続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
「……よし、今日はここまでだな」
「はぁ……はぁ……はぁ……あ、ありがとう……ございました……」
清麿は帆波との、いつものランニングを終える。
以前、二人は早朝に会ってからというもの、ほぼ毎日こうして一緒にランニングをしている。
というのも帆波が身体を鍛えたいと言ってきたため、清麿がこうして指導も兼ねて一緒に走っているのだ。
清麿は、帆波のこれまでの記録と照らし合わせながら、彼女の基礎体力を効率よく向上させていくトレーニングメニューを『能力』も駆使して作成していた。
その成果もあって、ランニングを始めた当初より、帆波の体力は確実に伸びていた。
最初は何度か歩いていたのだが、最近はやっと慣れてきたのか、ペースを落とさずに走り切ることができるようになったのだ。
「あとは軽く柔軟をやったら、今日のメニューは終わりだ」
「う、うん……」
帆波は息を整えながら柔軟を行う。
清麿は彼女の補助をしながら話す。
「大分体力もついてきたな。これなら次から筋トレメニューを増やしても大丈夫そうだ」
「えぇー……」
「文句を言わない。体力を増やしたいって言ったのはお前だろうに……」
「こんなに本格的な物になるなんて思ってなかったんだよぅ……」
帆波は唇を尖らせながら言う。
清麿は苦笑しながらいじける帆波を慰める。
「ああ、分かった分かった。それじゃ、これ終わらせたら、なんか甘い物奢ってやるから元気だせ」
「むぅ。清麿君、なんか段々、私の扱いが雑になってないかな?」
「気のせいだ」
清麿的には、帆波の扱いを蔑ろにしているつもりはない。
むしろ、入学当初よりも遠慮がなくなっているほどだ。
彼は無意識レベルで帆波と接する態度が、ガッシュと大差がなくなっているのである。
それは一重に、帆波の誰からも慕われる裏表のない性格と、優しく人懐っこいキャラクターがガッシュとそっくりだからだ。
ちなみに天然なところも両者共にそっくりであるため、清麿はもしこの二人が出会ったら、即行で仲良くなるだろうなと確信していた。
そして二人はトレーニングを終わらせると、寮へとゆっくり歩いていく。
「あ、清麿君、良かったら一緒に学校行こうよ!」
「分かった。じゃあ、下で待ち合わせるか?」
「うん!」
二人は一旦寮へと戻る。
清麿はそのままシャワーを浴びて汗を流すと、軽く朝食を取り、学校へ行く準備を手短に済ませ、寮の入口へと足早に向かった。
先についたのは清麿であった。
そのまま端末を弄りながら待っていると、約15分後に帆波が現れた。
「待たせてごめんね〜」
「そんなに待ってないから大丈夫だぞ」
実際は少し待ったが、それを言うと帆波の性格上、気にすることは分かっているため、清麿は敢えて言わない。
二人はゆっくり歩きながら話す。
「いよいよ明日はポイントの支給日だね〜」
「そうだな。やれることはやったつもりだが、これからどうなるか……」
清麿は思考する。
(もし仮に、明日のポイント支給日でAクラスへ上がれたとしても、その維持は一筋縄ではいかないだろう。そうなった場合、恐らく全クラスから何かしらのアクションがあるはずだ。だからこそ早急に、どのクラスにどのようなリーダーがいるのか、どのような考え方をするのかといった情報が必要になってくる……)
情報とは武器だ。
情報があるのとないのとでは、その時点で大きな差ができると言っても過言ではない。
特にこの実力至上主義の学校では、クラス間の情報戦は避けては通れないだろう。
(Aクラスは有栖と葛城のどちらかがリーダーになることは明白。Dクラスは恐らく平田と櫛田の二人が中心になるだろう。だが問題はCクラスだ)
AクラスとDクラスの2クラスについては、ある程度の予測はついているが、Cクラスに至っては詳細な情報がなかなか入ってこないのだ。
(皆からの情報に拠れば、Cクラスのほとんどの生徒が誰も話したがらない、又は話をしようとすらしないんだったな……)
清麿は考える。
(これは明らかに情報の秘匿が行なわれている。だとすれば……確実にCクラスを束ねている奴がいる。しかもそいつは、かなりの慎重さと、優秀さを持ち合わせている。四月末のこの時点で、そいつ自身の情報が全く入ってこないのがその証拠だ。ひよりにもそれとなく話を振ってみたが、曖昧に返されるだけだったしな……。五月からは、そいつも本格的に動き出すと思っておいた方がいいだろう)
清麿がこれからのことについて考えていたとき、隣にいた帆波が力強く告げた。
「大丈夫!」
清麿が思わず視線を向けると、帆波は笑顔を向けて再度言った。
「絶対大丈夫!」
清麿は呆れたような視線で帆波を見る。
「……その根拠のない自信は、一体どこから出てくるんだよ?」
「女の勘!!」
「……はぁー」
「露骨なため息!?」
帆波はアタフタしながら説明する。
「別に根拠がない訳じゃないんだよ!?なんていうか、清麿君と一緒にいると、とても安心するというか!負ける気が全然しないの!!」
「……それこそ全く根拠のない話じゃないか?」
