GATE - アークス 彼の地にて、斯く戦えり 作:睦月透火
ゲーム内の世界である、惑星ハルファのセントラルシティへと転送されていたのであった。
……ところでコレ、ちゃんと戻れるんスかねぇ?
気になるなら読み続けよう、第15話!
心地よい風と清潔感ある白を基調とした建物……さほど高くないとはいえ、4~5m程の強固な壁に囲まれた箱庭のような風景。
そして眼前に聳え立つ、超巨大なタワー型人工構造物……
初見であれば雄大な自然と、繁栄を極めつつも植物を上手く取り入れた文明的なコントラストが絶妙な風景を生み出す独特な都市に見えるだろう……
それが、この惑星ハルファ最大の都市「セントラルシティ」である。
「……お、おい……理沙? 大丈夫……なのか?」
伊丹さんが画面に向かって呼び掛けている、理沙さん……いや、あの姿はオラクルで見慣れたアークスとしての彼女……サリーの格好だ。
なお、ゲームとしての今のPSO2の詳細は既に倉田さんから知らされている。
今、彼女が居るのは惑星ハルファ……オラクルでの顛末から、約1000年もの時が流れた未来の世界にある惑星らしい。
最初は1000年後とか何を馬鹿な、と疑ったが……倉田さんからはネットの資料や画像データを見せて貰ったし、実際にこうして理沙……サリーが降り立っている。
紛う事なく、これは現実だ……そして僕は《1000年後にも人類やアークスが存続している》事に安堵を覚えた。
《うわぁ……こんなに変わってるんスねぇ~》
画面の中のサリーからはハルファの風景にオラクルとの違いを重ね、その変わり様に少し驚いていた……
《……サリー?! やっと見つけた》
疎らに通う人の流れから声が掛けられ、サリーの肩を叩いた人物……画面に写ったのは、ブロンドの長髪に黒いバトルスーツを着込んだ女性だ。
《あ、マノン……だったっけ……ナニナニ? どしたの?》
《どうしたは無いでしょ? アイナが倒れて運ばれた後から、貴女の姿も見えなくて……気になって探してたのよ》
どうやらゲームのストーリー中、仲間が倒れて街に戻された所で離脱した様な状況らしい……勿論、僕はゲームのストーリーまでは知らないが、彼女の心中は理解できた。
《……あっ、あぁ~そうだったっけ……ゴメン》
《はぁ……もう良いわよ。クロフォードが貴女を呼んでるから、行きましょう》
どうやら中断していたゲーム内のストーリーに捕まった様だし、このまま成り行きを見守ろう……
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それから、シティのリーダー「クロフォード」との面会、リューカーデバイスの使用法、クラスとスキルの習熟……と、ゲームのチュートリアルじみたストーリーが展開され、リューカーデバイスでオラクルへも飛べる事が分かり、進行のキリが良い所で跳んで貰う。
《……さて、いよいよオラクルに行くっスよ~?》
リューカーデバイスへとアクセスし、PSO2側……つまり、オラクルへと時空跳躍する。
此方では単なるゲームなのに、何故この地球までオラクルと繋がってしまったのか……今考えても仕方の無い話だが、シャオやウルク司令とコンタクトが取れれば分かるだろう。
ヴォゥン……ヴォゥン……
ゲームの設定上の話だが、ハルファとオラクルは実に1000年もの時の流れを挟んだ世界だ……なのにリューカーデバイス1つでその時間軸すらも自在に往来できるというのは、実に不可思議でならない。
まぁ、フォトンはヒトの思いに反応するエネルギーだし、それが何らかの影響によってこのタイムワープ染みた効力を発揮しているのであろう。
恐らくは、シオン……またはそれに準ずる
《……さて、ようやく到着っスね》
サリーの声に思考を呼び戻され、PCの画面を確認する……そこには実に見慣れた場所の映像が映っていた……
オラクル船団の大多数を占めるアークスシップに設けられた特別区……任務や探索の為にキャンプシップに乗り込んだり、VR等の訓練の手続きを行う専用区画……通称「ゲートエリア」の光景だ。
行き交う人の一部が常に出入りする目の前の巨大な通用口……その先はキャンプシップの搭乗エリアへと繋がっている。
《う~ん……さすがにアタシから『直接シャオとコンタクト取りたい』とか言っても聞き入れてはくれないだろうから、まずはシエラの所行こっか?》
『……そうだね、シエラなら理解も早いハズだ……よろしく頼みます』
《りょ~かい》
サリーによってオート操作されるゲーム画面越しに、僕はオラクルの世界を見る……変わらぬシップ内の光景、そこには大勢のアークス達が思い思いに時を過ごしていた。
この時間では特に緊急警報も無いようで、ロビーに屯してバカ騒ぎを繰り広げたり、数人でカフェに向かう者、カウンターで手続きをしてスキルを習得し、物は試しと惑星に降り立つ者、訓練の為に武器を磨く者……様々な光景を尻目にしながらサリーは艦橋への道を進む。
(……少なくとも、特に変わった様子は無い様だね)
