続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
清麿がポストを開けると
「ん?手紙??」
これは普通ならあり得ない。
この高度育成高等学校では、特別な事情がない限り、外部とのやり取りの一切を禁じている。
それは郵便物とて例外ではない。
(誰からだ?もしかして……ラブレターかっ!?)
だが、学校内にいる人物なら別である。
清麿は戸惑う。
しかし、内心は少しだけワクワクしていた。
そして清麿が赤い封筒を手に取り、差出人の名前を見ると、その目が驚愕に変わる。
「ん!?お……おおお……」
何度も目をこすって、名前を確認する。
頬をつねって、夢かどうかも確認する。
何度目をこすっても、目の前の名前は変わらないし、頬をつねっても、ちゃんと痛みは感じる。
つまり……夢ではない。
清麿はようやく現実を認識した。
「ガッシュからの……手紙!?」
なんと魔界に帰ったはずのガッシュから手紙が届いたのだ。
◆◆◆
清麿は急ぎ足で部屋へと戻る。
そして鞄をベッドの上に放り投げると、学習机の上に手紙を置いた。
「オレの所に来たということは……きっと、他の人もそれぞれの魔物から……」
清麿の推測は正しい。
この手紙は、魔界の王を決める戦いの終了からおよそ一ヶ月が経過すると、戦いに参加した魔物の子達の元へどこからともなく現れる。
そして、元パートナーに一度だけ送ることが可能なのだ。
清麿はさっそく封を開けると、手紙を読む。
(お……魔界の文字だが、意味は心に伝わるぞ)
『清麿、元気かの?ガッシュなのだ。清麿とお別れしてから大体一ヶ月かの……』
現在の日付は4月8日であり、ガッシュが魔界に帰ったのは3月8日である。
丁度一ヶ月の月日が経っており、どうやら人間界と魔界の経過する時間に、あまり差はないようだ。
『魂だけとなった魔物は、私が全ての者に肉体を与え、魔界は今、皆の者が平和に暮らしているのだ。子供のみんなも学校に通い、新しい友達もたくさん増えたのだ。皆が同じ学校ではないが……皆楽しそうに暮らしておるぞ』
かつて王を決める戦いで魔物が残り10名となった時点で、【王の特権】が知らされた。
この【王の特権】とは、次の魔界の王にのみ与えられる特権で、最後に生き残った魔物だけが行使できる特別な権利である。
その具体的な内容とは、魔界の全ての魔物は肉体を奪われて魂だけとなり、王が望んだ魔物にのみ再び肉体を与えられるというもの。
王が望めば、知らない魔物の情報も王の脳に送られ、その上で残したい魔物を選別することが可能という、自分が残したい魔物だけの魔界を作ることができる……ゼオン曰く『もう1つの地獄』と称するもの。
クリアはこの【王の特権】を使い、全ての魔物を滅ぼそうとしていたのだが、ガッシュ達の活躍により、その野望は断たれたのである。
『そして、私は
王になったとはいえ、ガッシュはまだ6〜7歳の子供だ。
これから魔界を統治する王として、様々なことを学び、経験していくのだろう。
『そんな忙しさも少し落ち着いた時に……私達魔界の王を決めるために選ばれた100名の魔物の子供に……このお手紙セットが現れたのだ。望むならば、人間界に一度だけ手紙を送れると言う』
清麿は納得する。
(なるほどな。手紙があったときは何事かと思ったが、そういうことか。それにしてもガッシュの奴……頑張ってるんだな)
そして清麿は続きを見る。
『清麿、私は今になって思うのだが、この王を決める魔物同士の戦いは正しきものではないかと思ってる。確かにこの戦いはつらきことや、ひどいことがたくさんあった。しかし、私はこの戦いで清麿と友達になれた。協力できることの嬉しさを知った。悪い
清麿はガッシュの『やさしい王様』という願いを叶えるために、一緒に戦う決意をした。
しかし、王候補の中にはなんの関係もない人達を巻き込もうとする魔物や、己の私利私欲のためだけに魔物の術を利用する人間だっていた。
だが、そんな王を決める戦いでも辛いことばかりではなかった。
周りがすべて敵にも関わらず、たくさんの仲間に出会えた。
勝利や敗北から成長を学び、どんなに辛い現実でも、挫けずに前に進む強さを得た。
ひとりでは決して、戦い抜くことはできなかっただろう。
『この「神の試練」と呼ばれた戦いは、これからの千年を生きるため、こんな大切なことを私達に教えてくれるものではなかったのだろうか?そして、清麿達人間の力を借りて戦うことも、同じようなことを人間に教えるためではなかろうか?最後の敵、クリアは、自分のことを人間界の「核兵器」と言っていた。魔物や人間は、そのような恐ろしい力を生み出してしまう。そのような恐ろしい力から我々を守るのは、我々の持つ強き心の力ではないか?』
