高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

今回はプールの授業ですはい。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第十一話 プールの授業

早いもので清麿が高度育成高等学校に入学して、一週間の月日が過ぎた。

 

その間に清麿は、五月から本格的に始まるであろうAクラス争奪戦に向けて動き始めていた。

 

まず清麿が手始めに(おこな)ったのは敷地内にある施設の把握である。

 

しかしあまりにもエリアが広いため、友人達と共に二日に分けて散策することに。

 

一日目は主要施設、二日目はあまり人が寄りそうにない箇所を中心に回る。

 

勿論、監視カメラの場所も大まかにはであるが把握していく。

 

学校内にある施設には、ショッピングモールから娯楽施設まで様々な店があり、基本的には大勢の生徒達で賑わいを見せていた。

 

その内、監視カメラのない場所もいくつかあった。

 

主にカラオケや漫画喫茶、個室を完備している飲食店などである。

 

次に清麿が取り組んだのは、自身のポイントの増加である。

 

有栖から予め聞いていたギャンブル、賭博の実態を掴むという調査も兼ねていた。

 

彼が最初に調査に行ったクラブは勿論、チェス部である。

 

清麿は有栖とチェス勝負をしてからすっかりチェスにはまり、書店で数冊のチェス本を買うまでになっていた。

 

あれから数日しか経っていないものの、持ち前の頭脳を活かして、ある程度の戦略や戦術を頭に叩き込み、始めた当初よりは確実に強くなっていた。

 

そして有栖の話通り、実際にチェス部ではポイントの賭け試合が行われていた。

 

しかし、チェス部自体の雰囲気は和やかであり、和気藹々(わきあいあい)としていた。

 

当初、清麿はもっと殺伐としている雰囲気を想像していたのだが、部室を訪ねたときも丁寧に対応してくれたり、賭け試合を申し込んだときも逆に闘志を燃やしていたほどだ。

 

清麿はその場にいた五人の部員と試合をしたが、全戦全勝し、見事にチェス部員を驚かせた。

 

その影響で全力で部員に勧誘されたが、他の部活も見てみたいと言うことでなんとか断った。

 

というか、生徒会に所属することが既に決まっているので、どちらにしろ部活に入ることはできないのだが。

 

将棋部や囲碁部などでも、賭け試合は行われていた。

 

しかし、一種の娯楽として行われており、基本的には健全な範囲での賭け試合であった。

 

勿論、この二つの部活でも全戦全勝し、清麿の懐も随分と温まり、8万ポイントだったポイントも60万ポイントとなった。

 

試合を進めるにつれて5万ポイント、10万ポイントと賭けるポイントも徐々に高くなっていったために、これほどまでになったのである。

 

だがそのおかげで、各部活の部員や部長ともある程度仲良くなることに成功し、連絡先を交換することもできた。

 

清麿は他の部活動の見学にも回った。

 

文化部で基本的に賭け試合が行われている部活はチェス部、将棋部、囲碁部だけであるが、競技カルタ部でも主に部員間で軽いゲームとして行われていた。

 

あとは運動部、競技系や格闘系でも一種のゲームとしてポイントのやり取りが行われていた。

 

どうやらこの学校では、()()()()()()()()()()()()()()()()()ようだ。

 

そして()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それが知れただけでも、清麿にとっては収穫であった。

 

余談ではあるが、清麿が様々な部活を見学し、動き回っていたことは既に上級生の間で話題となっていた。

 

しかもチェス部、将棋部、囲碁部の面々を鮮やかに倒し、ポイントを稼いだその手腕もあって、ますます注目されつつある存在となっていた。

 

その影響で高嶺清麿率いる一年B組はもしかしたら、最初のポイント支給日でAクラスに上がるかもしれないと、密かに期待されていたりする。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

その日のBクラスの男子のテンションは高かった。

 

 

「今日は男女合同の水泳大会だ!!」

 

 

一人の男子生徒が叫ぶと、他の男子生徒達も奇声を発する。

 

昼休みが終わり、午後の授業は男女合同での水泳の授業がある。

 