「もう!揚げ足取ろうとしないの!清麿君はBクラスを率いる立派なリーダーなんだから、自信持とうよ!!」
「リーダーだと名乗った覚えはないんだが……」
「でも真っ先に先頭に立って、皆を引っ張てくれてるってことは……私の話、真剣に考えてくれたんでしょ?」
「…………」
清麿は答えずに歩く。
帆波もそのペースに合わせて、歩いていく。
すると清麿がゆっくりと口を開いた。
「まあ、オレにも負けられない理由ができたからな……」
その言葉を聞いた帆波は笑顔で答える。
「そっか」
そして、二人はしばらく無言で歩く。
やがて清麿がポツリと呟いた。
「……そういえば、朝に何か甘い物奢ってやるって話だったな。何か希望はあるか?」
「えーっと、じゃあ、コンビニの何か美味しいスイーツ!!」
「……まだ時間に余裕あるっぽいし、さっそくコンビニ行くか?」
「うん!!」
そして二人はコンビニへと足を伸ばす。
ちなみに清麿が帆波に奢ったスイーツは、新作のミルクプリンであった。
◆◆◆
四月末の三時間目の授業は保健体育である。
保健体育の担当は、この学校の保健医であり、Bクラスの担任でもある星之宮だ。
星之宮は元気よく、教室にやってくる。
「はーい、みんなちょっと聞いて〜。今日は月末だから、小テストやることになったよ〜。これ後ろに配ってね〜」
星之宮が一番前の生徒達にプリントを配っていく。
「えぇ〜聞いてないよ〜」
「抜き打ちテストとかあんのかよ……」
突然、小テストが始まろうとし、一部の生徒から悲鳴のような声が挙がる。
それらを気にせず、星之宮は説明する。
「今回の小テストは、あくまでも今後の参考用だから、成績表
清麿もプリントを受け取るが、彼は星之宮の説明に違和感を覚えた。
(またこの先生は、妙に含みのある言い方をするな……。成績表
「それじゃあテスト開始ね〜。当然カンニングは禁止よ〜」
星之宮はフワフワした声音でそう言うと、小テストが始まる。
まず清麿は問題全体に目を通す。
(ふむ。主要5科目の問題が一科目4問ずつ、全20問で、各5点配当の100点満点か)
そして清麿は問題を解いていく。
内容は思った以上に簡単であるのか、清麿はスラスラと解いていく。
清麿だけではなく、他の生徒達もスラスラと解いていき、あっという間に最後の方の問題にたどり着いた。
しかし、清麿は突如ペンを止める。
終盤の3問だけが、桁違いの難しさであったのだ。
(これは……高校一年の範囲で出てくる問題じゃないぞ……)
最後の3問は数学の問題なのだが、いずれも複雑な数式を組み立てなければ、答えられない問題であった。
清麿はカンニングだと思われない程度に、クラスの中を見渡す。
どうやら終盤の問題には、ほとんどの生徒が躓いており、問題用紙とにらめっこしている光景が見て取れた。
その中で帆波、神崎、浜口の三人は、スラスラとペンを走らせていた。
勿論、清麿も解答用紙に答えを記入していく。
(……この小テストにはきっと何かある)
しばらくして、授業終了のチャイムが鳴り、小テストが終了する。
直後、Bクラスの生徒達はそれぞれのテスト内容について語り合い始めた。
聞こえてくる会話は、終盤の3問についての愚痴や疑問であった。
星之宮は、クラス全員の解答用紙を回収し終えると、教室から退室していく。
清麿はその後を追いかけ、星之宮を呼び止めた。
「先生」
「あら、高嶺君。君なら予想通り、質問に来ると思ってたよん」
星之宮は楽しげに話しかけてきた。
「どうだったあのテスト?難しかった??」
「はい……最後の3問だけ明らかに、高校一年で解けるレベルの問題ではありませんでしたからね」
「でも君は普通に解けたでしょ?」
「ええ、まあ」
清麿は質問する。
「先生、あの問題は一体どういう意図で作られたんです?」
「詳しくは言えないけど、毎年この時期になると、一年生には
マイペースな口調で星之宮は言う。
そんな彼女の言葉に、清麿は違和感を覚える。
(
彼女の口振りではまるで、
すると星之宮は妙に含みのある笑みを浮かべながら、言葉を続ける。
「でも大丈夫。テスト前にも言ったと思うけど、今回のテストの結果は成績表には反映されないからね」
「なら、それ以外の物には反映されると?」
清麿がそう質問すると、星之宮は呟いた。
「君は本当に面白い子だね。残念だけど、その質問には答えられないかな。じゃあ、またあとでね〜」
そのまま星之宮は何も言わず、黙って職員室へと歩いていった。
清麿はその後ろ姿をジッと見つつ、未だに考え込んでいた。
(毎年同じ問題……一体どういうことだ?)
清麿のその疑問は、五月に入ってから分かることとなる。
そして翌日……
五月を迎え、さっそく波乱の実力至上主義の学校生活が幕を開けることとなる。
A→Bクラス 940
B→Aクラス 950
Cクラス 490
Dクラス 0
クラスの入れ替わりが発生した。
Aクラスになりました。
しかし差などあってないようなものです。
ここから原作とは少しずつ違った展開になってきます。
どう違ってくるのか見所ですはい。
次回は堀北兄と対面。
では、また( `・∀・´)ノ