人は決して一人では生きていけない。
それは魔物にも言えることだ。
人間と魔物。
両者共にその気になれば、世界を簡単に滅ぼす力を有している。
力が悪いのではない。
それを操る者の心の持ちようで、如何様にでも変わるのだから。
『ヌ、そうだ、清麿、実はクリアは今、生きておる。私達のバオウが食べたのは、悪い消滅の力だからの……。力を失ったクリアは、前の記憶、性格、姿はもうない。「ワイト」という名の魔物の子として、学校に通っておるのだ。これからは楽しい生活が送れると良いの。ちなみに、そのワイトがクリアの生まれ変わりというのは、私しか知らない秘密なのだ。フフフフフ……』
ガッシュはかつて、アメリカのロッキー山脈にて、クリアとの最終決戦に望んだ。
途中、クリアの放った『シン・クリア・セウノウス・バードレルゴ』や、『シン・クリア・セウノウス・ザレフェドーラ』の妨害を受けるものの、ウマゴンとティオの奮闘もあって、無事ロッキー山脈にたどり着く。
そして、先にクリアと戦っていたブラゴと共に作戦の要である『共闘』をすることで、圧倒的な強さを持つクリアを追い詰めることに成功するが、『完全体』へと進化したクリアによって、逆に両者が追い詰められてしまう。
クリアの完全体。
それはクリアの『消滅の力』の本質である『シン・クリア・セウノウス』がクリア本人を取り込み、変貌を遂げた姿であった。
『消滅の力そのもの』であると同時に、生まれた時からクリアに内封されていた『魔物を滅ぼす』という意思の源でもある。
悪魔じみた圧倒的巨体を誇り、尻尾の一振りで周囲の地形全てを平らにすることから始まり、体中にある穴から消滅弾を連射、口から強力な消滅エネルギー波を放ち、力を溜めて全方位に凄まじい威力の消滅エネルギーの放出、複数の巨大な無数の消滅弾や、強大な消滅波など……全身が消滅エネルギーで出来た武器同然の身体を持つ。
清麿の『
圧倒的な力の差を見せつけられ、追い詰められてもあがき、ボロボロになりながらも必死に立ち向かうガッシュを、クリア完全体は嘲笑するが、そのとき奇跡が起こる。
ガッシュの本が金色に輝くと、魔界で魂となっている魔物の子達が、金色の本へと集結したのだ。
そしてガッシュは、仲間のそれぞれの最強術を使うことで、クリア完全体を追い詰める。
クリア完全体は、自身の力の回復と充填のために宇宙へと逃亡するが、最後はガッシュと全ての魔物の子達の想いが一つとなって生まれた『シン・ベルワン・バオウ・ザケルガ』により、完全に消滅したのである。
そのクリアの生まれ変わりがワイトという魔物であり、無邪気な性格なのか、魔界で楽しく暮らせているようだ。
『清麿、いつかまた会おう。残念ながら本が消えた今は、人間界へ行く道が閉ざされてしまったようで、ファウードの転送装置を使っても、人間界へは行けなくなった。だが、いつか人間界へいく方法を見つけ、清麿に会いにゆく。また会う時は、お互いに胸を張って会える大人に成長していよう。約束だぞ、清麿』
清麿は手紙を読み終えると、同封されていた一枚の写真を見る。
それは、魔界の王を決める戦いに参加した魔物の子達の集合写真であった。
王となったガッシュを中心に、皆が笑顔で写っていた。
それを見た清麿の中で、覚悟のような物が決まった。
「ああ、約束だ。次に会う時はもっと大きく……」
ガッシュとの約束を果たすために。
「地球を救うほど大きくなって、お前を驚かせてやる!!」
まずはこの学校を、なんとしてもAクラスで卒業するという覚悟ができた。
「また会おう、ガッシュ」
負けられない理由が、清麿に出来た瞬間であった。
すると赤い封筒は独りでに浮き上がり、窓へと飛び出す。
そして赤い魔本へと形を変えると、役目は終えたと言わんばかりに空へと猛スピードで飛んでいった。
「あれは……赤い本?」
「……疲れが溜まっているのだろうか?」
「あ、赤い本が飛んでる〜…………え?」
「…………いたっ。幻覚ではないようだ」
「ククククク……この学校にはお化けでも出んのか?」
「ほ、本が、本が空を飛んでます!!」
「綾小路君……気のせいかしら?赤い本が空を飛んでいるように見えるのだけど」
「いや、気のせいじゃないぞ堀北。オレにもそう見える」
この赤い魔本を目撃したことで、
次回は時間飛んで五月一日にするかも……。
ここで何個か質問あったので答えます。
ファウードに関しては、この世界の人々は勿論覚えてます。特集も組まれてニュースにだってなってます。
あとこの魔本に認識阻害の力等は特にありませぬ。
綾小路達八人以外にももちろん、目撃している人物はいます。
ただこの八人は清麿と繋がりが強くなるため、ピックアップしました。
では、また( `・∀・´)ノ