GATE - アークス 彼の地にて、斯く戦えり 作:睦月透火
アンケートでは伊丹さん単体居残りでアニメ同様の展開……が一位でしたが、「違うキャラが居残る」というパターンにも一定票があったので、ちょっと面白くするために混ぜましたw(ぇ?
それでは第8話、どうぞ~♪
伊丹さん達第3偵察隊と僕ら保護組は、竜の鱗を売って生活費を稼ぐという当初の目的をようやく達成し……一路、アルヌスへと帰還するべく車両で走っていた。
イタリカからはまだ数キロも走っていない道端……また前方に何やら土煙が立っている。
「前方に煙が見えます!」
「また煙かよ……」
「……ッ?! て、ティアラに……金髪……縦ロールですッ!」
(……は?)
いきなり何を言い出すかと思ったら、金髪縦ロール……?
「な……何ィッ?!」
「金髪縦ロール1、その隣に男装の麗人1……更に後方にも美人多数ッ!!」
……なるほど、生体反応多数……この速度は……馬か?
「薔薇の旗……ありゃ姫サマが呼んでたっていう騎士団か」
成る程、この世界じゃ連絡手段が限られてるから、遅れに遅れて今頃のご到着か……ッ?!
(マズイな……自衛隊がイタリカを救った事を彼女達は知らない、遭遇は不可抗力だが……この状況じゃ接触自体が危険じゃないか……!?)
『伊丹さん……!』
「分かってる、とは言ってもな……下手に動けば、後から協定違反と見なされる可能性もあるぞ……?」
《ご主人様、私達だけで対応しては……?》
『いや、既に自衛隊の車両を見られてるから必ず問い詰められるし、事を荒立てたらそれこそ協定違反だ……ココは伊丹さんの判断に従おう』
《……了解しました》
渋々引き下がるリィス……彼女は単独戦闘を得意とするぶん、状況判断能力も高い……が、下手に高い実力があるせいか、脳筋っぽい思考に走る事も少なくない。
ココは敢えて、流れに乗って様子をみるか……
「お前達、何処から来た?!」
銀髪の女性騎士が、運転手の隊員に剣を突き付けて尋問をし始める……今にも襲い掛かられそうな雰囲気だ……恐らく、ある程度アタリを付けて敢えて尋問している様な感じだ。
「我々……イタリカから、帰る所……」
「ほぅ、何処へだ……?」
「……アルヌス……の」
その名を聞いた途端、周囲の女性騎士達も次々に剣を抜き始め……銀髪の女性も声を荒げた。
「アルヌス……だと?! さては貴様等、門の向こうから来た敵かッ!?」
「ちょ、ヤバいだろ……?!」
『……な……ッ?! 伊丹さん!』
仲裁のためだろう、銀髪の女性騎士に声を掛けようと伊丹さんが高機動車から飛び降りる。
(向こうはイタリカで結ばれた協定を知り得ないから、強硬な態度を崩す筈がない……あのままじゃ確実に孤立する!)
『待て! 我々は敵ではない!』
ココはこの見た目と演技に掛けるしか無い……ニューマンの姿がエルフとよく間違われる位に似てるなら、多少演技が雑でも突破口にはなる筈と思い、僕も高機動車から飛び降りた。
「……ッ?! 騎士服のエルフ……だと?! まさか貴様等……異世界人共と結託して、我ら帝国に敵対する腹積もりか?!」
(はぁ?! 何処をどう解釈したらそうなる?! クソッ、裏目に出たか……!)
人族至上主義、とでも言えば良いか……この世界の主要国にはそんな下らない考えが深く根付いている様だ……そんなカビ臭い考え方してるんじゃ、国は長持ちしないというのに。
「そこのエルフ! 異世界人と共謀し、帝国騎士団に楯突くとは良い度胸だな……だが降伏した方が身のためだぞ!」
「……ま、まぁまぁ落ち着いて……」
「お黙りなさいッ!」 パァンッ!!