清麿達Bクラスも例に漏れず、男子更衣室と女子更衣室に分かれて着替えを始める。

 

 

(まさか四月から水泳の授業があるとはな……)

 

 

清麿もトランクスタイプの学校指定の水着にさっさと着替えると、プールサイドへと出る。

 

 

「これはすごいな……」

 

 

その瞬間、彼は目を見開く。

 

完全な屋内プールであり、まるでスポーツ選手専用の設備のようであった。

 

 

(さすが国主体の名門校……お金のかけ方が違うな)

 

 

清麿が50Mプールに圧倒されていると、同じく着換えを終えた柴田と神崎がやってきた。

 

 

「やっぱこの学校はすげぇなあ!!」

 

 

「街のプールよりも凄いんじゃないか?」

 

 

二人も圧倒されているようで、特に柴田は目を大きく輝かせていた。

 

 

「女子はまだみたいだな」

 

 

清麿がキョロキョロと周りを見渡すと、いるのは男子だけであり、女子はまだのようであった。

 

 

「着替えに時間がかかるんだろう」

 

 

清麿の呟きに神崎が答える。

 

すると柴田がからかうように、清麿に声をかける。

 

 

「なんだ〜高嶺〜?もしかして女子の水着姿が気になるのか〜??」

 

 

「急になんだ柴田よ……というか、ひじ打ちはやめろ。地味に鬱陶しい……」

 

 

「なあに〜澄ました顔してんだよ〜?白状しちまえよ〜??女子の水着が気になるんだろ〜???特に一之瀬の水着が気になるんだろ〜????」

 

 

「な、なんでそこで帆波が出てくるんだ……」

 

 

「決まってんだろ?そんなの……「何の話?」……どわあああああ!?」

 

 

すると気が付けば、件の帆波が清麿達のすぐ側までやってきており、横からヒョイッと覗き込むように現れた。

 

柴田は目に見えて慌てる。

 

 

「い、いいいいい一之瀬!?一体いつからそこに!?」

 

 

「いつからって、ついさっきだけど」

 

 

帆波が首をコテンと傾げながら答える。

 

 

「そ、そっか。べ、別になんでもないから、気にするなって……」

 

 

「そう?分かった〜」

 

 

すると帆波は清麿、柴田、神崎の身体をマジマジと見つめる。

 

 

「三人とも凄い身体してるね〜。特に清麿君が細身の理想的肉質っていうか」

 

 

そして何を思ったのか、清麿の腹筋をツンツンとつつき始めた。

 

 

「帆波よ……なぜツンツンしてくるんだ?」

 

 

「え?だって綺麗に六つに割れてるし、ちょっと気になっちゃって」

 

 

清麿は顔を赤くさせながら、視線を上へと持っていく。

 

帆波は容姿端麗でスタイルが良い。

 

しかも帆波の方が身長が低いため、清麿と話すときは必然的に上目遣いとなってしまう。

 

そのため、破壊力が凄まじいことになっている……特に胸部装甲が。

 

 

(め、恵さんよりも大きいんじゃないか……?)

 

 

清麿は友人である大海恵を思い出す。

 

恵は容姿、スタイルともに非常に優れた超人気アイドル歌手であり、グラビア撮影なども経験がある。

 

なんなら恵本人からのプレゼントで、清麿は恵の水着写真集をもらっていたりする。

 

ちなみに、ティオ曰く「恵の水着写真集は、清麿のデザート」だとかなんとか。

 

その恵よりも、帆波のスタイルは良いように思える。

 

 

(いや、下手すればビッグ・ボイン並みにあるんじゃ……?)

