カナヲの兄   作:疾風“はやて”

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カナヲに兄がいたらという設定です。お気に入り登録が多かったら続きをどんどん書きたいと思います!では、どうぞ!!


プロローグ
生き別れた兄妹


「はぁ、はぁ...クソッ!」

 

 

 

 

暗い夜道を地面のでこぼこ道に躓くことなく、異様な姿をしている者が駆け抜ける。

 

 

 

 

 

人間のような体つきだが、人間では到底出すことのできない速度で駆けていく。

 

 

 

 

その直後1つの光が一閃、通りすぎる。

 

 

 

 

 

ザシュッ!

 

 

 

 

 

 

 

鬼「クッ....ソ...。」

 

 

 

 

首を切られた異様な姿の生き物は、灰となり夜の暗闇に消えていく...

 

 

 

雲が通りすぎ、月が露わになりそこには月光が差し込む。

 

 

 

 

そこには首を切り落とした人間の姿が映し出される。

 

 

人間は男で、黒と金色を基調とする刀を鞘に収める。

 

 

黒色の羽織を着ているが、風になびいて見える羽織の裏側は金色である。

 

 

 

羽織の下には制服のような物を着ており、しっかりと着こなしている。

 

 

 

髪の長さは長く、うなじの辺りで一本に纏めている。

 

 

 

 

 

 

 

その男の目は決意に満ちており、自身の目的を果たすまで、決して止まることはないだろう....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷつん

 

 

 

と、音がして。

 

何も感じなくなった。

 

何もかもがどうでもよくなった。

 

 

 

お腹がすき、頬をはたかれる。辛い....

 

そして、また一人兄弟が死んだ。悲しい....

 

 

 

人が生きていれば当たり前に感じることができる感情。でも、この辛さしか感じない人生が一生続いていくのだろうか?そう考えたとき、私の中で何か大事な糸が切れた気がした....いや、切れてしまった。そして考えることをやめ、全部を投げ出した。

 

 

 

何も感じなければ、いっそ楽になった。

 

 

 

私以外の兄弟は一人を残しみんな死んでしまった。

 

私の兄だけはいつも私を庇ってくれていた。

 

兄は私と年が4つほど違うため、ある程度仕事ができ、酷い暴力は振るわれていなかった。

 

 

 

そして、二人きりになったときはいつも私のことを抱き締めて....

 

兄「いつか必ず逃がしてやるからな....!」

 

と、声をかけてくれた。ただ、感情を失って呼吸をするだけの人形のような私に優しくしてくれていたのだった....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、家の主が夜に仕事へ出ていき兄は私の手を引いて、逃げようと試みた。

 

 

 

 

まだ10歳と6歳程だったが、必死に夜の道を駆け抜けた。

 

 

 

だが運が悪く、自分たちが家を出てすぐに、家に主が帰って来てしまった。

 

 

抜け出したことがバレてしまい、後ろから姿はまだ見えないものの、追いかけてくる声がする。

 

 

兄「まずい....!」

 

 

すぐそこには、町から森に抜ける橋がかかっており、森に行ければなんとか逃げれるかもしれないと思った兄は....

 

 

 

兄「お前だけ森に行くんだ...オレはここに残って時間を稼ぐから、振り向かず人と出会うまで、走り続けるんだ」

 

 

 

 

そう言われたが、体が動かない...

 

 

 

兄は、主の声のする方へと歩いていく。

 

 

なぜ体が動かないのか、感情を失った私には全く分からなかった....

 

 

 

兄「早くいけ!絶対に生き延びて後を追うから今は黙って走れ!!」

 

 

 

兄が大声でそう叫び、私は言われるがまま森の方へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい、何分、何時間走ったのだろう....まだ夜が明けず、長い間走ってきたが人とは出会わない。

 

 

体が動かない...ろくな食事も取っていないので体も限界が来ているらしい。

 

 

もうダメだ....

 

 

 

 

 

そう思い、その場に倒れ込もうとした瞬間....

 

 

 

ギュッ....!

