高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

初めましての人は初めまして。

知ってる人はこんにちは。

また隠れて新作出しますはい。

チマチマ投稿していくので興味あれば見てやって下さい。

では、どうぞ( ゚∀゚)o彡°


序章〜プロローグ〜
第一話 魔界の王を決める物語の完結


20XX年3月8日……

 

フランスの山中にて、二組の魔物と人間のコンビが戦いの雌雄を決しようとしていた。

 

赤い本の魔物ガッシュ・ベルと、その本の持ち主(パートナー)高嶺清麿(たかみねきよまろ)

 

黒い本の魔物ブラゴと、その本の持ち主(パートナー)シェリー・ベルモンド。

 

彼らは向かい合っていた。

 

 

「では……始めましょう」

 

 

「ああ」

 

 

シェリーの言葉に清麿は不敵な笑みで答えるように上着を投げ捨てる。

 

 

「いくぞ……ガッシュ」

 

 

「ウヌ」

 

 

清麿の呼び掛けにガッシュも覚悟を決めて、ブラゴと向かい合う。

 

そして遂に二組の魔物の術がぶつかり合った。

 

 

「ザケル!!!!」

 

 

「レイス!!!!」

 

 

電撃と黒い力の塊が激突し、爆発が起こる。

 

それを皮切りにガッシュとブラゴが接近戦へと移行する。

 

 

「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」」

 

 

互いに高速でパンチやキックを繰り出すと、勢いよく後方に下がった。

 

 

「エクセレス・ザケルガ!!!!」

 

 

「ディボルド・ジー・グラビドン!!!!」

 

 

ガッシュは上空からX状の電撃のビームを放ち、ブラゴは球状の重力場をいくつも作り、空間ごと捻じ曲げることでそれを迎撃していく。

 

ブラゴはガッシュを見て楽しそうに笑う。

 

 

(フッ……強くなった……あの泣き虫が……よくぞここまでに……)

 

 

互いの術が相殺されると、シェリーが次の手に打って出る。

 

 

「ニューボルツ・マ・グラビレイ!!!!」

 

 

ガッシュと清麿の近くに強力な重力場を作りだすが……

 

 

「ラウザルク!!!!」

 

 

それを察知した清麿が肉体強化の術でガッシュを強化すると、すぐにその場から離脱する。

 

それを見たブラゴは再度笑う。

 

 

(見事だ……まったくもって見事!そして……こいつも……)

 

 

そしてシェリーの方を軽く一瞥(いちべつ)した後、向き直る。

 

その様子を後ろで見ていたシェリーは、ブラゴの様子にすぐに気が付いた。

 

 

(ブラゴが……笑ってる……)

 

 

それに釣られてシェリーも笑った。

 

 

「ふっ。ディゴウ・グラビルク!!!!」

 

 

シェリーは肉体強化の術でブラゴを強化すると、本に込める心の力をさらに強める。

 

 

(私も、今日こそは……今日こそは……ブラゴの……)

 

 

ブラゴはそのまま突っ込んでいくと、ガッシュ達を殴り飛ばす。

 

清麿はガッシュに指示を出しながら、ガッシュはその指示を聞きながら、なんとかブラゴの猛攻を凌いでいく。

 

そんななか清麿は、ブラゴとシェリーと初めて邂逅したときのことを思い出していた。

 

 

(思い出すな……ブラゴとシェリーに会い、この100名の魔物の子供による魔界の王を決める戦いを知り……初めて、ライバルというものを感じた……)

 

 

ガッシュのテオザケルがブラゴにヒットする。

 

 

(そのライバルと今……王の座をかけた最後の戦いをしている……)

 

 

ブラゴは電撃を食らいながらも、ガッシュに接近していく。

 

 

(ブラゴも凄まじい強さだが……シェリーもまた凄い指示……心の力を出す!!)

 

 

シェリーも負けじと指示を出していく。

 

 

(この強さは……ブラゴを王にしたい!!!!まさにこの一心が生み出す力!!!!)

 

 

想いの力。

 

シェリーはブラゴを王にしたいという想いの力で、必死にガッシュと清麿に食らいついていた。

 

清麿は戦慄する。

 

 

(オレの「答えを出す者(アンサー・トーカー)」の能力を使って、「勝つための答え」を出し続けても少しずつしかダメージを与えられない。少しでも気を抜けば……一打逆転の手を打ってくる!!)

 

 

ブラゴの黒い斬撃をかわしながら、電撃で迎撃しながら、マントで防ぎながら、二人の猛攻を凌いでいく。

 

 

(強い……強い……だが!)

 

 

そのときガッシュが呟く。

 

 

「楽しいのう……清麿……」

 

 

その呟きを聞いた清麿は不敵に笑う。

 

 

(ああ……今もなお最強のこのライバルと戦えることが……正々堂々、全力でぶつかり合えることが……楽しくて仕方がない!!!!)

 

 

「勝つぞーーーっ!!ガーーッシュ!!!!」

 

 

 

 

 

 

そして戦いは実に数時間に及び……

 

 

 

 

 

 

「「「「お……おお……おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

幾度目かの術の衝突で、互いに大きく吹き飛んだ。

 

 

(わずかに押されてるわ!このままじゃ……イヤ、ダメよ!私はブラゴを王にする!!)

