GATE - アークス 彼の地にて、斯く戦えり 作:睦月透火
現地のトップである「あの方」は何やら考えがある様ですよ?
では行きましょう……第4話!
狭間浩一郎……特地派遣部隊の総指揮を任された陸将であり、東大出身なのに現場叩き上げで地位を得た異色の存在である。
(いきなりの呼び出しには驚いたけど、なるほどこの人……報告だけじゃ真偽に欠けると思って直接、僕の事を確かめに来たのか)
「キミが、例の異世界人……アークスかね?」
『ええ、登録名はトリニティ……情報部の所属です』
情報部と聞いて一瞬、動揺が走ったか……そりゃそうだ、情報というのは組織間において重要な要素を司る……それを扱う部署と言うだけで、組織内の警戒心を爆上げするには十分過ぎる
「ふむ……報告にあった外見と一致しないね、理由をお聞かせ願えるかな?」
『……その前に、貴方のその警戒心は無用ですよ?
僕は現状、所属組織から空間的に隔絶されているので、連絡はおろか帰還手段も儘ならない身……さらに言えば逆に貴方がたへ助力を求める側なので、むしろ僕が恩返しとして協力を惜しまない所存です』
「……そうか……了解した、では……オホン!
まず、キミの能力を簡潔に知りたい……協力を惜しまないとの事だが、現実問題としてまずはキミの得手不得手を知るのが最善だと思うのでな?」
基本的にアークスは単独で戦闘から調査、現地人とも交流可能……個人の分野における能力も、実力者は専門職に勝るとも劣らないエキスパートばかりだという前提を話し、その上で僕の得意分野である「情報戦」と「装備の設計・開発」、そして「変装」という個人特技を披露する……
そういう意味もあって、わざと報告と違う外見をして狭間陸将の呼び出しに応じたのだ。
「……ッ?! ……なるほど、これは想像以上だな……!」
最初は「男性キャスト」の姿で狭間陸将の前に現れた僕、そこから通常モードとして固定する事にした「男性ニューマン」に、テュカ&黒川さんの前で見せた「女性デューマン」の2形態……そしてアイテムパックに入っていた
……何故か最後のきぐるみに、複雑な表情で反応したのは気のせいだろうか?
アークスでは割と人気のあるモンスター系きぐるみなんだけどなぁ……
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その後、僕は狭間陸将と正式に相互協力の約束を行い、本土や外部へは現地協力者の1人として説明する事になった。
現状、アークスという第3勢力の存在は非公開とし……「現地で腕の立つ人物」という傘を被る……緊急時以外はキャスト形態を封印すれば良いだけなので、僕としては呆気ないくらい楽な条件だ。
その翌日、避難民として受け入れた人達の把握と、保護の為に行う諸々の作業を手伝う事になった……具体的には、人物リストの作成と詳細の把握……そして彼等の宿泊施設の建造だ。
施設建造はさすがにお門違いなので……僕は翻訳機をフル活用し、住民リストの作成を手伝う。
大半の人は特に問題なく終わったのだが、テュカだけは妙な行動をしていたな……
……妙な事態に発展しなきゃ良いんだけど。
魔導師カトーの弟子、レレイは随分と好奇心旺盛らしく……炊き出しの様子もじっと観察していたし、今も僕が食後の運動として
「……その剣は重い?」
ヒーローの基本武装として僕が主に使う「リバレイトソード」を指し、その重さを問うてきたレレイ。
「持ってみるかい?」
僕は玩具でも差し出す様に、リバレイトソードを持ち易い様にレレイへと差し出した。
普通なら「そんな大剣を華奢な少女に持たせるのかよ?!」と突っ込まれそうだが、簡単にそうしたのにはちゃんと理由がある……少し躊躇ったが、リバレイトソードの柄へと手を伸ばすレレイ。
「……?! か、軽い……!」
恐る恐る柄を握り、持ち上げ始めたレレイの表情が一瞬で驚愕と好奇心に染まる。
「持ち主の技量に応じて、自律的に調整する機能があるからね……単純な筋力ではなく、扱う技量がモノを言う武器なのさ」
そう、武器としてのリバレイトシリーズには装備者の技量などのパラメータに応じて、出力や重量、制御システムを自動調整するという
それ故、握れば誰でも一定の威力を出せるし、技量が高くなればなる程その破壊力を増せるという、
僕が今でもリバレイトシリーズを持つのは、コレが1番の理由だ。
レレイからソードを返して貰うと、僕は刃を地面に向けたまま手を離す……すると。
ドスッ!!