《待て! 撃つな! 撃つなッ!》
伊丹さんが平手打ちを喰らい、勢いに負けてたたらを踏む……その瞬間、自衛隊員達は一斉に銃を構えるが、車内の隊員が通信で声を上げて抑える。
周囲を取り囲む女性騎士達は既に全員抜刀してるし、伊丹さんの装備は車内だから丸腰だ……ココは僕が矢面に立たなきゃ……と、リバレイトタリスを抜刀し、密集した騎士達を牽制しようと飛刃を構える……
「逃げろ! 俺に構うな! 兎に角行けッ!!」
伊丹さんの声に一拍遅れて全員が反応した。
騎士団は馬を走らせようとするが、高機動車のエンジン音に馬が驚き混乱……加えて僕がタリス
走り去る高機動車を見送り、背後に迫る騎士団の女性達を気にしながらも、伊丹さんは僕に声を掛けた。
「……ゴメンな、巻き込んじまった……」
『いや、これは僕の判断ミスです……伊丹さんのせいじゃないですよ』
薔薇騎士団……ピニャ殿下の率いる女性の騎士団か……実力はあると聞いてるが、事情を知らないとはいえ、こうも喧嘩っ早い感じだと思考能力は赤点ギリギリと採点せざるを得ない……殿下には悪いけど、是非とも再教育して欲しいね。
おやまぁ、綺麗な顔が歪んで台無しだよ……女性はあまりそういう顔をしない方が良いと思うんだけどねぇ……
「なんて事をしてくれたのだッ!!!」
「……は……え、姫様……?」
その後、僕と伊丹さんは彼女達に連行され……再びイタリカへと舞い戻った。
勿論、扱いは捕虜……地球とは違って、自衛隊が提唱している
剣こそ使われなかったものの、首には荒縄、全身隅々何度も執拗に殴るわ蹴るわの強引な尋問が道中で続き……イタリカに到着した時点で既に伊丹さんはグロッキー状態……
当然の如く、報告を受けた殿下は瞬く間に激高し、持っていたワイングラスを縦ロールの彼女に投げ付け憤怒の形相……
「伊丹殿?! 伊丹殿~?!」
「あは……あへ……えへ……ハハッ……」
ハミルトンさんが必死に伊丹さんを正気に戻そうと呼び掛けているが、当の本人は既に意識が飛びかけているので半笑い状態から復帰できないでいる。
……え、僕も同じ様にやられたのかって?
まぁ確かに同じ目にあった……けど、殴られる直前に
「貴様、エルフの分際で帝国に楯突くとは……!」
シュン……ガツンッ!
「痛ッ?! こ、コイツ……魔法で鎧を……!」
『やれやれ、その様な短気では事を仕損じるだけです……それと、見てくれだけでの判断で動くのは、相手を甘く見過ぎですよ?』
「黙れ! このエルフ風情(?)が……ッ!!」
おお怖っ……ぼーりょくはんたーい。
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それから、殿下が彼女達を叱り飛ばすのを尻目に、僕ら2人は、先日にも来たフォルマル伯爵家の屋敷に迎えられ治療を受ける事となった……がその際、治療薬などを差し出されたがそれは全て辞退し……伊丹さんの傷は、アークス御用達の回復テクニック『レスタ』で治療した。
「コレが、エルフの精霊魔法(?)ですか……さすがですね! あれだけの傷をこの僅かな時間で……!」
(いや、魔法じゃなくてテクニックなんだけどね……まぁ、訂正するのめんどいから良いや)
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「……ぅ……こ、ココは……?」
「お目覚めですか、ご主人様?」
「……は? ……ぇ……?」
治療から30分程で伊丹さんは目を覚ました……彼の側には伯爵家のメイドさん達が4人、四方を護衛するように立っている。
最初に伊丹さんに声を掛けたのは黒髪の女性……彼女は見たまま人族だが、他の3人は違っていた。
「……え、猫耳……?!」
「? どうされましたかニャ?」
語尾に「ニャ」と付くのを聞いたのは、
「あぁ、いえ……何でもないです」
伊丹さんも初体験らしく、反応に困っている様だ。
『……意外と早く目が覚めたみたいですね』
「……なぁ、トリニティ……ココは……」
『フォルマル伯爵家の一室ですよ、昼間の傷は
「いえいえ、イタリカをお救い頂いた恩人に対し、この程度は当然の配慮にございます……むしろこの度の仕打ち、報復をなさるのでしたら我々も最大限お力添えを致す所存……しかしながら街を攻め落とすとなれば、我が当主ミュイ様だけは……どうか寛大なる御慈悲を」
