GATE - アークス 彼の地にて、斯く戦えり 作:睦月透火
またやらかすかも知れません……(*ノω・*)テヘ
「う~ん……キャンプシップの反応も無い、か……いよいよコレは、進退窮まったかな……」
あの光、確かに転移回廊の反応だった……仮にアレで次元転移に巻き込まれたのならば、元の世界に戻るなど個人技術では不可能だ。
救援、もしくは捜索部隊が到着するまで、早急に現地人と協力関係を構築し……当面の急場を凌ぐ必要性がある。
「まずは現在位置……っと、レーダーも地図データが無きゃ役立たずだったね……」
おっと……済まない、経緯説明と自己紹介がまだだったね。
さすがにいきなり馴れ馴れしいのは精神衛生上よろしくない人も居るだろうから、一人称は「僕」という事にしよう。
ではまず、自己紹介だ……僕の名は「トリニティ」。
……何処ぞの魔王の強化形態でも、モビルスーツでも、何処かの戦闘狂の3兄妹でもないよ?
僕は歴とした「アークス」だ。
アークスとは、広大な宇宙を旅する巨大船団「オラクル」を活動拠点とし、様々な惑星の調査や、現住民との交流……または古代文明の秘密など、宇宙の謎を解き明かす調査団としての側面と……
この世界に生きる全ての生命の敵『ダーカー』を唯一、殲滅し得る存在として……果て無き戦いを繰り広げた戦士としての側面を持つ。
まぁ、少し前に……そのダーカーとの最終決戦にも決着が付き、我々アークスは晴れて……数百年も続いた『戦い』という枷からようやく解き放たれたんだけどね……
そんなこんなで、この広い宇宙を旅しながら異星文明との交流を繰り返しているのが今の
「悩んでも焦ってもしょうがない、地形データは継続スキャンしながら文明の痕跡でも探そう……」
遭難した時……まず一番大事なのは自分の体力を温存する事、そして現状を正確に把握する事……復帰のチャンスを確実にモノにする為、そして肝心な時に動けなくなるのを回避するためだ。
生身の人間だと数日でダウンするだろうけど……まぁ、僕は
アークスには4つの種族がいる。
環境適応能力が高く、他種族ほど特化して強くはないが致命的な欠点もない『ヒューマン』。
身体能力は低めだが、フォトンの扱いは他の追従を許さない『ニューマン』。
屈強な鋼鉄の身体と、機械故の器用さを併せ持つ『キャスト』。
他種族よりも打たれ弱いものの、戦闘への適正が特に高い『デューマン』だ。
元々は『フォトナー』と呼ばれた種族が造った奉仕種族的な存在だったらしいけど、上位種族であるフォトナーがほぼ絶滅している現在……僕たちアークスは今までに知り合った様々な他の種族と互いに協力しながら生き抜いているのだ。
「……うーん、生物反応はあれど……どれも原生生物みたいだなぁ……
知的生命体は居ないのか、それともまだ遠くに居るだけか……」
マルチレーダーアレイと広域スキャニングを使って、地形データの取得と同時に現地人を探索する……しかしながら、一切反応はない……よほど山奥なのか、それともこの星は完全に無人惑星なのか?
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「……ん?」
探索中に見つけたのは、まだそれほど時間が経っていない夜営の痕跡……どうやら無人惑星ではなかった様だ。
「経過時間は……およそ2~3時間程前、かな……移動速度が徒歩程度なら、まだ十分追い付ける……!」
いくら頑強なキャストでも、定期的なメンテナンスを受けずに長期活動するのは推奨されない……幸い、この痕跡を残した人達はそうまだ遠くへは行っていない様だし、今の僕の足ならすぐに追い付ける。
ヒュィイィィィィ……!
