GATE - アークス 彼の地にて、斯く戦えり   作:睦月透火

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前回のアンケート結果を踏まえまして、若干ながらシナリオを変更していこうと思います。
アンケートのご参加ありがとうございました。
これからもご愛読の方をよろしくお願い致します。

また、これまでの誤字報告や感想も併せてお礼申し上げます。
感謝ッ! 圧倒的感謝ッ!!



第16話 境界を超えるということ

 シャオ曰く、次元の境界を超えて繋がる理由は数あれど……これ程までに不可解な現象は無い、と前置きが成された後から『異世界転移』現象についての説明があった。

 

 要約すると「お互いの世界に何らかの次元的な圧力または部分的な崩壊、ないしは人為的な操作による改変現象が起きた」事により、異なる次元同士の物理的・時間的な距離が不安定になる……

 その際にできた次元の隙間に入り込んだモノが、異世界へと転送されてしまうのだ。

 

「つまり彼は、不可抗力でこの次元の隙間に捕らわれて、向こう側に飛ばされたと言う事さ」

 

 補足として、オラクル側では「終の女神シバ」の一件での次元改変現象……地球側では件の異世界へと繋がる【門】(ゲート)が開かれた事が主な要因となった、とシャオは語る。

 

「いずれ誰かが巻き込まれる可能性はあった……僕の演算予測でも読み切れなかったのは、かなり痛いけどね……」

 

 バツが悪そうにシャオは頭を掻きながら言うが、レギアスやウルク達は気にしない……想定外などいつもの事だし、シャオは彼なりに頑張っている。

 全知存在(アカシックレコード)「シオン」を人の手で造る……自分はその過程で生まれた劣化コピーという紛い物だとシャオは自覚している……しかし(シャオ)を責める者など、この場には誰一人として居なかった。

 

『結果論ではあるが、トリニティは無事に此方へ連絡を寄越せた……現地人との協力関係もあり、事態としては終息の傾向にある……

 シャオですら予測できなかった事態であるならば、今回の件を教訓とし反省を活かす……その方針で良いだろう』

 

「再発防止としては、それで概ね問題ないでしょう。

 目下の課題は、彼の今後と帰還手段です……シエラ、向こうへの空間転送ルートは確立できましたか?」

 

『それなんですが……今のオラクル船団の位置からすると、かなり難易度が高いです。勿論、次元的・空間的両方の意味で……』

 

 オラクルと既に交流のある地球とは、次元的には違うものの空間距離ではそう遠くない……あの件からワープ技術も日進月歩を重ねており、地球への転送ルートはほぼ開拓されていた。

 だが今回、トリニティが迷い込んでいる地球は更に違う地球……しかも空間的な距離も遠いのである。

 

「……良く分からんが、要はメチャクチャ遠いって事か?」

 

「ねぇシエラ、どれくらい離れてるの? その、今回の地球って……」

 

 ゼノは自身の把握できる範囲で理解……エコーは素朴な疑問をシエラへと投げ掛けた。

 

『……え~と、今の通信を確保している回線を辿って概算を出して、ヒツギさん達の地球とのデータを比べると……ヒツギさん達の地球は、此方の世界で言う惑星ウォパル位の気軽さで往来が可能です。

 反対に今回のトリニティさんが迷い込んでいる方の地球は、過去に調査船「デルタ・ヴァリアント」が不時着した資源惑星「マキア」よりも、更に100光年ほど離れています……どんだけ離れてんですかコレ……?』

 

 惑星ウォパルは近年発見された惑星で、過去にフォトナー……「ルーサー」の実験場だった惑星だ。

 距離的にはそれほど離れておらず、現行のワープ技術なら()()()()()()()()()でバカンスを求める様に気軽に行ける……ヒツギ達の地球も、次元の壁さえ超えればほぼ同程度の距離なので、現行のワープ技術ならば同列……比較とされた「惑星マキア」は直接ワープできない特殊な環境にある資源惑星で、現在こそ人工的に造り出した中継衛星を経由して利便性こそ上げたものの、距離や難易度からすれば半端ない差である。

 

《こっちの感覚的に言えば、近所のコンビニ通いか、航空機の国際線か……といった所かな?》

 

 唐突に聞こえたトリニティとは別の声……画面にはトリニティの後ろで思案している男が映っていた。

 

《紹介が遅れました。彼が僕の協力者……現地の国家防衛組織である「自衛隊」隊員、伊丹耀司(いたみようじ)さんです》

 

「なるほど、自衛隊……という事は日本人ですか。コミュニケーションがスムーズに行えたのも納得ですよ」

 

《……お宅ら、前にも日本人に会った事あるんですか?》

 

「ええ、当時は紆余曲折ありましたが……現在進行形でお付き合いを継続しています」

 