 

 

そしてそこで新たに清麿の脳裏で出てきた人物は、ナゾナゾ博士率いるMJ12(マジョスティック・トゥエルブ)が誇る最終兵器。

 

ビッグな胸を武器に、敵を困惑の渦に巻き込む超能力者?の一人。

 

その名もビッグ・ボイン。

 

帆波の胸の大きさは、そのビッグ・ボインにも匹敵するほどの大きさであった。

 

ちなみビッグ・ボインの必殺技は、自分の胸を叩く『ボインチョップ』である。

 

帆波も使おうと思えば使えるかもしれない……。

 

 

「うわ〜広〜い」

 

 

「中学の時のプールより全然凄い〜」

 

 

「さすが高度育成高等学校……!!」

 

 

そのとき、女子生徒達が更衣室から一斉にプールサイドへと出てきた。

 

テンション高めに出てきたことから、プールの授業が楽しみだったのかもしれない。

 

ちなみに女子の水着姿を見た男子達が、一斉に視線を逸らしたのは言うまでもない。

 

思春期男子達に女子の水着姿は眩しすぎて、視界に入れられないのだ。

 

 

(……このクラスは容姿が優れている女子が多いな)

 

 

特に目を引くのが一之瀬帆波を筆頭に白波千尋(しらなみちひろ)姫野(ひめの)ユキ、網倉麻子(あみくらまこ)安藤紗代(あんどうさよ)小橋夢(こはしゆめ)南方(みなみかた)こずえといった美少女達である。

 

それぞれタイプの違う美少女であり、男子達の視線を釘付けにしていた。

 

 

 

 

 

 

「よーし!お前らー!集合しろー!!」

 

 

 

 

 

 

そのとき、体育教師が集合をかけてくる。

 

筋肉質な男性であった。

 

 

「ほら、帆波。いつまでも腹筋つついてないで、さっさといくぞ」

 

 

「あ、うん……」

 

 

清麿は先程からずっと腹筋をツンツンしてた帆波に注意すると、整列を促す。

 

帆波はというと、少し残念そうにしながらもちゃんと自分の列に整列しにいった。

 

体育教師は話す。

 

 

「見学者は無しか。さすがはBクラス。この調子で次も頼むぞ。早速だが、準備体操をしたらお前達の実力がみたい。泳いでもらうぞ」

 

 

体育教師の言葉に一人の男子生徒が、弱々しく手を上げる。

 

 

「あの、俺、泳げないんですけど……」

 

 

「俺が担当するからには、必ず夏までに泳げるようにしてやる。安心しろ」

 

 

「いえ、別にそこまでしなくても……」

 

 

「まあ、そう言うな。今どれだけ苦手でも構わんが、克服はさせる。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

清麿は体育教師の言葉に違和感を抱く。

 

 

(またえらく念を押して言うな……。夏に何かあるのかもしれん)

 

 

清麿は今後の方針を考えつつ、授業に集中する。

 

全員で準備体操をした後、50m程泳ぐように指示を出される。

 

泳げない生徒は別に足をつけても構わないらしい。

 

プールに入ると、温度は適切に調整されており、冷たいと感じることはほとんどなく、すぐに身体に馴染んだ。

 

清麿は軽く50m泳ぐと、上にあがり、皆の様子を見ていた。

 

そして全員が泳ぎ終わったのを確認すると、体育教師は言う。

 

 

「では、早速だがこれから競争をする。男女別50m自由型だ。1位になった生徒には、俺から特別ボーナス5000ポイントを支給しよう。一番遅かったやつには逆に補習があるから覚悟しろよ」

 

 

レースはそれぞれ二回する。

 

 

「女子男子共にタイムの早かった上位5人で決勝をやる!!」

 

 

簡単に言えば、予選と決勝に分けてやるのだ。

 

まずは女子からだ。

 

男子達は女子には聞こえないほどの声量で盛り上がる。

 

 

「スタイルが良いのはやっぱり一之瀬さんだよなあ」

 

 

「胸の大きさは安藤さんが一番でかいって」

 

 

「身体のバランスが良いのは断然白波だな!」

 

 

「なんの!網倉だって負けてないぜ!!」

 

 

「姫野のスレンダーな体型が良いに決まってんだろ」

 

 

「小橋ちゃんの癒やしオーラには誰も勝てねぇって」

 

 

「こずえちゃんの萌えが最強だ」

 

 

男子生徒達はそれぞれの意見を飛ばし合う。

 

女子にバレたら間違いなく袋叩きにされる内容であるが、これも男子高校生の(さが)なのだ。

 