脚部のスラスターを展開し、巡航モードに切り替える。
コレもキャストの基本機能の1つ……高速移動用のマイクロイオンスラスター。
燃料は外部から取り込む大気中のフォトンで賄われているので、実質無限……制御はマニュアルだけど、キャストならば息をするくらい簡単な自己操作だし、慣れればその最高速度は時速100km/hにも達する。
「……できれば、友好的な人達だと良いな」
スラスターの出力を上げながら、そんな淡い思いを1人呟く……この先何があっても、必ず生きて帰る……それがアークスとしての、僕の矜持みたいなものだ。
「くっそ……! マジでヤバイぞ……避難民の列に近付けるな!!」
自動小銃の乾いた射撃音や、戦闘車両に備え付けられた機関砲が唸りを上げる……が、敵対する
後で判明した事だが、戦車並の防御力と戦闘機以上の飛行能力を兼ね備え……更には化け物らしい戦闘力と生物ならではの本能を併せ持つ存在だ。
通常火力や携帯武装しか持たない今の我々……第3偵察隊の戦力ではマトモに戦える筈もなかった。
「隊長ぉ~、これじゃ豆鉄砲ですよぉ~!!」
「分かってる! だが今はとにかく撃ちまくれッ!!」
隊長と呼ばれた男……伊丹は、部下の倉田が発した泣き言に辟易しながら自身もドラゴンを撃ち続けていた。
直後、彼の後ろから長い耳の少女が自分の眼を指差して伊丹に弱点を教える……
「眼だ! 目を狙えッ!!」
伊丹の指示を理解した部下たちが一斉に同じ箇所に狙いを定め、弾丸がドラゴンの瞳に向けて殺到……ドラゴンは既に隻眼、ここに現れる前の戦闘で反対の眼に矢を受けて片目だった……さすがに両目とも潰されるのはゴメンだとばかりに、ドラゴンは両腕で防御する。
そこへ榴弾がドラゴンの前方に飛び込んできたが、発射の際に手元が狂っていたのか、弾道が不安定だった……そこへ車の後方から飛び出た少女が放り投げた物体が足元を吹き飛ばしてドラゴンの姿勢を崩し、榴弾はドラゴンの左腕へと吸い込まれていく……
着弾する直前、吹き飛んだドラゴンの足下の土煙の中からも何かが飛び出し……ソレはドラゴンの尻尾へと巨大な光刃を走らせていた。
榴弾が直撃し、片腕を吹き飛ばされるドラゴン……突然現れて今まで猛威を奮っていた存在が、ココに来て初めて悲鳴を上げた。
「……ッ?!」
「た、隊長……アレ……」
さっきまで泣き言を喚いていた倉田が、晴れてきた土煙の中に立つ1人の人影を指差した……
ドラゴンは先ほどまでの狂暴っぷりが見る影もなく狼狽え、這々の体で飛び去る……その尻から伸びた先端……尻尾はバッサリと中程から切り落とされていた。
「ま、マジかよ……あのドラゴンの鱗、機関砲ですらダメージ入らなかったんだぞ?!」
周囲の土煙が完全に晴れ……白い金属の全身鎧に身を包んだ人物が、手に持った巨大な大剣を肩に担いでいた。
『成る程、このトカゲから逃げていた訳か……これは人助けって事でノーカンだよね』
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赤くて翼の生えたトカゲが、現地人の行列を襲っているのが見えた瞬間……僕は持ち前の正義感と身体スペックをフル活用して崖の壁から飛び降り、その勢いのまま土煙に突っ込む。
量子化して荷物を持ち運ぶ「アイテムパック」からいつもの近接用装備……大剣「リバレイトソード」を展開して大上段から振り上げ、落下の勢いと共にトカゲの無防備な尻尾へと振り下ろした。
アークスの装備は基本的に損傷とは無縁な程強度や物理攻撃に強い……それは持ち主のフォトンが武器をコーティングして破壊を防いでいるからだ。
当然、破壊されにくい事はそのまま武器自体の攻撃力にも寄与し……巨大で鋭いフォトン刃を持つリバレイトソードは易々と赤いトカゲの尻尾を斬り飛ばした。
本来、アークスが武器を振るうのは身の危険を避ける時と、ダーカーを排除する時……そして他者に危険が及んだ時と大まかに分けられている。
