ありふれない異世界魔王道 作:パンプキン太郎
まだ未プレイですが……直死の魔眼ってかっこいいじゃないですか。
ありふれ世界にありふれてない男をぶち込みたかったんです。
という事で文才は無いですが楽しんで頂ければと思います。
#1
体長30mに六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。例えるなら、神話の怪物ヒュドラ……そんな化け物相手に俺はナイフ1本で立ち向かいそして化け物を殺した……遠のく意識の中後ろに居た2人の存在を気にしながらそっと意識を手放した。
▷▶︎▷
見慣れた部屋に住み慣れた屋敷。
今日で別れだと思うと寂しい気持ちになる。
「もう時間よ、識。」
「うん…今までありがとう、義母さん。」
「えぇ…あちらでも元気でね。」
「うん、義父さんにもよろしく伝えてね。」
「分かってるわ。」
「じゃあ、行ってきます。」
我ながら会うことはないのに行ってきますはおかしかったかなと思っていると義母さんは優しい笑みを浮かべて行ってらっしゃいと見送ってくれた。
約8年世話になった家と家族に心の中で別れを告げ学校へ向かった。
プロ顔負けの走りで校門をくぐり抜けた俺は息を切らせながら教室の扉を開いた。
そこで目に入ったのは妙に殺気立ったクラスメイト達の姿だった。
「あ、ああ、おはよう白崎さん」
学校で二大女神と呼び声高い白崎香織に話しかけられ戸惑うクラスの陰キャ南雲ハジメの姿を見てこの殺気だった状況に納得がいった。
白崎香織、八重樫雫、天之川光輝、坂上龍太郎。
このクラスのトップカーストを地で行く集団に囲まれたハジメに小さく合掌すると静かに自身の席に座った。
「貴方もギリギリで登校ね遠野くん」
「え、あぁ、そうなんだ、八重樫さん。」
「先生が貴方の事探してたけど」
「引っ越しの事かな……?手続きは済ませたんだけど」
「どこかに引っ越すの?」
「引っ越すって言っても実家に戻るだけだし同じ街だから大したことないよ。」
「そう、それは」
「あー、八重樫さん、天之川君達待ってる見たいだよ?」
南雲の次はお前か!?と言わんばかりの視線が向けられているのに俺はすぐさま標的を俺に定めかけた天之川の元に八重樫を送り出した。
「おはよう識…災難だったね。」
「おはようハジメ、お互い様だな。」
社交性のない俺を受け入れ良くしてくれる数少ない友人であるハジメに挨拶を交わし席に着いた。
▷▶︎▷
元々身体の弱かった俺はあの後貧血で倒れ保健室で休んでいた。
ハジメが居眠り常習犯なら俺は貧血常習犯だなと自虐的な笑みを浮かべると保健室を出て教室へ向かった。
「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」
またこれか…と俺はハジメの心境を察して頭を抱えた。
周りの空気と視線に気が付かずにグイグイとハジメに寄る彼女の恐ろしさに朝のように合掌すると弁当を取るために席に向かった。
「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!…………あ、遠野くんも一緒にどう?南雲くんと仲良かったよね?雫ちゃんも一緒に!」
なん…だと…!?
彼女の唐突の提案にハジメや俺はもちろんクラス中がザワザワとざわめき始めた。
名を出された八重樫は私!?と戸惑ったものの俺とハジメを見て私はまたでいいからと断った。
「あー俺も体調がまだ優れないから保健室で食べるよ」
ハジメは裏切り者!と責めるような目で見てくるが巻き込まれるの勘弁なので心の中で謝りながらその場をスルーして教室の扉に手をかけた時だった。
教室の中心に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れた。
それは教室全体へと広がっていった。
「皆!教室から出て!」
何故か教室に残っていた社会科の教師である愛子先生が叫んだのと同時に魔法陣が爆発したように光を放った。
この日起こった集団神隠しは連日ニュースに取り上げられる程の大ニュースとなった。
そしてその日、兄の帰りを待っていたとある妹は突然の出来事に髪を真っ赤に染めたとかないとか。