持ってみた時の意外な軽さとは正反対の……見た目相応の重量感溢れる音を発しながら、地面へと突き刺さるリバレイトソード……その光景に更に驚くレレイ。
「そんな……軽かったのに!?」
『それが調整されてる証拠なんだよ……フォトンによる自重と慣性質量の自律変動……持つ間は自然な軽さ、振る際の慣性質量を扱いやすくコントロールし、インパクトの瞬間に自重を増して打撃力を増大させる事が出来る』
この世界と繋がった、地球のレベルすら軽く凌駕しているアークスの技術力……その一端とはいえ、それを前にした彼女の目は……物凄く輝いていた。
そんなこんなで、数日が経過……目下の課題は、テュカの奇行だ。
精神科医ではないので何とも言えないが……あれは恐らく、パーソナル障害の可能性が高い。
レレイから聞いた情報では、あの時避難民を襲っていた赤トカゲに……故郷や仲間、全て焼かれ……たった1人、生き残ったと聞いている。
(だとすると……肉親か誰かを目の前で失った事で、精神障害を発症しているのか……)
深刻な状態になる前に治療を行えれば良いのだが……精神障害の治療は専門家でなければ不可能だし、仮に行えたとしても成果が出るには長い時間を要する。
こればかりは本人の気持ちの問題でもあるため、下手に手を出して悪化させてしまう恐れもある……
『こういう時に、オラクルと連絡が取れればなぁ……』
溜め息混じりに希望的観測を口にしながら、居留施設に宛がわれた自室へ初めて入る……殺風景な部屋には地球製の電源設備や窓もあり、仮住まいとしては十分過ぎる広さもあった。
『さて、奇跡的に持っていたコレが役に立つ時か……』
そう呟き、アイテムパックから
『手持ちの中にあったのは偶然だけど……今となっては物凄くありがたいね』
それはアークスのマイルームに必ずある設備へ、外部からアクセスを可能とするルームグッズ……「部屋主用端末シリーズ」だ。
この端末シリーズは、マイルームの壁に固定されている同種の端末にわざわざ移動する事無く、作業場所に集中配置する事で手間を省く為のグッズだ。
マイルームの扱いに慣れた人には無用の長物だが、今の様な状況下なら稼働するだけでもありがたい……マイルーム端末を入口横に固定した後、倉庫端末を設置……使えるかは不明だが、ビジフォン端末も並べ、簡易的にマイルームと同じ配置へと整える。
『……さて、手持ちを移動させとかないと……』
そう思い、倉庫端末のホロウィンドウを展開した僕の視界に映ったのは……空の筈の倉庫内に、見覚えのあるアイテムがコレでもかと積まれている光景だった。
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(……いったい何がどうなってるんだ……?)
倉庫内には転移直前に確認した、任務へ出発する前の状態になっており……今までに収集した装備やルームグッズ、大量の素材が山の様に入っていた。
どういう事なのだろうか……ココは彼方の地球でもオラクルでもない、アークスにとって未開惑星の1つの筈だ。
それなのにこの大量のアイテムや素材の山、しかも今回転移した直前に確認した中身そのままの状態が再現されている。
『摩訶不思議な現象……しかもちゃんと取り出せるし』
倉庫からかつて使っていた武器の1つ……ノヴェルナックルを取り出す。
一応、後継職を含む全クラスを極めた上でヒーローとなった僕にとって……修行時代の後半に使っていた「ノヴェルシリーズ」は思い入れが深く、それなりに愛着もある。
感慨深くナックルを眺めていた僕の視界の隅に、ルームグッズの一覧が見え……
『……! もしかしたら……』
不思議な事にルームグッズが正常稼働しているのだ、もしかしたらアレも使えるかもしれない……期待を胸に、使えそうなルームグッズを次々と設置。
そして最後に出したのは「パートナーコンソール」……
アークスの各種サポートや戦闘までこなせる万能マシナリー「サポートパートナー」を呼び出せる端末だ。
設置を終え、すぐさまコンソールを起動……数秒の起動音の後、量子格納されたボディフレームが展開されていき、展開完了のアナウンスと共に
「……おはようございます、ご主人様……本日はどの様なご用件でしょうか?」
稼働しているコンソールの中央に、僕自身の手で生み出した小さな相棒……サポートパートナーが立っていた。
アークスの戦闘装備は化け物か?!
そんな裏設定を捏造してしまった……
もちろん原作の武器にはそんな機能なんてありませんのでご注意!
そして、借り物のお部屋がアイテム1つで『マイルーム』と繋がっちゃった!?
コンソールは問題なく起動、倉庫は向こうのアイテム取り出せるし、サポパまで呼び出し出来ちゃったよ……ふっしぎだねー?w
そして冒頭では、現地指令さんへ「変身」を披露しました。
自衛隊の方がリアクションに困るモンスターと言えば、もうお分かりですよね?
サポートパートナーの性別、どうする?
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男
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女
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男の娘
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オカマ
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実際にゲームで作った子