つまりみだりに振り回すものではない……今回は「人助け」という結果になったのだから、後で文句を言われる筋合いは無い筈だ。
『とんだ痛い目を見て逃げたか……臆病な方が長生きするよ、次は気をつけるんだね』
そう独り言を呟いて、先程から感じる視線の正体へと目を向けた。
近代的……と言うには少々古い車両と、統一された制服の人間たち……手には原始的な造りをした武装を持っている。
周囲の人達は難民だろうけど、明らかに彼らとは文明水準が違うね……これは一体どういう事なんだろうか。
とりあえず、この姿で居ると変な誤解をされそうだから生身のほうが良いかも知れないと判断し、僕はマイファッションから生身タイプのセットを手早く選んで変更する。
アークスは皆して流行り物に敏感らしく、外見のみだが見た目を変える装備を多数所持している者も多い……僕もその中の1人だ。
そしてその外見変更のプリセットを登録しているのが「マイファッション」だ。
アークスたるもの、その場に合う外見で事に当たるのは常識だよね(偏見)
「……鎧を脱いだのか?」
「それにしちゃその鎧が見当たりませんよ?」
「アレ……なんか見覚えがあるような無いような……」
「隊長、彼……こっち見てますよ」
この言語は……太陽系第3惑星「地球」で活用されている特定地域言語の一つ「日本語」だ。
初接触の時点で言語情報収集済みだったという珍しい例だったので良く覚えていた。
という事は彼らは日本人……地球では、最も現地協力者が多い人種と聞いている。
(日本語ならアークスの自動翻訳システムに登録されているし……彼らとなら、円滑なコミュニケーションも期待できるね)
そう考え早速、隊長と呼ばれていた人物に接近し、僕は声を掛けた。
『君が彼らの隊長さん……で良いのかな?』
「に、日本語……話せるのかい?」
「ん? あぁ、話せるよ……種族的に初接触じゃなければね」
少々の驚きようはあったものの、彼らは僕が日本語を話せると知ると安堵したようだった。
察するにまだ言語情報の収集が不完全な種族と遭遇し、その上であのトカゲ……もといドラゴンと遭遇戦に発展していたと見る……援護したのはどうやら正解だったようだ。
「あぁ、すみません……自分達は自衛隊特地第3偵察隊、自分は隊長の伊丹耀司三等陸尉であります」
自己紹介してくれたのか……伊丹耀司……うん、覚えておこう。
……何となくだけど、彼とは長い付き合いになると思う。
『僕はトリニティ……
所属はArtificial Relict to Keep Speciesだよ、以後よろしく』
その瞬間、彼らの頭には疑問符が浮かび、たった1人……戦闘中に泣き言を発していた彼だけが、驚愕と興奮を抑えきれない声で叫んでいた。
そんな驚く事なのだろうか……解せぬ。
名前:トリニティ
種族:キャスト 性別:男性 年齢:不詳
メインクラス:ヒーロー
武器:リバレイトシリーズ(大剣・双機銃・導具)
本作の主人公にして、第四世代アークスの1人。
アッシュ(PSO2原作・アニメ版の主人公)と面識は有るが直接絡んではいない。
副業としてエンジニアをやっており、相応の道具さえあればほぼ何でも行える。
人当たりは良いが作業に没頭しやすく、寝食すらも忘れるので周囲に心配される事が多い……
アークスとしての実力は中の上であり、新人時代は六芒の四であるゼノに師事していた。
※ 第四世代アークスとは?
終の女神シバとの決戦後から、第三世代や新人の中からチラホラと現れ始めたアークス。
「他種族の外見や性別を真似る」「違う人格または記憶を持つ」という2つの特徴があり、混乱を避ける為や既存世代との区別として「第四世代」とされた。
ぶっちゃけ、NGS対応の衣装持ちや惑星ハルファ(NGS世界)と行来しているプレイヤー(無自覚転生者、または地球編で存在が判明したゲームからのアバターキャラ)の事である。
最初から派手にヤラカシマシタw
トリニティはウチの子で一番衣装持ちの美形キャス男、CVは緒方恵美さんです。
感想、お待ちしてます。(。>д<)