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目の前の隔壁が開かれ、巨大な艦内に不釣り合いな程の簡素だがしっかりと空間が確保された艦橋へとたどり着いたサリー……艦橋の中央に設けられたシンプルなコントロールユニットの前に座り、何枚ものホロモニターを展開して、流れるデータを見ながら操作している金髪ツインテールの少女が見えた……彼女がシエラだ。
『ん? あぁ、サリーさん……確か今は、長期休暇中って聞きましたけど?』
「あー、うん……チョッチ用事が出来ちゃってね~。主に私以外の人がさ……」
そう言ってサリーは自分の端末を操作する……地球での顛末から、個人単位の端末でも広域通信やネットワークへのアクセスが自由に可能となっている。
今回はサリーの端末を使って、僕の端末とシップのネットワークを中継して貰えば、世界間の接続も可能では? と考え、それを実行して貰った……さすがに世界の壁を超える為か、やや雑音の混じる様だが映像も繋がった。
『……ッ?! あ、貴方は……!!』
《驚かせて済まない。認識番号、AKS-6271450……情報部主席査察官のトリニティだ。
シエラ、驚かせて済まないが……諜報特権、コードD3を要請……大至急、緊急招集を請う》
『え"ッ?! コードD3ですか?!』
アークスの情報部には内部査察、特地派遣、定期警備等の任務中……何らかの事態に遭遇または発見し独自判断が困難な場合、上層部からの指示や指令を求める事態に対し要請を願う為の緊急コードが与えられている……今回は
『わ、分かりました! コードD3……上層部首脳陣の最上位緊急招集ですね!?』
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コードD3の発令により、総務・教導・戦闘・情報、そして首脳陣である指令と副指令を含む上層部全員が招集された。
まず姿を見せたのは勿論、人材誰一人として欠かすなと常に厳命する、人一倍優しいウルク指令……無論、副指令であるテオドールも一緒だ。
「トリニティ君が見つかったって本当なの?!」
「……ウルク、皆が来て説明するだろうから少し落ち着いて」
次いで顔を出したのは、教導部次席のゼノ……彼もまた、後輩たる
「シエラ! トリニティが見つかったって本当か?!」
「ち、ちょっとゼノ! 少しは落ち着きなさいよ?!」
ウルク指令とゼノ……2人はだいぶ似た者同士である。
少し間を置いて現れたのは、直属の上司である情報部主席、カスラ……
「彼は無事だった様ですね……いやはや、これで妹さん達にも良い報告が出来る」
それから総務部、戦闘部の主席と次席も揃って顔を出し……最後に教導部主席のレギアスとシャオが入り、首脳陣全員が揃った。
「さてシエラ、トリニティからコードD3の要請があったとの事だけど?」
『はい、詳細については本人から説明があるとの事なので、モニターをご覧下さい』
シャオの問いにシエラは頷き、端末を操作して大型モニターに通信を繋ぐ……そこには先日から行方不明となっていた彼……トリニティが(皆知ってるニューマン顔で)映っていた。
《……皆さん、お久し振りです。原因不明の突発的な事故で次元転移され、転移先の技術レベルの問題もあり、今まで連絡が遅れた事に、まずは謝罪を……》
「そんな事は良いよ! 君が無事で、こうやって連絡をくれただけで嬉しいんだから……!」
「突発的な事故で次元転移か……お前さんは今、何処に居るんだ?」
ウルク司令は此方の謝罪をぶった切ってまで安堵した事を口にする……ゼノさんは、僕の姿を見た事で既に落ち着いたのか、居場所を問い質してきた。
《……それについて、少し厄介な事態になっています。
まず、此方の現在位置は地球です……ヒツギ達の居る所とは、次元的に違う世界ですけど……》
「……は? また嬢ちゃん達とは違う地球……?!」
「……地球って言う
ゼノさんはすっとんきょうな驚愕……マリアは違う
「……僕も驚いたというか、呆れたよ。状況の説明のために、まずはこれを見てくれ」
各自の前に別画面を開き、シャオがこの状況を説明を始める……それは、オラクルからすれば
オラクルからすれば、コラボ先のキャラが来る様な事態はわりと起こってる事……
まさか、自分達が向こう側に行くとは思ってなかっただけで。
プレイヤーの皆さんは良くご存知の事かと……
感想、評価ありがとうございます!
異世界地球繋がりで、コラボ先の皆さんとの再会は?
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本編にも絡めさせてみたい
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閑話とか、余興としてなら
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通信越しの出演はどう?
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チラッと名前が出る程度で