男子高校生とエロとは、切っても切れぬ関係なのだ。

 

ほとんどの男子高校生にとって、エロこそ青春。

 

エロこそ生命力の証なのである。

 

そして女子のレースはすぐに終わると、続いて男子のレースが始まる。

 

ちなみに女子は水泳部の女子生徒が1位となり、見事5000ポイントをゲットしていた。

 

清麿は最初の組であり、1コースである。

 

 

「清麿君がんばれ〜!」

 

 

帆波が大きな声で応援する。

 

清麿は片手を上げて応えると、スタート台へと上がる。

 

そして笛が鳴ると、勢いよく飛び込んだ。

 

清麿は綺麗なフォームで泳いでいく。

 

そのままグングンとスピードを上げ、2位と大きく差を広げてゴールした。

 

タイムは24秒24であった。

 

 

「「「「「おぉ!!」」」」」

 

 

女子達がはしゃぐ。

 

 

(予想以上に良いタイムだ……)

 

 

出した本人も驚いていた。

 

柴田と神崎も好タイムを叩き出し、清麿と同じく決勝へと駒を進めた。

 

そして清麿、柴田、神崎の三人を含む五人で決勝をすることに。

 

 

「神崎、高嶺も……負けねぇぜ」

 

 

「望むところだ」

 

 

「オレだって負けないさ」

 

 

柴田は二人に笑いかけながら、自身を鼓舞するように発言する。

 

負けじと神崎と清麿も言い返す。

 

そして決勝が始まった。

 

五人の男子生徒が一斉にスタートする。

 

開始早々に清麿、柴田、神崎が躍り出る。

 

しかしほどなくして、清麿が二人の頭一つ分前に出る。

 

そのまま清麿はペースを落とさずに1位でゴールした。

 

 

「「「「「キャー!!」」」」」

 

 

女子達は盛り上がる。

 

清麿のタイムは先程より早い23秒98であった。

 

清麿に柴田と神崎が話しかける。

 

 

「あぁー!負けちまったー!!」

 

 

「速いな、高嶺」

 

 

「まあ、色々あったからな」

 

 

清麿の身体能力は、並の高校生よりもはるかに高い。

 

それはガッシュと共に魔界の王を決める戦いを乗り越えていくなかで、自然と身体の方も成長していったからだ。

 

そして清麿は無事5000ポイント手に入れることに成功した。

 

しかしこの授業以降、水泳部に勧誘されるのが多くなったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

今日の授業も終わり、清麿は寮へと戻る。

 

この一週間は、特にトラブルなく平和な日々であった。

 

清麿がBクラスで呼び掛けて以降、クラスの面々はさらに真面目に授業に取り組み、遅刻欠席なども特にない。

 

これなら減点も少ないだろう。

 

しかし清麿には一つの懸念があった。

 

それは他クラスの動向であった。

 

清麿はクラスメートに、他クラスのことをできる範囲で良いので調べてくれと頼んでいる。

 

そのこともあって、清麿はクラスメート達にボイスレコーダーを持たせている。

 

何かあったときにすぐに録音させることで、証拠能力としては有効であるからだ。

 

今のところはどのクラスも特に目立った動きはないが、警戒しておいて損はないだろう。

 

 

(このまま何事もなければいいが……)

 

 

そう思いながら清麿はポストを開ける。

 

すると中には一通の()()()()が入っていた。

 

 

「ん?手紙??」

 

 

差出人を見てみると、清麿は驚愕する。

 

なぜならそこには、()()()()()()()()()()()()()()()()()からだ。

 

差出人の名前は……『ガッシュ・ベル』。

 

清麿の生涯の友、親友の名前が書かれていた。




次回はガッシュからの手紙について触れます。

とはいっても、軽く触れるだけなのでそこまで掘り下げんとです。

重要なのは清麿が手紙を読み終わってから後なので。

読み終わった後、赤い封筒は赤い本へと変わり、空へと飛んでいきますが……もし、それを目撃している人物達がいたとしたらどうなるでしょう?

では、また( `・∀・´)ノ

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