もりに包まれていたかったから。
●
「…………」
「……落ち着いたか?」
「……はい」
「そっか」
私とお兄さんは、離れ離れになったあの日のように泣き続けた。
お互い抱き締め合って、人目も気にせず泣き続けた。
一つ違うところと言えば、ここはあの公園と違って、人やウマ娘が沢山いるトレセン学園。
ただ、私とお兄さんがいるのは、学園でも比較的人気の少ない場所。
そのお陰か、周りには私とお兄さんが抱き合っているところを見ている人は誰もいなかった。
「……こんな所で立ちっぱなしもなんだし、場所を変えようか?」
「……ここでいい、です」
「え……?」
「今、お兄さんから離れると……また、会えなくなっちゃいそうで……」
「……分かった。じゃあ、しばらくこのままで」
「はい……」
涙は止まったけれど、私の中の寂しさは……完全には、なくなっていなかった。
だから、私はまだお兄さんのことを抱き締めたまま。
もう少しだけ、お兄さんがここにいるという安心感に包まれていたかったから。
「……お兄さん」
「ん?」
「私、凄く……すっごく、探しました……でも、全然……見当たらなくて……」
「……あー、それはだな。色々と慣れない手続きがあったせいで遅れちゃってさ。ごめんな?」
「…………」
「……そう簡単には許してくれそうもないか」
「当たり前です……どこを探しても、お兄さんがいなかったから……凄く、不安だったんですよ……?」
「……本当にごめんなさい」
「むん……」
「あ、それ久々に聞いた。やっぱり可愛いな……いや、それだけじゃない」
「……?」
「綺麗になったな。あの頃の可愛さはそのままに、大人としての魅力も感じるよ」
「…………」
私は久しぶりに顔が熱くなった。
可愛いという言葉を聞いた時点で、結構恥ずかしかったのに。
綺麗になったとか、大人になったなんて言われたら。
今度は、赤くなっているであろう顔を見せない為に、お兄さんの胸にうずまる。
「……照れてるだろ?」
「うぅ……」
「いや、別にからかってる訳じゃない。綺麗になったのは、紛れもなく俺の本心だよ。今まで以上に美人になったミークと再会出来て、俺の今までの苦労も報われたなぁと思ってさ」
「苦労……」
「あぁ。引っ越してからも、ミークに会いたい気持ちを胸に……ずっと頑張ってきた。どんなに勉強が辛くても、ミークとの再会を信じていたからこそ……乗り越えられたんだ」
「…………」
やっぱり、お兄さんと私は似た者同士だった。
お互い、再会出来ることを信じて……その為だけに、必死に努力した。
そして、今まさに……自分の努力が、全て報われた。
改めて、私とお兄さんが一心同体であると分かって……嬉しくなった。
「……私も、苦労しました」
「……!」
「お兄さんに会えなくて、寂しくて……それでも、頑張りました。お兄さんからもらったアドバイスと、自分で実力を伸ばす方法を考え抜いて……ここまで、辿り着きました」
「ミーク……ありがとう。俺と会う為に、そこまで努力してくれて」
「あ……」
「俺はずっと信じていたよ。ミークなら、必ずトレセン学園にやって来てくれることを」
「……はい」
「よく頑張ったな、ミーク! 君は最高のウマ娘だ!」
「はい……!」
ようやく、お兄さんに褒めてもらえた。
その瞬間、私は本当の意味で自分の努力が報われたと思った。
お兄さんと再会する為はもちろん……今まで頑張ったことを、褒めてほしい。
そう思い続けていたからこそ、ここまでやってこられたから。
「……あの、お兄さん」
「ん?」
「お兄さんは、トレーナーに……なれたんですよね……?」
「あぁ。その証が、このバッジだ。とはいっても、まだ新人だけどな」
「それなら……」
「…………」
きっと、お兄さんは私が言おうとしていることを理解していると思う。
それでも、ちゃんと言葉にして伝えたかった。
私が今、お兄さんに抱いている気持ちを。
お兄さんがトレーナーになったからこそ、私がしてもらいたいことを。
「本音を言えば、恋人になってほしいけど……流石にそれは、まだ言えないよね……」
(私のトレーナーに、なってくれますか……?)
