また香織だって?好きだから仕方ないよね
単純に香織いがいの話が思いつかない・・・
因みに時期としてはハジメと香織は成人済み、大学卒業ちかくくらいです
もはや自室となっていた南雲家の地下、ハジメの工房で主であるハジメがアーティファク
トを制作していた
「見た目はこのままでいいな、問題は永久機関をどこに入れて・・・」
ある世界で完成した夢幻のエネルギーを生み出す永久機関、現在のハジメはそれを自らの
アーティファクトにどう組み込むかを思案していた訳だ
「いくら小型になってもやっぱ永久機関、馬鹿になんねぇな」
人類にとって永遠の宿命ともいえた永久機関を使って遊ぶハジメはとても楽しそうだった
そして邪魔する存在のいない工房にスマホから着信音が鳴り響いた
「誰だ?・・・香織か」
とてもいい所だったのだが流石にここで無視するのはかわいそう、ここ数年で成長したハ
ジメは迷わずスマホを取った
「ハジメ君? こんな時間にごめんね、だけどどうしてもすぐに話したかったから‼」
普段からハジメと話す時の彼女はテンションが高いが今日は更にテンションが高い、その
内容が関係しているのだろうか
「ちゃんと聞くから落ち着け、それでどんな話なんだ?」
「えっとね、実は今度お母さんやお父さんと4人で食事しようって話になったの」
「そう、か・・もしかして智一さんもokを出したのか?」
ハジメと智一の仲も最初に比べれば遙かに進んでいる、だが生来の性格や智一の娘愛が
引っかかり時間はかかっていた
「うん、ハジメくんと私も大人になったからとりあえずその記念で、って言ったら納得
してくれたんだ」
「そうか、それで何時なんだ?」
ハジメとしてもここで一気に仲を深めて香織との関係を正式に認めてもらい、あわよく
ば婚約を
等と考えて居たので否などありはしない
「ついさっき決まった事だし私もハジメ君も、お父さん達も忙しいでしょ? だから明
日の講義が終わったらウィステリアで話そうよ」
「分かった、明日は早く終わるはずだが香織の方は?」
「私も早く終わるはずだよ、せっかくだし2人だけで話そうよ‼」
「・・・ん」
まるでどっかの誰かさんそっくりにそっけなく答えながらも楽しみなハジメさんだった
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翌日、お昼時を過ぎて夜まで人は来なさそうな時間帯
喫茶店ウィステリアには常連と二人のカップルがいた
「えへへ、なんだかこんな時間にハジメ君と二人で過ごすの違和感があるね」
「大体はユエやシアたちが居たからな、デートの時も来るのは昼だったし」
半ば常連になっているハジメを知る常連さん達がいつも違う美少女を連れているハジメ
に悪意は無いけど何とも言えない視線を向ける・・・がそんなことを気にするハジメ
では無い
だが声を掛けないのは常連さんだけであり、気にしない少女が居た
「毎日毎日女の子をとっかえ引っ返して楽しんでるわね、南雲」
「園部か、今日は随分早くからいるんだな」
「優花ちゃんこんにちは、それと全員お嫁さんだから大丈夫だよ‼」
ウィステリアの看板娘でありすっかりハジメの時の相手となっていた優花がほんの少し
残念そうにしつつ声を掛ける
「それで二人とも、話すのは結構だけどご注文は?」
「うーん私はね・・・あっこの前の雫ちゃんとのお買い物で使いすぎちゃったんだっ
た」
「俺が出すから好きな物頼めよ、あんまり高くないしな」
「ハジメ君、でも・・・ううん、ありがとう」
「・・・それで、何を頼むの?」
恋人らしいやりとりに益々ムスッとした優花が主にハジメを睨みながら問う
「俺はいつもので頼む」
「コーヒーね、いつも通りブラックでいいの?」
「あぁ、香織は何頼むか決まったか?」
「・・・私はオレンジジュースとケーキ」
「分かった、今は人が少ないからすぐ持ってこれると思う」