僕の説明を引き継ぐ様に謝罪を交えた言葉を繋ぎながら現れたのは、この家のメイドさん達を率いるメイド長のカイネさん。
イタリカを救った自衛隊という存在は、イタリカの住人である彼女達にとって正に救世主も同然だったろう……
短期の休養で一室を借りる程度などなんて事はなく、むしろ酷い仕打ちをした帝国に牙を向くなら助力もするとまで言い出す始末。
いや今そんな事言われてもねぇ、それに自衛隊は普通に戦う気無いだろうし……その直後だった。
『……おや、外に何人か……多分、お迎えかな?』
「……ッ?! 何者かが外の扉を抉じ開けようとしています……!」
ウサギ耳のメイドさんが外の気配に気付くのとほぼ同タイミングで、僕が外の異変を口にした事で、メイドさん達が一様に驚く……部屋の窓が半開きだから、大気中のフォトンを通して自衛隊の皆が潜入してきているのがすぐに判った。
「そうですか……御二方のお仲間ならば、此方までご案内を……他の者ならば、いつも通りに」
「「畏まりました」」
カイネさんの指示に、マミーナさんと紫の獣耳と尻尾が綺麗なペルシアさんが連れ立って部屋を出ていく……彼女達の挙動には一切の無駄がない、あれは恐らく戦闘経験も豊富な人物の動きだ。
要人護衛から対人制圧までこなすメイド……か、確か『戦闘メイド』とか言うんだっけ?
「マミーナは
『……対人戦闘の経験がある様ですね、あの2人……』
「……?! よくお分かりで……」
『淀みの無い足運びと、片時もブレない重心移動、そしてこの気配操作……全てが一流の所作だ、あれなら並の相手じゃ束になっても敵わないだろうね』
「お褒め頂き、ありがとうございます。……あの2人もさぞ光栄に思う事でしょう」
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メイドさん2人が出ていって数分後、案内された栗林さんや倉田さんが扉を開けて入ってきた。
「隊長、無事ですかッ?! ……え……?」
「……よっ♪」
『こちらは五体満足で無事ですよ、ご迷惑をお掛けしました……』
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それから、倉田さんのシドロモドロな自己紹介に始まり、全員がすぐに打ち解けて和気藹々と団欒している……ただ一人ロゥリィだけは、カイネさんにすり寄られて若干引き気味だったけど。
「さっきの精霊魔法、凄かったデス!」
「トリニティ、魔法を使ったの? 私も見たかった……」
『え? ……あぁ、また機会があったらやろうか』
「ん、その時は絶対に声を掛けて……約束!」
『っと……あぁ……勿論、約束するよ』
レレイの剣幕に押され、縦ロールの美人さんが部屋に入ってきた事に気付かず……伊丹さんの近くに居たのに、僕は完全に警戒を緩めてしまっていた。
僕が彼女の気配に気付いた時には、煽情的な格好で物凄い形相をした縦ロール美人さんが既に伊丹さんへと迫っており……
スパァンッ!!
……本日2度目となる、小気味良い平手打ちの音が響いたのであった。
はい、伊丹さんの扱いは原作通りに……
アークスも連行されたけど、キャストのボディは殴ると逆に怪我するよ?
銀髪さん……骨折してないよね?
描かれてない部分はほぼ原作通りの展開なので省いた形です。
次回はようやくアルヌスへと帰還……そして参考人招致へ。
なるべく出発まで、まとめて描いてやりたい……
なお、アークス君は是が非でも地球へ行きたい模様……オラクル帰還への手掛かり、あると良いね。
モチベアップの為にも、感想お待ちしてま~す♪
アークスは地球へ行くべき?
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YES
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NO
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どうせならリィスも連れて行こう