 

 

 

 

 

 

体に温もりを感じ、私はそのまま意識を手放してしまった....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹を逃してから数日、オレは夜にまた逃げ出そうと思う。オレには妹を必ず見つけるという目的があるのだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ある日外で遊んでいたオレは家に帰ると、親は血だらけで倒れていた。

 

今ここで、血だらけで倒れているのは本当の親ではない。本当の親は、俺と妹が物心つく前に死んでしまったらしい。本当に血の繋がった家族は妹1人だけであり、オレらには名前もなく、義両親とその息子、娘たちとただ貧しく生活していた。

 

 

 

 

 

親代わりとなって育ててくれた人が目の前で死体となっている....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも無残な姿に妹たちは中には入れず、外へいるようにと伝えた。

 

熊に襲われたようにも見えるが、今の季節は冬....熊は冬眠してしまっている。だが、何者かに食い荒らされているように見えるのは確かだ。

 

オレは直感が優れている。本当かと思うかもしれないが、基本物事がうまくいく。こっちだと決めて、動くと正解を選べてしまうのだ。

 

 

 

 

 

まだ、小さい頃に聞いたことがある。

 

夜中には、人を喰らう人喰い鬼がでると....迷信だと思っていたが、きっとそいつの仕業だと直感が言っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレらは人買いに連れられ、妹たちからしたら辛く苦しい日々だっただろう。

 

 

 

そのせいで兄妹を何人も殺されてしまった....オレは耐えられない感情を必死に押し殺し、妹には笑顔を作るように心がけた。

 

 

 

たった1人の妹を逃がし、妹が生きていると信じる....そして、親を殺した奴らを絶対に始末するという目的を果たすため、オレはここから逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、抜け出せた....!後ろから追ってくる様子もない。この橋を渡れば....!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドスッ!

 

 

 

 

少年「....!!」

 

 

大きな音が聞こえ振り返るとそこには....

 

 

鬼「わざわざ自分から俺の縄張りに来るなんてなぁ。マヌケな奴だ....!」

 

 

 

な、何なんだコイツは....!!見た目は人間のようだが、気配が違う。それに、口のまわりには血のような赤い液体がついている。

 

 

 

 

 

 

 

鬼「逃げないならお前の血肉を喰わせろ!!!」

 

 

 

 

そう言い、化け物は飛びかかってくる。オレはそれを横に転がりながら避ける。

 

 

 

 

 

鬼「良く避けたな。だが、その態勢ならもう避けれまい....!」

 

 

 

 

まずい!殺られる....!!!

 

 

オレはギュッと目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、いつまで経っても化け物の手がオレに届くことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると化け物は首を切られており、灰となっていた....。

 

そして、その横には悪鬼滅殺という文字の彫られた刀をもつ仮面を着けた人が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

??「怪我はないか?」

 

 

 

少年「は、はい....」

 

 

 

??「そうか。こんな夜遅くに子どもが出歩いては危ない、家まで送り届けてやろう。」

 

 

もう一度あの家にもどるだと....。

 

 

冗談じゃない!!死んでもゴメンだ!

 

 

 

 

少年「家はとうの昔に失くした。オレに帰る場所などない。」

 

 

 

 

??「なら、私の家に来なさい。」

 

 

 

オレは助けてくれた人に引かれて、家へ行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「そうか、名前もなく家族も行方不明の妹以外は皆、殺されてしまったと....」

 

 

少年「はい。」

 

 

オレは今までに起こったことをありのまま、すべて伝えた。

 

 

 

 

??「...なら私の家で暮らすと良い。」

 

 

少年「いいんですか....?」

 

 

 

 

??「あぁ、ただし....」

 

 

条件なんて百の承知だ。何だろうとオレはこの人に恩を返さなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「私の継子となれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレがここで暮らすようになってから数日、師範はオレに名前をつけてくれた。

 

 

 

 

 

師範は、“光陰 輝夜(こういん かぐや)”という名前で、オレにつけてくれた名前は....

 

 

 

 

 

 

 

“光陰 咲夜(こういん さくや)”

 

 

 

 

 

 

 

なぜかは分からないけど、しっくり来た気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~鬼殺隊~

 

簡単に言うと、この世には“鬼”と呼ばれる生物がおり、主食は人間。そんな鬼を討伐し続け、鬼の祖先である“鬼舞辻無惨”を倒すために生まれた組織らしい。

 

 

 

 

丁度いいと思った。オレの義理の親も鬼によって殺されてしまっている。いつかは仇を討てるかもしれない....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁっ、はぁっ....!