注文を取り終えた優花はカウンターの方に戻っていき、テーブルでは
「急に不機嫌になってどうしたんだよ」
「・・・ハジメ君、本当に優花ちゃんと愛人とかじゃないよね?よね?」
「その質問何度目だよ、園部とはただの常連客とその店の店員だ」
未だに続く疑いの目、果たして晴れる日はくるのであろうか
「だってさっきのやりとり、常連さんにしたって仲が良すぎるから・・・」
「・・園部の事はもういいだろ、それよりも予定だ」
これで完全に否定する言葉を言うと今度は優花が可哀そう、などと言われるのは目に見
えて居る為無理にでも話を切り替える
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ウィステリアで予定を立てて数日、遂にその日はやって来た
「いらっしゃいハジメ君、今日はゆっくりして言ってね?」
「はい、今日はよろしくお願いします」
香織の母である薫子とそんな会話をしつつハジメは白崎家に上がった
「よくきたねハジメ君、まずは成人おめでとう」
「智一さん、ありがとうございます」
「ハーレム野郎な君に思う所はまだあるが、今日はゆっくり話そうじゃないか」
「・・・はい」
いつになく冷静な智一にハジメをして少し動揺する、だがすぐに持ち直す
「今日は良いお酒を開けて一緒に飲もうじゃないか、嫌とは言わせないよ」
「勿論です、喜んで飲みましょう」
心なしか楽しそうな智一にほんの少しあった緊張の糸がほどけるハジメだった
それから数時間の間ハジメは白崎家の3人と楽しく過ごした
話題に上がるのは香織とハジメの出会いから最近までの事だったり智一の建築家の仕事
に関することだったり、はたまた薫子のお料理教室での出来事等々と様々な話題が上
がった
「ハジメ君ハジメ君、お酒って美味しいね~」
「そうだな、けどこの酒は普通のよりもいい奴だから他のは違うかもしれないぞ」
「そうなんだ~ ハジメ君ハジメ君~」
酔った香織はひたすらハジメに甘え、途中からは両親の前でも二人だけの時の様に体を
寄せ、抱き着いては猫撫で声でハジメの名前を連呼していた
最初こそ止めていた智一だったが酒が進むにつれ色々緩んだのか、何も言わずになって
しまった
「全く、ハジメ君がハーレム野郎でさえなければ・・・」
そんな事を延々と零しながらテーブルに突っ伏している智一
その言葉からハジメを認められない最後の原因が丸分かりだ
「もぅ香織もあなたも飲みすぎですよ、だけどハジメ君は幾ら飲んでも酔わないのね」
「俺の場合は毒耐性がありますからね、そういう薫子さんも全く酔っているように見せ
ませんけど」
「なんとなくこうなる予感がしたからセーブして頂けよ、結局は私も強くないわ」
そんな風に言いつつ香織と智一に毛布を掛け、寝かせる薫子
「実はね、こうしてハジメ君と話す機会があったらみせたいものがあったの」
「みせたいもの、ですか?」
「ええ、あの人や香織が起きてると落ち着いて見せられないから」
「あの、それって俺が見ても大丈夫なんですか?」
「大丈夫大丈夫、だってハジメ君は本気で香織と結婚する気でしょう?」
「それはまぁ・・・はい」
実際本気ではあったしそれがハジメなりの誠意だった訳なのだがこう面と向かって問わ
れると流石に少々恥ずかしいらしい
「ならいいの、何れ家族になる人になら見せても良いわ」
そうして薫子がハジメに見せた者は・・・
「アルバム、ですか?」
【我が家の天使の歴史】とタイトルが書かれたものだった
「ええ、あの人と私で香織が生まれた時から作っているアルバム」
そう言いながらアルバムを開き、慈愛に満ちた表情で写真を撫でる薫子
「香織が居なくなってからは毎日このアルバムを開いて、元気を貰ったわ」
帰還者の両親がどれだけの想いだったか詳しくは知らないハジメでもそれが想像を絶す
る苦痛であったことは分かる