 トリニティの上司であるカスラと直接対話する伊丹……飄々とした態度の伊丹に、朗らかな笑顔で対応するカスラ。

 

「……なぁヒューイ、私にはあの2人が笑顔で武器を向け合っている様に見えるのだが……気のせいか?」

 

「……奇遇だなクラリスクレイス……実は俺もだ」

 

 場の雰囲気を正しく理解したかしてないのか……戦闘部のリーダー(バカ2人)が揃って妙な勘繰りをしていたが、通信越しの会話はどんどんと進んでいくのであった……

 

──────────

 

 その後、連絡を寄越した手段でヒツギ達と同じ「PSO2」というゲームを利用した事に驚かれ、()()()()()()()()()()()()()()()()という事態に何やら策謀めいた印象を受けたものの……ゲームを介したやり取りが可能という事で今後の連絡や方針が話し合われ、僕自身へは借り物の環境ではなく、可能な限り「直接やり取りが可能な環境を整える」様にと指示が出され、現地時間への配慮もあって会談は終了した。

 

「……しっかし、本当にゲームの中の相手と会話が通じるとか……事実は小説よりも奇なり、ってか?」

 

『むしろ、本当にこのゲームはこの世界の人間が開発したモノですか? ……という疑いが湧いてくるんですけど』

 

「それに関しちゃ、開発元のお偉いさんとか現場の人に聞くしかないんじゃない?」

 

 会談の感想を驚き混じりで話す伊丹さん、僕は僕でゲームの開発元にあらぬ疑いを掛けそうになった……が、この場にはもう1人……

 

「……っ……ハハッ……なぁにこれぇ……本当に私、別の世界に行ってたって事……?」

 

 会談が終了し、任務完了と相まってゲームから手動でログアウトし帰還したサリーこと梨沙だったが、戻ってから突き付けられた現実に、茫然自失寸前となっていた。

 

『ヒツギ達の地球では、VR……バーチャルリアリティに近い、という事で特に何事もなく受け入れられていたらしいけど……こっちの世界では、どういう感じなんです?』

 

「発売当初は、たまに起こるアップデート前後のサーバーエラーやら、不具合で賛否両論だったけど……数年前に起きた『DDoS事件』とやらの直後から、データ管理のシステムでも変えたのか、随分と安定してるみたいでな……以降は優秀作として、幾つかの有名タイトルを連続受賞してるよ」

 

 腑に落ちない点は幾つもあるけど……帰還にはこのゲーム(PSO2)が鍵を握っている、そう考えるのは間違ってない筈だ。

 

「……んじゃ、明日は目眩ましも兼ねて買い出しもしなきゃな」

 

──────────

 

 さて、トリニティの件もあり別室で時間を潰している人達はというと……

 

「……殿下、その本の閲覧には()()()()()()()()があります……良ければ此方をどうぞ」

 

 梨沙作と思われる『禁断の果実』と書かれたタイトルの本を開こうとしたピニャとボーゼスを、咄嗟の機転で阻止し別の本を提示するリィス。

 

「……何だと? この本は閲覧制限があるのか?」

 

『閲覧……というよりは年齢制限ですね、ここに在る本の大半は1()8()()()()()()()()()()されています。

 この国では健全な人材を育成するべく、心を病みかねない商品や情報、禁書にはそういった制限が儲けられており、それ自体が暗黙の了解……しかし此方にある本でしたら、特にそういった制限は無いので』

 

「……なんと、この世にはその様な戒律があるのか?!」

 

「殿下、ここは異世界です……!」

 

「……! そうであった……」

 

 リィスから本を受け取りながら、ボーゼスとやり取りを交わすピニャ……だが、リィスから受け取った本の山の中には『週刊少年◯ャンプ』や『Ho◯by ◯APAN』、そして何故か『○nights & Magic(ナ イ ツ マ)』の漫画(全巻セット)が混ざっているのであった。

 




……はい、という事で普通にPSO2(ゲーム)で連絡が付きましたw

PSO2の原作でもアニメでも、たかがゲームがこんな騒動を起こす原因になるとは思ってもみなかったでしょうね~
開発元のSE○Aさん、もしかしたら「混乱の元凶」って言われて叩かれるかも……

ところでリィスさんや……腐る原因となった事象を阻止したのはお手柄ですが、逆にそのチョイスはどうかと思いますよ?
まぁ……理沙の部屋にある本は、彼女の作品(18禁)か資料として買い込んだ物のどっちかしか無いからしょうがないんですが(マテ

さて次回は、昼間の銀座……ぶっちゃけ例のお買い物回ですね。

感想よろしくなのです♪(某・艦娘風)

次回、トリニティはどう動く?

  • 伊丹さん
  • テュカ達
  • ピニャ達
  • 独自行動
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