 

 

 

オレは今、山を走らされている。夜中までに、麓から頂上まで行き、下ってこいと言われた。

 

 

キツすぎる....!

 

 

 

 

それに、所々にはトラップも仕掛けてあるのだ。オレはそれを直感が避けれているが、飛んで来る木の枝や石が体をかすっていき、所々に擦り傷が見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「ただいま....もどり、ました....。」

 

 

バタッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて見た時は本当に見てられない姿をしていた。

 

 

子どもながらにその顔が今までの辛い出来事を物語っていた。だからだろう、私の家で暮らすと良いという提案をしたのは....

 

 

 

 

風呂へ入れてやり、少し髪などの手入れをしてやった。分からなかったが整った顔立ちで、美青年と呼べるだろう。家で事情を聞くと、それは思っていたより酷い話だった。名前もなく、人買いに連れられて暴力を受け、助けてくれる人もいない....

 

 

そして、義理の親を鬼に殺されている。彼に必要なのは、安らげる場所と人を守り抜く力。彼は力のない自分が情けなく思っている。鬼殺隊が人手不足なのもあるが、彼もきっと仇を討ちたいはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは驚いた....

 

 

彼は私の仕掛けた罠にほとんど引っ掛かることなく、かすり傷程度で山を下ってきてしまった。アザだらけになり、夜中に間に合えばと思ったのだが、まだ日が落ちる前なのにも関わらず帰って来た。彼は何か持っているのかもしれない....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜「997、998、999、1000....!」

 

 

ようやく鍛練にも慣れてきた。師範から全集中の呼吸というものを教えてもらい、鍛練中にも意識するように心がけている。鬼を倒す上で必須科目と言われたので、いつ襲われても良いように普段から呼吸をしているのだが....

 

 

 

 

 

咲夜「がはっ....!、はぁ、はぁっ。」

 

 

苦しすぎる、何だよこの呼吸!心臓バクバクだし、目の前がチカチカする!師範はこれを、四六時中行っていると聞いたとき、本当に人間かを疑ってしまった。

 

 

 

だけど、どんなに苦しくても鬼によって罪のない人が殺されてしまうというこの世界をオレは絶ち切りたい....!幸せを奪うなんて事は絶対にさせない。そして、親を殺した奴らを倒し、鬼の祖先である鬼舞辻無惨を滅してやる。

 

 

 

 

 

ヒュー、ヒュー。

 

 

この呼吸法を始めて1ヶ月。半日以上は持つようになった。

 

そして師範の呼吸について教えてもらった。

 

 

 

師範の呼吸は、“光の呼吸”という呼吸法で、五つの基礎となる呼吸法、炎、雷、水、風、岩のどの派生なのかは分からないらしい。

 

 

今は森で型の練習をしている。全ての型を練習し、家へもどると体はフラフラになっている。だが、これも強くなるためと言い聞かせ、鍛練に臨んでいる....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな日々を2年間行い続けた....

 

 

 

師範との打ち合いも行うようになり、負ける事がほとんどだが、稀に勝てるときもあった。

 

 

 

 

そして....

 

 

 

輝夜「最終選別へ行きたいか....?」

 

 

師範に言われる。

 

 

 

咲夜「はい....」

 

 

 

少し間を置いた後、

 

 

輝夜「....ついてきなさい。」

 

 

 

外へ出て木刀を渡された。

 

 

 

輝夜「私より先に攻撃を当てられたらお前の勝ちだ。」

 

 

 

 

 

なるほど、ならあの型しかない。光の呼吸で最速の型....

 

 

 

 

 

ヒュー....

 

 

 

光の呼吸

 

 

 

 

参ノ型....

 

 

 

 

 

 

“暁光一閃!”

 

 

 

 

オレは呼吸を足に集中させ、力の無駄なく地を蹴る。そして、刀を全力でふるった....

 

 

 

 

 

カーンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木刀のぶつかり合う音がして....

 

 

 

バキッ。

 

 

師範の木刀だけが折れた。

 

 

 

 

師範はオレの方へ歩いてくると....

 

 

輝夜「もう、私が教える事はない。」

 

 

そっと頭を撫でてくれた。

普通の子どもなら、頭を撫でられることは当たり前のようにあったのかもしれないが、今まで誰にもされたことのないオレは、師範の手から優しさを感じて....

 

 

 

ポロッ。

 

 

 

涙が溢れ出てきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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