「【もう香織は戻ってこないんじゃないか、このアルバムの続きは作れないんじゃない
か】そう思った日からこのアルバムは見なくなったわ・・けどね」
ページを捲り、ハジメもよく知るトータスでの香織が出てくる
「ハジメ君があの子を連れ帰ってくれたお陰で続いたわ、それにトータスでの香織の写
真も飾れて・・本当に良かった」
「・・・薫子さん」
思いだしてなのか涙を浮かべる薫子にハジメは書けるべき言葉を見つけられないでいた
「改めてお礼を言わせてハジメ君、娘を連れ帰ってくれて本当に、本当に有難う」
「・・・はい」
それ以上の言葉は不要、それからしばらくの間は2人でアルバムを眺め続けた
途中で香織や智一の(本人立的には)恥ずかしいエピソードを聞きつつ時間は流れていく
「あの人ね、香織が嫁に行くのは嫌だって言うのだけれどたまにお酒を飲んで香織が居
ない所だろ【香織に彼氏ができて、そいつが成人したら一緒にお酒を飲むんだ、と
びっきりいい酒を用意して】なんて言っていたのよ?」
「それで今日は楽しそうだったんですね」
「ええ、ハジメ君もあの人の事を分かるようになったみたいで良かったわ」
「これから家族になる相手ですからね、少しでも知っておきたいんです」
「・・・そうね、ハジメ君」
「なんですか?」
「私達の事も大事にしてくれるのは嬉しいわ、だけど一番は貴方のお嫁さん達にして上
げて」
「一番が何人もいるってのも変な話ですけどね」
「でもハジメ君は諦められないんでしょ?」
「勿論です、全員で幸せになります」
「ええ、知ってるわ」
それからしばらく話を続けるハジメと薫子だったが時間も時間だったのでお開き、では
なく
「あの、本当に泊まっていっていいんですか? しかも香織の部屋で」
「いいわよ、まぁ明日になったらあの人とか香織が色々言い出すでしょうけどそこは私
も手伝ってあげるから乗り切れるわよ」
「随分俺に甘いんですね」
「それはそうよ、貴方みたいないい人香織に話して欲しくないもの」
そんな訳でハジメは白崎家の香織の部屋に泊まる事となった
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それから香織をベットに寝かせ、ハジメも床に就いて眠りにつく前
【この際だから既成事実でも作ってみたら?】
なんて軽々しくとんでもない事を言った薫子に別の意味で恐怖を抱きつつハジメは
「あの時の笑みが気になる・・・気のせいか」
突っ込みを入れた後に妙な笑みを浮かべていた薫子を気にしつつもハジメは眠りについ
たのだった
そして薫子の笑みの意味をハジメが知るのはもうすぐ後であった・・・
翌朝、白崎家の香織の部屋で
「ふぁぁ、眠いのに不思議なくらい元気・・・まるで」
目を覚ました香織はその感覚に覚えがあった、だがそれをした記憶はない・・ない、の
だが
「・・・ハジメ君?」
瞼を開いた最初に視界に入ったのは最愛の相手だった
「・・・昨日の私、何があったの?」
酔ってハジメに甘えてからの記憶がない香織はハジメが起きるのを待ち続け、その間
ずっと気にするのだった
おしまい
今までで一番長い・・・本当は前後編に別ける予定だったのですがやる気がみなぎって書きました
香織大好きな智一さんがこんな事言う訳ない、とは私も思ったんですが「娘の恋人と酒を飲むお父さん」というシーンが描きたくて薫子さんがハジメに昔の香織の話をするシーンも作りたかったのでこうなりました(お酒を飲んでて普段は言わない本音が出たって事で許して)
・・・次回は誰にしましょうか?
個人的には後輩ちゃんが嫁~ズに入る話を作りたいんですがこのシリーズとは関係ないんですよね
感想と一緒でいいので見てみたいキャラとか話募集してます
どのヒロインの話が良いですか?
-
ユエ
-
シア
-
ティオ
-
香織
-
雫
-
愛子
-
リリィ
-
レミア
-
優花
-
ローゼ(竜王国の姫)