「なっ……!?」
「……え? あっ……あぁっ……!?」
やってしまった。つい、伝えたいことと本音が入れ替わってしまった。
本当は、この気持ちは卒業した時に伝えるつもりだったのに。
お兄さんと再会出来た嬉しさで舞い上がっていて、思考が完全におかしくなってしまっていた。
「…………」
「え、えっと、その、これは……あぅ……」
顔が熱くなるどころの騒ぎじゃなくなった。
想定外の形で本心を伝えてしまったことで、私の心臓がうるさいくらいに鳴り響いている。
受け入れてくれるかもしれないという期待。
断られてしまうかもしれないという恐怖。
思わず逃げ出したいくらいの恥ずかしさに襲われるけど。
やっぱり、お兄さんから離れるのは……まだ不安で。
「……ミーク」
「ひゃ、ひゃい……」
「ここへ就職したばかりで、新人もいいところの俺だが……今からトレーナーとして最低なことを言う」
「え……?」
「俺も、ミークのことが好きだ」
「っ!!」
「もちろん、一人の女の子として。引っ越した当時は、流石にそういう目で見ていなかったが……ずっと一人で勉強し続けている内に、君へ抱く想いが大きくなっていって……」
「あ、あの……」
「こうして再会して、綺麗になった君を見た瞬間……君のことしか見えなくなった。元々、ミークのことばかり考えていた俺だけど、その気持ちが一層強くなってしまった」
「う、あぅ……」
私の告白を受け入れてくれた。お兄さんも、私のことが好きだった。
頭がもう、オーバーヒートしそうだった。
嬉しすぎて、幸せすぎて、今にも気絶してしまいそうだった。
もう、真っ赤になっているであろう顔を隠すことも出来ない。
私はひたすら、あわあわと言葉にならない声を出すだけだった。
「ただ、俺とミークはトレーナーと担当バの関係だ。一応、この学園はトレーナーとウマ娘の交際を黙認する風潮が強いらしいが……流石に初日から交際するなんて知られたら、どうなるか分からない」
「あっ、そ、そう……ですよね……」
「だから、表向きはトレーナーとウマ娘の関係で……プライベートでは、な?」
「……!」
「学園内では大っぴらなことは出来ないが、外なら……まぁ、一緒に出かけたり、たまに俺の家に泊まるくらいは……」
「……お兄さんっ!」
「おっと!」
「私……凄く、嬉しいです……! まさか、お兄さんと再会出来ただけじゃなくて……恋人にまで、なれるなんて……!」
「……俺の方こそ。ミークのような魅力的な女性に、ここまで想ってもらえて……凄く、幸せ者だよ」
「えへへ……お兄さん……♡」
「ミーク……」
私を信じてくれたお兄さんが傍にいてくれれば、どんなレースでも一着を取れる。
お兄さんが信じてくれた私なら、どんな苦境も乗り越えられる。
恋という、ある意味一番難しいレースを勝ち抜いた私とお兄さんなら。
向かう所、敵なしです……ぶい♡
その後、ミークはトレセン学園史上最も勝利を飾った『伝説のウマ娘』として。
トレーナーは伝説のウマ娘を育て上げた『最高のトレーナー』として。
それぞれ未来永劫、語り継がれることになるのだが……それはまた別のお話。
これにて完結です。
実はプロットを考えていた段階では、桐生院さんやトレーナーの担当バ(モブウマ娘)も登場する予定でした。
しかし風呂敷を広げすぎて畳み切れなくなりそうだったことと、あくまでミークとトレーナーの純愛をテーマにしているので、最終的に登場人物は最低限に留めました。