今回は瑞希ちゃん大活躍ということで。一部、音が記憶をなくした理由が分かるかもしれません。
音視点
瑞希「ほら、音に奏!それとまふゆも!!はやくはやく〜!」
...何故こうなったのか。私、いや私達は今瑞希に連れられ服屋さんに来ている。かな姉やまふゆなら否定してくれると思ったのに...。
奏『確かに、音は今この服しかないし...どっちみち買いに行ってたと思うから行かせたいかな』
まふゆ『...どっちでもいい、と思う...』
...なんて。私のことを考えてくれてるんだかくれてないんだか、ありがたいようなありがたくないような。...何となく気分が乗らないから、多分私は服とかそういうのに興味が無いのだろう。嫌な予感さえする始末だ。
音「...はぁ」
奏「音、嫌だった...?」
音「嫌、というか...なんか、あんまり気分、乗らなくて」
まふゆ「......それを嫌って言うんじゃないの?」
音「そうなのかな...じゃあ、嫌なのかも」
奏「うーん...でも、いずれ行かなきゃいけなかったから...。その服だけしか、今は持ってないし...」
...仕方ない、かぁ。...まあ、瑞希は楽しそうだし、よしとしよう。
瑞希「そうだな〜...音は素材がいいから何着せても似合うと思うんだよね〜」
奏「私はファッションとかよく分からないけど...音はいつもパーカーを着てた」
瑞希「それって奏で言うジャージみたいな感じ?ダメじゃん、もっとオシャレしないと!!」
...ダメと言われても。昔の私が着てたなら昔の私はぱーかー、とやらが好きだったのだろう。...今着てるのもパーカーなのだろうか。
瑞希「うーん...じゃあとりあえず、カワイイ系、大人系、シック系とかボクが選んじゃうから、音は着てってね!あ、奏のも用意するから!」
奏「えっ...?」
音「...程々にでいいよ、瑞希」
まふゆ「...私、いる意味ある?」
瑞希「まふゆにも意見もらいたいからね〜、よく分からないはなしだよー?」
まふゆ「...出来るか分からないけど、頑張るね」
というわけで、私とかな姉は瑞希の着せ替え人形となった。瑞希がこれ着て、と言った服を持ち、試着室というところに行く。どうやらここで一旦着てから買うお客さんがほとんどらしい。私は無意識に今着ている服を脱ぐ。...あ。
音(シャツまで脱ぐ必要、なかった...)
そう思い、私は胸付近まで上げたシャツを戻そうとする。その瞬間、鏡にうつる自分の姿を見た───見てしまった。
音(?!...なに、これ......)
身体には多数の痣、ぶたれたような痕から引っ掻かれたような痕、色々な傷がある。...なんで。なんでこんな痕が......いや、なんでこんな痕があるのに...
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでいやだいやだいやだいやだいやだなんでやだこわいこわいいやだなんでなんでなんでこわいやだいたいいたいはずなのにこんななんでいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだやめてやめてやめていやだこわいやだなんでなんでやめておもいださせないでいやだこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいやだでてこないでいやだやめてこわいやだおもいだしたくないいやだいやだ
音「はぁ...はぁ...はぁっ......!」
辛い。苦しい。いきが、できない......。なんで、こんなに苦しいの...?この痣は......。
考えるほど頭が痛くなってきた。...今はやめよう、これを、このことを考えるのは。...早く着なきゃ。
瑞希「音ー?もう着れたー?」
音「...ちょっと待って」
急いで着替えた私は試着室の扉を開ける。私の着替え終わりを待っていたであろう瑞希とまふゆ、それに私と同じ服を先に試着していたかな姉が一斉に私を見てきた。
瑞希「おー!やっぱボクの見込み通り、カワイイ系も似合うね〜!」
奏「うん、いいと思う。似合ってるよ、音」
まふゆ「...よく分からないけど、いいんじゃないかな」
音「...ありがとう...?」
瑞希「なんで疑問形なのさー?」
この後も瑞希の要望により服を色々着させられた。ちなみにパーカーもあった。確かに、なんだか安心するような、ほかの服を着た時にはないような、これだ!というような感じがあった。...そういえば、ズボンを脱ぐときにポケットの方に硬い何かがあったような感触があったんだけど、なんだろう。後で調べてみようかな。
瑞希「ふ〜!だいぶ試着したね〜?楽しかった〜!」
奏「つ、疲れた......」
音「...パーカーだけ買う...」
瑞希「ええっ?!あれだけ似合ってたのにパーカーだけはダメだよ音〜!せめてこれとこれも!」
そう言って私はワンピースのようなものとセーターのようなものを渡される。...これ、試着したやつだ。しかも瑞希からものすごく熱い説明をされたやつ。
音「瑞希、このセーターみたいなの、ぶかぶかで手が見えないんだけど...」
瑞希「いいんだよ、それで!やっぱ音くらいだと手が見えるか見えないかっていう萌え袖が似合うと思うんだよね〜」
音「...もの、掴みにくい...」
奏「あ、音。お金はあるの?」
音「おかね......?」
おかね。多分この感じ、お金というものがまた記憶から吹っ飛んでるんだろう。これを買うのに必要なもの、なのだろうか。...もしそうだとしたらお金というものについて早く理解しなきゃ、まずい気がする。
奏「あ、その反応...やっぱりない感じかな」
音「...今日はお見舞いだけだと思ってたから」
瑞希「え、なんかごめん...よかったらボク払おうか?このお店、カワイイけど結構安めの服多いからボクのお気に入りのところなんだよね〜」
奏「いや、それは悪いよ...」
瑞希「えー、じゃあボクと奏で割り勘っていうのはどう?それならボクも罪悪感がはれるしさ!」
奏「......まあ、それなら...」
どうやらかな姉も納得したようだ。割り勘なるものが何かは知らないが話の流れ的に半分こみたいな感じなのかな。私は服を瑞希に預け、まふゆと共にお会計を待つ。
音(それにしても、まふゆとは久しぶりだからなんか気まずいような...)
まふゆ「.........音」
音「ん?どうしたのまふ、ゆっ...?!」
いきなり壁に追いやられ、両手で逃げ場を無くされる。何がしたいんだ...?なんか、怖い。これは聞きたいことがある時のまふゆだ。なんか、悪いことでもした気分だな...。
まふゆ「音、正直に答えて」
音「えーっと...どうしたの、まふゆ?」
私は次の瞬間、まふゆから発せられた言葉を聞いて耳を疑った。なぜなら────
まふゆ「──音、記憶ないでしょ?」
───隠していた秘密を、いとも簡単に明かされてしまったのだから。
はい、ということで。いかがでしたでしょうか。
ニーゴのメインストーリーでもあったように、まふゆちゃんは多分観察力や洞察力がすごいんだろうなーということで。まあ、幼馴染ですし(無敵の言い訳)
音ちゃんのプロフィール...書きたいなぁ。いつ書こう、いつか書きます。