 

 

シェリーは挫けそうになる心に活を入れ、心の力を捻り出す。

 

 

(こんなところでまた……また……足手まといになるわけにはいかないの!!)

 

 

その心の叫びに呼応するかのように、彼女の持つ黒い魔本も強く光り輝く。

 

それを見た清麿も最大術を発動させるために、赤い魔本に心の力を強く込める。

 

そして互いの最大術を発動させた。

 

 

 

 

 

「バオウ・ザケルガーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

「シン・バベルガ・グラビドン!!!!」

 

 

 

 

 

 

強力な龍の形をした電撃と、相手の動きを封じる強力な重圧が激突する。

 

 

(負けるわけにはいかない……もう……足手まといには……最後ぐらい……ブラゴの力に……ブラゴ……ブラゴ!!)

 

 

「ア……アア……アアアアア!!!!!!」

 

 

シェリーは目を閉じて、自身の持てる限りの力を込めていく。

 

そして再び目の開けた彼女の視線の先にあったものは……

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

その瞬間、シェリーは自分達の負けを悟る。

 

その目から涙が溢れ出る。

 

己の不甲斐なさに心が折れそうになる。

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

「よくやった……シェリー」

 

 

 

 

 

 

その一言が彼女の心を救った。

 

 

 

 

 

 

「よくぞここまで戦ってくれた……よく……このオレについてきてくれた……お前がパートナーでなければ、オレはここまで戦えなかった」

 

 

 

 

 

 

ブラゴの一言が、シェリーの心にストンと収まる。

 

いつの間にか()()()()()()()()()涙は止まっていた。

 

 

 

 

 

 

「お前がパートナーで……オレは幸せだった」

 

 

 

 

 

 

そしてブラゴはシェリーの手を取り、感謝の言葉を伝えると姿を消し、魔界へと静かに帰っていった。

 

黒い本は既に焼け落ちていた。

 

 

 

 

 

 

一方、ブラゴとの戦いを制したガッシュ達は雄叫びを上げていた。

 

 

「お……おお……おおおおおお……おおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 

 

「勝った……勝ったーーーーーー!!!!!!」

 

 

そのとき清麿の持つ赤い魔本が金色に光り輝き、空中へと浮かぶ。

 

そのまま停滞すると、独りでにページが開かれる。

 

そのページを見ると、二人は直接心の中に語られているかのような不思議な感覚にとらわれた。

 

 

『おめでとうございます。ガッシュ・ベル!!よくぞ、この100名の魔物の子供の戦いを勝ち抜きました』

 

 

魔本はゆっくりと告げる。

 

 

『あなたが魔界の王様です』

 

 

その一言に、二人は本当に勝ったのだと、今更ながらに実感が湧いてきた。

 

 

本の持ち主(パートナー)である高嶺清麿。最後まで共に戦ってくれたことにお礼をいいます。そして、人間の世界にご迷惑おかけした事をお詫び申し上げます。今のこの時点を以ち、今までの魔物の戦いにおいて、傷ついた人、物、自然を元の状態へと戻します』

 

 

そして二組の魔物の術の激突で荒れ果てていた山は綺麗な自然を取り戻す。

 

恐らく、他の国や地域でも同じような現象が起きていることだろう。

 

 

『では、魔界の王、ガッシュ・ベルの本の持ち主(パートナー)、高嶺清麿。あなたに最後の選択を求めます』

 

 

すると魔本はある選択を迫ってきた。

 

 

『高嶺清麿にとって、ガッシュと共に戦ってきたことが苦痛であったならば、ガッシュとの記憶を消し、代償として、あなたが望むだけの財産を与えましょう。逆に、ガッシュとの思い出を残したいならば、財産を与えることはできません。どうしますか?』

 

 

だが清麿の選択は既に決まっていた。

 

 

「ガッシュとの思い出は、オレの心に残す。『財産』はもう……オレの心に……」

 

 

金色の魔本は清麿の選択に喜んでいるのか、尚一層輝きを増した。

 

 

『おめでとう。高嶺清麿!!!!あなたの選んだ財産は、きっとこれからの生きる道を金色(こんじき)に輝かすことでしょう。つらき時も、悲しき時も、その「財産」はあなたの心を支えてくれるでしょう』

 

 

そして二人にも、とうとう別れの時がきた。

 

 

『では、別れの時を……二人とも、心の準備はいいですか?』

 

 

ガッシュと清麿は()()()()()()()()

 

 

「清麿……」

 

 

「ああ、泣きはしない。オレ達の別れはもうすました。そうだよな?」

 

 

「ウヌ……あの……清麿の卒業式で……」

 

 

二人は約束した。

 

笑顔で別れようと。

 

また会おうと。

 

別れは悲しみだけではない。

 

次にまた大きく成長するための旅立ちでもある。

 

だから二人は笑顔で別れた。

 

清麿が視線を下げると、()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()

 

清麿の目から数滴の涙が零れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数週間後……

 

清麿はある高校の前にいた。

 

そこは東京都高度育成高等学校。

 

ここで清麿は刺激的な三年間を送ることになる。




次回は入学式。

清麿のクラスはBクラスです。

では、また( `・∀・´)ノ

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